JP2570516B2 - 記録再生装置用リ−ルディスク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＶＴＲ，ＤＡＴ等の磁
気記録再生装置等に使用される記録再生装置用のリ−ル
ディスクに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ＶＴＲ，ＤＡＴ等の磁気記録再生装置等
に使用されるリ−ルディスクとして、従来、図４，図５
に示されているリ−ルディスクが提案されている。図４
は、磁気テ−プカセット１内の磁気テ−プ巻回体２，リ
−ルハブ３とリ−ルディスク４との結合状態の拡大図で
あり、図５は、磁気テ−プカセット１の上下カセットハ
−フ１ａ，１ｂに摺動用シ−ト５を取り付けた状態で
の、図４中Ｖ−Ｖ線よりの断面図である。

【０００３】磁気テ−プカセット１は、図示されていな
いが通常のビデオカセットと同様の構成であり、磁気テ
−プが供給側リ−ル（リ−ルハブ）に巻かれて供給側テ
−プ巻回体を構成し、これよりの磁気テ−プがテ−プガ
イドに案内されてカセット前面の回動蓋，ロ−ディング
手段挿入穴の近傍を走行し、巻取側リ−ル（リ−ルハ
ブ）に巻き取られ巻取側テ−プ巻回体を形成する。

【０００４】図５に明示されるごとく、リ−ルハブ３
は、外周面３ａに磁気テ−プ６が巻回されテ−プ巻回体
２を形成した状態で、磁気テ−プカセット１の上下カセ
ットハ−フ１ａ，１ｂに設けられた摺動用シ−ト５によ
り案内され、摺動用シ−ト５の弾性力により，上下カセ
ットハ−フ１ａ，１ｂ内で高さ方向の位置決めがなされ
ている。又、図示されぬ方法により水平方向の位置決め
がなされている。

【０００５】かかる構成の磁気テ−プカセット１が、Ｖ
ＴＲ等の磁気記録再生装置に挿入されると、磁気テ−プ
カセット１の作動位置への移動により回動蓋が開蓋さ
れ、ロ−ディング手段がロ−ディング手段挿入穴に挿入
され、又、供給側，巻取側リ−ルディスク４が供給側，
巻取側リ−ルハブ３のリ−ルディスク挿入穴に挿入され
る。リ−ルディスク挿入穴となるリ−ルハブ３の内周面
３ｂには、放射状に形成された周知の係合溝３ｃが穿設
され、リ−ルディスク４の外周面４ａの下部に設けられ
ている爪部４ｂと係合し、巻取力が伝達されるカップリ
ングが構成され、リ−ルディスク４の回転がリ−ルハブ
３に、又、リ−ルハブ３の回転がリ−ルディスク４に伝
達される。

【０００６】更に、供給側，巻取側リ−ルハブ３のブレ
−キが解除された後、ロ−ディング手段の移動により、
磁気テ−プ６が磁気テ−プカセット１から繰り出され、
回転ヘッドが内蔵されているガイドドラムに所定範囲に
亘って添接されて記録再生動作が行われる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前述の記録再生装置用
のリ−ルディスクにおいては、供給側，巻取側リ−ルデ
ィスクの垂直度等磁気記録再生装置，磁気テ−プカセッ
トの機械的精度が高いときには問題とならぬが、最近の
磁気記録再生装置，磁気テ−プカセットの小型化，軽量
化、磁気テ−プの薄手化、高密度記録化等により特に問
題が発生する虞があつた。

【０００８】図５は、リ−ルディスク４，リ−ルハブ３
の基準面に対する垂直度が高いときの、図４中Ｖ−Ｖ線
よりの断面図であり、例えば図６に示される如くリ−ル
ディスク４が基準面に対する垂直度でθの傾きがあると
きには、磁気テ−プカセット１へのリ−ルディスク４の
挿入により、リ−ルディスク４とリ−ルハブ３との衝合
面（リ−ルディスク４の外周面４ａとリ−ルハブ３の内
周面３ｂ）の径Ｄ１がＬという長さをもつて面接触して
いるため、リ−ルハブ３とともにテ−プ巻回体２も同様
にθの傾きを持って図６に示される状態で回転する。

【０００９】この為、摺動用シ−ト５の弾性力では吸収
出来なくなり、回転むらが発生する、ロ−ディング動作
中等に磁気記録再生装置のテ−プガイドの上下フランジ
に磁気テ−プが当接する等により磁気テ−プダメ−ジが
発生する、磁気記録再生装置のリ−ルディスク及びリ−
ルハブの傾きθのバラツキにより磁気テ−プ巻回体に段
差が発生する、テ−プ走行負荷が増大する、などの問題
点が発生する虞があつた。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決すべく、リールディスクの外周面とリールのリール
ディスク挿入穴の内周面との間に間隔が形成されるよ
う、リールディスクの外周面の径を小にするとともに、
リールディスクの外周面に外側方向に突出する突起を、
装着されるテープカセットのテープ巾方向よりみてテー
プの中心高さ位置に設け、テープカセットが記録再生装
置に装着されたとき、この突起とリールディスク挿入穴
の内周面とがリール軸方向の断面上で点接触するように
記録再生装置用リールディスクを構成した。

【００１１】

【作用】本発明にかかる記録再生装置用リ−ルディスク
は、磁気テ−プカセットが装着されたとき、リ−ルディ
スクの外周面に設けられた突起とリ−ルディスク挿入穴
の内周面とがリ−ル軸方向の断面上で点接触するため、
リ−ルディスク及びリ−ルハブの傾きに追従することな
く、リ−ルディスク及びリ−ルハブが僅少傾いていて
も、リ−ルハブがリ−ル軸方向に回動し、テ−プ巻回
体、リ−ルは基準面に対し平行に回転することができ
る。

【００１２】

【実施例】本発明記録再生装置用リ−ルディスクの１実
施例につき、図面に基づき説明する。本実施例にかかる
磁気記録再生装置用のリ−ルディスクは、前述した図
４，図５に示されている磁気記録再生装置用のリ−ルデ
ィスクと、本発明の要旨の部分をのぞき概略同一である
ので、同一の構成，動作，作用をなすものは同一の番号
を付し、その説明を省略する。

【００１３】図１は、図４と同様の磁気テ−プカセット
１内の磁気テ−プ巻回体２，リ−ルハブ３と、本実施例
にかかるリ−ルディスク４０との結合状態の拡大図であ
り、図２は、上下カセットハ−フ１ａ，１ｂに摺動用シ
−ト５を取り付けた状態の図１中ＩＩ−ＩＩ線よりの断
面図であり、図３は、本発明を説明するための図２と同
様の断面図である。本実施例では、供給側と巻取側のリ
−ルハブ，リ−ルディスクは、同一構成とされているの
で双方を区別せず単にリ−ルハブ３，リ−ルディスク４
０で説明する。 本実施例のリ−ルディク４０において
は、リ−ルディスク４０の外周面４０ａの径Ｄ３を小に
し、リ−ルディスク４０の外周面４０ａと、リ−ルのリ
−ルディスク挿入穴であるリ−ルハブ３の内周面３ｂと
の間に間隔ｄが形成されるようにすると共に、外周面４
０ａには内周面３ｂと対応する位置にて外側方向に突出
する複数個の半球状の突起４１が同一高さに、更にテ−
プ巻回体２のテ−プ巾方向よりみてテ−プ中心高さ位置
に設けられている。

【００１４】リ−ルディスク４０の外周面４０ａの径Ｄ
３は、図５に明示されているリ−ルディスク４とリ−ル
ハブ３との衝合面（リ−ルディスク４の外周面４ａとリ
−ルハブ３の内周面３ｂ）の径Ｄ１より小であり、リ−
ルディスク４０の突起４１とリ−ルハブ３の内周面３ｂ
との衝合面の径Ｄ２は、図５の径Ｄ１と略同一である。

【００１５】図２に明示されるよう、リ−ルディスク４
０の磁気テ−プカセット１内への挿入により、リ−ルデ
ィスク４０の突起４１とリ−ルハブ３の内周面３ｂとが
点にて衝合し、リ−ルハブ３は水平方向の位置決めがな
される。又、リ−ルハブ３の内周面３ｂに穿設された係
合溝３ｃに、リ−ルディスク４０の外周面４０ａの下部
に設けられている爪部４０ｂが係合し、巻取力が伝達さ
れるカップリングが構成され、リ−ルディスク４０の回
転がリ−ルハブ３に、又、リ−ルハブ３の回転がリ−ル
ディスク４０に伝達される。

【００１６】更に、磁気テ−プカセット１が装置に装着
されて供給側，巻取側リ−ルハブ３のブレ−キが解除さ
れた後、ロ−ディング手段の移動により、磁気テ−プ６
が磁気テ−プカセット１から繰り出され、回転ヘッドが
内蔵されているガイドドラムに所定範囲に亘って添接さ
れて記録再生動作が行われる。

【００１７】このリ−ルディスクの回転時、リ−ルディ
スク４０が図３に示される如くにθの傾きがあるときに
も、又リ−ルハブ３の垂直度が出ていないときにも、リ
−ルディスク挿入穴の内周面３ｂとリ−ルディスク４０
の外周面４０ａとの間に間隔ｄが形成されると共に、リ
−ルディスク４０の外周面４０ａに外側方向に突出する
突起４１が設けられているため、この突起４１とリ−ル
ハブ３の内周面３ｂとがリ−ル軸方向の断面上で点接触
する。

【００１８】この為、リ−ルディスク４０，リ−ルハブ
３の内周面３ｂの傾きに追従することなく、リ−ルハブ
３は接触点を中心に軸方向に回動しながら回転し、テ−
プ巻回体２，リ−ルハブ３は摺動用シ−ト５にガイドさ
れて、上下カセットハ−フ１ａ，１ｂ，基準面に対し平
行に回転することができる。

【００１９】リールディスク４０の突起４１として、前
述実施例では複数個の半球状の突起４１を設けている
が、半球状の突起に限定されることなく円錐，三角錐な
どリール軸方向の断面上で点接触する構造の突起なら他
のものでも良い。

【００２０】更に、リールディスク４０の突起４１は、
テープ巻回体２のテープ巾方向よりみてテープ中心高さ
位置に設けられているので、リールハブ３のリール軸方
向の回動量を大とすることができ、リールディスク４
０，リールハブ３の傾きの許容度を比較的大とすること
ができる。

【００２１】更に、内蔵されている供給側リ−ル，巻取
側リ−ルが同一構成の磁気テ−プカセットを駆動するリ
−ルディスクに付き述べたが、供給側リ−ルのみを駆動
するリ−ルディスクとしてもよく、又単一リ−ル内蔵カ
−トリッジ，カセット等にも使用することができる。

【００２２】

【発明の効果】前述の如く本発明にかかる記録再生装置
用リ−ルディスクにおいては、リ−ルディスクの外周面
とリ−ルディスク挿入穴の内周面との間に間隔を形成
し、リ−ルディスクの外周面に外側方向に突出する突起
を設け、この突起とリ−ルとがリ−ル軸方向の断面上で
点接触するようにしたので、リ−ルディスク，リ−ルハ
ブの内周面が僅少傾いていても、リ−ルディスク，リ−
ルハブの内周面の傾きに追従することなく、リ−ルハブ
が回動し、テ−プ巻回体，リ−ルは基準面に対し平行に
回転することができるので、テ−プ巻回体に段差が発生
することなく、回転むら，テ−プ走行負荷を減少しえ、
磁気テ−プダメ−ジの発生を防ぐことができるなどの効
果をもつものである。

【００２３】更に、突起がテープ巻回体のテープ巾方向
よりみてテープ中心高さ位置に設けられているので、テ
ープ巻回体，リールのリール軸方向の回動量を大とする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる記録再生装置用リ−ルディスク
の１実施例のリ−ルディスクとテ−プ巻回体，リ−ルと
の結合状態を示す拡大図ある。

【図２】カセット筐体に摺動用シ−トを取り付けた状態
での、図１中ＩＩ−ＩＩ線よりの断面図である。

【図３】本発明を説明するための図２と同様の断面図で
ある。

【図４】従来の記録再生装置のリ−ルディスクと、テ−
プカセットのテ−プ巻回体，リ−ルとの結合状態を示す
拡大図ある。

【図５】従来の記録再生装置のリ−ルディスクを使用し
た、カセット筐体に摺動用シ−トを取り付けた状態の、
図４中Ｖ−Ｖ線よりの断面図である。

【図６】本発明を説明するための、従来の記録再生装置
のリ−ルディスクを使用した図５と同様の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 磁気テ−プカセット・ １ａ 上カセットハ−フ １ｂ 下カセットハ−フ ２ 磁気テ−プ巻回体 ３ リ−ルハブ ３ａ リ−ルハブの外周面 ３ｂ リ−ルハブの内周面（リ−ルディスク挿入穴） ３ｃ リ−ルハブの係合溝 ４ リ−ルディスク ４ａ リ−ルディスクの外周面 ４ｂ リ−ルディスクの爪部 ５ 摺動用シ−ト ４０ リ−ルディスク ４０ａ リ−ルディスクの外周面 ４０ｂ リ−ルディスクの爪部 ４１ 突起

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】テープ状記録媒体が巻回されたリールハブ
   を内臓したテープカセットが、記録再生装置に装着され
   たとき、リールハブ中心部に設けられたリールディスク
   挿入穴と結合して巻取力を伝達する記録再生装置のリー
   ルディスクにおいて、テープカセットのリールディスク
   挿入穴の内周面とリールディスクの外周面との間に間隔
   が形成されるよう、リールディスクの外周面の径を小と
   するとともに、リールディスクの外周面に外側方向に突
   出する突起を、装着されるテープカセットのテープ巾方
   向よりみてテープの中心高さ位置に設けて、テープカセ
   ットが記録再生装置に装着されたとき該突起とリールデ
   ィスク挿入穴の内周面とがリール軸方向の断面上で点接
   触するよう構成したことを特徴とする記録再生装置用リ
   ールディスク。
2. 【請求項２】リールディスクの外周面に設けられた突起
   は、同一高さ位置に設けられた複数個の半球状の突起で
   ある請求項１の記録再生装置用リールディスク。