JP2568409B2 - 記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は手動走査により記録媒体上に画像記録を形成
することの出来る記録装置に関するものである。

〈従来の技術〉 今日、ワードプロセッサが広く普及しているが、これ
らワードプロセッサ等に於いて一般的に使用されている
出力装置にはインクリボンを使用する熱転写式の記録装
置がある。

上記熱転写式記録装置の構成は、画信号に応じて発熱
する複数の発熱素子を設けた記録ヘッドを移動可能なキ
ャリッジに搭載し、該キャリッジをモーターで走行させ
ると共に、記録ヘッドを前記走行に同期するように駆動
制御することでインクリボンのインクを画像パターン状
に溶融又は低粘度化して記録紙に転写するようにしてい
る。

上記熱転写式の記録装置は小型，軽量且つ低騒音であ
ることからワードプロセッサ或いはプリンタ等の出力装
置として広く使用されている。

〈発明が解決しようとする問題点〉 しかし、上記記録装置はキャリッジの送り機構や記録
紙送り機構を有するために全体構造が複雑になり、また
記録出来る記録紙の厚さや大きさ等に制約がある。即
ち、一定以上の厚さを有する紙やサイズの大きい紙には
記録することが出来ず、またノート等の冊子状のものに
記録が出来ない等の問題がある。

〈問題点を解決するための手段〉 既に出願人は上記問題点を解決し、記録すべき記録媒
体の厚さやサイズの大きさに限定されず、また冊子状の
記録媒体であっても記録を実施することが可能な記録装
置を開発し提案している（特願昭62-62480）。

本発明は上記技術を更に発展させたものであり、その
手段は、装置本体の移動をガイドするためのガイドロー
ラと、装置本体の記録媒体上での移動を検出する検出手
段と、前記装置本体の移動に応じて転写媒体を搬送する
搬送手段と、前記装置本体の移動に対応し、画信号に応
じて前記転写媒体を前記記録媒体に転写するように駆動
する記録ヘッドと、一端側に回転体を保持し、他端側に
前記記録ヘッドを保持し、中間部を回動自在に軸支さ
れ、前記記録ヘッドを前記記録装置本体内部へ収納する
方向へ弾性付勢されているアーム部材と、を有し、前記
アーム部材に取り付けた回転体及び記録ヘッドを前記ガ
イドローラの回転軸方向において該ガイドローラと重畳
しない領域に設け、前記回転体と記録媒体との接触に応
じて前記アーム部材が回動して前記記録ヘッドが前記記
録装置本体外へ移動すると共に、前記回転体と記録媒体
との離間に応じて前記アーム部材が逆方向へ回動して前
記記録ヘッドが前記記録装置本体内へ移動するよう構成
したことを特徴とする。

〈作用〉 上記手段において、回転体を記録媒体に接触させると
アーム部材が回転して記録ヘッドが記録媒体に付勢さ
れ、装置本体を手動等により移動させると、検出手段が
装置本体の移動量及び移動速度を検出する。そしてこの
検出結果に応じ、転写媒体が搬送されると共に、記録ヘ
ッドが駆動することで、記録媒体に所定記録がなされ
る。

〈実施例〉 以下上記手段を適用した本発明の一実施例を図面によ
り説明する。

第１図は記録装置の斜視説明図であり、第２図は分解
説明図であり、また第３図は組立説明図である。

図に於いて、Ａは装置本体であって、上ケース１と下
ケース２とがビス等により一体的に固着可能であり、上
ケース１には蓋体３が回動自在に設けられている。この
蓋体３の両側には係止爪3aが設けられ、上ケース１の両
側に設けられた係止凹部1aと係合するようになってい
る。そして前記上ケース１内にインクリボンカセット４
が収容可能であり、また上下ケース1,2間には後述する
装置本体Ａの移動量及び移動速度を検出する検出機構
Ｂ、転写媒体の搬送機構Ｃ、記録ヘッド機構Ｄが収納さ
れ、装置本体Ａを第４図に示す如く記録媒体（紙やプラ
スチックシート等、以下『記録紙』という）５に押し当
て、これを手動等により移動することで所定記録が出来
るように構成されている。

ここで上記各機構B,C,Dの構成を第２図に基づいて具
体的に説明する。

先ず検出機構Ｂについて説明すると、下ケース２の軸
6aに回転部材７が回転自在に取り付けられ、該部材７は
装置本体Ａの移動に伴って回転するようになっている。
即ち、回転部材７はローラ部7a及びローラ部7aよりも小
径のギヤ部7bが一体的に形成され、且つ前記ローラ部7a
が下ケース２の切欠部2aから外部に突出するように取り
付けられている。従って前記ローラ部7aを記録紙５に当
接して装置本体Ａを移動すると、回転部材７が前記移動
量及び移動速度に応じて回転する。そしてこの回転はギ
ヤ部7bと噛合した中間ギヤ８及び該ギヤ８と噛合した中
間ギヤ９を介してエンコード板10のギヤ部10aに伝達さ
れるようになっている。尚、前記ギヤ8,9及びエンコー
ド板10は夫々下ケース２の軸6b,6c,6dに回転自在に取り
付けられている。

上記エンコード板10は前記ギヤ部10aとステンレス等
の薄円板10bとが一体的に形成され、該円板10bの周辺に
は放射状に矩形スリット10cが複数個設けられている。
そして該スリット10cの位置にはフォトセンサー11がも
うけられている。このフォトセンサー11は発光部と受光
部とを有し、発光部からの光が前記スリット10cを通っ
て受光部に至るように、下ケース２のセンサー取付部11
aに取り付けられいる。従って回転部材７が回転する
と、それに対応してエンコード板10が回転し、スリット
10cを検出したフォトセンサー11がパルス信号を発信す
る。この信号によって回転部材７の回転量及び回転速度
を検出するようになっている。

次に転写媒体の搬送機構Ｃについて説明すると、矩形
状の回転子12が下ケース２の軸6eに回転自在に取り付け
られ、該回転子12は前記中間ギヤ８と噛合するギヤ13,
円板14,圧縮コイルバネ15を順に挟んで巻取軸16に圧入
されている。

また、ギヤ13は回転子12に対して回転自在に取り付け
られ、円板14は回転子12に対して回転不能に遊嵌されて
いる。更に前記ギヤ13の上面にはフェルト等よりなる摩
擦板13aが接着剤等によって固着され、この摩擦板13aに
前記円板14がコイルバネ15の付勢により圧接し、摩擦ク
ラッチ34を構成している。

上記巻取軸16は上ケース１に形成された開口部1bから
露出するように構成され、また該上ケース１には支軸1c
が突設されている。そしてインクリボンカセット４を上
ケース１内に装填したときに、カセット４の繰出リール
4aは前記支軸1cに回転自在に支持され、巻取リール4bは
前記巻取軸16に対して回転不能に嵌合するように構成さ
れている。

尚、前記繰出リール4aと巻取リール4bには転写媒体た
るインクリボン17が巻き付けられ、巻取リール4bが回転
するとインクリボン17が繰出リール4aから巻取リール4b
へと順次繰り出される。

上記インクリボン17はポリエチレンテレフタレートフ
ィルム等よりなるベースフィルム上に、加熱によって溶
融若しくは低粘度化するインクを塗布してなるものであ
り、後述する記録ヘッド18によりベースフィルム側から
押圧されて前記インク塗布面が記録紙５に接触し得るよ
うに装填される。

上記構成に於いて、回転部材７が回転すると中間ギヤ
８を介してギヤ13が回転し、その回転力が摩擦板13aの
摩擦力を介して円板14に伝達され、巻取軸16が回転す
る。これにより巻取リール4bが回転し、インクリボン17
が巻取リール4bに順次巻き取られるものである。

尚、上記インクリボン17の巻き取りに際し、前述した
摩擦クラッチ34の作用によって、巻取軸16には一定以上
の回転力が伝達されない。

次に記録ヘッド機構Ｄについて説明すると、18は記録
ヘッドであって、ヘッド基板18a上に通電により個々に
発熱する発熱素子18bが一列に配列され、該記録ヘッド1
8はヘッド基板18aの裏面に設けたヘッド軸18cに圧縮コ
イルバネ20を介してヘッド支持アーム19のヘッド取付孔
19aに回転不能に貫通して遊嵌されヘッド軸18cの先端に
設けた止孔18dにピン21を嵌入することによって取り付
けられている。このヘッド取付アーム19は略Ｌ字状に形
成されており、その一端部19bはフォーク状に形成され
ローラ22をピン23により回転自在に挾持して取り付けて
ある。また他端部19cにはピン23が突設してあり、この
ピン23と下ケース２の軸6gとの間に引張コイルバネ24が
取りつけられている。またこのヘッド支持アーム19は略
その中心を下ケース２の軸6fに回動自在に取り付けられ
ている。更に下ケース２に設けたピン6h,6iはヘッド支
持アーム19の端部19cに接触してその回動を規制するス
トッパである。

上記の如く構成した記録ヘッド機構Ｄは、記録を実施
しない状態にあっては引張コイルバネ24により付勢され
ヘッド支持アーム19の端部19cとピン6hとが当接してお
り、この場合記録ヘッド18は装置本体Ａ内に退避し、ヘ
ッド支持アーム19の端部19bに設けたローラ22は下ケー
ス２の切欠部2bより装置本体Ａの外部に露出している。
また記録を実施する場合に、装置本体Ａを記録紙５上に
載置するとローラ22は記録紙５の表面に接触して装置本
体Ａ内にヘッド支持アーム19の端部19cがピン6iと当接
するまで押し込まれる。このとき記録ヘッド18は下ケー
ス２の切欠部2aより装置本体Ａの外部にインクリボン17
を伴って露出し記録紙５に当接し圧縮コイルバネ20によ
り付勢され、これによって発熱素子18bがインクリボン1
7のフィルムベース面と圧接するものである。

上記記録ヘッド18、フォトセンサー11更に記録開始ス
イッチ27はフレキシブル基板26等によって回路基板28と
電気的に接続されている。この回路基板28には後述する
制御回路が設けられ、該制御回路によって記録ヘッド18
の駆動制御がなされる。

上記制御回路は第５図に示すように構成されている。
尚、図に於いて二点鎖線で囲まれた部分が前記回路基板
28に設けられる回路であり、１点鎖線で囲まれた部分Ｅ
はワードプロセッサ等の外部機器に設けられた回路であ
る。

上記回路について説明すると、電源29はCPU30,フォト
センサー11,記録ヘッド18に供給される。またキーボー
ド32から入力された記録情報はCPU30を介してRAM31に格
納される。そして記録開始スイッチ27が押されて回転部
材７が回転すると、円板10bのスリット10cを検出したフ
ォトセンサー11から順次パルス信号がCPU30に入る。こ
のCPU30は前記フォトセンサー11からの信号に応じて予
めRAM31内に収納されていた記録情報を読み出し、記録
ヘッド18を駆動するためのドライバー33に信号を送り、
記録ヘッド18の発熱素子18bを画像パターン状に発熱す
ることでインクリボン17のインクを記録紙５に転写記録
する。

記録後のインクリボン17は回転部材７の回転力を前記
摩擦クラッチ34を介して巻取軸16に伝えることで巻取リ
ール4bに巻き取るように構成している。

尚、装置本体Ａの両側には該本体ｂの移動をガイドす
るためのガイドローラ35a,35bが回転自在に取り付けら
れ、図３から明らかなように、前記ガイドローラ35a,35
bの回転軸方向においてはアーム19に取り付けたローラ2
2及び記録ヘッド18とローラ35a,35bは重畳しない領域に
設けられている。

次に上記の如く構成された記録装置を使用した場合に
ついて説明する。

第４図に示すように、ワードプロセッサ、或いは電子
タイプライター等の記録情報を入力する外部機器36と装
置本体Ａの制御回路とをコード38で電気的に接続する。

そして例えば前記外部機器36のキーボード37で入力
し、表示部37に表示された入力情報を記録する場合に
は、ノート等の冊子状記録紙５にインクリボン17のイン
ク面が接触するように装置本体Ａを押し付けると、ロー
ラ22が力を受けることによってヘッド支持アーム19が軸
6fを中心に回動し記録ヘッド18がインクリボン17を介し
て記録紙５に押圧する。

この状態で記録開始スイッチ27を押しながら装置本体
Ａを手動によって移動させると、記録紙５と接触した回
転部材７が回転し、その回転量及び回転速度がエンコー
ド板10及びフォトセンサー11によって検出される。即
ち、移動開始からのパルス数によって装置本体Ａの移動
量が検出され、パルス周期によって移動速度が検出され
る。この検出結果に対応してRAM13内に格納した記録情
報を読み出し、該情報に応じて記録ヘッド18を駆動す
る。従って装置本体Ａの移動速度が変化しても、常に該
速度に対応して画像記録がなされる。

また装置本体Ａの移動に伴う回転部材７の回転によっ
て巻取軸16が回転し、記録後のインクリボン17が巻取リ
ール4bに順次巻き取られる。

尚、インクリボン17を巻き取るに従って巻取リール4b
に巻き取られたインクリボン17の径が変化する。従って
装置本体Ａの移動量に対する巻取リール4bの回転量を変
化させる必要があるが、前述の如く巻取軸16には摩擦ク
ラッチ34を介し、回転部材７の回転量に対応した回転ト
ルクが伝達される。従ってインクリボン17は前記径の変
化に関わらず、回転部材７の回転量に対応した量丈巻取
リール4bに巻き取られるようになる。

上記の如くして装置本体Ａを移動することで記録が出
来るので、記録媒体はシート状のものに限定されず、厚
手のものや冊子状のものにも容易に記録することが出来
る。また記録ヘッド18の駆動及び巻取軸16の回転は、回
転部材７の回転に同期して動作するので、インクリボン
17が搬送されずに記録ヘッド18のみが駆動することがな
く、また同様に記録ヘッド18が駆動せずにインクリボン
17のみが搬送されることがない。

尚、前述の実施例では回転部材７の回転によって装置
本体Ａの移動量の検出と、インクリボン17の搬送とを行
うようにした例を示したが、前記検出と搬送とを夫々独
立の構成で行うようにしても良い。

また回転部材７もローラ状のものに限定する必要はな
く、例えばエンドレスベルト等を回転させるようにした
ものでも良い。

更に前述の実施例に於いては、エンコード板10とフォ
トセンサー11との組み合わせによって回転部材７の回転
を検出するようにしたが、本発明はこれに限定する必要
はなく、他の方法として例えばエンコード板10の代わり
にN,S磁極を交互に配列した磁極板の回転を検出するこ
とで回転部材７の回転量を検出するように構成しても良
い。

また前述の実施例では転写媒体として熱溶融若しくは
低粘度化するインクを塗布したインクリボン17を使用
し、記録ヘッド18で記録する熱転写式の例を示したが、
他にもワイヤドット式の記録方式でも同様に適用するこ
とが出来る。

また前述の実施例では外部機器36を別個に設け、該外
部機器36からの記録情報を記録するようにした例を示し
たが、他例として外部機器36も一体とし、第５図に示す
制御機構を全て装置本体Ａ内に収納して記録装置単体で
使用出来るようにしても良い。

〈発明の効果〉 本発明は前述したように、装置本体を安定して走行さ
せると共に、装置本体の移動を検出し、この移動に応じ
て記録するようにしたため、厚紙やノート等の冊子状の
記録媒体に手動等で記録することが出来る。

また、回転体と記録媒体との接触に応じてアーム部材
が回転して記録ヘッドが記録装置本体外へ移動して記録
媒体に接触し、回転体を記録媒体から離間するとアーム
部材が逆方向へ回転して記録ヘッドが記録装置本体内へ
移動するために、記録装置を記録媒体に接離するだけ
で、記録時における記録ヘッドの使用可能状態と、非記
録時における記録ヘッドの保護状態にすることが出来
る。

更に、記録ヘッドを記録装置外へ移動させるために記
録媒体に接触する部材は回転体であるために、記録実行
時には記録装置をスムーズに移動させることが出来、且
つ記録媒体に擦り跡を残すこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る手動走査記録装置の斜
視説明図、第２図はその分解説明図、第３図はその組立
説明図、第４図は操作状態を示す説明図、第５図は制御
回路のブロック図である。 Ａは装置本体、Ｂは検出機構、Ｃは搬送機構、Ｄは記録
ヘッド機構、１は上ケース、２は下ケース、2a,2bは切
欠部、３は蓋体、４はインクリボンカセット、4aは繰出
リール、4bは巻取リール、５は記録紙、6a〜6gは軸、6
h,6iはピン、７は回転部材、8,9は中間ギヤ、10はエン
コード板、11はフォトセンサー、12は回転子、13はギ
ヤ、13aはエンコード板、14は円板、15,20,43は圧縮コ
イルバネ、16は巻取軸、17はインクリボン、18は記録ヘ
ッド、18aはヘッド基板、19はヘッド支持アーム、22は
ローラ、24は引張コイルバネ、26はフレキシブル基板、
27は記録開始スイッチ、28は回路基板、29は電源、30は
CPU、31はRAM、32はキーボード、33はドライバー、34は
クラッチ、35はガイドローラ、36は外部機器である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】装置本体の移動をガイドするためのガイド
   ローラと、 装置本体の記録媒体上での移動を検出する検出手段と、 前記装置本体の移動に応じて転写媒体を搬送する搬送手
   段と、 前記装置本体の移動に対応し、画信号に応じて前記転写
   媒体を前記記録媒体に転写するように駆動する記録ヘッ
   ドと、 一端側に回転体を保持し、他端側に前記記録ヘッドを保
   持し、中間部を回動自在に軸支され、前記記録ヘッドを
   前記記録装置本体内部へ収納する方向へ弾性付勢されて
   いるアーム部材と、 を有し、 前記アーム部材に取り付けた回転体及び記録ヘッドを前
   記ガイドローラの回転軸方向において該ガイドローラと
   重畳しない領域に設け、前記回転体と記録媒体との接触
   に応じて前記アーム部材が回動して前記記録ヘッドが前
   記記録装置本体外へ移動すると共に、前記回転体と記録
   媒体との離間に応じて前記アーム部材が逆方向へ回動し
   て前記記録ヘッドが前記記録装置本体内へ移動するよう
   構成したことを特徴とする記録装置。