JP2569119B2 - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JP2569119B2
JP2569119B2 JP63103948A JP10394888A JP2569119B2 JP 2569119 B2 JP2569119 B2 JP 2569119B2 JP 63103948 A JP63103948 A JP 63103948A JP 10394888 A JP10394888 A JP 10394888A JP 2569119 B2 JP2569119 B2 JP 2569119B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、燃料集合体に係り、特に短尺燃料棒を有す
る燃料集合体に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の原子炉用燃料棒は、ジルコニウム合金製の被覆
管内に燃料ペレツトを装填し、上下両端をジルコニウム
系合金製またはステンレス鋼製の端栓で密封したもので
ある。被覆管は燃料棒内にて生成される核***生成物
(FPガス)が冷却材中に漏洩するのを防止している。燃
料棒内の圧力が過大に上昇するのを防ぐため、被覆管内
の上端部にガスプレナムを設けている。ガスプレナム内
には、燃料取扱時に燃料ペレツトが移動しないように、
しかも原子炉で使用されたときに被覆管と燃料ペレツト
の軸方向膨張差を吸収できるようにインコネル系合金,
ステンレス鋼もしくは、ピアノ線よりなるコイルスプリ
ングが配置されている。コイルスプリングは、絶縁体を
介して燃料ペレツトを下向きに押圧保持している。
一方、高燃焼度の燃料集合体が最近多く提案されてい
る。その1つの燃料集合体として、熱的余裕の増加及び
圧損低減等を目的とした短尺燃料棒を有する燃料集合体
がある。これは、最外周から第二列目の燃料棒のうち4
本ないし8本を他の燃料棒よりも短くし、燃料棒の長さ
が短くなることにより作られた空間は冷却材の通路にし
ている。この燃料集合体は、二相流部で短尺化された燃
料棒自身及びその周囲の燃料棒の熱的余裕の増加と、冷
却材流量面積増加による二相流部の圧力損失低減を図つ
たものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような従来の燃料集合体では、後述するように短
尺燃料棒の上端部で冷却材の流動によつて生じる振動が
大きくなり、短尺燃料棒を支持する燃料スペーサのうち
で最上位にある燃料スペーサのフレツテイング腐食が大
きくなる可能性があることが新たに判明した。
また、短尺燃料棒を用いたことによる中性子経済性の
低下に関しては考慮されていなかった。
本発明の目的は、短尺燃料棒を用いた場合でも、中性
子経済性を向上でき、且つ燃料スペーサのフレッティン
グ腐食を低減できる燃料集合体を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための第1の手段は、核燃料ペレ
ットを充填した第1燃料棒と、核燃料ペレットを充填し
前記第1燃料棒よりも軸方向長さが短い第2燃料棒と、
軸方向に配置され前記各燃料棒を支持する複数の燃料ス
ペーサとを備えた燃料集合体において、前記第2燃料棒
の上端部の第2ガスプレナムの軸方向長さが前記第1燃
料棒の上端部の第1ガスプレナムの軸方向長さよりも短
く、前記第2ガスプレナム内のスプリングの体積が前記
第1ガスプレナム内のスプリングの体積よりも小さく、
前記燃料スペーサの燃料棒支持部間の軸方向長さを
M、前記第2燃料棒を支持する複数の燃料スペーサの
うち最上位に位置する燃料スペーサの燃料棒支持部と前
記第2燃料棒の上端の間の軸方向長さをΔlとしたと
き、Δl/lMが1/4以下となるように構成する。
また、第2の手段は、核燃料ペレットを充填した第1
燃料棒と、核燃料ペレットを充填し前記第1燃料棒より
も軸方向長さが短い第2燃料棒と、軸方向に配置され前
記各燃料棒を支持する複数の燃料スペーサとを備えた燃
料集合体において、前記第2燃料棒の上端部の第2ガス
プレナム内のスプリングは、前記第1燃料棒の上端部の
第1ガスプレナム内のスプリングよりも中性子吸収断面
積が小さな材料で構成され、前記燃料スペーサの燃料棒
支持部間の軸方向長さをlM、前記第2燃料棒を支持す
る複数の燃料スペーサのうち最上位に位置する燃料スペ
ーサの燃料棒支持部と前記第2燃料棒の上端の間の軸方
向長さをΔlとしたとき、Δl/lMが1/4以下となるよう
に構成する。
〔作用〕
第1の手段によれば、第2ガスプレナムの長さを短く
すると共に、第2ガスプレナム内のスプリングの体積を
小さくすることにより、第2ガスプレナムにおいて無駄
に吸収される中性子の量を低減できるので、中性子経済
性を向上することができる。更に、Δl/lMを1/4以下に
することにより、後述するように、第2燃料棒上端の振
動振幅を小さくできるので、短尺燃料棒の上端部を支持
する燃料スペーサのフレッティング腐食を低減すること
ができる。
また、第2の手段によれば、第2ガスプレナム内のス
プリングに中性子吸収断面積が小さな材料を用いること
により、第2ガスプレナムにおいて無駄に吸収される中
性子の量を低減できるので、中性子経済性を向上するこ
とができる。更に、Δl/lMを1/4以下にすることによ
り、短尺燃料棒の上端部を支持する燃料スペーサのフレ
ッティング腐食を低減することができる。
以下、本発明によるフレッティング腐食の低減効果を
詳細に説明する。
本発明は、短尺燃料棒の流動振動を詳細に検討するこ
とによつてなされたものである。
短尺燃料棒を含む燃料集合体内に冷却材を供給した場
合における短尺燃料棒の流動振動を、有限要素法による
周波数応答解析手法にて解析した。この解析結果を第4
図に示す。下部タイプレート15に下端部が取付けられる
短尺燃料棒10は、第1スペーサA,第2スペーサB,第3ス
ペーサC,第4スペーサD及び第5スペーサEの5個の燃
料スペーサによつて軸方向が支持されている。燃料集合
体内には7個の燃料スペーサが設置されているが、残り
の2個の燃料スペーサは短尺燃料棒10の上端よりも上方
に位置している。このため、第5スペーサEが短尺燃料
棒10の上端部を支持することになる。第5スペーサEの
燃料棒支持部のレベル(実質的にスペーサ軸方向高さの
真中のレベル)と短尺燃料棒10の上端のレベルとの差
(短尺燃料棒10の突出長さ)をΔl、隣接するスペーサ
の燃料棒支持部間の軸方向長さ(スペーサスパン)をl
M、短尺燃料棒10の上端での振動振幅をδE及びスペーサ
間での短尺燃料棒10の最大振動振幅をδMとする。第4
図の振動振幅比(δE/δM)は、下部タイプレート15と
第5スペーサEまでの間の各スパンでの最大振動振幅δ
Mのうちで最も大きな振幅で振動振幅δEを割つた値を示
している。第4図から明らかなように、短尺燃料棒10の
第5スペーサEからの突出量R(=Δl/lM)が1/4より
も大きくなると振動振幅比(δE/δM)が急激に増加す
る。従つて、突出量Rは、1/4以下にすることが望まし
い。前述したような振動振幅比(δE/δM)の急激な増
加は、第5スペーサEよりも上方の短尺燃料棒10の部分
は第5スペーサEにて支持されている片持ばりと等価と
なり、突出量Rが大きく影響することによる。短尺燃料
棒10の振動振幅δEが最大振動振幅δMよりも大きくなる
と、第5スペーサEの短尺燃料棒10を支持する部分での
フレツテイング腐食が、第1スペーサAから第4スペー
サDの各スペーサでのそれよりも大きくなる。このた
め、短尺燃料棒10の上端部を支持する第5スペーサE
は、他のスペーサに比べてフレツテイング腐食による損
傷の度合が大きくなる。第5スペーサEのフレツテイン
グ腐食を他のスペーサのそれと同程度にするには振動振
幅比(δE/δM)を1.0以下にすればよく、突出量Rを1
/4以下にすればこの条件も満足する。この突出量Rは、
燃焼度0kWd/Tの炉心に装荷する前の燃料集合体に対する
ものである。
〔実施例〕
本発明の好適な一実施例である燃料集合体を第1図及
び第2図に基づいて説明する。
本実施例の燃料集合体9は、上部タイプレート14及び
下部タイプレート15を有し、多数の燃料棒11の上下端部
が上部タイプレート14及び下部タイプレート15に保持さ
れ、燃料棒11よりも軸方向の長さが短い短尺燃料棒10が
下部タイプレート15にネジ結合によつて保持されてい
る。燃料集合体9は、第2図に示すように横断面の中央
部に太径の2本の水ロツド16を配置している。水ロツド
16の直径は燃料棒の配列ピツチよりも大きい。2本の太
径水ロツド16は、7本の燃料棒11が他の領域でのピツチ
と等しく配置可能な領域を占めている。このように水ロ
ツド16を2本配置したことによつて得られる機能は、特
開昭62-217186号公報2頁、下部右欄3行から3頁、下
部右欄14行に示されている。水ロツド16は、下部タイプ
レート15に保持される。短尺燃料棒10は、第2図に示す
ように燃料集合体横断面のコーナ部付近に配置される。
短尺燃料棒10を含む燃料棒11の束は、燃料スペーサ12
にて保持され、チヤンネルボツクス13によつて囲まれ
る。第1図に示される燃料スペーサ12は、短尺燃料棒10
の上端部を支持するものである。燃料スペーサ12は、短
尺燃料棒10を支持している燃料スペーサのうちで最上位
に位置している。燃料集合体9は、燃料スペーサ12を含
めて7個の燃料スペーサを軸方向に有している。図示さ
れていないが、4個の燃料スペーサは燃料スペーサ12の
下方に配置され、2個の燃料スペーサは短尺燃料棒10の
上方に配置されている。燃料スペーサ12の弾性体と短尺
燃料棒10とが接触する位置、すなわち実質的に燃料スペ
ーサ12の高さ方向で中央の位置から上方へ突出している
短尺燃料棒10の突出量R(=Δl/lM)は、1/4である。
燃料集合体9に設けられた燃料スペーサ相互の間隔、す
なわち最下部の第1スペーサから最上部の第7スペーサ
までの燃料スペーサ相互の間隔(lM)は等しくなつて
いる。チヤンネルボツクス13は、上部タイプレート14に
取付けられる。
燃料棒は、9行9列に配置されている。燃料棒11は、
ジルコニウム合金(ジルカロイ−2又はジルカロイ−4
が一般的)製の被覆管21内に燃料ペレツト22を充填し、
被覆管21の上下端を被覆管21と同一材料にて作られた端
栓23,24で密封したものである。燃料棒11はその上端部
にFPガスを捕集するガスプレナム25を有している。ま
た、燃料ペレツト22が輸送中に滑動しない様に、しかも
原子炉内で燃焼中に被覆管21と燃料ペレツト22の軸方向
膨張差を吸収する様に、インコネル系合金,ステンレス
鋼またはピアノ線にて製作されるコイルスプリング6が
ガスプレナム25内に配置されている。ガスプレナム25の
軸方向長さLPは、原子炉運転中でのFPガス放出による
燃料棒11の内圧増加を抑制して被覆管21の機械的健全性
を確保できるように定められている。
次に短尺燃料棒10の構成を第3図により説明する。短
尺燃料棒10は、上下端部を端栓3,4にて密封された被覆
管(ジルコニウム合金製)2内に燃料ペレツト22を充填
している。短尺燃料棒10は、内部で上端部に長さLU
ガスプレナム5を、下端部に長さLDのガスプレナム5A
を有している。ガスプレナム5の軸方向長さは、ガスプ
レナム25のそれよりも短かい。短尺燃料棒10のガスプレ
ナム5の上端は、燃料棒11の燃料有効長(燃料ペレツト
22が充填された領域の軸方向長)の上端よりも下方に位
置している。ガスプレナム5内には、Zr-Nb合金、ジル
カロイ−2またはジルカロイ−4等のジルコニウム合金
を強伸線加工してなるコイルスプリング6Aを配置してい
る。コイルスプリング6Aは、コイルスプリング6より
も、微視的中性子吸収断面積の小さな物質で構成され
る。コイルスプリング6Aの軸方向長さLUも中性子吸収
を抑制する意味からできるだけ短くする。すなわち LU≧ΔLE+LSOlid …(1) ここで、ΔLEは原子炉運転中に生じる被覆管2と燃料
ペレツト22との軸方向膨張差、及びLSOlidはコイルス
プリング6Aの密着高さである。
短尺燃料棒10のガスプレナム5の長さは、原子炉運転
中に燃料ペレツト22が軸方向に膨張したとき、コイルス
プリング6Aが密着しないだけの初期長さを有している。
FPガスの補集に必要なガスプレナム容積は、ガスプレナ
ム5Aの容積との合計で確保する。ガスプレナム5A内にス
リーブ7が配置され、スリーブ7は絶縁体8Aを介して燃
料ペレツト22を支持している。8も絶縁体である。
短尺燃料棒10に用いるコイルスプリング6Aは通常の圧
縮コイルスプリングとし、その材料は前述したようなZr
基合金とする。特に、Zr-Nb系合金は燃料棒11に用いら
れるステンレス線材またはインコネル線材製のコイルス
プリング6に比べ、微視的中性子吸収断面積が約1/20と
なる。しかもZr-Nb系合金製のコイルスプリング6Aは、N
bの添付量,加工率及び熱処理条件を適正化することに
よつて高強度のバネ特性を持たせうる。更に、Zr-Nb系
合金は、強伸線加工により高強度化をはかりうるので短
尺燃料棒10のコイルスプリング材として最適である。ま
たジルカロイ−2及びジルカロイ−4も強伸線加工して
コイルに成型すれば高強度になる。Zr-Nb系合金は、Nb
を5〜25重量%を含んでいる。
短尺燃料棒10の上下のガスプレナム5,5Aの軸方向長さ
の合計量は燃料集合体10の長さが燃料棒11の長さよりも
短くなる分だけ燃料ペレツト22が少なくFPガスの全放出
量が減少するので、燃料棒11のガスプレナム25の軸方向
長さよりも短くできる。さらにガスプレナム5Aはガスプ
レナム5よりも温度が低いため、FPガスの捕集という観
点からは、ガスプレナム5よりも有効であるので、短尺
燃料棒10の全プレナム長の短尺化が図れる。すなわち下
部のガスプレナム5Aの軸方向長としての必要な長さは、 LD≧LP−ΔLf−LU …(2) LP:燃料棒11のガスプレナム25の長さ LU:短尺燃料棒10の上部のガスプレナム5の長さ ΔLf:短尺燃料棒10のために生じる全ガスプレナム長
の短縮量 ガスプレナム5Aを用いることの効果は、スリーブ7を
ガスプレナム5A内に配することによつて短尺燃料棒10の
高燃焼度化か図れる。すなわち上部のみに同一長さのガ
スプレナムを有する燃料棒よりペレツト有効長さ部を熱
中性子束の高い軸方向中央部にずらすことができるため
(第5図参照)、燃料物質の有効燃焼が図れる。
スリーブ7はコイルスリーブ6Aの材料と同じZr-Nb系
合金にて構成され、中性子吸収量を減少させている。
短尺燃料棒10の突出長さΔlは、下記のように求めら
れる。これを第6図により説明する。下部タイプレート
15の上面から短尺燃料棒10の上端までの長さをLPR、及
び下部タイプレート15の上面から短尺燃料棒10の上端部
を支持する燃料スペーサ12の設置レベルまでの長さをL
SPとすると、Δlは次式によつて求められる。
Δl=LPR−LSP …(3) Lは上部タイプレート14の下面と下部タイプレート15の
上面との間の長さである。
短尺燃料棒10の燃料有効長LF1は、長さの長い燃料棒
11の燃料有効長LF2の14/24〜21/24の範囲に設定するこ
とが望ましい。このように短尺燃料棒10の燃料有効長L
F1を設定することによつて、燃料集合体9の熱的余裕が
改善され、その安全性も向上する。
前述したように突出量Rが1/4であるので、振動振幅
比(δE/δM)を小さくすることができ、短尺燃料棒10
の上端部を支持する燃料スペーサ12のフレツテイング腐
食を抑制できる。このため、燃料スペーサ12に生じるフ
レツテイング腐食の度合は、他の燃料スペーサに生じる
その度合とほぼ等しくなる。
以上述べた本実施例は、以下の効果を奏することがで
きる。
(i) 短尺燃料棒10の上端部を支持している燃料スペ
ーサ12に生じるフレツテイング腐食による損傷を著しく
軽減できる。このため、燃料スペーサ12の寿命を他の燃
料スペーサの寿命と少なくとも同程度まで延ばすことが
できる。
(ii) 燃料棒11の燃料有効長上端よりも下方に位置す
る上部のガスプレナム5の長さを(1)式で制限するこ
とにより、コイルスプリング6Aの体積が減少でき、コイ
ルスプリング6Aによる中性子吸収量が減少する。
(iii) コイルスプリング6A及びスリーブ7にZr-Nb系
合金を用いることで中性子吸収量が減少する。
(iv) スリーブ7を用いて燃料ペレツトを軸方向中央
部にずらすことで短尺燃料棒10の有効燃焼がはかれる。
第1図の燃料集合体は、従来例で述べた短尺燃料棒を
有する燃料集合体で得られる機能も生じる。すなわち、
燃料集合体の高燃焼度化,燃料棒の熱的余裕の増加及び
二相流部の圧力損失の低減が図れる。
本発明の他の実施例である燃料集合体を第7図に基づ
いて説明する。本実施例の燃料集合体は、第1図の燃料
集合体9の短尺燃料棒10を短尺燃料棒10Aに替えたもの
である。短尺燃料棒10Aは、短尺燃料棒10の上部端栓3
の上部に、側面に複数の開口18を有する中空管17の下端
部を取付けたものである。中空管17の外径は短尺燃料棒
10の外径に等しい。燃料スペーサ12Aは、第1図の燃料
スペーサ12の1つ上に位置しているスペーサである。こ
の燃料スペーサ12Aが、短尺燃料棒10Aの上端部、すなわ
ち中空管17を支持している。中空管17を設けることによ
つて、短尺燃料棒10Aの軸方向は6個の燃料スペーサに
て支持される。中空管17の冷却材吐出口19は、燃料スペ
ーサ12Aの上方にある。燃料スペーサ12Aは、それらの燃
料スペーサのうち最上位にある。このような構成におい
ても、短尺燃料棒10Aの突出量R(=Δl/lM)は、1/4以
下となつている。すべての開口18は、燃料スペーサ12A
よりも下方にある。上記の構成にすることによつて、冷
却材の一部が開口18及び中空管17内を介して燃料スペー
サ12Aの上方に達することができ、燃料スペーサ12Aでの
圧力損失を低減できる。
上記の中空管17は、短尺燃料棒10の突出量Rが1/4を
超える場合に用いると好適である。
第1図に示す短尺燃料棒の上端部の形状の他の実施例
を第8図に示す。第8図(a)は、第1図に示す短尺燃
料棒10の構造である。第8図(a)のように短尺燃料棒
10の上端が平面であると、短尺燃料棒10の上端付近に生
じる冷却材の渦流により短尺燃料棒10の上端部に対する
加振力(冷却材流動にて発生)が生じる。このため、短
尺燃料棒の上端部に、第8図(b),(c)に示すよう
に冷却材の流れ方向で横断面積が徐々に減少する上部端
栓3Aまたは3Bを取付けることによつて、冷却材の渦流に
より短尺燃料棒上端部に加わる加振力を著しく軽減でき
る。
第1図の短尺燃料棒10のスリーブ7は、原子炉運転中
に降伏しないようにしかもスリーブ7の体積が最小にな
り、FPガスの通過が容易になるように第9図及び第10図
に示す構造にするとよい。スリーブ7にて燃料ペレツト
を軸方向に支持してFPガスは通過孔17を通して下部のガ
スプレナム5Aに捕集する。
燃料棒11の上端部に位置するガスプレナムと短尺燃料
棒10の上端部に位置するガスプレナムとの高さを等しく
した場合において、短尺燃料棒10の上記ガスプレナムに
配置されたコイルスリーブを、燃料棒11の上記ガスプレ
ナム内のコイルスプリング(上記コイルスプリングの長
さと等しい)よりも微視的中性子吸収断面積の小さな材
料にて構成してもよい。この例においても、中性子経済
性が従来例よりも向上する。しかし、中性子経済性の向
上の度合は、第1図の実施例よりも小さい。
また、燃料棒11の上端部に位置するガスプレナム内に
配置されるコイルスプリングと短尺燃料棒10の上端部に
位置するガスプレナム内に配置されるコイルスプリング
との材質を同じくした場合において、短尺燃料棒10のガ
スプレナムの高さを燃料棒11のその高さよりも短くして
短尺燃料棒10のコイルスプリングの体積を燃料棒11のコ
イルスプリングの体積よりも小さくしても、従来例より
も中性子経済性が向上する。しかし、第1図の実施例程
は、中性子経済性が向上しない。
〔発明の効果〕
本発明によれば、中性子経済性を向上できると共に、
短尺燃料棒の上端部を支持する燃料スペーサのフレッテ
ィング腐食を低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である燃料集合体の縦断面
図、第2図は第1図のII-II断面図、第3図は第1図の
短尺燃料棒の構成図、第4図は短尺燃料棒を支持する燃
料スペーサのうちで最上位にある燃料スペーサを基準と
した短尺燃料棒の突出量Rと振動振幅比との関係を示す
特性図、第5図は軸方向における熱中性子束及びボイド
率分布を示す特性図、第6図は第1図の実施例における
各部の寸法を示す説明図、第7図は本発明の他の実施例
である燃料集合体の短尺燃料棒の構成図、第8図は短尺
燃料棒上端部の構造の他の実施例の説明図、第9図及び
第10図は短尺燃料棒の下部プレナム内のスリーブの他の
構成図である。 2,21……被覆管、5,5A,25……ガスプレナム、6,6A……
コイルスプリング、7……スリーブ、9……燃料集合
体、10……短尺燃料棒、11……燃料棒、14……上部タイ
プレート、15……下部タイプレート、22……燃料ペレツ
ト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 潤二郎 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 多田 伸雄 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 中村 昭三 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 水野 正 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−281993(JP,A) 特開 昭61−212789(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核燃料ペレットを充填した第1燃料棒と、
    核燃料ペレットを充填し前記第1燃料棒よりも軸方向長
    さが短い第2燃料棒と、軸方向に配置され前記各燃料棒
    を支持する複数の燃料スペーサとを備えた燃料集合体に
    おいて、 前記第2燃料棒の上端部の第2ガスプレナムの軸方向長
    さが前記第1燃料棒の上端部の第1ガスプレナムの軸方
    向長さよりも短く、 前記第2ガスプレナム内のスプリングの体積が前記第1
    ガスプレナム内のスプリングの体積よりも小さく、 前記燃料スペーサの燃料棒支持部間の軸方向長さを
    M、前記第2燃料棒を支持する複数の燃料スペーサの
    うち最上位に位置する燃料スペーサの燃料棒支持部と前
    記第2燃料棒の上端の間の軸方向長さをΔlとしたと
    き、Δl/lMが1/4以下であることを特徴とする燃料集合
    体。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記第2燃料棒の下端
    部に第3ガスプレナムを設け、前記第2燃料棒内の燃料
    ペレットを支持する支持部材が前記第3ガスプレナム内
    に設置されていることを特徴とする燃料集合体。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記第3ガスプレナム
    内に設置された支持部材は、前記第1ガスプレナム内の
    スプリングよりも中性子吸収断面積が小さいことを特徴
    とする燃料集合体。
  4. 【請求項4】核燃料ペレットを充填した第1燃料棒と、
    核燃料ペレットを充填し前記第1燃料棒よりも軸方向長
    さが短い第2燃料棒と、軸方向に配置され前記各燃料棒
    を支持する複数の燃料スペーサとを備えた燃料集合体に
    おいて、 前記第2燃料棒の上端部の第2ガスプレナム内のスプリ
    ングは、前記第1燃料棒の上端部の第1ガスプレナム内
    のスプリングよりも中性子吸収断面積が小さな材料で構
    成され、 前記燃料スペーサの燃料棒支持部間の軸方向長さを
    M、前記第2燃料棒を支持する複数の燃料スペーサの
    うち最上位に位置する燃料スペーサの燃料棒支持部と前
    記第2燃料棒の上端の間の軸方向長さをΔlとしたと
    き、Δl/lMが1/4以下であることを特徴とする燃料集合
    体。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記第2ガスプレナム
    内のスプリングがZr-Nb合金製であることを特徴とする
    燃料集合体。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記第2燃料棒の下端
    部に第3ガスプレナムを設け、該第3ガスプレナム内に
    前記第1ガスプレナム内のスプリングよりも中性子吸収
    断面積が小さな支持部材を設けたことを特徴とする燃料
    集合体。
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