JP2572021Y2 - ケーブルが収容されたケーブル保護管端の止水栓 - Google Patents

ケーブルが収容されたケーブル保護管端の止水栓

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JP2572021Y2
JP2572021Y2 JP1990096446U JP9644690U JP2572021Y2 JP 2572021 Y2 JP2572021 Y2 JP 2572021Y2 JP 1990096446 U JP1990096446 U JP 1990096446U JP 9644690 U JP9644690 U JP 9644690U JP 2572021 Y2 JP2572021 Y2 JP 2572021Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、通信ケーブル、電力ケーブル等を収容する
保護管の人孔部などでのケーブルが収容されたケーブル
保護管端の止水栓に関し、さらに詳しくはケーブル長さ
方向および太さ方向の移動、伸縮、微動によってもケー
ブルを損傷させないよう止水でき、またケーブルの外径
が変わっても、容易に止水栓内径寸法を調整でき、容易
に接着可能なケーブル保護管端の止水栓に関するもので
ある。
(従来の技術) 従来、通信ケーブル、電力ケーブル等を収容する保護
管の人孔部などでの管端では、人孔部などへ浸入した水
がケーブル保護管内へ流入するのを防ぐため、またはケ
ーブル保護管に浸入した水が人孔部へ流入するのを防ぐ
ため止水が施されているが、従来は、この止水に第3図
に示すように、発泡剤を主体とした充填物8をケーブル
2とケーブル保護管の端部1との間に充填する方法、ま
たは第4図に示すように、ケーブル2の外周に巻き付け
たゴム組成体9からなる筒状体を、この筒状体に内挿さ
れたねじ式の緊締具(例えば締め付け用ボルト11および
受金物10)を締め付けることにより、ゴム筒状体をケー
ブル保護管の端部1の内周面およびケーブル2の外周面
に密着させる方法または第5図に示すように、埋設管12
に、ケーブル2との間に内空部14を有する筒状体の高吸
水ゴム部材13を装着し、高吸水ゴム部材13が膨張するこ
とにより止水する方法が用いられていた。
従来の発泡剤を主体とした充填物を用いる止水方法で
は、温度変化や車両振動によるケーブルの移動に伴い、
ケーブル2と充填物8の間の付着がゆるみ、止水性が低
下するほか、作業の熟練度により、止水性にばらつきが
生ずる問題があった。
また、組成体9からなる環状体をねじで締め付ける止
水方法では、静止状態においても、ケーブル2にゴム組
成体からなる環状体を取り付けるための環状体の切断部
から漏水が生じるうえ、温度変化や車両振動によるケー
ブル2の移動により、漏水が増加する欠点があった。
また、高吸水ゴム部材13からなる筒状体は、ケーブル
2との間に内空部14を有するため高吸水ゴム部材13が流
水により膨潤し、ケーブル2に密着するまでは止水性が
ない欠点があった。
(考案が解決しようとする課題) しかるに、発泡剤を主体とした充填物を用いる止水方
法では、経年に連れて充填物が固化、凝縮して弛緩する
とともに、ケーブルに加わる微振動により、それらがさ
らに助長され、長期間にわたって安定な止水の完璧を期
し得ない欠点を有している。
さらに、ねじ式の緊結により筒体のゴム組成体9を密
着させ止水する方法は、装着時のゴム圧を均一に作用さ
せられないことや、筒体のゴム組成物9の締め付けにア
ンバランスが生じ、安定な止水ができないこと、またケ
ーブルに加わる微振動に対しては、粘性のある潤滑剤を
個々のケーブルおよび止水栓に塗布する等の煩雑な作業
を必要とし、さらに、長期間にわたって潤滑剤が逸散
し、本来の潤滑効果を発現しなくなる等、作業上複雑な
施工手順で作業がやりずらく、出来上がりの品質のばら
つきが大きく、不安定な性能であるなどの問題があり、
価格的にも高価である欠点を有している。
さらに、高吸水ゴム部材13と、ケーブル2を密着させ
る場合には、高吸水ゴム部材13が膨潤し、内空部14を閉
塞させるまでに時間を要するので、高吸水ゴム部材13と
ケーブル2が密着するまで漏水する欠点を有している。
このようなことから、本考案は、流水と接触すると同
時に止水性を発現し、様々な外径を有するケーブル2に
対し厚み方向に層分割可能な水膨潤性繊維組成物マット
5をケーブル2の外径に合わせ層分割し、調整すること
により、1種類の止水栓で、ある範囲のケーブル外径に
対応が可能となることから、止水栓の種類を最小とし、
温度変化や車両振動によるケーブルの移動に対する止水
能力を改善するとともに、ケーブルに対する過度の拘束
を防ぎ、ケーブル保護管端に簡単、かつ短時間に装着で
き、作業性に優れ装着と同時に止水性を発現し、長期間
安定した止水能力を持つ、安価なケーブルが収容された
ケーブル保護管端の止水栓を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本考案のケーブルが収容されたケーブル保護管端の止
水栓は、厚み方向に層分割可能な水膨潤性繊維組成物マ
ット5が、高水膨潤性ゴム組成物3と低水膨潤性ゴム組
成物4で形成された筒状体の内周全体および外周面の外
嵌する箇所に配置されており、 該厚み方向に層分割可能な水膨潤性繊維組成物マット
は、水膨潤性繊維95〜10重量部と非膨潤性繊維5〜90重
量部の混合物の不織シートを複数層積層したものであ
り、 該高水膨潤性ゴム組成物は、天然ゴムまたは合成ゴム
組成物100重量部と吸水性樹脂粉末30〜250重量部の混合
物を加硫したものであり、 該低水膨潤性ゴム組成物は、天然ゴムまたは合成ゴム
組成物100重量部と吸水性樹脂粉末0〜30重量部の混合
物を加硫したものであり、かつ該筒状体の半径方向に、
半割状の裁断部を持つ。
本考案のケーブルが収容されたケーブル保護管端の水
膨潤性繊維組成物マットに使用できる水膨潤性繊維は、
蒸留水に浸漬した時、瞬時に自重の5倍以上吸水でき、
かつ水に溶解しないものであればすべて使用でき、例え
ば、カルボキシメチルエーテルのナトリウム塩化された
キュプラアンモニウムレーヨンフィラメントの短繊維、
アクリロニトリル(共)重合体からなるアクリル系合成
繊維の加水分解物(特開昭57−82567号、特開昭55−989
1号)、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体からな
るアクリル系水膨潤性繊維(特開昭61−239034号)、ア
クリロニトリルとリチウム、カリウム、ナトリウムおよ
びアンモニウムの中から選ばれた少なくとも1種の物質
のカルボン酸塩との共重合体からなるアクリル系水膨潤
性繊維(特開昭62−188109号、旭化成工業社製KKF)、
スルホン酸基、またはその塩含有不飽和単量体とアクリ
ロニトリル共重合体からなるアクリル系水膨潤性繊維
(特開昭64−14313号)、イソブチレン−無水マレイン
酸塩系水膨潤性繊維(アメリカ国アーコケミカル社製フ
ァイバソーブ)、イソブチレン−無水マレイン酸塩共重
合体にエチレンオキシド・プロピレンオキシド・ブロッ
ク共重合体を混合した水膨潤性繊維(特開昭62−4743
号)などがある。前記水膨潤性繊維と混合される非膨潤
性繊維は、蒸留水に浸漬してもほとんど吸水しないもの
であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ナイロン、アクリル繊維などがある。
本考案の止水栓に使用する水膨潤性繊維組成物マット
は、水膨潤性繊維95〜10重量部と非膨潤性繊維5〜90重
量部からなる。水膨潤性繊維が95重量部以上であると、
水膨潤性繊維組成物マットが水膨潤、乾燥のサイクルを
繰り返されるとゲル状となり、最終的に止水能力を失っ
てしまうし、材料上高価につくからであり、一方、水膨
潤性繊維が10重量部以下であると、マットの初期止水能
力が不十分であり、ケーブルが収容されたケーブル保護
管端に止水栓を装着しても止水できないからである。水
膨潤性繊維と非膨潤性繊維の混合物は、繊維業界で公知
の方法により、例えば1mm厚の不織シートに形成され、
不織シートは複数層重積して、例えば軽くニードルパン
チングを施して積層することにより、層分割可能なマッ
トに形成できる。層分割可能な水膨潤性繊維組成物マッ
トは、高水膨潤性ゴム組成物と低水膨潤性ゴム組成物で
形成された筒状体の内周面および外周面に配置され、数
層からなるマットの1層以上を単に手ではぎ取ることに
より、容易にケーブルの外径に止水栓の内径を合わすこ
とができる。
本考案のケーブルが収容されたケーブル保護管端の止
水栓に使用できる高水膨潤性ゴム組成物は、天然ゴムま
たは合成ゴム組成物100重量部と吸水性樹脂粉末30〜250
重量部の混合物を加硫したものである。天然ゴムまたは
合成ゴム組成物は、天然ゴムまたはブタジエンゴム、ス
チレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリル
ゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロル
スルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エピクロ
ルヒドリンゴム、ウレタンゴム、水素化ニトリルゴム、
塩素化ポリエチレンなどの合成ゴムにゴム業界で公知の
軟化剤、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、加工助剤、老化
防止剤などを添加したものである。天然ゴムまたは合成
ゴム組成物に混合される吸水性樹脂粉末は、蒸留水に浸
漬した時、自重の数10倍以上吸水でき、水に溶解しない
ものであり、例えばデンプン−アクリロニトリルグラフ
ト重合体加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト重
合体、カルボキシメチルセルロース架橋体、アクリル酸
塩系架橋体、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合体、
酢酸ビニル−アクリル酸塩共重合体ケン化物、イソブチ
レン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレ
イン酸共重合体ケン化物、エチレンオキサイド系重合体
架橋物などがある。高水膨潤性ゴム組成物は、前記の天
然ゴムまたは合成ゴム組成物100重量部と吸水性樹脂粉
末30〜250重量部からなる。吸水性樹脂粉末が30重量部
未満であると、高水膨潤性ゴム組成物は水と接触しても
吸水能力が不十分で、ほとんど膨潤しないからであり、
250重量部以上であると高水膨潤性ゴム組成物が水と接
触すると膨潤しすぎて、ケーブルに過度の圧力を加えて
ケーブルに悪影響を及ぼすとともに、膨潤した高水膨潤
性ゴム組成物の強度が弱まり、止水栓撤去時に止水栓の
形状を保持したまま撤去できず、撤去に多大の時間を要
し作業性が著しく低下するからである。
本考案のケーブルが収容されたケーブル保護管端の止
水栓に使用できる低水膨潤性ゴム組成物は、天然ゴムま
たは合成ゴム組成物100重量部と吸水性樹脂粉末0〜35
重量部の混合物を加硫したものである。天然ゴムまたは
合成ゴム組成物および吸水性樹脂粉末は、前記の高水膨
潤性ゴム組成物について説明したものと同じ組成である
が、天然ゴムまたは合成ゴム組成物100重量部に対して
吸水性樹脂粉末を0〜30重量部と限定したのは、30重量
部以上だと低水膨潤性ゴム組成物のつば状の部分が人孔
部からの流水により膨潤し、止水栓が若干人孔部側へ移
動するとともに、膨潤することにより強度が失われるの
で、治具を差し込むなどの容易な方法により、止水栓を
撤去しにくくなるからである。この意味ではできるだけ
吸水性樹脂粉末を添加しない方が望ましい。しかしなが
ら、吸水性樹脂粉末が30重量部以下の範囲で添加される
と、低水膨潤性ゴム組成物は一定の強度を有したまま膨
潤し、水膨潤性繊維組成物マットに圧力が加わり、より
高い止水栓性能を発現する。
以上、本考案の止水栓に使用できる諸材料について説
明した。
次に、本考案の止水栓の構造について説明する。
本考案のケーブルが収容されたケーブル保護管端の止
水栓は、厚み方向に層分割可能な水膨潤性繊維組成物マ
ットが高水膨潤性ゴム組成物と低水膨潤性ゴム組成物で
形成された筒状体の内周面および外周面に配置されてお
り、かつ該筒状体の半径方向に、反割状の裁断部を持つ
ことを特徴とする。
本考案の止水栓は、またケーブルの径および保護管の
径に適合するように、厚み方向に層分割可能な水膨潤性
繊維組成物マットが、場合により止水栓の内周面および
外周面から1枚以上手ではぎ取られ、止水栓の半割状裁
断部を手ないし治具を使用して広げてケーブルに環状に
取り付けた後、例えば木槌などを使用してケーブル保護
管端部に装着することにより、水膨潤性繊維組成物マッ
トをケーブル保護管の内周面およびケーブルの外周面に
密着させる。
前記の状態において、人孔部および/またはケーブル
保護管内に水が溜まり、本考案の止水栓に水が接触する
と、まず水膨潤性繊維組成物マットが瞬時に吸水してゲ
ル状に膨潤して水の浸入を妨げる。その後、約5時間以
上を要して高水膨潤性ゴム組成物がケーブル保護管の内
部で膨潤してケーブル保護管端付近の保護管の径が大き
くなった箇所に充填固定され、ケーブル保護管内から人
孔部へ止水栓が抜け出すことを妨げる。一方、低水膨潤
性ゴム組成物は、人孔部から高い圧力の水が止水栓を経
てケーブル保護管内へ浸入するのを、水膨潤性繊維組成
物マットとともに妨げるとともに、止水栓がケーブル保
護管内に押し込まれるのを妨げる。これらの効果によ
り、本考案の止水栓は装着直後および長期的に水の浸入
を妨げる。
また、本考案の止水栓によれば、ケーブルの外周面に
おいてはケーブルが水膨潤性繊維組成物マットを潤滑剤
としてゆるやかに接触しているので、温度変化や車両振
動によるケーブルの伸縮や移動が生じても、水の浸入を
妨げることができ、ケーブルに対し過度の拘束力も加わ
ることなく、また厚み方向に層分割可能な水膨潤性繊維
組成物マットを手で、場合により1層以上はぎ取ること
により、容易にケーブルの外径および保護管の内径に適
合させることができるので、さらに寸法上、わずかの種
類の止水栓のみで対応でき、水膨潤・乾燥のサイクルが
止水栓に付与されても止水効果が低下しないし、また従
来の止水栓と異なり、発泡剤の充填やねじの締め付けを
伴わないし、長期間にわたってほぼ止水栓の原型をとど
めているので、装着および撤去作業に熟練を要せず、か
つ止水性も安定している。
(作用) 本考案のケーブルが収容されたケーブル保護管端の止
水栓の作用を、図面を参照して説明する。
第1図は、本考案の止水栓をケーブル保護管端に取り
付けた状態を示す断面図、第2図は、本考案の止水栓を
取り付けたケーブル保護管端に、水が浸入し止水栓の水
膨潤性繊維組成物マットと高水膨潤性ゴム組成物が膨潤
して止水効果を発現した状態を示す斜視図である。
第1図、第2図において、1はケーブル保護管の端
部、2は保護管内に収容されたケーブル、3は高水膨潤
性ゴム組成物、3′は水で膨潤した高水膨潤性ゴム組成
物、4は低水膨潤性ゴム組成物、5は厚み方向に層分割
可能な水膨潤性繊維組成物マット、5′は水で膨潤した
水膨潤性繊維組成物マット、6は止水栓に設けた裁断部
である。
水膨潤性繊維組成物マット5は、例えばクロロプレン
系接着剤やゴム系両面粘着テープを介して高水膨潤性ゴ
ム組成物3および低水膨潤性ゴム組成物4に接着固定さ
れている。
第1図において、水膨潤性繊維組成物マット5の一部
をケーブル径やケーブル保護管径に適合するよう層状に
はぎ取り、裁断部6を開き、また高水膨潤性ゴム組成物
3、低水膨潤性ゴム組成物4および水膨潤性繊維組成物
マット5の一部も開いて、止水栓をケーブル2に嵌合さ
せて取り付け、その後、ケーブル保護管1の端部に、木
槌などの治具を使用して装着する。
第1図および第2図において、人孔部から水がケーブ
ル保護管内に浸入しようとすると、まず水膨潤性繊維組
成物マット5が瞬間的に水を吸水し、瞬時に水膨潤性繊
維組成物マット5′の状態に膨潤・ゲル化して水の浸入
を妨げる。その後、水が徐々に高水膨潤性ゴム組成物3
に吸水され、高水膨潤性ゴム組成物3′の状態に膨潤し
て、水膨潤性繊維組成物マット5′が、ケーブル保護管
内に密着すると同時に、ケーブル2の外周に密着し、さ
らにケーブル保護管1の外部に露出している低水膨潤性
ゴム組成物4のつばの部分が止水栓のケーブル保護管1
内への侵入を防止することにより、長期的に止水効果を
維持できる。また、水がケーブル保護管1内より人孔部
に流入しようとすると、まず水膨潤性繊維組成物マット
5が、瞬間的に水を吸水し、水膨潤性繊維組成物マット
5′の状態に膨潤・ゲル化して水の浸入を妨げる。その
後、水が徐々に高水膨潤性ゴム組成物3に吸水され、高
水膨潤性ゴム組成物3′の状態に膨潤して水膨潤性繊維
組成物マット5′がケーブル保護管内に密着すると同時
に、ケーブルの外周に密着し、さらにケーブル保護管1
内の径の大きな部分に膨潤した高水膨潤性ゴム組成物
3′が充填固定され、人孔部への止水栓の移動および水
の浸入を防止することにより、長期的に止水効果を維持
できる。
またケーブル2は水膨潤性繊維組成物マット5′とゆ
るやかに接触しているので、止水されている状態でも温
度変化や車両振幅による移動に追従でき、ケーブルに対
し過度の拘束力が加わることもない。
また本考案の止水栓は、水膨潤・乾燥のサイクルを繰
り返されても止水効果は維持されるし、さらに従来の止
水栓と異なり、発泡剤の充填やねじの締め付けを伴わな
いし、長期間にわたってほぼ止水栓の原型をとどめてい
るので、装着および撤去作業に熟練を要せず、かつ止水
性も安定している。また止水栓の厚み方向に層分割可能
な水膨潤性繊維組成物マット5が配置されており、水膨
潤性繊維組成物マット5を一部層状にはぎ取ることによ
り、ケーブル径およびケーブル保護管径に対応できるの
で、寸法上わずかの種類を用意すれば済み、経済上有利
である。
(実施例) 以下、具体的実施例により本考案を説明するが、本考
案は、これらの実施例により何ら限定されるものではな
い。
〔高水膨潤性ゴム組成物の調製〕
下記処方からなるゴム原料を8インチオープンロール
で混練し、高水膨潤性ゴム組成物の約2mm厚のシートを
得る。
天然ゴム(RSS#3号) 100重量部 亜鉛華 5 ステアリン酸 1 HAFカーボン 2 ノクセラーTT 2 サンセラーNS 2 アンチゲンW 2 クレー 25 吸水樹脂粉末(クラレ製KIゲル) 75 〔低水膨潤性ゴム組成物の調製〕 下記処方からなるゴム原料を8インチオープンロール
で混練し、低水膨潤性ゴム組成物の約2mm厚のシートを
得る。
天然ゴム(RSS#3号) 100重量部 亜鉛華 5 ステアリン酸 1 HAFカーボン 2 ノクセラーTT 2 サンセラーNS 2 アンチゲンW 2 クレー 25 〔厚み方向に層分割可能な水膨潤性繊維組成物の調製〕 蒸留水を自重の約50倍吸水する太さ3デニール、長さ
70mmの水膨潤性アクリル繊維(旭化成工業社製KKF)90K
gと約105℃の融点を有する太さ3デニール、長さ50mmの
熱接着性ポリエステル系繊維(非水膨潤性繊維)10kgを
均一に混合しエアーレイ式ウェブ形成機で目付け100g/m
2の不織シートを得る。次にニードルパンチ機に不織シ
ートを30ストローク/m2にて通過させ、機械的に結合さ
せる。さらに、機械的に結合させた不織シートを6層重
積した後、再び重積した不織シートの上面および下面か
ら各々の面に60ストローク/m2にてニードルパンチ機に
通し、厚さ12mmのマット状物を得る。
次に、マット状物を、加熱したプレスロール間に通し
て、厚み方向に6層に分割可能な、厚さ20mm、目付け70
0g/m2の水膨潤性繊維組成物マットを得る。
〔止水栓の調製〕
前記の方法にて調製した低水膨潤性ゴム組成物シート
160gおよび高水膨潤性ゴム組成物シート40gを、第1図
に示す筒状体の配置どおりに筒状体金型に入れ、プレス
成型機で160℃で10分間加硫して、加硫した高水膨潤性
ゴム組成物と低水膨潤性ゴム組成物で形成された筒状体
を得る。次いで筒状体の半径方向に半割状の裁断部をカ
ッタにて設けた。
次に、筒状体の内周面全体および外周面の外嵌する箇
所に厚み方向に層分割可能な水膨潤性繊維組成物マット
を、クロロプレン系接着剤を介して接着固定し、本考案
のケーブルが収容されたケーブル保護管端の止水栓を得
る。
得られた本考案の止水栓をケーブルが収容されたケー
ブル保護管端に、第1図のように取り付け、6か月間放
置して、止水栓の止水効果を確認したところ、水の浸入
は全く認められなかった。
第6図、第7図に吸水性樹脂粉末の配合量による天然
ゴムの吸水倍率のデータを示す。
図中phrは天然ゴム組成物100重量部に対する吸水性樹
脂粉末の添加量(重量部)を表わす。
これらのデータは、ケーブル保護管端内径と、ケーブ
ル外径(11mm〜70mm)の関係から適性倍率は2〜4倍と
なり、悪い条件のイオン水で配合量を算定した。
表1に天然ゴムと吸水性樹脂粉末を配合した場合の硬
度のデータを示す。
表2に本考案の止水栓のケーブル振動や移動等におけ
る水密性のデータを示す。
(考案の効果) 以上説明したように、本考案のケーブルが収容された
ケーブル保護管端の止水栓は、高水膨潤性ゴム組成物と
低水膨潤性ゴム組成物により形成された筒状体の内周面
および外周面に配置されている水膨潤性繊維組成物マッ
トにより、ケーブルが収容されたケーブル保護管端に水
が浸入した場合、水膨潤性繊維組成物マットが、瞬時に
吸水してゲル状に膨潤して水の浸入を妨げるとともに、
ケーブルにゆるやかに接触することにより、潤滑油的な
役割を果たし、温度変化や車両振動による長さ方向の伸
縮や移動に対し長期間安定した止水能力を発現するとと
もに、ケーブルに対し過度の拘束力が加わらない。さら
に、厚み方向に層分割可能な水膨潤性繊維組成物マット
を、手で場合により1層以上はぎ取ることにより、ケー
ブルの外径および保護管の径に適合させることができる
ので、寸法上わずかの種類の止水栓のみで対応できる。
また、従来の止水栓と異なり、発泡剤の充填やねじの
締め付けを伴わないなど作業面においても優れている。
実際の現場においても、ケーブル保護管内への止水が
確実にできることから、保護管内への土砂の堆積、保護
管内の錆を防止する利点がある。
また逆に、ケーブル保護管が事故などで水密性を失っ
た場合に、人孔部への流水も防ぐことができる利点もあ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の止水栓をケーブル保護管端に取り付け
た状況を示す断面図、 第2図は本考案の止水栓を取り付けたケーブル保護管端
に水が流入し、止水栓の高水膨潤性ゴム組成物が膨潤し
て止水状態を発現した状況を説明した斜視図、 第3図は従来の発泡剤を主体とした充填物をケーブルと
保護管端の間に充填した状況を示す断面図、 第4図はケーブルの外周面にゴム筒状体を取り付け、該
筒状体に内挿されたねじ式の緊結具を締め付けることに
より、ケーブル保護管端に止水栓を取り付けた状況を示
す断面図、 第5図は高吸水ゴム部材からなる止水栓を埋設管端に取
り付けた状況を示す断面図、 第6図、第7図は吸水性樹脂粉末の配合による天然ゴム
の吸水倍率のデータを示す図である。 1…ケーブル保護管の端部 2…ケーブル 3…高水膨潤性ゴム組成物 3′…膨潤した高水膨潤性ゴム組成物 4…低水膨潤性ゴム組成物 5,5′…水膨潤性繊維組成物マット 6…止水栓の裁断部 7…スポンジ 8…発泡剤を主体とした充填物 9…ゴム組成体 10…受金物 11…締付け用ボルト 12…埋設管 13…高吸水ゴム部材 14…内空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 浅井 泰蔵 福岡県福岡市博多区比恵町9番24号 福 岡クロス工業株式会社内 (72)考案者 河辺 豊彦 福岡県福岡市博多区比恵町9番24号 福 岡クロス工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−246721(JP,A) 実開 平2−41624(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚み方向に層分割可能な水膨潤性繊維組成
    物マットが高水膨潤性ゴム組成物と低水膨潤性ゴム組成
    物で形成された筒状体の内周面全面および外周面に配置
    されており、 該厚み方向に層分割可能な水膨潤性繊維組成物マット
    は、水膨潤性繊維95〜10重量部と非膨潤性繊維5〜90重
    量部の混合物の不織シートを複数層積層したものであ
    り、 該高水膨潤性ゴム組成物は、天然ゴムまたは合成ゴム組
    成物100重量部と吸水性樹脂粉末30〜250重量部の混合物
    を加硫したものであり、 該低水膨潤性ゴム組成物は、天然ゴムまたは合成ゴム組
    成物100重量部と吸水性樹脂粉末0〜30重量部の混合物
    を加硫したものであり、 かつ該筒状体の半径方向に、半割状の裁断部を持つ ことを特徴とするケーブル保護管端の止水栓。
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