JP2566867B2 - 堰 堤 - Google Patents

堰 堤

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JP2566867B2
JP2566867B2 JP4118569A JP11856992A JP2566867B2 JP 2566867 B2 JP2566867 B2 JP 2566867B2 JP 4118569 A JP4118569 A JP 4118569A JP 11856992 A JP11856992 A JP 11856992A JP 2566867 B2 JP2566867 B2 JP 2566867B2
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光雄 中島
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NAKAMITSU KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般に堰堤に関し、特
に、急峻な地形の多い山間部や複雑な地形の多い丘陵地
帯縁辺部等において生じやすい土石流等の土砂災害や、
集中豪雨に起因する鉄砲水、中小河川の溢水等の水害か
ら集落を防護するのに好適な堰堤に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の堰堤は、大出力の水力発電や広
域に亘るかん漑事業のために設けられた大規模な堰堤と
は異なり、一般に、比較的小規模な構築物である。即
ち、該堰堤は、河川の上流域である急峻且つ複雑な地形
の多い山間部等において、既存の地形を可能な限り保全
した状態で、土砂災害を誘発するような大規模な土砂の
移動を抑制するために設けられるものである。該堰堤
は、設置するに際して、上記のように、既存の地形の大
規模な変更工事を伴わないのが一般的である。そのた
め、工事施行箇所へと通ずる道路が各種資材を搬入する
のに使用する道路として不適当であったり、工事施行箇
所がとりわけ急峻であったり、起伏に富んだ複雑な地形
であったり、或いは工事施行箇所及びその付近一帯の地
盤が軟弱地盤である等、工事施行に際して種々の悪条件
があっても、これらの悪条件の下で上記堰堤の構築が行
われることとなる。よって、各種作業工程において作業
能率の低下をきたすのみならず、作業従事者が極めて危
険な作業環境下で作業に従事しなければならないという
問題もあった。
【0003】そこで、このような事情に鑑みて、従来よ
り上記堰堤に関する提案がなされ、該提案に係る堰堤が
実用に供されている。
【0004】上記提案に係る堰堤は、主として現場に設
置されている鋼製続枠と、この鋼製続枠によって画定さ
れる収容空間部に、中詰材料として充填された玉石、砕
石等とから成るものである。上記構成において、鋼製続
枠は、柔軟な角形鋼管を材料とするフレーム(枠)やビ
ームと、グレーティングやその他の小部材から成るもの
であり、該鋼製続枠は、工場等において製作された後現
場に搬入された上記各部材にて所定の形状に組立てられ
る完全プレハブ構造となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
従来の堰堤では、前述した悪条件下において作業能率の
向上を図り、作業環境の危険度の低減を図ることが可能
となった。
【0006】然るに、上記構成の堰堤は、コンクリート
打設や杭打等の基礎工が施されておらず、土石流による
土圧や軟弱地盤等に起因する外力等の負荷に対しては中
詰材料の重量を主とする堰堤の自重によって耐える構造
(所謂重力式)となっている。然も、鋼製続枠自体は重
量がそれほどないから、堰堤を大重量の構造物とするた
めにはどうしても堰堤自身の規模を大きくしなければな
らないこととなる。
【0007】このように、堰堤の規模をある程度以上の
大きさにしなければならないとすると、現場の地形が複
雑な場合に、既存の地形の保全を図りつつ、既存の地形
その他の地理的、地質的諸条件に見合った形状、大きさ
の堰堤を構築することが非常に困難となる。
【0008】従って本発明は、上記事情を考慮してなさ
れたもので、その目的は、堰堤を構築するための各種作
業工程において作業能率の向上を図ることができ、作業
環境の危険度の低減を図ることができ、且つ既存の地形
その他の地理的、地質的な諸条件に見合った形状、大き
さで構築が可能な構成の堰堤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、所定の間隔で地面から地盤に向けて掘
削された複数の穴を充填すべく形成された複数の基礎杭
と、これら各々の基礎杭と一体的に構成され、これら各
々の基礎杭から夫々地上に突設せしめられた複数の地上
杭と、これら各々の地上杭が突設せしめられている領域
において、前記各々の地上杭間を連結することにより前
記各々の地上杭とともに複数の収容空間部を画定すべく
形成された複数の梁と、前記複数の収容空間部に充填さ
れる中詰材料と、を備え、前記複数の梁は地上に形成さ
れ、前記複数の基礎杭の地中部の長さは前記地上杭の長
さより大であり、前記各々の基礎杭、各々の地上杭及び
各々の梁は、いずれも、複数の鋼製深礎工法材を組付け
て成る型枠と、この型枠によって画定される内部空間に
形成された鉄筋コンクリートから成る構造体と、を有し
た構造物であり、前記中詰材料は、前記各構造物を設け
るに際して生じた砕石、栗石、或いは残土である構成と
した。
【0010】
【作用】上記構成において、複数の地上杭は、地中に埋
設された状態にある複数の基礎杭と一体的に形成されて
各基礎杭から地上に突設せしめられており、然も、各々
の基礎杭と同様に鋼製深礎工法材を組付けて成る型枠
と、この型枠によって画定される内部空間に形成された
鉄筋コンクリートから成る構造体と、を有した構造物に
よって構成されているために、単に地上に設置されてい
るだけの構造物に比して極めて堅固であり、外力、例え
ば、土石流等によって生ずる土圧や流水による水圧等に
対する耐荷重性に優れている。即ち、各地上杭は、従来
技術に係る構造物とは異なり、自重だけではなく、構造
それ自体が外力に対して充分に耐え得るものとなってい
る。
【0011】このように、基礎杭の地中部の長さを地上
杭の長さより大としたため、単独でも非常に堅固で耐荷
重性に優れた構造の各地上杭を用いて力学的に見て更に
耐荷重性に優れた構造物を実現するために、本発明で
は、上記各地上杭と同様な構造の複数の梁によって各地
上杭間を連結することとした。上記構造とすることによ
り、例えば土石流等の土圧や流水の水圧が外力として加
わっても、この外力に対して充分に耐えることができ
る。また、この複数の梁は、地上部分にのみ形成するの
で、充分な耐荷重性を有しつつ、しかも梁部分の下方は
地表を掘削する必要が無いので、工事費用の節減や工期
の短縮に効果がある。
【0012】本発明では、上記構成に加えて更に、前記
各々の地上杭と前記各々の梁とによって画定される複数
の収容空間部に、基礎杭を始め、地上杭、梁等の各構造
物を設けるに際して生じた砕石、栗石、或いは残土等
を、中詰材料として充填することとしているので、単に
力学的に耐荷重性に優れた構造を有するに止まらず、従
来より用いられている自重を重くすることによって外力
に耐える方式(所謂、重力式と称される堰堤)の特長を
も兼ね備えた堰堤の実現が可能となった。
【0013】なお、基礎杭を始め、地上杭、梁の型枠と
なる鋼製深礎工法材は、通常、運搬しやすい大きさと重
量に規格が定まっているから、運搬作業そのものに、堰
堤設置箇所の地形等、地理的条件の制約は殆どなく、作
業の危険度の低減も図れる。このように運搬しやすい複
数の鋼製深礎工法材を、深礎工法により、各穴の内壁面
に沿って組付けて型枠を形成し、この型枠によって画定
される内部空間に、鉄筋コンクリートから成る構造体を
形成することで、各基礎杭を形成することができる。各
地上杭及び各梁の形成工程についても、型枠形成作業に
おいて若干相違点(特に地上杭の場合、型枠を地中に形
成することはない)はあるものの、上記基礎杭の形成工
程と略同様である。各梁についても、地上杭と同様に、
地中に基礎と成る構造物を設置し、この基礎となる構造
物から立上げる構造とすることも可能である。そのう
え、所謂重力式のような規模の大きな構造物とする必要
がないために、現場の地形や地盤の強弱に見合った構造
物の設計が可能である。
【0014】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施例に從う堰堤の構
成を示した一部破断の側面図である。本発明の一実施例
に從う堰堤は、図1にて示すように、複数の基礎杭、即
ち、深礎杭1,3,5,7,9,11,13,15と、
複数の地上杭17,19,21,23,25,27,2
9,31と、複数の梁32,33,35,37,39,
41,43,45,47,49と、上述した複数の地上
杭17〜31と複数の梁32〜49とによって画定され
る複数の収容空間部(図2、図3において符号50,5
1,53で示す)内に、中詰材料として充填された多量
の砕石(或いは栗石)55とから成るものである。な
お、図1では、図示の都合上、上述した複数の深礎杭、
複数の地上杭及び複数の梁のうち、符号1,3に係る深
礎杭、符号17,19に係る地上杭及び符号32に係る
梁についてのみ掲載している。
【0016】上記構成につき更に詳述すれば以下のよう
である。即ち、上述した各深礎杭1〜15は、所定の間
隔で地面65から地盤に向けて略垂直に掘削された、符
号57,59にて示すごとき複数の穴に設けられるもの
で、一般的な土木工事における工法の1つである深礎工
法に用いられる多量の鋼製深礎工法材68を組付けて成
る型枠1a〜15aと、この型枠1a〜15aによって
画定される内部空間に形成された鉄筋コンクリートから
成る構造体(図2、符号1b〜15bにて示す)とを備
えた構造物である。各々の型枠1a〜15aは多量の鋼
製深礎工法材68を深礎工法によって上記複数の穴(本
実施例では、符号57,59にて示すごとき穴は少なく
とも8箇所以上掘削されている)の内周面に沿って組付
けられて形成されるものである。本実施例では、本実施
例に従う堰堤の平面図である図2を参照して明らかなよ
うに、上記複数の穴の断面が円形状を呈しているため
に、各型枠1a〜15aは、円筒形状に組付けられてい
る。
【0017】上述した鋼製深礎工法材68としては、例
えば、ライナープレートやアングル深礎リングや鋼製セ
グメント、或いはコルゲートパイプ等が挙げられるが、
本実施例に従う深礎杭の型枠1a〜15aの形成に際し
ては、例えば、1枚当り20〜30Kg程度の重量で所
定の曲率で湾曲せしめられたライナープレートを採用す
ることとした。該ライナープレートは、特に、山間部に
おいて設置される基礎杭に好適な材料として用いられ
る。なお、各型枠1a〜15a内の前記構造体1b〜1
5bは、これら各型枠1a〜15aによって画定される
内部空間に配筋された複数の鉄筋材と、前記各型枠1a
〜15aと前記配筋された複数の鉄筋材との空隙部に充
填されたコンクリート材とによって円柱状に形成される
ものである(なお、符号68については、図示の都合に
より1個の鋼製深礎工法材にのみ付すこととした)。
【0018】上記各地上杭17〜31は、上述した各々
の深礎杭1〜15と夫々一体的に構成され、これら各々
の深礎杭1〜15の形成工程完了後に、これら各々の深
礎杭1〜15から夫々地上に突設せしめられたもので、
上記各々の深礎杭1〜15と同様な構成となっている。
即ち、上記各地上杭17〜31は、多量の鋼製深礎工法
材68を組付けて成る型枠17a〜31aと、この型枠
17a〜31aによって画定される内部空間に形成され
た鉄筋コンクリートから成る構造体(図2、符号17b
〜31bにて示す)とを備えた構造物である。各々の型
枠17a〜31aは、前掲の図2及び既述の内容から明
らかなように、夫々円筒形状に形成されている。又、各
々の構造体17b〜31bについても、各型枠17a〜
31aが円筒形状に形成されているために、円柱状に形
成されることとなる。上述した鋼製深礎工法材68に
は、上記深礎杭1〜15におけると同様なライナープレ
ートが用いられている。
【0019】上記各地上杭17〜31の型枠17a〜3
1aの側面部には、図示のごとく多数の水抜き穴63が
開口しており、且つ防錆のために溶融亜鉛メッキが施さ
れている。(なお、符号63については、図示の都合に
より1個の水抜き穴にのみ付すこととした)。又、上記
各地上杭17〜31の側面部と地面65との接合部に
は、符号67にて示すように、コンクリート材による仕
上げが施されている。更に、上記各地上杭17〜31の
上部には、符号51にて示すように、所定厚さのコンク
リート材で天端仕上げが施されている。このコンクリー
ト材による天端仕上げは、後に、詳述するように、各梁
32〜49の上部にも、上記各地上杭17〜31におけ
ると同様な態様で施されている(なお、符号68につい
ては、図示の都合により1個の鋼製深礎工法材にのみ付
すこととした)。
【0020】上記梁32〜49は、各々の地上杭17〜
31が突設せしめられている領域において、前記各々の
地上杭17〜31間を連結することにより前記各々の地
上杭17〜31とともに、図2にて示すごとき複数の収
容空間部50,51,53を画定すべく形成されるもの
である。即ち、上記各梁32〜49は、多量の鋼製深礎
工法材68を組付けてなる型枠32a〜49aと、この
型枠32a〜49aによって画定される内部空間に形成
された鉄筋コンクリートから成る構造体(図2、符号3
2b〜49bにて示す)とを備えた構造物である。各々
の型枠32a〜49aは、上部から見た形状が前掲の図
2にて示すような態様に形成されており、本実施例で
は、これら各々の型枠32a〜49aを形成するのに使
用される鋼製深礎工法材68には、ライナープレートの
直線材が使用されている。上記各鋼製深礎工法材68
(即ち、ライナープレートの直線材)の重量も、1枚当
り20〜30Kg程度に設定されている。各々の構造体
32b〜49bについても、各型枠32a〜49aによ
って画定される内部空間に形成されるために、上部から
見た形状が各型枠32a〜49aと同様に前掲の図2に
て示すような態様に形成されることとなる。
【0021】上記各梁32〜49の型枠32a〜49a
の側面部には、図示のごとく多数の水抜き穴63が開口
しており、且つ防錆のために溶融亜鉛メッキが施されて
いる(なお、符号63については、図示の都合により1
個の水抜き穴にのみ付すこととした。)又、上記各梁3
2〜49の側面部と地面65との接合部にも、前述した
符号67にて示したようなコンクリート材による仕上げ
が施されている(なお、上記各梁32〜49に対応する
符号67については、図面が輻輳するので付していな
い)。更に、上記各梁32〜49の上部にも、符号51
にて示すように、所定厚さのコンクリート材で天端仕上
げが施されている。このコンクリート材による天端仕上
げは、前述した各地上杭17〜31におけると同様な態
様で施されている(なお、符号68については、図示の
都合により1個の鋼製深礎工法材にのみ付すこととし
た)。
【0022】上記のごとき態様で形成された各深礎杭1
〜15、各地上杭17〜31、各梁32〜49のうち、
各地上杭17〜31と各梁32〜49とによって、図2
にて示すように、略矩形状を呈する複数個の収容空間部
50,51,53が画定される。
【0023】このようにして画定された各収容空間部5
0,51,53に対し、前記各深礎杭1〜15、各地上
杭17〜31、各梁32〜49を構築するに当って発生
した砕石、栗石、或いは残土等(本実施例では、砕石或
いは栗石とする)等が符号55にて示すように中詰材料
として充填されている。
【0024】本実施例に係る堰堤は、以上説明したごと
き各種工程を経て、図3にて示すごとき態様に組みつけ
られることと成る。なお、図3において、図1及び図2
にて示したものと同一物には同一符号を付している。
【0025】上記構成において、各々の地上杭17〜3
1は、地中に埋設された状態にある各々の深礎杭1〜1
5と一体的に形成されて各深礎杭1〜15から地上65
に突設せしめられており、然も、各々の深礎杭1〜15
と同様に複数の鋼製深礎工法材68を組付けて成る型枠
17a〜31aと、これら型枠17a〜31aによって
画定される内部空間に形成された鉄筋コンクリートから
成る構造体17b〜31bと、を有した構造物によって
構成されている。そのため、従来におけるこの種の構造
物のように、単に地上に設置されているだけのものに比
して極めて堅固であり、外力、例えば、土石流等によっ
て生ずる土圧や流水により水圧等に対する耐荷重性に優
れている。即ち、各地上杭17〜31は、自重ではな
く、構造それ事態が外力に対して十分に耐え得るものと
なっている。
【0026】このように、単独でも非常に堅固で耐荷重
性に優れた構造の各地上杭17〜31を用いて、力学的
にみて更に耐荷重性に優れた構造物を実現するために、
本実施例では、上記各地上杭17〜31と同様な構造の
複数の梁32〜49によって各地上杭17〜31間を連
結することとした。上記構造とすることにより、例えば
土石流等の土圧や流水の水圧が外力として加わっても、
この外力に対して充分に耐えることができる。即ち、単
なる重力式構造ではないから、構造物の規模をある程度
以上に大きくしなくても、外力に対して充分に耐えるこ
とができるものである。
【0027】本実施例に係る堰堤では、上記構成に加え
て更に、前記各々の地上杭17〜31と前記各々の梁3
2〜49によって画定された前記各収容空間部50,5
1,53に、深礎杭1〜15を始め、地上杭17〜3
1,梁32〜49等の各構造物を設けるに際して生じた
砕石、栗石等を、中詰材料55として充填することとし
ているので、単に力学的に耐荷重性に優れた構造を有す
るに止まらず、従来より用いられている自重を重くする
ことによって外力に耐える、重力式と称される堰堤の特
長をも兼ね備えている。
【0028】なお、深礎杭1〜15を始め、地上杭17
〜31,梁32〜49の型枠となる鋼製深礎工法材68
は、通常、運搬しやすい大きさと重量(20〜30K
g)に規格が定まっているから、運搬作業そのものに、
堰堤設置箇所の地形等、地理的条件の制約は殆どない。
又、現場の地形が複雑であったり、急峻であったり、或
いは軟弱地盤である等の悪条件下においても、重力式堰
堤と異なってある程度以上の規模にする必要がないため
に、既存の地形の保全を図りつつ、各地上杭17〜31
の形状及び根入長の長さ等、既存の地形その他の地理
的、地質的諸条件に見合った形状、大きさの堰堤とする
ことができる。各種作業工程において、危険度の低減を
も図れる。更に、本実施例に従う堰堤において、その内
部に浸入した雨水等は、充填された中詰材料55から各
構造物にかけて形成されている図示しない水抜き機構を
介して図1〜図3にて夫々示す各水抜き穴63から外部
へと排出される。
【0029】以上説明した内容は、あくまで本発明の一
実施例に従う堰堤に関するものであって、本発明が上記
内容のみに限定されることを意味するものではない。
【0030】例えば、各梁32〜49に関しても、各地
上杭17〜31におけると略同様に、夫々深礎杭のごと
き基礎構造物と一体的に構成されるものとして、これら
基礎構造物から立上げるようにすれば、力学的にみて耐
荷重性により優れた構造物となり得る。又、本実施例で
は、図1に示すように、深礎杭1ー15を形成するため
の穴57,59等を、地面65に対して略垂直になるよ
うに掘削することとしたが、上記各穴の地面65となす
角度は、現場の状況に応じて最も適したものに設定する
ことができる。各地上杭17〜31と各梁32〜49と
によって画定される収容空間部50〜53についても、
図2にて示すように必ずしも矩形状を呈するものに限定
されるものではなく、図5に示すような正方形形状や、
図4、図6、図7にて夫々示すような形状とすることも
可能である、各地上杭と各梁との配置パターンについて
も、必ずしも所謂“面一”とする必要はなく、図7にて
示す配置パターンとすることが可能である。更には、各
梁の上部から見た形状についても、図4や図6にて示す
ような形状に設定することも可能である。鋼製深礎工法
材68についても、ライナープレートのみに限定される
ものではない。
【0031】なお、図4〜図7において、符号71a〜
71dは地上杭を、又、符号73a〜73dは梁を示し
ている。
【0032】
【発明の効果】以上説明したよに、本発明によれば、複
数の鋼製深礎工法材を組付けて成る型枠と、この型枠に
よって画定される内部空間に形成された鉄筋コンクリー
トから成る構造体と、を有した構造物にて、複数の地下
部分を長く構成した深礎杭、複数の地上杭及び複数の地
上部分のみに形成される梁を構成することとし、且つ、
複数の地上杭と複数の梁とによって画定された複数の収
容空間部に、上記各構造物を設けるに際して生じた砕
石、栗石、残土等を中詰材料として充填することとした
ので、堰堤を構築するための各種作業工程において作業
能率の向上を図ることができ、作業環境の危険度の低減
を図ることができ、且つ既存の地形をその他の地理的、
地質的な諸条件に見合った形状、大きさで構築が可能な
構成の堰堤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に従う堰堤の構成を示した一
部破断の側面図。
【図2】図1にて示した構成の堰堤を示した平面図。
【図3】本発明の一実施例に従う堰堤の構成を示した斜
視図。
【図4】本発明に従う変形例を示した平面図。
【図5】本発明に従う別の変形例を示した平面図。
【図6】本発明に従う更に別の変形例を示した平面図。
【図7】本発明に従う更に別の変形例を示した平面図。
【符号の説明】
1,3,5,7,9,11,13,15 深礎杭 1a,3a,5a,7a,9a,11a,13a,15
a 深礎杭の型枠 1b,3b,5b,7b,9b,11b,13b,15
b 鉄筋コンクリートから成る構造体 17,19,21,23,25,27,29,31 地
上杭 17a,19a,21a,23a,25a,27a,2
9a,31a 地上杭の型枠 17b,19b,21b,23b,25b,27b,2
9b,31b 鉄筋コンクリートから成る構造体 32,33,35,37,39,41,43,45,4
7,49 梁 32a,33a,35a,37a,39a,41a,4
3a,45a,47a,49a 梁の型枠 32b,33b,35b,37b,39b,41b,4
3b,45b,47b,49b 鉄筋コンクリートから
成る構造体 50,51,53 収容空間部 55 中詰材料 57,59 穴 65 地面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔で地面から地盤に向けて掘削
    された複数の穴を充填すべく形成された複数の基礎杭
    と、 これら各々の基礎杭と一体的に構成され、これら各々の
    基礎杭から夫々地上に突設せしめられた複数の地上杭
    と、 これら各々の地上杭が突設せしめられている領域におい
    て、前記各々の地上杭間を連結することにより前記各々
    の地上杭とともに複数の収容空間部を画定すべく形成さ
    れた複数の梁と、 前記複数の収容空間部に充填される中詰材料と、 を備え、 前記複数の梁は地上に形成され、 前記複数の基礎杭の地中部の長さは前記地上杭の長さよ
    り大であり、 前記各々の基礎杭、各々の地上杭及び各々の梁は、いず
    れも、 複数の鋼製深礎工法材を組付けて成る型枠と、 この型枠によって画定される内部空間に形成された鉄筋
    コンクリートから成る構造体と、 を有した構造物であり、 前記中詰材料は、前記各構造物を設けるに際して生じた
    砕石、栗石、或いは残土であることを特徴とする堰堤。
JP4118569A 1992-04-13 1992-04-13 堰 堤 Expired - Lifetime JP2566867B2 (ja)

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