JP2565334B2 - 薬剤放出性可変型貼付製剤 - Google Patents

薬剤放出性可変型貼付製剤

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JP2565334B2 JP62106044A JP10604487A JP2565334B2 JP 2565334 B2 JP2565334 B2 JP 2565334B2 JP 62106044 A JP62106044 A JP 62106044A JP 10604487 A JP10604487 A JP 10604487A JP 2565334 B2 JP2565334 B2 JP 2565334B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は、皮膚に貼付することによって、経皮的に薬
物を投与できる薬剤放出性可変型貼付製剤に関するもの
であり、詳しくは、担持体が有する透湿性、即ちODT効
果による薬物の経皮吸収性の制御及びむれによる皮膚刺
激性(人によって刺激の発現程度が異なる)との相関関
係を考慮し、個々の患者の治療目的及び皮膚刺激等の副
作用の低減に適するように薬剤の放出性を制御しうる薬
剤放出性可変型貼付製剤に関する。(b)従来の技術 皮膚に貼付することによって薬物を局所又は全身系に
投与し、疾患治療や予防を行うための貼付剤は種々提案
されている。
薬物の経皮或いは経粘膜投与は、経口、注射、座薬な
どに比べて投与時の煩わしさが少なく、又、肝臓代謝を
受け難いこと、胃腸障害を生じないこと、薬物の放出速
度が制限され、長期間に亘って薬効を発現するので投与
回数を減ずることができるなどの利点があり、今後ます
ます多種の薬物が経皮或いは経粘膜投与されることが予
想される。
(c)発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の貼付剤は、いずれも変化させる
ことのできないその製剤固有の薬剤の放出性を有してお
り、多少の副作用(皮膚刺激)が発現しても、特に、
治療効果を優先したい場合、又は皮膚の感受性が非常
に高く皮膚刺激性が発現し易いため、治療効果をある程
度犠牲にしても皮膚刺激性を低減したい場合には、同一
の貼付製剤を用いることは非常に困難であった。
又、従来の貼付剤では、薬物の徐放性を実現するため
の手段として主に薬物貯蔵層の上に薬物放出制御層が積
層されているが、これによって、一層透湿性が制限され
たり、保存時に薬物が放出制御層に移行してしまい放出
特性が変化してしまうとか、個々の患者の治療目的に適
するように放出特性を変化させることができない等の欠
点があった。
(d)問題点を解決するための手段 本発明者らは、上記従来の製剤が有する問題点に鑑
み、貼付型の医薬製剤として比較的構造が簡単であり、
個々の患者の症状の程度及び皮膚刺激の感受性の程度に
応じた薬物の放出特性及び貼付部位における皮膚のムレ
具合をコントロールできる製剤を得るべく鋭意検討を重
ねた結果、担持体を二層以上の積層構造とし、且つこの
任意の層間で剥離することによってODT効果を変化さ
せ、これによって上記問題点を解決しうることを見い出
し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明の薬剤放出性可変型貼付製剤は薬物含有
粘着剤層の片面に設けた担持体が、二層以上の積層構造
を有し、且つこの任意の層間で剥離して薬剤の放出性を
制御することを特徴とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる担持体としてはフィルム状もしく
はシート状で薬物含有粘着剤層を担持しうるものであれ
ば特に制限なく積層して用いることができるが、皮膚面
に貼付した際、皮膚の伸縮に追随するように、柔軟性や
伸縮性を有する材料を用いることが好ましい。
そして、本発明の特徴は上記担持体が、二層以上の積
層構造を有し、且つこの任意の層間で剥離して薬剤の放
出性を制御する点にある。
この場合、担持体同士が剥離可能で且つ貼付時に衣服
等のこすれによって自然に剥離することがない程度の層
間接着力を有するのが望ましく、このための方法として
は、熱による圧着又は粘着剤を介した接着が考えられる
が、皮膚に貼付製剤を貼着した後に担持体の一部を剥離
除去することを考慮すると、担持体同士の接着力は、薬
物含有粘着剤層の皮膚に対する接着力よりも低い方が好
ましく、この場合、エンボスシートやエンボスフィルム
等を用い、接着有効面積をコントロールすることによっ
て接着力を制御しうるものである。
また、任意の担持体を剥離し易くするために積層した
各担持体に、容易につまめる部分を設けることが好まし
い。
本発明に用いられる担持体の具体例としては、ポリウ
レタン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリプロピレ
ン、セロファン、ポリクロロプレン、ポリアミノ酸、ニ
トリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴムなどで形成した
フィルム又はシート、紙、織布、不織布などから選ばれ
た一種もしくは二種以上のものを二層以上積層して用い
ることができる。
上記担持体の中で比較的透湿性の低いもの、つまりOD
T効果が発現し易いものとしてはポリエチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリブタジエン、ポリプロピレン等で形成し
たフィルムやシートがあり、透湿性の高いものとして
は、ポリウレタン、紙、織布、不織布などが挙げられ
る。またエチレン−酢酸ビニル共重合体は共重合比を変
えることによって種々の透湿性を有するフィルムやシー
トを得ることができるので好ましい。
本発明では、薬物含有粘着剤層の片面に設けた担持体
を一種もしくは二種以上のフィルム及び/又はシートを
二層以上積層して構成し、各フィルム及び/又はシート
間は貼付前又は貼付後に剥離可能であり、任意の層間で
剥離しうるよう構成し、これによって、貼付製剤の透湿
性を変化、つまりODT効果を変化させ、これによって、
薬剤の放出性を制御しうることを特徴とするものであ
る。
そして、本発明の好ましい実施態様は担持体として透
湿性の異なるフィルム及び/又はシートを二種以上用
い、且つ薬物含有粘着剤層から、より外層にいくに従っ
て透湿性の低いフィルム及び/又はシートで構成されて
いるものである。
このように構成することにより、任意の層間で剥離し
て所望のODT効果が得られるようにコントロールしうる
のである。
本発明に用いられる薬物含有粘着剤層としては、粘着
剤層に経皮吸収性の薬物を含有させたものであり、該薬
物含有粘着剤層に用いられる粘着剤としては含有する薬
物を拡散移動によって皮膚面に放出できるものであれば
特に限定されるものではなく、天然高分子や合成高分子
などを用いることができる。
上記粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブ
チルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、
(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリ
ル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエ
ステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)
アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデ
シルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル、
(メタ)アクリル酸トリデシルエステルの如き(メタ)
アクリル酸アルキルエステルのうち少なくとも一種から
なる重合体、又は該エステルと共重合可能な単量体との
共重合体などからなるアクリル系粘着剤が挙げられる。
共重合体可能な単量体としては、例えば、(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマール酸の如きカルボキシル基含有単量
体、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホプ
ロピルアクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフ
タレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスル
ホン酸、アクリロイルオキシベンゼンスルホン酸の如き
スルホキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプ
ロピルエステルの如きヒドロキシル基含有単量体、(メ
タ)アクチルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブチルアクリルアミド、テトラメチルブチルア
クリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド
の如きアミド基含有アクリル系単量体、(メタ)アクリ
ル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチル
アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチ
ルエステルの如きアルキルアミノアルキル基含有アクリ
ル系単量体、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステ
ル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メ
タ)アクリル酸ブトキシエチルエステル、(メタ)アク
リル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アク
リル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)
アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、
(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエ
ステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレング
リコールエステルの如きアルコキシ基(又は側鎖にエー
テル結合)含有単量体、N−(メタ)アクリロイルアミ
ノ酸の如きビニル系単量体、アクリル酸のウレタン、尿
素、イソシアネートエステルの如きアクリル系単量体な
どの官能性単量体、及び(メタ)アクリロニトリル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドン、ビ
ニルピリジン、ビニルビラジン、ビニルピペラジン、ビ
ニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピロール、
ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオ
キサゾール、ビニルチアゾール、ビニルモルホリン、ス
チレン、a−メチルスチレン、ビス(N,N′−ジメチル
アミノエチル)マレエートなどのビニル系単量体が挙げ
られ、これらの単量体は粘着剤組成物中に2〜60重量
%、好ましくは5〜50重量%の範囲で配合し、重合する
ことができる。これらの範囲外では充分な粘着性や内部
凝集性が得られない場合があるので好ましくない。
他の使用できる粘着剤としては、例えばシリコーンゴ
ム、ポリイソプレンゴム、プリイソブチレンゴム、ポリ
ブタジエン、スチレン−ブタジエン(又はイソプレン)
−スチレンブロック共重合体ゴム、アクリル系ゴム、天
然ゴムを主体としてゴム系粘着性物質、ポリビニルアル
キルエーテル、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの部分
鹸化物、ポリビニルアルコールを主体としたビニル系粘
着性物質、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロースの如きセルロース
誘導体、プルラン、デキストリン、寒天の如き多糖類
や、ポリアクリル酸(又はそれらの塩)、ポリメタクリ
ル酸(又はそれらの塩)、カルボキシビニル重合体の如
き水溶性高分子に、グリセリンの如き多価アルコール
類、トリグリシジルイソシアネートの如き架橋剤、及び
水を配合したゲル様のものも含有する薬物の種類、目的
とする粘着力などに応じてその種類を適宜選択すること
ができる。
また、上記粘着剤を使用する際に、内部凝集力の不足
によって皮膚面貼付後、薬物含有粘着剤層が凝集破壊
や、これに起因する皮膚面への糊残りを起こす恐れがあ
る場合は、通常用いられる架橋剤を配合したり、架橋性
単量体を共重合成分として配合して凝集力を向上させた
り、電子線、紫外線などの照射によって架橋することも
できる。
本発明において用いられる粘着剤は含有する薬物をで
きるかぎり分解させないために、用いる薬物種によって
種々選択する必要があるが、一般的に反応性が高いとさ
れるカルボキシル基、アミノ基、酸アミド基などの反応
性部位を有する単量体を用いるときはその配合量を減少
させたり、該部位をマスキングすることによって反応性
を低下させることができる。
上記薬物含有粘着剤層に含有する薬物は、経皮的に生
体内へ吸収されるものであればよく、例えば下記薬物が
使用できる。
イ)コルチコステロイド類: 例えばハイドロコーチゾン、プレドニゾロン、パラメ
タゾン、ベクロメタゾンプロピオネート、フルメタゾ
ン、ベタメタゾン、ベタメタゾンバレレート、デキサメ
タゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニ
ド、フルオシノロン、フルオシノロンアセトニド、フル
オシノロンアセトニドアセテート、プロピオン酸クロベ
タゾールなど、 ロ)鎮痛消炎剤: 例えばアセトアミノフェン、メフェナム酸、フルフェ
ナム酸、インドメタシン、ジクロフェナック、ジクロフ
ェナックナトリウム、アルクロフェナック、オキシフェ
ンブタゾン、フエニルブタゾン、イブプロフェン、フル
ルビプロフェン、ケトプロフェン、サリチル酸、サリチ
ル酸メチル、l−メントール、カンファー、スリンダッ
ク、トルメチンナトリウム、ナプロキセン、フェンブフ
ェンなど、 ハ)催眠鎮静剤: 例えばフェノバルビタール、アモバルビタール、シク
ロバルビタール、トリアゾラム、ニトラゼパム、フルニ
トラゼパム、ロラゼパム、ハロペリドールなど、 ニ)精神安定剤: 例えばフルフェナジン、テオリタジン、ジアゼパム、
フルジアゼパム、フルニトラゼパム、クロルプロマジン
など、 ホ)抗高血圧剤: 例えばクロニジン、塩酸クロニジン、ピンドロール、
プロプラノロール、塩酸プロプラノロール、ブフラノー
ル、インデノロール、ニバジピン、ニモジピン、ロフェ
ジキシン、ニトレンジピン、ニプラジロール、ブクモロ
ール、ニフェジピンなど、 ヘ)降圧利尿剤: 例えばハイドロサイアザイド、ベンドロフルメサイア
ザイド、シクロベンチアザイドなど、 ト)抗生物質: 例えばペニシリン、テトラサイクリン、オキシテトラ
サイクリン、硫酸フラジオマイシン、エリスロマイシ
ン、クロラムフェニコールなど、 チ)麻酔剤: 例えばリドカイン、塩酸ジブカイン、ベンゾカイン、
アミノ安息香酸エチルなど、 リ)抗菌性物質: 例えば塩化ベンザルコニウム、ニトロフラゾン、ナイ
スタチン、アセトスルファミン、クロトリマゾールな
ど、 ヌ)抗真菌剤: 例えばペンタマイシン、アムホテリシンB、ピロール
ニトリン、クロトリマゾールなど、 ル)ビタミン剤: 例えばビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、エルゴ
カルシフェロール、コレカルシフェロール、オクトチア
シン、リボフラビン酪酸エステルなど、 ヲ)抗てんかん剤: 例えばニトラゼパム、メプロバメート、クロナゼパム
など、 ワ)冠血管拡張剤: 例えばニトログリセリン、ニトログリコール、イソソ
ルビドジナイトレート、エリスリトールテトラナイトレ
ート、ペンタエリスリトールテトラナイトレート、プロ
パチルナイトレート、ジピリダモール、モリシドミンな
ど、 カ)抗ヒスタミン剤: 例えば塩酸ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミ
ン、ジフェニルイミダゾールなど、 ヨ)鎮咳剤: 例えば臭化水素酸デキストロメトルファン、デキスト
ロメトルファン、テルブタリン、硫酸テルブタソン、エ
フェドリン、塩酸エフェドリン、硫酸サルブタモール、
サルブタモール、塩酸イソプロテレノール、イソプロテ
レノール、硫酸イソプロテレノールなど、 タ)性ホルモン: 例えばプロゲステロン、エストラジオールなど、 レ)抗鬱剤: 例えばドキセピン ソ)脳循環改善剤: 例えばヒデルギン、エルゴットアルカロイド、イフェ
ンプロジルなど、 ツ)制吐剤,抗潰瘍剤: 例えばメトクロプラミド、クレボプライド、ドンペリ
ドン、スコポラミン、臭化水素酸スコポラミンなど、 ネ)生体医薬: 例えば、ポリペプチド類(TRH、LHRHの誘導体)など ナ)その他: 例えば、フェンタニール、デスモプレシン、ジゴキシ
ン、5−フルオロウラシル、メルカプトプリンなど、 このような薬物は上記粘着剤層中に0.05〜40重量%、
貼付型医薬製剤の単位面積当たりの含有量として2〜80
0μg/cm2の範囲で含有させるが、これらの薬物は治療の
目的、作用などに応じて二種類以上併用することもでき
る。
また、本発明においては薬物のみの経皮吸収性によっ
て生体内へ薬物を吸収させることが、製造上や薬物の安
定性などの点からも好ましいが、有効量の吸収が望めな
い場合には経皮吸収性を促進する助剤、例えばグリコー
ル類およびこれらのアルキルエステル、アルキルエーテ
ルや、油脂類、尿素誘導体、各種極性溶剤(ジメチルス
ルホキシド、ドデシルピロリドンなど)、各種界面活性
剤などを粘着剤層の皮膚接着特性や薬物の安定性を損な
わない範囲で含有させて薬物吸収を向上させることがで
きる。
以上のように構成される貼付製剤において、各層の厚
みは特に制限されないが、薬物含有粘着剤層を5〜1000
μm、好ましくは10〜100μmの厚みとし、担持体は各
種フィルム及び/又はシートを積層した後の合計が10〜
2000μm、好ましくは50〜1000μmの厚みとすることに
よって良好に貼付することができる。
(e)作用 本発明の薬剤放出性可変型貼付製剤は、上記構成を有
し、薬物含有粘着剤層の片面に設けた担持体が、二層以
上の積層構造を有し、且つこの任意の層間で剥離しうる
よう構成してなり、上記担持体をその外方から一枚づつ
順次剥離することによってODT効果を変えることができ
る作用を有するのである。
(f)実施例 以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本
発明は何等これらに限定されるものではない。
なお、以下の文中にて部とあるのは重量部の値を意味
するものである。
[重合体溶液の調製] 各実施例に使用する粘着剤溶液(以下、重合体溶液と
略す)を以下のように調製した。
重合体A 不活性ガスの雰囲気下にてフラスコ内に2−エチルヘ
キシルアクリレート(2−EHA)85部、N−ビニル−2
−ピロリドン15部、重合開始剤としてアゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)0.3部を仕込み重合反応を開始し、
酢酸エチルの滴下を行いながら約60℃に反応温度を維持
して重合を行い、重合体溶液を得た。
重合体B 単量体として2−EHA65部、2−メトキシエチルアク
リレート15部、酢酸ビニル20部、重合開始剤として過酸
化ベンゾイル(BPO)0.3部を仕込み、重合体Aと同様の
操作にて重合体溶液を得た。
重合体C ポリイソブチレン(重量平均分子量160万)100部、ポ
リイソブチレン(重量平均分子量6万)70部、脂環式飽
和炭化水素樹脂(重量平均分子量700、融点100℃)30部
をトルエンに溶解して重合体溶液を得た。
各実施例に使用する担持体を以下のように作成した。
担持体A ポリエステル不織布(40g/m2)とポリエチレンフィル
ム(厚み30μm)を約100℃で熱圧着し、剥離可能な二
層担持体を得た。
担持体B 片面を剥離処理したポリウレタンフィルム(厚み30μ
m)の処理面と、片面を剥離処理したエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体フィルム(酢酸ビニル含量28%)(厚み50
μm)の非処理面とを厚み10μmの粘着剤層(重合体
B)を介して積層し、更にエチレン−酢酸ビニル共重合
体フィルムの処理面とポリエチレンフィルム(厚み30μ
m)とを厚み10μmの粘着剤層(重合体B)を介して積
層し、三層積層の担持体を得た。
実施例1 重合体Aの溶液にジクロフェナックを添加混合し、乾
燥後の厚みが40μmとなるように離型ライナー上に塗
布、乾燥して薬物含有粘着剤層(ジクロフェナック400
μg/cm2)を得た。
該薬物含有粘着剤層を担持体Aのポリエステル不織布
に転着して本発明の薬剤放出性可変型貼付製剤を得た。
実施例2 重合体Cの溶液にクロニジンを添加混合したこと以外
は実施例1と同様の方法で本発明の薬剤放出性可変型貼
付製剤を得た。
実施例3 重合体Bの溶液にチモロールを添加混合し、乾燥後の
厚みが40μmとなるように離型ライナー上に塗布、乾燥
して薬物含有粘着剤層(チモロール400μg/cm2)を得
た。
該薬物含有粘着剤層を担持体Bのポリウレタンフィル
ム側に転着して本発明の薬剤放出性可変型貼付製剤を得
た。
[ヒトパッチテスト] ボランティア10名の背部に実施例1〜3で得られた薬
剤放出性可変型貼付製剤、及び実施例1、2の薬剤放出
性可変型貼付製剤において担持体のポリエチレンフィル
ムを剥離除去したもの、更に実施例3の薬剤放出性可変
型貼付製剤において、ポリエチレンフィルム、又はポリ
エチレンフィルムとエチレン−酢酸ビニル共重合体フィ
ルムを剥離除去したもの(いずれも、サイズ30mmφ)を
24時間貼付し、除去後1、24、48時間における皮膚刺激
の判定を行った。
尚、判定は本邦パッチテスト基準に従った。
その結果を第1表に示す。
血中濃度測定 ヒトパッチテストで用いたものと同一の薬剤放出性可
変型貼付製剤[(I)〜(VII)の7種類]を予め除毛
したラットの腹側部(縦5cm、横3cm)に貼付し、一定時
間後の薬物の血中濃度をガスクロマトグラフィーによっ
て測定した。
その結果を第1図〜第3図に示す。
第1表より担持体を順次剥離することにより透湿度が
向上し、皮膚刺激性が大幅に改善することが認められ
る。
又、第1図〜第3図より担持体を部分的に剥離するこ
とにより薬物の除放性が改善されることも認められる。
(g)発明の効果 本発明の薬剤放出性可変型貼付製剤は、上記構成を有
し、薬物含有粘着剤層の片面に設けた担持体が一種もし
くは二種以上のフィルム及び/又はシートを二層以上積
層した構造を有し、各フィルム及び/又はシート間が剥
離可能であり、該各フィルム及び/又シートを順次剥離
することによってODT効果を変化させることができ、こ
の結果、一種の製剤を各患者の皮膚のカブレ易さと、治
療効果との両面より最適なものに調製して適用しうる効
果を有するのである。
また、担持体の透湿性、即ちODT効果を変化させるこ
とによって、薬物の放出性をコントロールし、一種の製
剤で即効性と持続性のどちらかを選択して使用すること
ができる効果を有するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1においてそのまま適用したときの薬物
の除放性とその外側のポリエチレンフィルムを剥離した
ときの薬物の除放性を示す図、第2図は実施例2におい
てそのまま適用したときの薬物の除放性とその外側のポ
リエチレンフィルムを剥離したときの薬物の除放性を示
す図、第3図は実施例3においてそのまま適用したとき
の薬物の除放性とその外側のポリエチレンフィルムを剥
離したときの薬物の除放性更にそのポリエチレンフィル
ムとエチレン−酢酸ビニル共重合体を剥離したときの薬
物の除放性を示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬物含有粘着剤層の片面に設けた担持体
    が、二層以上の積層構造を有し、且つこの任意の層間で
    剥離して薬剤放出性を制御することを特徴とする薬剤放
    出性可変型貼付製剤。
  2. 【請求項2】積層構造を有する担持体の各積層物がそれ
    ぞれ透湿性の異なるフィルム及び/又はシートであっ
    て、薬物含有粘着剤層から、より外層にいくに従って透
    湿性の低いフィルム及び/又はシートで構成されている
    特許請求の範囲第1項記載の薬剤放出性可変型貼付製
    剤。
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Cited By (1)

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