JP2564030B2 - 電気化学測定用カーボン薄膜電極の製造方法 - Google Patents

電気化学測定用カーボン薄膜電極の製造方法

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JP2564030B2
JP2564030B2 JP2257072A JP25707290A JP2564030B2 JP 2564030 B2 JP2564030 B2 JP 2564030B2 JP 2257072 A JP2257072 A JP 2257072A JP 25707290 A JP25707290 A JP 25707290A JP 2564030 B2 JP2564030 B2 JP 2564030B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、フローセル、または液体クロマトグラフ
ィ、バイオセンサーなどに使用される電気化学測定用電
極の製造法に関する。
[従来の技術] 電気化学測定は溶液中の水素イオン濃度、微量金属イ
オン検出、生体中の微量成分などの検出に利用されてい
る。測定に使用される電極材料としては、広い電位範囲
における測定が可能であることが重要である。測定可能
の電位範囲、即ち電位窓は電極、溶媒、支持電解質によ
り相異し、この電位窓の範囲内では電極は理想分極す
る。
最も一般的な水溶液系の場合、電解質の種類が同一で
ある場合は、(1)水素過電圧(実際の水素発生電位と
理論的平衡電位との差)が大きいもの(2)酸素過電圧
(実際の酸素の発生電位と理論的平衡電位との差)が大
きいもの、および(3)電極の溶解電位が高いものの電
位窓が広い。
実際、電極材料としては金、白金、パラジウムなど貴
金属、水銀、SnO2、In2O3などの半導体、グラッシーカ
ーボン、結晶性カーボンなど半金属が使用されている。
こえらの材料中、貴金属類では酸素過電圧が高く酸化溶
解し難いため、酸化側では広い電位範囲内において測定
用電極として使用可能である。しかしながら、金電極で
は、ハロゲンイオンやシアンなどを含有する溶液中では
錯形成して溶解が生起し易く、測定可能の電位範囲は小
さくなる。また、貴金属は水素過電圧が小さいために還
元側の測定に使用し難い欠点もあり使用が限定される。
一方、水銀電極では、水素過電圧が大きく還元側の測定
には適するが、酸化側では溶解が生じるため酸化反応の
測定には使用できない。SnO2、In2O3は透明電極として
使用され、測定可能の電位範囲も相当に広いが、還元側
では、錫やインジウムに電極が還元される欠点がある。
カーボン電極は、耐蝕性が強く、酸化側還元側とも電
位窓が広いために巾広い電位における物質検出が可能で
あり、センサーとして、またクロマトグラム用の検出器
として、最も広く利用されている。
一方、近年、微量の溶液試料、生体内部などの微小領
域の分析を目的として、微小電極が積極的に研究され
て、センサーや生体細胞内物質の測定などへの応用が試
みられている。
また、微小電極は高感度であって、応答が速いことが
知られており、フローインジェクションやクロマトグラ
フィの検出電極としても注目されている。この微小電極
の応答挙動は、電極形状に依存し、電極サイズが減少す
るに従って、応答が速くなるため、種々の電極形状や電
極の微細化が検討されている。カーボン電極ではガラス
細管に封入した炭素繊維やガラス細管の内壁表面上にCV
D法によりカーボン膜を析出させ、その端面が微小リン
グ電極として利用された例が、Anal.Chem.、58(198
6)、1782に報告されている。
これらの電極は生体内など微小領域の測定には有利で
あるが、検出できる電流値はnAオーダー以下に低下し、
測定時にノイズ増加や感度の低下が生じるため、低濃度
の試料の測定が困難となり測定時に電気的シールドを必
要とするなどの問題があった。
電極の感度向上のため、作用電極数を増加する即ち、
アレイ化することが提案されている。
アレイ化の試みとして、多数の炭素繊維をエポキシ樹
脂などのプラスチック中に封入使用した例がAnal.Che
m.、61(1989)、159に、グラッシーカーボン、または
結晶性カーボンの電極上に絶縁膜がコートされた後、レ
ーザーが使用されて微細な孔が多数穿設されてアレイ電
極が多数作製された例がAnal.Chem.、62(1990)、1339
に、報告されているが、電極の作製に長時間が必要とい
う欠点を有する。特に、前者では電極間の距離が正確に
制御できないことが原因して応答の再現性に問題があ
る。
微小アレイ電極を作製する方法として、近年、リソグ
ラフィ技術の応用が提案されている。
この方法ではレジストが基板に塗布され、電極パター
ンを有する画像マスクが重ねられ、露光、現像された
後、金属薄膜が蒸着法などにより形成され、レジストが
剥離させられて、基板上に微小電極が得られるリフトオ
フ法や、絶縁性基板上に金属薄膜が作製された後、レジ
ストが塗布され、電極パターンを有する画像マスクが重
ねられて、露光させられ、現像されて、更に残留のレジ
ストがマスクにされ露出部分の金属薄膜がエッチングさ
れて、電極パターンが得られるエッチング法が知られて
いる。
この方法では、任意の形状、一定の電極間距離を有す
る微小電極が、多数、再現性よく、基板上に作製され得
る。
このようなリソグラフィ技術をカーボン電極に応用す
るためには均一であって加工耐性があり、パターン形成
が可能であるカーボン薄膜が必要である。近年、スパッ
タ法またはCVD法により種々のカーボン薄膜が得られて
おり、これを微細加工してミクロンあるいはサブミクロ
ンオーダーのパターンの作製が可能であることが報告さ
れている。しかしながら、ガラス、またはシリコンなど
の基板上に上記の真空プロセスによって作製されたカー
ボン膜は、水中または有機溶媒中では膜の破損や剥離が
生じ、繰り返して電気化学測定を行うことが不可能であ
った。
また、充分に高導電性の膜が得られないためにバンド
状、くし型などの形状としてミクロンオーダーにまで細
線化させられた場合は抵抗が著しく増加して、電気化学
測定の際に正確な電位を印加できない欠点があった。
[発明の目的] この発明の目的は、上記の現状製品を改良するため
に、水中、有機溶媒中において膜剥離や破壊が発生する
ことなく安定であり、微細パターンの形成が可能の電気
化学測定用カーボン薄膜電極の製造方法を提供すること
にある。
[発明の構成] この発明を概説すれば、この発明は絶縁性基板上に、
あるいは絶縁性の基板との間に導電性膜を挟み、全面ま
たはパターン状に形成された導電性カーボン薄膜およ
び、全面かまたは一部がパターン状の絶縁膜を以て覆わ
れた該導電性カーボン薄膜からなる電気化学測定用の電
極において、導電性カーボン薄膜を有機化合物の気相成
長法、または蒸着法により作製するか、あるいは、基板
上に高分子薄膜を塗布法、スピンコート法、電解重合
法、またはキャスト法により形成した後に加熱によって
炭化して作製するか、あるいは基板上に高分子薄膜を、
塗布法、スピンコート法、またはキャスト法により形成
し、その後、カーボンのスパッタ法またはCVD法により
導電性カーボン膜を作製することを特徴とする。
この発明の方法により作製されたカーボン薄膜は微細
パターン化することが可能であり、水中、有機溶媒中に
おいて膜剥離や破壊を発生させず、安定な電気化学測定
が可能という特長がある。
即ち、従来既知のグラッシーカーボン、結晶性カーボ
ン、炭素繊維、カーボンペースト電極では微小アレイ電
極化することが困難であった。
また、従来既知のカーボン薄膜では電極に応用した場
合、水中などでは膜が破壊され、その使用が困難であっ
た。これに対し、この発明の電極においてはカーボン膜
を有機化合物の気相成長によって高結晶性の緻密な膜と
した形態を以て得ることが可能であるために均一性と密
着性に優れており、あるいはまた、当初に、高分子薄膜
の形態を以て膜を作製しておき、その後、炭化してカー
ボン化したり、高分子を接着相として先にコートしてお
き、その後、スパッタ法などによってカーボン膜を作製
することにより、基板との密着性が高く、剥離し難いな
どの利点を有する。
更に、絶縁性基板との間に導電性膜を設ければカーボ
ン膜自体が薄いことなどのために電導度が低くても導電
性膜があるため電極としての導電率は低下しないのであ
り、正しい電位の印加不可能などという問題は解決する
ことができる。
また、炭化させる高分子に導電性高分子や有機半導体
を選定した場合は、従来のプロセスにより作製されたカ
ーボン膜に比較して、極めて大きい導電性が得られるた
め、微細パタンを作製しても抵抗の増加を相当に抑制す
ることができる。
次に、形成されるパターンとしては、円形、環状のも
のや、方形、六角形などの多角形、線形、またはこれら
をアレイ状に並べたディスクアレイや、くし形などを挙
げることができる。更にはこれら種々の形状の作用電極
に加えて、電気化学測定において必要である参照電極と
対向電極をも一体化して作製することも可能である。
次に、パターンの作製の方法としては、表面、あるい
は全体が絶縁性の基板上、またはその基板上に蒸着、ス
パッタデポジション、CVD、液相エピタキシャル成長な
どによって金属、半導体を形成した上に蒸着、CVD、高
分子膜の炭化などにより導電性カーボン薄膜を形成し、
これにレジストを塗布後に、パターンを露光、現像して
カーボン膜の一部を露出させる方法、またはその後、反
応性イオンエッチングや、アルゴンミリングによって、
パターンをカーボン膜に転写する方法を挙げることがで
きる。更に、カーボン膜の形成の後、蒸着、スパッタデ
ポジション、CVDなどによって、窒化シリコンや、酸化
シリコンなどの絶縁膜を形成して、その上にレジストパ
ターンを形成した後、反応性イオンエッチングやアルゴ
ンミリングにより絶縁膜の一部をエッチングして、下地
のカーボン膜を露出させることにより、電極パターンを
形成することもできる。
その表面、または全体が絶縁性の基板としては酸化膜
付シリコン基板、石英板、アルミナ基板、ガラス基板、
プラスチック基板などを挙げることができる。導電性基
板としては金、白金、銀、パラジウム、クロム、チタ
ン、ステンレスおよびこれらを絶縁性の基板上にコート
したものなどを挙げることができる。
また、pおよびn型のシリコン、pおよびn型のゲル
マニウム、硫化カドミウム、二酸化チタン酸化亜鉛、ガ
リウム燐、ガリウム砒素、インジウム燐、カドミウムセ
レン、カドミウムテルル、二硫化モリブデン、セレン化
タングステン、二酸化銅、酸化錫、酸化インジウム、イ
ンジウム錫酸化物などの半導体を基板上にコートして得
ることも可能である。
カーボン薄膜を得るために、絶縁性の基板上に直接
に、または絶縁性基板との間に、導電性膜を介在させ、
全面的に被覆するかまたはパターン状に被覆して形成さ
れる導電性カーボン薄膜および全面または一部がパター
ン状の絶縁膜を以て被覆したカーボン薄膜よりなる電気
化学測定用電極の作製において、カーボン薄膜が有機化
合物の気相成長法が蒸着法により作製される電気化学測
定用のカーボン薄膜電極の作製法のために使用される有
機化合物には、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ペ
リレンテトラカルボン酸無水物、フタロシアニンとその
誘導体などがあり、絶縁性基板上に直接に、または絶縁
性基板との間に導電性膜を介在させ、全面を被覆するか
またはパターン状に被覆して形成される導電性カーボン
薄膜、および全面または一部がパターン状の絶縁膜を以
て被覆したカーボン薄膜よりなる電気化学測定用電極の
製造法であってカーボン薄膜が基板への塗布法、スピン
コート法、電解重合法またはキャスト法により高分子薄
膜が形成された後に加熱により炭化させられて作製され
る製造法において使用される高分子には、ポリフェニレ
ンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリフリレンビ
ニレン、ポリイミド、ポリピロール、ポリチオフェン、
ポリアニリン、ポリイミド、フェノール樹脂とその誘導
体などが挙げられる。
電極にパターンを形成させたり、絶縁膜として使用す
る材料には、感光性高分子、酸化シリコン二酸化シリコ
ン、窒化シリコン、シリコーン樹脂ポリイミドとその誘
導体、エポキシ樹脂、高分子熱硬化物などを挙げること
ができる。
[実施例] 以下に図面を参照し、この発明を実施例により詳細に
説明するが、この発明はこれらの実施例により限定され
るものでないことは勿論である。
実施例 1 大阪チタニウム社製1μm酸化膜付シリコンウエハー
をプライマー処理して、接着性を向上させ、その上に、
Gagnonらの方法など、“Polymer"、28(1987)No.4、56
8に記載の方法により合成されたポリフェニレンビニレ
ン前駆体を、スピンコートした後、乾燥させた。この前
駆体塗布を、数回繰り返した後、200℃において加熱し
乾燥させて一部置換基が離脱したポリフェニレンビニレ
ン前駆体膜を形成させた。その後、この基板を石英製の
減圧可能容器中に入れて10-3Torrにおいて室温から950
℃まで昇温させ、30分間保持した後、冷却した。室温に
まで冷却した後、常圧に返して、絶縁性シリコン基板上
に金属光沢を有し表面抵抗3kΩの導電性炭素膜が形成さ
れた基板を得た。
この電極をPrinceton Applied Research社製のポテン
シオスタットPAR273に接続して、電極の一部を0.1mol/L
燐酸緩衛溶液に浸漬させ、電位を−0.8〜1.2Vまで掃引
し、得られるボルタングラムを、金や白金の電極のもの
と比較すると、カーボン電極では、殆ど残余電流が観測
されず、広い電位窓が得られたのに対して、白金や金電
極では、還元側において水素の還元電流などが認めら
れ、ポリフェニレンビニレンから得られたカーボン電極
が通常のグラッシーカーボン電極同様の優れた挙動を示
すことが確認された。
実施例 2 実施例1と同様に、その断面が第1図Aとして示され
る大阪チタニウム社製の1μm酸化膜付シリコン基板1
上にポリフェニレンビニレン前駆体の塗布を数回繰り返
した後に、200℃において加熱し乾燥させて、第1図B
に示される前駆体膜2を形成させた。その後、10-3Torr
の減圧下、950℃にて30分間、加熱した後冷却して、金
属光沢を有し表面抵抗3kΩの第1図Cに図示の導電性炭
素膜3が形成された基板を得た。
この基板に第1図Dに示される東京応化製V3ポジ型レ
ジスト薄膜4を塗布し、90℃、90秒間のプリベーク後、
クロムマスクを使用し、キャノン製マスクアライナーPL
A501により30秒間密着露光した。東京応化製のレジスト
現像液NMD−W中において、20℃・40秒間の現像を行っ
て、水洗し乾燥させ、導電性カーボン膜表面を露出させ
た第1図Eのパターン化レジスト膜5を有するマイクロ
ディスクアレイ電極を得た。作製した電極の拡大斜視模
式図が第2図として示される。
微小孔電極6の直径は2μm、その個数は2500とされ
た。
この電極を、銀/塩化銀電極、白金線それぞれを参照
電極と対向電極に使用し、100μmol/Lのフェロセニルメ
チルトリメチルアンモニウムブロマイド、所謂、水溶性
フェロセンを含む燐酸緩衝溶液中に浸漬し、0〜0.7Vの
範囲内を電位掃引すると、電位掃引速度に依存しない大
きさ0.060μAの限界電流が得られた。この値はマイク
ロディスク電極の理論電流値:i=4nrDFC(n:価数、r:電
極半径、D:拡散係数、F:ファラデー定数、C:活性種の濃
度)に電極個数:2500を乗じた値:0.059μAとよく一致
した。
実施例 3 実施例2において使用の酸化膜付シリコン基板と同様
の基板上に、金を厚さ1000Å蒸着したものについて、実
施例2同様の操作を行い、実施例2で得た基板より導電
率が高い表面抵抗6Ωの基板を得た。この電極を実施例
2同様の方法により微細加工して、電極直径:1μm、個
数10,000のアレイ電極を得た。
この電極を、銀/塩化銀電極、白金線それぞれを参照
電極、対向電極に使用して100μmol/Lの水溶性フェロセ
ン含有の燐酸緩衝溶液中に浸漬し0〜0.7Vの範囲内を10
0mV/secの速度を以て電位掃引すると電位掃引速度に依
存しない大きさ0.12μAの限界電流が得られた。
この値はマイクロディスク電極の理論電流値にディス
ク個数を乗じた値にほぼ一致した。
また、電位掃引速度を10V/secにして測定を行うと、
拡散律速に基いた酸化、還元のピークが得られて、酸化
電流と還元電流のピークセパレーションは、60mV以下の
値が得られ、測定電流に対して電極の抵抗を充分に低下
させ電極の導電性不足によるiR降下を抑制することがで
きた。
また、このディスクアレイ電極を、実施例2の方法に
従って、活性種を含まない0.1mol/L燐酸緩衝溶液中にお
いて、電位を−0.8〜1.2Vまで掃引すると、得られるポ
ルタングラムは実施例2において得られたものと一致
し、金薄膜上に作製したカーボン膜がピンホールフリー
であることが確認された。
実施例 4 実施例3において導電性カーボン膜を形成した基板
を、Applied Materials社製プラズマCVD装置AMP−3300
中に入れて、窒素、シラン、アンモニアを、それぞれ、
流量78、23、48SCCM、基板温度を300℃、圧力0.2Torr、
パワー500Wの条件下に、導電膜上に窒化シリコンの絶縁
膜を0.3μmの厚さを以て形成させた。
その後、実施例2同様のレジストワークによりマイク
ロディスクパターンを形成させ、アネルバ製の反応性イ
オンエッチング装置DEM−451によりCF4/O2=9/1のガス
混合物をエッチャントに使用して、圧力2Pa、ガスの流
量25SCCM、パワー70Wの条件下に、窒化シリコン絶縁層
がディスク状にエッチングされたマイクロディスク電極
を得た。
ディスク直径は0.5μm、個数40,000とした。
この電極を、銀/塩化銀電極、白金線それぞれを参照
電極と対向電極に使用し、100nmol/Lの水溶性フェロセ
ン含有の燐酸緩衝溶液中に浸漬し0〜0.7Vの範囲内を10
0mV/secの速度を以て電位掃引すると電位掃引速度に依
存しない大きさ0.24nAの限界電流が得られた。
この値はマイクロディスク電極の理論電流値にディス
ク個数を乗じた値にほぼ一致した。
実施例 5 大阪チタニウム社製の1μm酸化膜付シリコン基板
と、3、4、9、10−ペリレンテトラカルボン酸無水物
を、内部を減圧することが可能である石英製チューブ中
に入れて、例えば、Apply.Phys.Lett.、36(1980)、86
7に記載のKaplanらの方法により1000℃、10-3Torrの条
件下、3、4、9、10−ペリレンテトラカルボン酸無水
物を加熱分解しシリコン基板上に熱分解物を堆積付着さ
せた。
1000℃にて15分間、保持した後に冷却して、常温、常
圧下に基板を取出して、表面抵抗100Ω程度のポリペリ
ナフタレン導電性炭素膜を有する基板を得た。実施例2
と同様にレジストワークにより導電性炭素膜マイクロデ
ィスク電極を作製した。
電極の直径は、2μm、個数は2500とした。
この電極を、銀/塩化銀電極、白金線それぞれを参照
電極、対向電極に使用して、100μmol/Lの水溶性フェロ
セン含有の燐酸緩衝溶液中に浸漬し0〜0.7Vの範囲内を
電位掃引すると、電位掃引速度に依存しない大きさ0.06
0μAの限界電流が得られて、この値はマイクロディス
ク電極の理論電流値に電極個数を乗じた値とよく一致し
た。
また、同様方法により金、白金製のアレイ電極を作製
し、活性種を含まない0.1mol/L燐酸緩衝溶液中において
電位を−1.0〜1.2Vまで掃引し得られたボルタングラム
を比較すると、このカーボンマイクロディスク電極で
は、殆ど残余電流が観測されず、広い電位窓が得られた
のに対して、白金や金の電極では還元側で水素の還元電
流などが得られた。
この電極を、燐酸緩衝溶液中において、例えばAnal.C
hem.、53(1981)、1386に記載のGononらの方法によっ
て電位範囲0〜3V、周波数70Hzにおいて12秒間、活性化
を行った後に、ドーパミン:1μmol/L、L−アスコルビ
ン酸10μmol/L含有の燐酸緩衝溶液中に浸漬し、微分パ
ターンボルタンメトリー測定を行うと、ドーパミンとL
−アスコルビン酸の酸化に基くピークが、約190mV分離
して得られた。
これはカーボン繊維やグラッシーカーボン電極を使用
して測定した値にほぼ一致し、気相合成により得られた
薄膜が電気化学的にはカーボン電極と同様挙動を示すこ
とが確認された。
実施例 6 酸化膜付シリコン基板上に白金膜を1000Å蒸着したも
のに、実施例5同様の操作を行い表面抵抗数Ωの導電性
炭素被覆膜を得た。
実施例4同様に、窒化シリコン絶縁膜を形成しパター
ン化を行って窒化シリコン絶縁掃を有するマイクロディ
スク電極を得た。
ディスク直径0.5μm、個数40,000とした。
この電極を、銀/塩化銀電極、白金線それぞれを参照
電極、対向電極に使用して100μmol/Lのフェロセンと0.
1mol/Lの支持電解質テトラエチルアンモニウムテトラフ
ルオロボレート含有のアセトニトリル溶液中に浸漬し
て、0〜0.7Vの範囲内を100mV/secの速度を以て電位掃
引すると、電位掃引速度に依存しない大きさ0.97μAの
限界電流が得られた。この値はマイクロディスク電極の
り理論電流値にディスク個数を乗じた値にほぼ一致し
た。また、このディスク電極上に水銀をメッキした後、
カドミウムイオン10ppb鉛イオン5ppbを含む塩化ナトリ
ウム水溶液中に銀/塩化銀電極、白金線とともに浸漬
し、溶液を撹拌しつつ、銀/塩化銀電極に対して、−0.
9Vの電位を60秒間印加した。その後、電位を−0.8〜−
0.1Vまで、50mV/secの速度を以て、微分パルス法によっ
て電位掃引すると、カドミウム、鉛の酸化によるストリ
ッピングボルタングラムを得ることができた。
実施例 7 酸化膜付シリコン基板上に、ポリイミド膜を1μmの
厚さに塗布して、電気炉中において200℃30分間、加熱
して熱硬化させた。この基板をアネルバ製のスパッタ装
置SPF−332H内の所定の位置に取付け、カーボン膜を200
W、20分間、0.4Paの条件下に、ポリイミド上に形成させ
た。
この電極を、実施例2同様方法により微細加工し、電
極直径1μm、個数10,000のアレイ電極を得た。この電
極を、銀/塩化銀電極、白金線それぞれを参照電極、対
向電極に使用して、100μmol/Lの水溶性フェロセン含有
燐酸緩衝溶液中に浸漬し、0〜0.7Vの範囲内を100mV/se
cの速度を以て電位掃引すると、電位掃引速度に依存し
ない大きさ0.12μAの限界電流が得られた。
この値はマイクロディスク電極の理論電流値にディス
ク個数を乗じた値にほぼ一致した。
実施例 8 第3図に図示の酸化膜付シリコン基板A上に、熱分解
温度1100℃において、実施例5の類似の操作を行って、
第3図Bに図示の表面抵抗20Ωの導電性カーボン膜3を
得た。
この電極に東京応化社製のフォトレジストV3を第3図
C図示のようにコートし、90℃において90秒間、熱硬化
させた後、クロムマスクを使用しキャノン社製のマスク
アライナーPLF−521により25秒間、密着露光、現像され
た。その後、この基板をアネルバ製の反応性イオンエッ
チング装置DEM−451中に入れて、酸素ガスの流量100SCC
M1Pa、70Wの条件下に10分間、エッチングしカーボン膜
をパターニングして、第3図Dとして示される下部電極
を得た。
次に、この基板はレジストを溶媒によって除去した
後、Applied Materials社製プラズマCVD装置AMP−3300
に入れ、実施例4と同様条件下に第3図Eに図示の厚さ
0.3μmの窒化シリコンの絶縁膜7を形成した。
更に、この基板上に再びレジストをコートし、マスク
を使用し、第3図F図示のように、くし形パターンに露
光させて現像した後、アネルバ製のスパッタ装置SPF−3
32H内の所定位置に取付け、第4図G図示のように、ク
ロム膜をパワー100W、0.4Pa、10秒間にて、白金膜をパ
ワー600W、0.4Pa、60秒間にての条件下に、順次に形成
した。
その後に、この基板はメチルエチルケトン中へ浸漬
し、超音波洗浄を行い、電極形成部分以外のレジストを
剥離させて、第4図H図示のように、上部くし形作用電
極を形成した。
次いで、再度、この基板をプラズマCVD装置に入れ
て、第4図I図示のように、厚さ0.3μmの窒化シリコ
ン絶縁膜を形成させた。
最後に、レジストを基板上に、再び塗布して、クロム
マスクによって、第4図J図示のように、くし形電極と
パッド部分が露出するようにパターニングした後に、反
応性イオンエッチング装置を使用してCF4ガス流量25SCC
M、2Pa、パワー70Wの条件下に上部白金電極と下部カー
ボン電極の露出まで、第4図H図示のように窒化シリコ
ン膜をエッチングした。
この結果、第4図K図示のように、上部電極と下部電
極の間が、絶縁性段差によって分離され、咬み合ったく
し形電極が得られた。
上部電極と下部電極の各々のくしの巾5μm、ギャッ
プ0.3μ、くしの本数100とした。
この電極をルテニウムヘキサミン100μmol/L、と支持
電解質テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレー
ト0.1mol/Lを含むアセトニトリル溶液中に浸漬して、白
金製の上部電極を0Vに固定して、カーボン製の下部電極
を、0〜−0.7Vの範囲内において100mV/secの速度を以
て電位掃引すると、白金電極、カーボン電極の両極にて
それぞれ、ルテニウムヘキサミンの酸化と還元に基く限
界電流が観測された。ま、ルテニウムヘキサミンの濃度
を1μmol/Lにして同様の測定を行い、両側が白金製の
くし形電極と比較すると水素の還元電流などにより白金
電極では酸化電流が良好に得られなかったのに対して、
このくし形電極では、下部電極の酸化側電極がカーボン
製であるために、残余電流、即ち、ルテニウムヘキサミ
ンの還元電流以外のファラデー電流が小さく、高いS/N
比にて酸化側の電流測定を行うことができた。
[発明の効果] 以上に説明したように、この発明の電気化学的測定用
カーボン薄膜電極の製造方法により、 1)高分子を塗布した後、炭化または有機化合物の気相
重合反応により作製するか、または高分子の密着層とし
て使用するために基板との密着性が大きく、水中や有機
溶媒中で電位を印加しても膜破壊や剥離を生起させず、
繰り返して電気化学的測定を行うことができる。
2)膜質が均一であって緻密であるために、微小パター
ンを作製することができる。
3)高導電性の有機導電性材料が原料として使用される
と、通常のグラッシーカーボン電極よりも導電性が大き
い膜が得られるため、くし形電極のように微細にパター
ン化させても電気化学測定の際に、基板が高抵抗である
ことにより生じるIR降下を小さくすることができる。
などの利点が得られる。更に、得られたカーボン膜は電
位窓の広さなど市販のグラッシーカーボン電極と、ほぼ
同等の電気化学特性を有するためにバイオセンサーや液
体クロマトグラフィ、フローインジェクションの電気化
学検出器として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の電気化学測定用カーボン薄膜電極
の製造工程各段階における断面概略図、第2図は、実施
例2によって作成されたカーボン薄膜電極の拡大斜視
図、第3図と第4図は実施例8の製造過程における素材
の各状態説明用の断面概略図である。 1:酸化膜付シリコン基板 2:前駆体膜 3:導電性炭素膜 4:レジスト薄膜 5:パターン化レジスト膜 6:微小孔電極 7:窒化シリコン絶縁膜 8:白金/クロム積層膜
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−301159(JP,A) 特開 昭63−317758(JP,A) 実開 昭61−50263(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板、絶縁性基板上に直接か、また
    は絶縁性基板との間に導電性膜を介在させて絶縁性基板
    を全面的、またはパターン状に被覆して形成される導電
    性カーボン薄膜、および、導電性カーボン薄膜の全面、
    または一部を被覆するパターン状の絶縁膜からなる電気
    化学測定用電極の製造方法において、導電性カーボン薄
    膜が基板上への塗布法、スピンコート法、電解重合法、
    またはキャスト法により高分子薄膜が形成された後に、
    加熱により炭化させられて作製されることを特徴とする
    電気化学測定用カーボン薄膜電極の製造方法。
  2. 【請求項2】絶縁性基板、絶縁性基板上に直接か、また
    は絶縁性基板との間に導電性膜を介在させて絶縁性基板
    を全面的、またはパターン状に被覆して形成される導電
    性カーボン薄膜、および、導電性カーボン薄膜の全面、
    または一部を被覆するパターン状の絶縁膜からなる電気
    化学測定用電極の製造方法において、高分子薄膜が基板
    への塗布法、スピンコート法、またはキャスト法により
    形成された後、スパッタ法、あるいはCVD法により導電
    性カーボン薄膜が作製されることを特徴とする電気化学
    測定用カーボン薄膜電極の製造方法。
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