JP2572410Y2 - 自動販売機の冷却装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、冷却加温システムを備
えた自動販売機の冷却装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、自動販売機は、販売商品の多様化
に伴ない、冷温兼用形の多室形自動販売機が増加し、１
つの圧縮凝縮装置で多室を冷却するシステムが提案され
ている。

【０００３】この種の従来の自動販売機について、特公
昭60-30996号公報の発明を例として図３ないし図６によ
り説明する。

【０００４】図３および図４は、従来の自動販売機の構
造を模型的に示した正面断面図および側面断面図、図５
はその冷凍サイクルを示す構成図、図６はその制御回路
図である。

【０００５】図３および図４において、自動販売機の本
体１は、中央に形成された隔壁１aで仕切られ、前方開
口部にそれぞれ開閉自在に枢着された扉２の内側に、コ
ールド商品専用収納室３aとコールド・ホット商品兼用
収納室３bが形成されている。また、本体１の下部に配
置された機械室４には、圧縮機５、冷却用モータファン
６および凝縮器７を組み合わせた冷媒凝縮装置が設置さ
れ、さらに、上記のコールド商品専用収納室３aおよび
コールド・ホット商品兼用収納室３bのそれぞれの下部
に区郭された冷却器室８aおよび冷却・加熱器室８bに
は、冷却器９aおよび９b、循環用モータファン10aおよ
び10b、又冷却・加熱器室８bにはさらに加熱器11を組み
合わせた冷却装置および冷却・加温装置が設置されてい
る。

【０００６】図５に移って、一点鎖線の枠で囲った機械
室４の凝縮器７と、同じく一点鎖線の枠でそれぞれ囲っ
た冷却器室８aおよび冷却・加熱器室８bの冷却器９aお
よび９bとは、その入口にそれぞれ装着された毛細管12a
および12bを介して並列に接続され、さらに、その分岐
点と後者の冷却器９bとの間に電磁弁13′が設けられて
いる。さらに、それぞれの冷却器９aおよび９bの出口に
冷却器用の第１および第２サーモスタット14aおよび14b
が配置されており、それぞれコールド商品専用収納室３
aおよびコールド・ホット商品兼用収納室３bの冷却温度
を制御している。また、コールド・ホット商品兼用収納
室３bの加熱温度は、加熱器11に配置された加熱器用サ
ーモスタット15により制御される。

【０００７】図６に移って、コールド・ホット商品兼用
収納室３bの環境の切換えは、上記の電磁弁13′および
加熱器11にそれぞれ冷却器用第２サーモスタット14bお
よび加熱器用サーモスタット15を介して接続された冷温
切換スイッチ16で行われる。なお、コールド商品専用収
納室３aの冷却器用第１サーモスタット14aで温度制御さ
れる機械室４の圧縮機５と冷却用モータファン６は、冷
却器用第１サーモスタット14aを介して並列に、コール
ド商品専用収納室３aおよびコールド・ホット商品兼用
収納室３bの循環用モータファン10aおよび10bは、常時
運転されるので、直接並列に電源が接続されている。

【０００８】以上のように構成された自動販売機の冷却
装置の動作を説明する。

【０００９】まずコールド商品専用収納室３aおよびコ
ールド・ホット商品兼用収納室３bが共にコールドの場
合は、冷却器用第２サーモスタット14bによって電磁弁1
3をＯＮ，ＯＦＦしコールド・ホット商品兼用収納室３b
の温度制御を、また、冷却器用第１サーモスタット14a
によって圧縮機５および冷却用モータファン６をＯＮ・
ＯＦＦしコールド商品専用収納室３aの温度制御を行
う。

【００１０】次にコールド商品専用収納室３aをコール
ドでコールド・ホット商品兼用収納室３bをホットで使
用する場合は、切換スイッチ16によって、電磁弁13をＯ
ＦＦに、変って加熱器11をＯＮにし、加熱器用サーモス
タット15によって加熱器11を制御しコールド・ホット商
品兼用収納室３bの温度制御を、また、冷却器用第１サ
ーモスタット14aによって圧縮機５と冷却用モータファ
ン６をＯＮ・ＯＦＦしコールド商品専用収納室３aの温
度制御をそれぞれ行う。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
構成では、コールド商品専用収納室３ａ、コールド・ホ
ット商品兼用収納室３ｂが共にコールドの場合に、コー
ルド商品専用収納室３ａに冷えた商品を、また、コール
ド・ホット商品兼用収納室３ｂに温かい商品を入れた場
合コールド・ホット商品兼用収納室３ｂの冷却が必要に
もかかわらず、コールド商品専用収納室３ａの冷却器用
第１サーモスタット１４ａによって圧縮機５および冷却
用モータファン６が制御されるため、コールド・ホット
商品兼用収納室３ｂを所定の温度まで短時間で冷却でき
ないという問題があった。

【００１２】本考案は上記の問題を解決するもので、共
にコールド商品の場合に各収納室の冷却負荷が異って
も、所定の温度に冷却できる自動販売機の冷却装置を提
供するものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本考案は、圧縮機、凝縮器および冷却用モータファ
ンからなり本体下部の機械室に設けられた冷却凝縮装置
と、前記本体の上部を仕切って設けた複数の商品収納室
と、前記商品収納室にそれぞれ設けられた冷却器と、前
記冷却凝縮装置と前記各冷却器との間の配管にそれぞれ
設けられた電磁弁および毛細管と、前記各商品収納室に
設けられた循環用モータファンと、前記各商品収納室に
設けられ前記各電磁弁の開閉を制御するサーモスタット
とを備え、少なくとも１つの前記商品収納室には前記冷
却器とともに加熱器を設け、前記冷却器のみが設けられ
た前記商品収納室をコールド商品専用収納室とし、前記
冷却器とともに前記加熱器が設けられた前記商品収納室
をコールド・ホット商品兼用収納室とし、このコールド
・ホット商品兼用収納室がコールド運転されている場
合、すべての前記サーモスタットの接点が開いた時にの
み前記圧縮機を停止し、前記圧縮機が停止している状態
からは、冷却負荷が最も大きい前記コールド商品専用収
納室のサーモスタットの接点が閉じた時に初めて圧縮機
を起動するものである。

【００１４】

【作用】上記の構成により、コールド・ホット商品兼用
収納室がコールド運転されている場合、すべての前記サ
ーモスタットの接点が開いた時にのみ前記圧縮機を停止
し、前記圧縮機が停止している状態からは、冷却負荷が
最も大きい前記コールド商品専用収納室のサーモスタッ
トの接点が閉じた時に初めて圧縮機を起動するものであ
るから、各商品収納室の冷却負荷が異なっても、実際
上、冷却負荷が最も大きい収納室のサーモスタットによ
って圧縮機が制御されることになり、その他の収納室
は、電磁弁を開閉することにより室温が調整されるの
で、各収納室共所定の冷却性能を得ることができ、コー
ルド・ホット商品兼用収納室をホットからコールド運転
に切換えた場合でも、冷却負荷が最も大きいコールド商
品専用収納室に対する冷却開始後には、コールド・ホッ
ト商品兼用収納室内の商品を短時間で設定温度まで冷却
できる。

【００１５】

【実施例】本考案の一実施例を図１、図２により説明す
る。

【００１６】図１は本考案による冷凍サイクルの構成
図、図２はその制御回路図である。

【００１７】図１および図２において、本実施例が図５
および図６に示した従来例と異なる点は、図１に示すよ
うに、機械室４の凝縮器７から冷却器９aおよび９bに分
れる分岐点から冷却器室８aの冷却器９aとの間に第１の
電磁弁17を取り付けた点と、図２に示すように、新た
に、３個のリレー18，19および20を設け、第１リレー18
を第１電磁弁17と並列に、さらに冷却器用第１サーモス
タット14aと直列に、また、第２リレー19を第２電磁弁
(従来例の電磁弁に相当する)13と並列に、さらに冷却器
用第２サーモスタット14bと直列にそれぞれ接続し、上
記の第２リレー19の接点19aおよび19bの内１個の接点19
aは、第１リレー18の接点18aと並列に、さらに第３リレ
ー20と直列に、接点19bは、第３リレー接点20bと並列
に、さらに第２リレー19と直列に、並列に接続した圧縮
機５と冷却用モータファン６は、第３リレー20の接点20
aと直列にそれぞれ接続した点である。

【００１８】その他は従来例と変らないので、従来と同
じ構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。

【００１９】以上のように構成された自動販売機の冷却
装置の動作を説明する。コールド商品専用収納室３a、
コールド・ホット商品兼用収納室３bが共にコールド商
品の場合、冷却器用第１サーモスタット14aがＯＦＦに
なると、第１電磁弁17、第１リレー接点18aがＯＦＦと
なる。さらに冷却器用第２サーモスタット14bがＯＦＦ
になると、第２電磁弁13および第２リレー接点19aおよ
び19bがＯＦＦとなり、さらに第３リレー20によって第
３リレー接点20aおよび20bがＯＦＦとなるため、圧縮機
５および冷却用モータファン６が停止する。冷却器用第
２サーモスタット14bが冷却器用第１サーモスタット14a
より先にＯＦＦとなった場合も、同様で、冷却器用第１
および第２サーモスタット14aおよび14bが共にＯＦＦと
なる必要がある。また、冷却器用第２サーモスタット14
bがＯＮとなった場合は第２電磁弁13はＯＮとなるが、
第２リレー接点19aおよび19bはＯＮしない、冷却器用第
１サーモスタット14aがＯＮとなった場合は第１電磁弁1
7、第１リレー接点18aがＯＮとなり、さらに第３リレー
接点20aおよび20bがＯＮとなるため圧縮機５および冷却
用モータファン６が運転される。従って冷却器用第１サ
ーモスタット14aがＯＮとなることによって、圧縮機５
および冷却用モータファン６が運転を始めるので、コー
ルド商品専用収納室３a、コールド・ホット商品兼用収
納室３bが共に所定の冷却性能を得ることができる。

【００２０】次に、コールド商品専用収納室３aがコー
ルド商品、コールド・ホット商品兼用収納室３bがホッ
ト商品の場合は、切換スイッチ16によって、冷却器用第
１サーモスタット14aの制御でのみ第１リレー接点18aが
制御され、同時に第３リレー接点20aが制御され、圧縮
機５および冷却用モータファン６の運転が制御され、コ
ールド商品専用収納室３aおよびコールド・ホット商品
兼用収納室３b共所定の冷却加温性能が得られる。

【００２１】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
各収納室の冷却負荷が変動した場合でも、各収納室共、
所定の冷却性能を得ることができるので、コールド・ホ
ット商品兼用収納室をホットからコールドに切換えた場
合でも、ホット商品をすぐに冷却することができ、優れ
た集客力を有する自動販売機の冷却装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による自動販売機の冷凍サイクルの構成
図である。

【図２】本考案による自動販売機の冷凍サイクルの制御
回路図である。

【図３】従来の自動販売機の構造を模型的に示した正面
断面図である。

【図４】従来の自動販売機の構造を模型的に示した側面
断面図である。

【図５】従来の自動販売機の冷凍サイクルの構成図であ
る。

【図６】従来の自動販売機の冷凍サイクルの制御回路図
である。

【符号の説明】

１…本体、 １a…隔壁、 ２…扉、 ３a…コールド商
品専用収納室、 ３b…コールド・ホット商品兼用収納
室、 ４…機械室、 ５…圧縮機、 ６…冷却用モータ
ファン、 ７…凝縮器、 ８a…冷却器室、 ８b…冷却
・加熱器室、９a，９b…冷却器、 10a，10b…循環用モ
ータファン、 11…加熱器、 12a，12b…毛細管、 13
…第２電磁弁、 13′…電磁弁、 14a…冷却器用第１
サーモスタット、 14b…冷却器用第２サーモスタッ
ト、 15…加熱器用サーモスタット、 16…切換スイッ
チ、 17…第１電磁弁、 18…第１リレー、 18a…第
１リレー接点、 19…第２リレー、 19a，19b…第２リ
レー接点、 20…第３リレー、 20a，20b…第３リレー
接点。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧縮機５、凝縮器７および冷却用モータ
   ファン６からなり本体１下部の機械室４に設けられた冷
   却凝縮装置と、前記本体１の上部を仕切って設けた複数
   の商品収納室３ａ，３ｂと、前記商品収納室３ａ，３ｂ
   にそれぞれ設けられた冷却器９ａ，９ｂと、前記冷却凝
   縮装置と前記各冷却器９ａ，９ｂとの間の配管にそれぞ
   れ設けられた電磁弁１３，１７および毛細管１２ａ，１
   ２ｂと、前記各商品収納室３ａ，３ｂに設けられた循環
   用モータファン１０ａ，１０ｂと、前記各商品収納室３
   ａ，３ｂに設けられ前記各電磁弁１３，１７の開閉を制
   御するサーモスタット１４ａ，１４ｂとを備え、少なく
   とも１つの前記商品収納室３ｂには前記冷却器９ｂとと
   もに加熱器１１を設け、前記冷却器９ａのみが設けられ
   た前記商品収納室３ａをコールド商品専用収納室とし、
   前記冷却器９ｂとともに前記加熱器１１が設けられた前
   記商品収納室３ｂをコールド・ホット商品兼用収納室と
   し、このコールド・ホット商品兼用収納室３ｂがコール
   ド運転されている場合、すべての前記サーモスタット１
   ４ａ，１４ｂの接点が開いた時にのみ前記圧縮機５を停
   止し、前記圧縮機５が停止している状態からは、冷却負
   荷が最も大きい前記コールド商品専用収納室３ａのサー
   モスタット１４ａの接点が閉じた時に初めて圧縮機５を
   起動することを特徴とする自動販売機の冷却装置。