JP2566618B2 - 固体潤滑剤の製造方法 - Google Patents

固体潤滑剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は有機モリブデン化合物および有機亜鉛化合
物から固体潤滑剤を製造する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
各種機器類の相対運動を行なう部分の表面の損傷を防
ぎ、また摩擦、摩耗を減少させる目的で粉末状または薄
膜状にして潤滑作用を発揮させる固体潤滑剤として、二
硫化モリブデン、二硫化タングステン、二硫化タンタ
ル、グラファイト、フッ化黒鉛、雲母、その他の層状固
体、無機フッ化物、無機硫化物、金属酸化物などの非層
状無機物、鉛、錫、銀、銅などの軟質金属、タングステ
ン、モリブデンの硬質金属、四フッ化エチレン樹脂、ポ
リイミド、ポリアセタール、ポリエチレン、ナイロン、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタンその他の
高分子物などが用いられていることはよく知られてい
る。このような固体潤滑剤に対して、主として石油系潤
滑油、合成潤滑油、水性潤滑油のような液体潤滑油、お
よび石油系もしくは合成潤滑油を基油とし、これら増稠
剤を加えた半固体潤滑剤(グリース)のあることも広く
知られている。特に、半固体潤滑剤に対しては、近時
(たとえば特願昭61−250417号)、基油および増稠剤の
ほかにモリブデンジアルキル(またはジアリール)ジチ
オフォスフェートのような有機モリブデン化合物、さら
にはジンクジアルキル(またはジアリール)ジチオフォ
スフェートのような有機亜鉛化合物を添加し潤滑特性を
向上させる技術が開発され、モリブデンおよび亜鉛の有
機化合物が注目されつつある。
モリブデンおよび亜鉛の上記のようなリン(燐)およ
びイオウ(硫黄)を含有する有機化合物は常温では液状
ないし水飴様の粘液状を呈し、基油に可溶の物質である
から、半固体状のグリースに均一に添加混合して潤滑特
性を向上させるためにはきわめて好都合なものであると
いえる。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上述べたように、従来の技術においては、モリブデ
ンジアルキル(またはジアリール)ジチオフォスフェー
トのような有機モリブデン化合物、ジンクジアルキル
(またはジアリール)ジチオフォスフェートのような有
機亜鉛化合物を潤滑性成分として利用する場合、液状な
いし粘液状のまま基油に溶解させ、増稠剤を加えてグリ
ースとする方法があってもそれ以外の態様のものは未だ
見出されていないという問題点があり、これを解決する
ことが課題となっていた。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この発明は構造式Iお
よびIIで示される有機モリブデン化合物および有機亜鉛
化合物をアミン化合物とともに鉱油または合成炭化水素
油中において165〜203℃で反応させ、析出する生成物を
分離して固体潤滑剤とする手段を採用したものである。
以下その詳細を述べる。
まず、構造式I 〔ここにRおよびR′は1級または2級のアルキル基ま
たはアリール基〕 で示される有機モリブデン化合物はモリブデンジアルキ
ルジチオフォスフェートまたはモリブデンジアリールジ
チオフォスフェートであり、また、構造式II 〔ここにR′は1級または2級のアルキル基またはアリ
ール基〕 で示される有機亜鉛化合物はジンクジアルキルジチオフ
ォスフェートまたはジングジアリールジチオフォスフェ
ートであり、これら有機モリブデン化合物および有機亜
鉛化合物は前記したようにいずれも常温で液状ないし水
飴様の粘液状の物質であり、炭化水素系の液体にはよく
溶解して均一に混合する。
また、この発明に用いるアミン化合物は酸化防止およ
び触媒の役割りを果すものであり、たとえばフェニル−
α−ナフチルアミンを例示することができるが、これに
限定されるものではなく、沸点もしくは分解点がこの発
明における反応温度、すなわち165〜230℃よりも高温に
あるアミン化合物であれば反応中に消失することはなく
使用することができて好ましい。
さらに、この発明における鉱油または合成炭化水素油
は、反応に直接関与する有機モリブデン化合物、有機亜
鉛化合物および触媒であるアミン化合物を均質に溶解さ
せて反応を円滑に進めるための希釈剤であり、たとえば
タービン油を挙げることができるが、これに限るもので
はなく、前記の各化合物を溶解し、かつ反応温度すなわ
ち165〜230℃にも充分耐え得る溶剤であれば利用するこ
とが出来る。
ここで、この発明における反応温度を165〜230℃と限
定する理由は、160℃以下の低温では反応生成物(沈澱
物)が得られず、また230℃を越える高温では溶剤の発
火点、引火点に近づき好ましくないからである。
以上述べた有機モリブデン化合物と有機亜鉛化合物と
を反応させると黄褐色の生成物が析出するので、冷却後
これを分離する。得られた生成物は表面に多量の高沸点
溶剤が付着しているので、これを除去することが望まし
いが、そのためにはたとえば石油ベンジンのような比較
的低沸点の溶剤で洗浄し、洗浄後乾燥して洗浄に用いた
溶剤を蒸発させると、最後に表面の清浄な粉末状の生成
物が残る。
〔作用〕
この発明の有機モリブデン化合物および有機亜鉛化合
物はいずれもリンおよびイオウを含有しているので、両
化合物を反応させると、モリブデン、亜鉛、リンおよび
イオウを含み優れた潤滑性を有する粉末が生成される。
したがって、反応条件たとえば原料化合物の配合比、濃
度、反応温度、反応時間などを調整することによって生
成物の元素組成、さらに収率、潤滑性などにも変化を与
えることが出来る。
〔実施例〕
タービン油(日本石油社製:タービンオイル56)95重
量部、有機モリブデン化合物(旭電化工業社製:サクラ
ルーブ300)3重量部、有機亜鉛化合物(日本ルーブリ
ゾール社製:ルーブリゾール1095)1重量部およびフェ
ニル−α−ナフチルアミン(大内新興化学社製:ノクラ
ックPA)1重量部からなる混合溶液40gをビーカに入
れ、175℃、3.5時間、大気中で加熱したところ、黄褐色
の反応生成物が沈澱した。この沈澱をNo.5 Bの濾紙で濾
過分離した後、石油ベンジンで反復洗浄し、洗浄濾液が
無色になり、かつ原料のモリブデンもしくは亜鉛の化合
物の混入が赤外分光分析によっても認められなくなるま
で繰り返した。洗浄を終わった生成物を乾燥器に移し、
化学天秤で重量減の無くなるまで乾燥させ、約0.32gの
粉体を得た。この生成物の構成元素比は、モリブデン
(Mo)1、亜鉛(Zn)1.7、リン(P)3.7、イオウ
(S)4.6であった。この元素比は原料化合物の配合組
成とは大きく異なっているので、新たな反応生成物であ
ることがわかった。
得られた粉状生成物をポリウレア系無添加グリースB
に5重量%になるように加えてグリースAを調整し、ま
た対照品として二硫化モリブデン粉末(ダウコーニング
社製:モリコートマイクロサイズパウダ)を前記同様ポ
リウレア系無添加グリースに5重量%になるように加え
てグリースCを作った。得られた三種類のグリースにつ
いてサバン型摩耗試験機による潤滑特性を比較した。
ここで、サバン型摩耗試験機は第2図に示すように径
40mm、幅4mmの回転リング1に1/4インチの鋼球2を接触
させたものであり、回転リング1の幅方向の表面粗さ
は、1.6〜1.9S、軸方向の表面粗さ0.4〜0.6Sとしてあ
る。グリースの摩擦係数の測定に際して、回転リング1
の周速毎分108mで回転し、荷重1kgfをかけ、回転リング
1の下端からスポンジ3を介して回転リング1の表面に
グリースを供給し、鋼球2を支持するエアスライド4の
動きをロードセル5で検出する。このようにして、前記
グリースA、BおよびCについて求めた摩擦係数および
摩耗痕平均型を一括して第1図に示した。第1図から明
らかなように、ポリウレア系無添加グリースBに比較し
て、この発明の方法で得られた粉末を混入してグリース
Aは摩擦係数、摩耗痕径共に著しく低下し、その低下の
程度は二硫化モリブデンを混入したグリースCよりも遥
かに大きく、優れた固体潤滑剤として利用できることが
わかった。
〔効果〕
この発明の固体潤滑剤はモリブデン、亜鉛、リン、イ
オウを含む新規な物質で、二硫化モリブデンよりも優れ
た潤滑特性を示すことから、新たな用途が開かれるもの
と期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例における潤滑特性の測定結果(摩擦係
数、摩耗痕径)を示す図、第2図はサバン型摩耗試験機
の原理を示すための図である。 1……回転リング、2……鋼球、 3……スポンジ、4……エアスライド、 5……ロードセル。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 10:12 30:00 30:06 50:10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の構造式IおよびIIで示される有機モ
    リブデン化合物および有機亜鉛化合物をアミン化合物と
    ともに鉱油または合成炭化水素油中において165〜230℃
    で反応させ、析出する生成物を分離することを特徴とす
    る固体潤滑剤の製造方法。 記 〔ここにRおよびR′は1級または2級のアルキル基ま
    たはアリール基〕
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