JP2561999Y2 - トンネル工事の坑内ロープ吊り具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、トンネル工事の坑内ロ
ープ吊り具に関する。

【０００２】トンネル工事には、風管、キャップタイ
ヤ、送水管、電線などの設備または備品が付帯的に必要
である。これらの設備、備品は、ロープで坑壁に吊られ
るのが常である。

【０００３】

【従来の技術】従来、前記の付帯的設備、備品を吊る坑
内ロープは、トンネル坑壁に専用のアンカーなどを設
け、これに繋なぐという仕様で必要個所に架設されてい
る。この遣り方のロープの坑内架設は、煩雑で多くの労
力と時間を費やす。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、トンネル工事の坑内ロープをトンネル坑壁に対し簡
潔に架設できる吊り具を開発するにある。

【０００５】更にまた本考案は、架設ロープと協同し
て、自己の緩止めに寄与するトンネル工事の坑内ロープ
吊り具の開発を課題としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は、トンネル坑壁
に施されたロックボルトの先端ねじ部に、一半部に形成
された雌ねじをねじ込んで結合される筒形の吊り具本体
を包含するものであって、該本体の他半部に、これの縦
軸線方向に延在する止めねじ、及び同他半部筒体のほぼ
中程まで横断方向に延びるロープ吊掛け溝が設けられた
トンネル工事の坑内ロープ吊り具と、この構成を有する
ものにおいて、吊り具本体の他半部のロープ吊掛け溝
が、その奥に横向き溝が続くかぎ形になっているトンネ
ル工事の坑内ロープ吊り具に係る。

【０００７】上記構成をとることによって後に説明する
ように、所期の解課の解決が達成される。

【０００８】

【実施例】次に、本考案の実施態様を示す図面を参照し
て、本考案を説明する。

【０００９】図で１がトンネル工事の坑内ロープ２を吊
るための吊り具で、該吊り具１は、トンネル坑壁３に施
されたロックボルト４の先端ねじ部４１にねじ込まれる
雌ねじ１２が一半部に形成された、筒形の吊り具本体１
１を構成要素として包含している。

【００１０】前記吊り具本体１１の他半部はこれの縦軸
線方向に延在する止めねじ１３、及び該他半部筒体のほ
ぼ中程まで横断方向に延びるロープ吊掛け溝１４が設け
られている。該溝１４は、それの奥に横向き溝１５が続
くかぎ形のものであることが好ましい。

【００１１】５はロックボルト４１のナット、６はベア
リングプレートを示している。

【００１２】本考案に係る吊り具１は、それにおける本
体１１の一半部の雌ねじ１２を、トンネル坑壁３に施さ
れたロックボルト４の先端ねじ部４１にねじ込むことに
よって、これに結合できる。

【００１３】吊り具本体１１の他半部には、該他半部の
ほぼ中程まで横断方向に延びるロープ吊掛け溝１４が形
成され、また該他半部の縦軸線方向に延在する止めねじ
１３が設けられている。そして、本体１１は筒形であ
る。

【００１４】従って、前述のようにして、トンネル坑壁
３にセットした吊り具１の本体１１の溝１４に、風管、
キャップタイヤ、送水管、電線などトンネル工事の付帯
的設備、備品を吊るためのロープ２を入れて、止めねじ
１３を締め付けることにより、吊り具１にロープ２を締
結できる、即ちロープ２のトンネル坑壁３に対する架設
を達成する。

【００１５】こうして本考案によれば、従来で坑内ロー
プを架設するのに、トンネル坑壁に設けられたロープ吊
り専用のアンカーなどを必要とせずに、トンネル周辺岩
盤の緩みの発生及び進行を積極的に阻止しようとする支
保工として、坑壁３に既打設のロックボルト４を利用し
て、坑内ロープ２を簡潔に架設することができる。本考
案では吊り具１をロックボルト４に取り付ける必要があ
るが、これは上記の如くねじ結合で行い得るので、ロッ
クボルトとは別にアンカーなどを新たに坑壁に施して行
う仕様よりは、坑内ロープの架設が相当に簡単である。
止めねじ１３の締め付けは、アンカーなどにロープ吊り
架用フックを結合するのと、作業性の難、易が同程度で
ある。

【００１６】本考案においては、トンネル坑壁３に打設
されたロックボルト４の幾つかのそれぞれに吊り具１を
結合し、それら吊り具１に坑内ロープ２を数珠つなぎ様
に連結すると、溝１４を通じ串刺し状に吊り具１と交錯
し、止めねじ１３で締め付けられている坑内ロープ２
が、ロックボルトのねじ部４１に雌ねじ１２でねじ結合
された吊り具１の回止めとして役立つ。即ち、本考案に
係る吊り具は、坑内ロープと協同して、自己の緩止めに
奏功する。

【００１７】本考案において、吊り具１の溝１４が、そ
の奥に横向き溝１５が続いたかぎ形のものであるとき
は、当該横向き溝１５に坑内ロープ２を入れることによ
り、溝１４が下向きであっても、止めねじ１３の締付け
を待たずに、坑内ロープ２の抜落ちを回避でき、坑内ロ
ープ２の坑壁３への架設をより容易に行うことかでき
る。

【００１８】溝１４が、このような横向き溝のない、つ
まりかぎ形でないものの場合でも、本考案で意図する課
題が解決されることは、いうまでもなく自明である。か
ぎ形でない溝では、それが上向きとなるよう吊り具１を
ロックボルト４に結合すれば、坑内ロープ２の抜落ちの
回避を支障なく図れる。

【００１９】

【考案の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本考案はトンネル坑壁に対するトンネル工事の坑内
ロープの架設を簡潔に行うことを保証するし、架設ロー
プとの協同で自己緩止めに寄与する効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１の（Ａ）は本考案に係る坑内ロープ吊り具
の一例を示す側面図、図１の（Ｂ）は同吊り具の平面図
である。

【図２】図１に示された吊り具の使用状態を示す参考図
である。

【符号の説明】

１ トンネル工事の坑内ロープ吊り具 ２ 坑内ロープ ３ トンネル坑壁 ４ ロックボルト １１ 吊り具本体 １２ 雌ねじ １３ 止めねじ １４ ロープ吊掛け溝 １５ 横向き溝 ４１ ロックボルトの先端ねじ部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 トンネル坑壁に施されたロックボルトの
   先端ねじ部に、一半部に形成された雌ねじをねじ込んで
   結合される筒形の吊り具本体を包含するものであって、
   該本体の他半部に、これの縦軸線方向に延在する止めね
   じ、及び同他半部筒体のほぼ中程まで横断方向に延びる
   ロープ吊掛け溝が設けられたトンネル工事の坑内ロープ
   吊り具。
2. 【請求項２】 吊り具本体の他半部の溝が、その奥に横
   向き溝が続くかぎ形になっている請求項１記載のトンネ
   ル工事の坑内ロープ吊り具。