JP2563484B2 - ピリジンの気相塩素化反応法 - Google Patents

ピリジンの気相塩素化反応法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は気相反応によって、ピリジンと塩素から医農
薬の中間体として有用な2−クロロピリジン及び/又は
2,6−ジクロロピリジンを製造する方法の改良に関す
る。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
以下、ピリジンの気相塩素化のうち、光反応を例にと
り本発明を詳細に説明する。
ピリジンと塩素とを紫外線照射下、気相にて反応さ
せ、2−クロロピリジン及び2,6−ジクロロピリジンを
合成する方法は既にいくつか知られている。ところで、
工業化に際し、長期安定運転といった観点が大きな要素
を占めるが、当該反応では次の特有な現象が問題とな
る。
ピリジンの塩素だけでは、ピリジン−塩素コンプレッ
クスに由来するタール物の生成のため、ランプが汚れた
り、反応物流出配管がつまるなどして、安定に反応を続
けることが困難なことがある。
これを避けるため四塩化炭素を稀釈剤として用いてい
る例がある(米国特許第3,297,556号)。しかしなが
ら、この方法は副生するピリジン塩酸塩がランプに付着
し、ランプ効率が低下するという欠点を有する。また、
ピリジンに対し、少なくとも1モル以上の水蒸気又はハ
ロゲン化炭化水素−水蒸気を添加している改良例がある
(特公昭52−3935号,特公昭52−3936号,特公昭55−47
42号)。
しかしながらこれらの方法も、ピリジンの転化率が低
いために2−クロロピリジン収率は30%程度しか得られ
ない欠点がある。また、2,6−ジクロロピリジンを主生
成物として得ることを目的として、ピリジンに対する塩
素の仕込モル比を増やして運転すると、例えば2モル倍
の塩素を仕込んだ場合その半分が未反応塩素として排ガ
ス中に含まれる。この結果、ピリジンの転化率はやはり
50%と低い値しか得られていないのである。
以上のように、未反応ピリジンが多く残存すること
や、未反応塩素ガスが多い場合には、その工程上、多く
の問題を生じる。
まず未反応ピリジンが排ガスラインで凝縮しそこで塩
酸ガスと反応し、ピリジン塩酸塩となって析出始め、閉
塞を引き起こす問題がある。また排ガス量が多いと、未
反応ピリジンもこれに同伴し、そのロスも無視できな
い。ピリジンの回収率も後工程の複雑さからそれ程よく
ないため、ピリジンの転化率を高くすることと、塩素ガ
スの反応率を上げることは、該プロセスを安定運転する
上で重要なポイントとなると思われた。
反応を速くするために、水や四円化炭素のような稀釈
剤を少なくすると、反応中にピリジンの重合等の副反応
が進む。一方、反応温度は装置の材質等の問題から通常
200℃を超えて運転することは困難であり、該反応を本
質的に促進させる対策が必要であると考えられた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、以上のような問題点を改良すべく鋭意検
討を重ねた結果、稀釈剤存在下でピリジンと塩素ガスを
予め混合して反応器に供給しても意外にもピリジンの重
合等を起こすことなく、反応速度を大幅に改善されるこ
とを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、ピリジンと塩素とを気相で反応せしめ
るに当たり、ピリジンと塩素ガスを、稀釈剤存在下で、
ガス状で混合した後、反応器へ供給することを特徴とす
るピリジンの気相塩素化反応法である。
ピリジン単独或いは稀釈剤存在下に、液相で塩素ガス
を吹き込むと激しくタール化を起こすことが知られてい
るが、光の存在なしで、例えば120℃の条件で、稀釈剤
存在下でピリジンと塩素ガスを気相混合すると、冷却し
て得られる液は真黒であることから、気相でかつ事実上
反応の進行しない条件(光の存在がないか、250℃未
満)では、ピリジンが不安定な塩素塩を経由して重合す
るものと考えられていた。
この現象は一般的に公知のの事実として受けとめられ
ており、特公昭52−3935号、特公昭52−3936号、特公昭
55−4742号の実施例では、塩素を直接反応器へ吹き込ん
でいる。気相熱塩素化反応でも同様で、特公昭35−2930
号、特公52−952号、特公昭54−22983号、特公昭43−92
24号、米国特許第3,251,848号に於いてはいずれも塩素
ガスは反応器へ単独で導入され、特公昭41−20946号、
特開昭60−166664号、特開昭61−83162号では塩素ガス
と稀釈剤が混合されて吹き込まれている。またこの中
で、特開昭43−9224号に於いては、塩素とピリジンを別
々に予熱し供給することが勧められている。
本発明者等はまず、前述のタール化は稀釈剤存在下の
気相で起きるのではなく、凝縮した際の液相でのみ起き
ることをつきとめた。従って反応槽へ供給する混合ガス
を凝縮しない様にすればタール化の問題は解消する。ま
た反応槽内では反応の進行に伴い未反応ピリジンは、す
べて塩酸塩として凝縮液中に存在することになるため、
気相に存在してランプが汚れることもなく、タール化は
起きないことを見出したのである。
かくして得られる混合ガスを反応器へ供給し、気相光
塩素化反応を行った場合、ピリジンと塩素を別々に反応
器へ導いた場合に比べ、その反応速度が著しく促進され
ることを見出した。即ち、このような混合ガスを反応器
へ供給した場合、反応器の型式にもよるが、通常ピリジ
ンの転化率を80%以上にすることができる。
また、反応器へ攪拌機を取付ける方法(本発明者の先
願である特願昭62−256104号)を併用すると、反応成績
は更に好ましいものとなる。この場合、原料ガスの混合
は充分であるので、別々の仕込口からピリジンの塩素ガ
スを供給する場合に比べて、攪拌機の大きさや回転数
は、相当小規模なもので済む利点がある。
翼の形式はタービン型、ファウドラー型、プロペラ型
等いずれも使用可能である。回転数は反応槽の大きさや
形状によって異なるが50〜300rpmによって行われる。
本発明の方法によって反応を行う場合、滞留時間は10
〜30秒あれば充分であるが、これ以上の滞留時間をとっ
ても、反応成績には影響を及ぼさないので、仕込み量
を、任意に変えることが可能である。反応原料であるピ
リジンと塩素の仕込みモル比は2−クロロピリジンを主
生成物にするか、2,6−ジクロロピリジンを主生成物に
するかで任意に選択される。
反応温度は120℃以上、好ましくは140℃以上で行われ
る。反応温度は高い程その反応速度が上がる前述のよう
に、反応器材質の問題のため、通常は200℃を超える温
度は困難である。
稀釈剤は紫外線ランプの汚れを防止すると共にピリジ
ンのタール化を抑制するために加えられるが水、四塩化
炭素、窒素ガス等いずれも使用できる。稀釈率は従来法
では、反応が遅かったため、あまり大きくできなかった
が、本反応方法によれば、例えば20モル倍以上の稀釈法
で行っても何ら問題を生じない。通常は10〜30モル倍
(対ピリジン)の稀釈剤が使用される。
反応混合物は、温水と冷媒したコンデンサーを通し、
凝縮させ、排気ラインを備えた受け器に導く。
得られた反応液は、水酸化ナトリウムで中和した後、
四塩化炭素で抽出し、次いで簡単な分留を経て、目的物
を得ることができる。
〔発明の効果〕
本発明の方法により、2−クロロピリジンあるいは2,
6−ジクロロピリジンを従来法に較べ数倍の収率で得る
ことができる。又閉塞等の問題もなく長期間安定して運
転することが可能になった。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 光反応缶としてはランプ据え付け口、攪拌機取付け
口、温度計口、ガス導入口、ガス流出口等を有するジャ
ケットつきの5パイレックス缶を、そして光源として
は100W、高圧水銀灯を用いた。
ランプは反応器のほぼ中央に据え付け、反応器上部に
翼径5cmのテフロン製のプレペラ型攪拌翼を取付けた。
攪拌回転数は200rpmとした。ピリジン90.0g/H、水512g/
Hを蒸発器で蒸発させ、その混合ガス中へ塩素ガスを121
g/Hで供給し、内容積約200mlのラインミキサーを経由さ
せ、原料ガスを混合した。そして130℃に予熱された反
応缶へこれら混合ガスを供給した。この際混合ガスが凝
縮しない様にラインミキサー等を加熱する。
反応槽の温度が160℃を保つようにジャケットの熱媒
温度を調節しながら反応を継続した。
一方反応ガスは温水コンデンサーで凝縮した後ジャケ
ットに温水を循環した1の受器へためておき、間欠的
に抜き取った。この結果719g/Hの反応液を得、このうち
未反応ピリジン8.2g/H、2−クロロピリジン71.7g/H、
2,6−ジクロロピリジン56.4g/Hが含有されていたことが
判った。以上からピリジンの転化率は91%、2−クロロ
ピリジンの選択率は61.0%、2,6−ジクロロピリジンの
選択率は36.8%であった。また、吹き込んだ塩素ガスの
反応率は83.0%であった。
実施例2 反応槽の攪拌機を停止すること以外、実施例1と同様
に処理した。この結果、712g/Hの反応液を得、このうち
未反応ピリジン15.4g/H、2−クロロピリジン66.3g/H、
2,6−ジクロロピリジン39.2g/Hが含有されていることが
判った。以上からピリジン転化率は83%、2−クロロピ
リジンの選択率は70.3%、2,6−ジクロロピリジンの選
択率あ28.0%であった。吹き込んだ塩素ガスの反応率は
72%であった。
比較例1 実施例2の操作に於いて、塩素ガスを反応槽に設けら
れた別の供給口により、直接反応器へ吹き込むこと以
外、同様に処理した。この結果、反応液及び排ガス中に
は未反応ピリジン52.4g/H、2−クロロピリジン37.8g/
H、2,6−ジクロロピリジン19.7g/Hが含有されていた。
ピリジンの転化率は41.8%で、塩素ガスの吸収率は35%
に過ぎなかった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピリジンと塩素とを気相で反応せしめるに
    当たり、ピリジンと塩素ガスを、稀釈剤存在下で、ガス
    状で混合した後、反応器へ供給することを特徴とするピ
    リジンの気相塩素化反応法。
  2. 【請求項2】反応器内のガスを攪拌混合することを特徴
    とする請求項1記載のピリジンの気相塩素化方法。
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