JP2565909C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
〈産業上の利用分野〉
本発明は、高出力特性にすぐれた高性能半導体レーザ素子に関するものである
。 〈従来の技術〉 近年、YAGレーザの励起用光源等として小型軽量の半導体レーザによる1W
以上の高出力動作が求められている。一般に、非常に小さな体積で動作する半導
体レーザの高出力限界は主に大きな駆動電流時の発熱による光出力の飽和や高い
光密度による破壊限界によってきまっている。したがって高出力動作においては
数十ミクロン(μm)のストライプ幅を持った広ストライプレーザを用いること
により単位体積あたりの光密度を低下している。このような広ストライプレーザ
においては成長層の均一性が問題となるが近年分子線エピタキシイ法(MBE法
)や有機金属気相成長法(MO−CVD法)等によって大面積でかつ均一な結晶
成長が可能となっており、上述のようなストライプ幅の広いレーザによって高い
出力の発振が得られるようになっている。 従来、活性層厚が500Å以上のいわゆるダブルヘテロ(DH)型レーザを高
出力用レーザとして用いるとき、共振器両端面の反射率を後面75%以上、前面
約5%の非対称になるようにコーティングを施し、後面への光出力の損失を少な
くしている。一般に半導体レーザにおいて発振閾値電流密度は共振器長を長くす
ると低下するが、DHレーザの場合共振器長を長くすると量子効率の低下が大き
いため高出力動作時の駆動電流を上昇し発熱の効果による光出力の飽和がおこる
ため共振器長は250μm程度が最適と考えられる。 〈発明の目的〉 本発明は高出力動作に有利な量子井戸レーザを用いて発熱による光出力飽和の 影響を少なくし、高い出力での動作を可能にするものである。活性層に量子井戸
構造を用いた場合、注入されたキャリァは、量子井戸方向に量子化され、キャリ
ァのエネルギ状態密度が階段状となるためレーザの利得係数が注入キャリァ密度
に対して急激に立ち上がり、低い閾値電流密度で発振する。 〈発明の構成及び効果の説明〉 本発明は、駆動電流が低く高出力動作に有利な量子井戸活性層を有し前後端面
の反射率をそれぞれ低反射率、高反射率とした高出力半導体レーザにおいて、共
振器長を300μm以上1000μm以下とすることにより連続発振時に発熱に
よる光出力の飽和の影響のない高出力動作を得るものである。 即ち、本発明に係る半導体レーザ素子は、GaAs基板上に、層厚が電子のド
ブロイ波長より薄い活性層を単層または多層に形成した半導体レーザ素子におい
て、前記活性層の共振端面をそれぞれ75%以上及び10%以下の反射率に設定
しかつ共振器長を300μm以上1000μm以下としたことによって上記効果
を得る。 〈実施例〉 第1図に本発明の1実施例の断面図を示す。n−GaAs基板1上にn−Al
0.7Ga0.3Asクラッド層2、Al混晶比を0.7から0.3まで放物線状に徐
々に変化させたAlxGa1-xAsグレーディドインデックスガイド層3、層厚6
0ÅのAl0.1Ga0.9As量子井戸活性層4、Al混晶比を0.3から0.7ま
で放物線状に徐々に変化させたAlxGa1-xAsグレーディドインデックスガイ
ド層5、p−Al0.7Ga0.3Asクラッド層6、p−GaAsコンタクト層7、
n−Al0.5Ga0.5As電流狭窄層8、n−GaAs保護層を、順次MBE法に
よって成長した。これに一般に用いられるフォトレジストを用いた化学エッチン
グにより100μm幅のストライプ状にn−GaAs保護層9及びn−Al0.5
Ga0.5As電流狭窄層8を除去し、その後n側,p側にそれぞれオーミック電
極を形成しレーザ端面前面に反射率5%の低反射コーティング、後面に反射率9
5%の高反射コーティングを施し高出力用のグレーディドインデックスガイド層
付量子井戸レーザの100μm電極ストライプ型素子を作製した。 第3図にこの素子の共振器長を250μmから1300μmの間で変えた多数
の素子の室温連続発振における最大光出力の実測値を示す。 第3図に代表的な素子として共振器長250μmと375μmの場合の光出力
−電流特性を示す。 第3図から判るように共振器長が300μm末満の場合、素子の最大出力は急
激に低下する。この場合光出力−電流特性は、第4図のL=250μmの素子に
ついて示したように発熱によって飽和している。 一方、共振器長Lが300μm≦L≦1000μmの範囲では第3図のL=3
75μmの素子に対して示したように、光出力は破壊限界までのびており発熱に
よる出力飽和の影響はほとんどない。 しかしL>1000μm以上では、再び、最大出力は熱による飽和によって決
っている。このような熱による光出力飽和の共振器存性を第5、6、7図を用い
て説明する。 第5図に共振器長250μm及び375μmの素子についての熱抵抗の実測値
を示す。これよりL=300μm以上の素子と以下の素子では、熱抵抗には有為
差はないと考えられる。 第6図に量子井戸レーザにおける光出力1Wにおける駆動電流密度の共振器長
依存性の理論値を示す。これは発熱による温度の上昇の効果は含まれていない。 これよりL=300μm以下の領域で電流密度の急上昇が見られる。これより
第3図における300μm以下での出力飽和は、この電流密度の上昇によるもの
と考えられる。次に第7図に光出力1Wを得るのに必要な駆動電流の共振器長依
存性の理論値を一般のDHレーザと量子井戸レーザに対して示す。発熱による駆
動電流上昇はないものと仮定している。高出力動作時の駆動電流は、素子の微分
量子効率に大きく依存する。一般に微分量子効率は に比例する。ここで、R,Rはレーザ両端面の反射率、Lは共振器長、αiは素
子の内部損失をあらわす。したがって共振器長を長くした場合、微分量子効率は
低下し、高出力動作時の駆動電流は増大する。しかし量子井戸レーザの場合内部
損失αiが約5cm-1程度まで低くできDHレーザが約5cm-1に比べて極めて
小さい値となり、第1式のL依存性が小さく共振器を長くしても駆動電流の上昇 は小さい。ただしこのような効果は式(1)からも判るように内部損失αiとミ
ラー損失1/2Lln(1/R1R2)の相対関係できまっているため、ミラー損
失が小さい場合には、この効果は現れない。実験によると後面反射率が90%以
上の場合、前面反射率は10%以下でないと高出力時の熱による光出力飽和を抑
制する効果はあらわれない。これは以下のような理論解析より説明できる。 第8図に端面反射率を変えた場合の式(1)の値のL依存性の理論値を示す。
ここでは、前面より効率よく光をとり出すため後面の反射率を95%と一定にし
てある。前面反射率を5%とした場合、量子井戸レーザの内部損失5cm-1に対
しミラー損失が大きいため、量子効率の共振器長依存性が小さい。しかし前面の
反射率を15%と大きくした場合、ミラー損失が内部損失に対して小さくなり、
共振器長を大きくした場合の量子効率の低下は大きくなり高出力時の駆動電流が
上昇する。比較のために内部損失15cm-1のDHレーザに関する式(1)の値
を図中に示す。これより前面反射率を大きくした場合内部損失が小さな量子井戸
レーザにおいてもDHレーザに近い量子効率の低下が起る。 第3図において300μmから1000μmまでの広い範囲で熱による光出力
の飽和の影響が光出力1W以上でもほとんどあらわれないことは第7図の駆動電
流の上昇が非常に小さいことに起因していると考えられる。 しかし共振器長が1000μm以上となった場合駆動電流の上昇と共に徐々に
光出力の飽和があらわれる。 以上の議論よりレーザ端面の前後面にそれぞれ5%、95%のコーティングを
施した量子井戸レーザにおいて、共振器長を300μm以上1000μm以下と
した場合、発熱による光出力飽和の影響のない高出力レーザが得られる。 次に本発明の第2の実施例を第2図によって説明する。 MBE法によって第1の実施例と全く同じ層構造をMBE法により成長した後
、フォトレジストを用いた化学エッチングにより第8,9層を約100μm幅の
ストライプ状にエッチングする。次に8,9層を取除いたストライプ内に同じく
フォトレジストを用いた化学エッチングにより間隔1μm幅2μmのメサ部が残
るように第7層及び第6層をエッチングする。この場合、エッチング部分の第6
層は約0.2μm残した。このようにして100μm幅リッヂ導波路アレイを製
作した。 なおリッヂ部側面には絶縁膜を蒸着により形成しその後p・n両電極を形成し
た。このウェハを用いて、共振器長の異なる多くの素子を作製したところ最大光
出力の共振器長依存性はほぼ第3図と同様の傾向をあらわし、共振器長300μ
m以上1000μm以下の領域で、光出力1Wまで光出力の飽和はみられなかっ
た。ただしこれらの素子の端面反射率は後面95%、前面5%とした。 上記実施例においては活性領域としてAlの混晶比をx=0.1としたが、0
≦x≦0.2の範囲では、量子井戸レーザによる内部損失はDHレーザに比べて
非常に低い値であり、かつ混晶比依存性はないため、本実施例と同様に300μ
m≦L≦1000μmとした場合熱による出力飽和のない高出力レーザが得られ
る。 また実施例では活性領域をGRIN−SCH構造としたが、量子井戸活性層を
多層に積層した多重量子井戸構造としても全く同様の効果が得られる。 上記実施例においては、端面反射率を後面95%、前面3%又は5%とする例
を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、後面が75%以上、前面
が10%以下であれば、本願の目的を達成することができる。
。 〈従来の技術〉 近年、YAGレーザの励起用光源等として小型軽量の半導体レーザによる1W
以上の高出力動作が求められている。一般に、非常に小さな体積で動作する半導
体レーザの高出力限界は主に大きな駆動電流時の発熱による光出力の飽和や高い
光密度による破壊限界によってきまっている。したがって高出力動作においては
数十ミクロン(μm)のストライプ幅を持った広ストライプレーザを用いること
により単位体積あたりの光密度を低下している。このような広ストライプレーザ
においては成長層の均一性が問題となるが近年分子線エピタキシイ法(MBE法
)や有機金属気相成長法(MO−CVD法)等によって大面積でかつ均一な結晶
成長が可能となっており、上述のようなストライプ幅の広いレーザによって高い
出力の発振が得られるようになっている。 従来、活性層厚が500Å以上のいわゆるダブルヘテロ(DH)型レーザを高
出力用レーザとして用いるとき、共振器両端面の反射率を後面75%以上、前面
約5%の非対称になるようにコーティングを施し、後面への光出力の損失を少な
くしている。一般に半導体レーザにおいて発振閾値電流密度は共振器長を長くす
ると低下するが、DHレーザの場合共振器長を長くすると量子効率の低下が大き
いため高出力動作時の駆動電流を上昇し発熱の効果による光出力の飽和がおこる
ため共振器長は250μm程度が最適と考えられる。 〈発明の目的〉 本発明は高出力動作に有利な量子井戸レーザを用いて発熱による光出力飽和の 影響を少なくし、高い出力での動作を可能にするものである。活性層に量子井戸
構造を用いた場合、注入されたキャリァは、量子井戸方向に量子化され、キャリ
ァのエネルギ状態密度が階段状となるためレーザの利得係数が注入キャリァ密度
に対して急激に立ち上がり、低い閾値電流密度で発振する。 〈発明の構成及び効果の説明〉 本発明は、駆動電流が低く高出力動作に有利な量子井戸活性層を有し前後端面
の反射率をそれぞれ低反射率、高反射率とした高出力半導体レーザにおいて、共
振器長を300μm以上1000μm以下とすることにより連続発振時に発熱に
よる光出力の飽和の影響のない高出力動作を得るものである。 即ち、本発明に係る半導体レーザ素子は、GaAs基板上に、層厚が電子のド
ブロイ波長より薄い活性層を単層または多層に形成した半導体レーザ素子におい
て、前記活性層の共振端面をそれぞれ75%以上及び10%以下の反射率に設定
しかつ共振器長を300μm以上1000μm以下としたことによって上記効果
を得る。 〈実施例〉 第1図に本発明の1実施例の断面図を示す。n−GaAs基板1上にn−Al
0.7Ga0.3Asクラッド層2、Al混晶比を0.7から0.3まで放物線状に徐
々に変化させたAlxGa1-xAsグレーディドインデックスガイド層3、層厚6
0ÅのAl0.1Ga0.9As量子井戸活性層4、Al混晶比を0.3から0.7ま
で放物線状に徐々に変化させたAlxGa1-xAsグレーディドインデックスガイ
ド層5、p−Al0.7Ga0.3Asクラッド層6、p−GaAsコンタクト層7、
n−Al0.5Ga0.5As電流狭窄層8、n−GaAs保護層を、順次MBE法に
よって成長した。これに一般に用いられるフォトレジストを用いた化学エッチン
グにより100μm幅のストライプ状にn−GaAs保護層9及びn−Al0.5
Ga0.5As電流狭窄層8を除去し、その後n側,p側にそれぞれオーミック電
極を形成しレーザ端面前面に反射率5%の低反射コーティング、後面に反射率9
5%の高反射コーティングを施し高出力用のグレーディドインデックスガイド層
付量子井戸レーザの100μm電極ストライプ型素子を作製した。 第3図にこの素子の共振器長を250μmから1300μmの間で変えた多数
の素子の室温連続発振における最大光出力の実測値を示す。 第3図に代表的な素子として共振器長250μmと375μmの場合の光出力
−電流特性を示す。 第3図から判るように共振器長が300μm末満の場合、素子の最大出力は急
激に低下する。この場合光出力−電流特性は、第4図のL=250μmの素子に
ついて示したように発熱によって飽和している。 一方、共振器長Lが300μm≦L≦1000μmの範囲では第3図のL=3
75μmの素子に対して示したように、光出力は破壊限界までのびており発熱に
よる出力飽和の影響はほとんどない。 しかしL>1000μm以上では、再び、最大出力は熱による飽和によって決
っている。このような熱による光出力飽和の共振器存性を第5、6、7図を用い
て説明する。 第5図に共振器長250μm及び375μmの素子についての熱抵抗の実測値
を示す。これよりL=300μm以上の素子と以下の素子では、熱抵抗には有為
差はないと考えられる。 第6図に量子井戸レーザにおける光出力1Wにおける駆動電流密度の共振器長
依存性の理論値を示す。これは発熱による温度の上昇の効果は含まれていない。 これよりL=300μm以下の領域で電流密度の急上昇が見られる。これより
第3図における300μm以下での出力飽和は、この電流密度の上昇によるもの
と考えられる。次に第7図に光出力1Wを得るのに必要な駆動電流の共振器長依
存性の理論値を一般のDHレーザと量子井戸レーザに対して示す。発熱による駆
動電流上昇はないものと仮定している。高出力動作時の駆動電流は、素子の微分
量子効率に大きく依存する。一般に微分量子効率は に比例する。ここで、R,Rはレーザ両端面の反射率、Lは共振器長、αiは素
子の内部損失をあらわす。したがって共振器長を長くした場合、微分量子効率は
低下し、高出力動作時の駆動電流は増大する。しかし量子井戸レーザの場合内部
損失αiが約5cm-1程度まで低くできDHレーザが約5cm-1に比べて極めて
小さい値となり、第1式のL依存性が小さく共振器を長くしても駆動電流の上昇 は小さい。ただしこのような効果は式(1)からも判るように内部損失αiとミ
ラー損失1/2Lln(1/R1R2)の相対関係できまっているため、ミラー損
失が小さい場合には、この効果は現れない。実験によると後面反射率が90%以
上の場合、前面反射率は10%以下でないと高出力時の熱による光出力飽和を抑
制する効果はあらわれない。これは以下のような理論解析より説明できる。 第8図に端面反射率を変えた場合の式(1)の値のL依存性の理論値を示す。
ここでは、前面より効率よく光をとり出すため後面の反射率を95%と一定にし
てある。前面反射率を5%とした場合、量子井戸レーザの内部損失5cm-1に対
しミラー損失が大きいため、量子効率の共振器長依存性が小さい。しかし前面の
反射率を15%と大きくした場合、ミラー損失が内部損失に対して小さくなり、
共振器長を大きくした場合の量子効率の低下は大きくなり高出力時の駆動電流が
上昇する。比較のために内部損失15cm-1のDHレーザに関する式(1)の値
を図中に示す。これより前面反射率を大きくした場合内部損失が小さな量子井戸
レーザにおいてもDHレーザに近い量子効率の低下が起る。 第3図において300μmから1000μmまでの広い範囲で熱による光出力
の飽和の影響が光出力1W以上でもほとんどあらわれないことは第7図の駆動電
流の上昇が非常に小さいことに起因していると考えられる。 しかし共振器長が1000μm以上となった場合駆動電流の上昇と共に徐々に
光出力の飽和があらわれる。 以上の議論よりレーザ端面の前後面にそれぞれ5%、95%のコーティングを
施した量子井戸レーザにおいて、共振器長を300μm以上1000μm以下と
した場合、発熱による光出力飽和の影響のない高出力レーザが得られる。 次に本発明の第2の実施例を第2図によって説明する。 MBE法によって第1の実施例と全く同じ層構造をMBE法により成長した後
、フォトレジストを用いた化学エッチングにより第8,9層を約100μm幅の
ストライプ状にエッチングする。次に8,9層を取除いたストライプ内に同じく
フォトレジストを用いた化学エッチングにより間隔1μm幅2μmのメサ部が残
るように第7層及び第6層をエッチングする。この場合、エッチング部分の第6
層は約0.2μm残した。このようにして100μm幅リッヂ導波路アレイを製
作した。 なおリッヂ部側面には絶縁膜を蒸着により形成しその後p・n両電極を形成し
た。このウェハを用いて、共振器長の異なる多くの素子を作製したところ最大光
出力の共振器長依存性はほぼ第3図と同様の傾向をあらわし、共振器長300μ
m以上1000μm以下の領域で、光出力1Wまで光出力の飽和はみられなかっ
た。ただしこれらの素子の端面反射率は後面95%、前面5%とした。 上記実施例においては活性領域としてAlの混晶比をx=0.1としたが、0
≦x≦0.2の範囲では、量子井戸レーザによる内部損失はDHレーザに比べて
非常に低い値であり、かつ混晶比依存性はないため、本実施例と同様に300μ
m≦L≦1000μmとした場合熱による出力飽和のない高出力レーザが得られ
る。 また実施例では活性領域をGRIN−SCH構造としたが、量子井戸活性層を
多層に積層した多重量子井戸構造としても全く同様の効果が得られる。 上記実施例においては、端面反射率を後面95%、前面3%又は5%とする例
を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、後面が75%以上、前面
が10%以下であれば、本願の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれ本発明の1実施例である100μm電極ストライ
プ型グレーディドインデックスガイド層付量子井戸レーザの断面図である。第3
図はGRIN−SCHレーザの最大光出力の共振器長依存性を示す特性図である
。第4図はGRIN−SCHレーザの光出力電流特性を示す特性図である。第5
図はGRIN−SCHレーザの熱抵抗の共振器依存性の実測値を示す特性図であ
る。第6図はGRIN−SCHレーザの光出力1Wにおける駆動電流密度の共振
器長依存性の理論値を示す説明図である。第7図及び第8図はGRIN−SCH
レーザ及びDHレーザの光出力1Wにおける、駆動電流の共振器長依存性の理論
値を示す。 1……n−GaAs基板、2……n−Al0.7Ga0.3Asクラッド層、3……A
lxGa1-xAs(x=0.3〜0.7)グレーディドインデックスガイド層、4
……Al0.1Ga0.9As(60Å)活性層、5……p−AlxGa1-xAsクラッ
ド層、7……p−GaAsコンタクト層、8……n−Al0.5Ga0.5As電流狭
窄層、9……n−GaAs保護層、10……p型オーミック電極、11……n型 オーミック電極、12……絶縁層。
プ型グレーディドインデックスガイド層付量子井戸レーザの断面図である。第3
図はGRIN−SCHレーザの最大光出力の共振器長依存性を示す特性図である
。第4図はGRIN−SCHレーザの光出力電流特性を示す特性図である。第5
図はGRIN−SCHレーザの熱抵抗の共振器依存性の実測値を示す特性図であ
る。第6図はGRIN−SCHレーザの光出力1Wにおける駆動電流密度の共振
器長依存性の理論値を示す説明図である。第7図及び第8図はGRIN−SCH
レーザ及びDHレーザの光出力1Wにおける、駆動電流の共振器長依存性の理論
値を示す。 1……n−GaAs基板、2……n−Al0.7Ga0.3Asクラッド層、3……A
lxGa1-xAs(x=0.3〜0.7)グレーディドインデックスガイド層、4
……Al0.1Ga0.9As(60Å)活性層、5……p−AlxGa1-xAsクラッ
ド層、7……p−GaAsコンタクト層、8……n−Al0.5Ga0.5As電流狭
窄層、9……n−GaAs保護層、10……p型オーミック電極、11……n型 オーミック電極、12……絶縁層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 GaAs基板上に、層厚が電子のドブロイ波長より薄い活性層
を単層または多層に形成した半導体レーザ素子において、 前記活性層の共振端面をそれぞれ75%以上及び10%以下の反射率に設定し
かつ共振器長を300μm以上1000μm以下としたことを特徴とする半導体
レーザ素子。
Family
ID=
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