JPH0214603Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 扁平状丸棒の長径側の両外周部にわたつてねじ
を設けたねじ鉄筋にナツトを着脱するには、ナツ
トをねじ鉄筋の端部からねじ込んでいつたり、ね
じ戻さなければならないため、その操作が大変で
ある。

そこで、本考案は上記欠陥を解消するため、ね
じ鉄筋の扁平の形状を利用し、ねじ鉄筋の任意箇
所に側方から着脱でき、しかも、その取付けはね
じ鉄筋に螺合し確実に固定し得て作業上至便なる
ようにしたねじ鉄筋用掛け金具に係るものであ
る。

第１図乃至第６図に示す本考案の１実施例につ
いてその構造を説明すれば、１はコンクリート構
築に使用するねじ鉄筋で、扁平状丸棒の長径側の
両外周部にわたりねじ２を設けてなる。３はその
扁平側の平面である。

ａはねじ鉄筋用掛け金具を示し、４は掛け金具
ａの本体で、ねじ鉄筋１の扁平側に嵌合するＵ字
形で、外周面が６角形をなすように形成してその
内方にねじ鉄筋１のねじ２と螺合する雌ねじ５を
装設し、該本体４の中央部には雌ねじ５まで貫通
するねじ孔６を設けてその外側に凹所７を形成
し、ねじ孔６にフツクボルト８を螺通して掛け金
具ａを構成する。

なお、９はフツクボルト８のリングに挿着した
ワイヤロープ製掛けリングである。

次にその作用を説明する。第４図に実線で示す
ように、掛け金具ａのフツクボルト８のねじ戻し
てその先端縁をねじ孔６内に入り込ませた後、本
体４をねじ鉄筋１の適当箇所にその大径側から嵌
め込んで扁平側に嵌合すると共に、本体４の雌ね
じ５をねじ鉄筋１のねじ２の１側部に螺合する。
そこで、第４図に鎖線で示すように、掛け金具ａ
を側方へ90゜回転させた後、フツクボルト８を凹
所７の底面に当るまでねじ込めば、第５図に示す
ように掛け金具ａの本体４の雌ねじ５がねじ鉄筋
１のねじ２の両側部に螺合してその本体４がねじ
鉄筋１に螺着し、一方、フツクボルト８の先端縁
がねじ鉄筋１の平面３に当ることにより、ねじ鉄
筋１に対する本体４の回転が阻止されて掛け金具
ａはねじ鉄筋１に螺着した状態に保持される。

従つて、コンクリート構築において、 (イ) 長物の重いねじ鉄筋１を移動するとき、掛け
金具ａのねじ鉄筋１の所要箇所に取付け、その
掛け金具ａの掛けリング９をクレーンで吊上げ
てねじ鉄筋１を移動する。

(ロ) 床の水平配筋、基礎梁等でねじ鉄筋１を接続
するとき、掛け金具ａを必要なねじ鉄筋１の所
要箇所に取付け、上記(イ)と同様に操作してクレ
ーンにより掛け金具ａを介してねじ鉄筋１を持
上げたり、引寄せたりして接続するねじ鉄筋１
の中心線やそのねじ２の通りを合わせる。

(ハ) 立配筋のときで、例えば、カプラーナツト締
付機をバランサー等で吊る場合、掛け金具ａを
ねじ鉄筋１の上部に取付けてその掛け金具ａの
掛けリング９に機械を吊る。

(ニ) 掛け金具ａをねじ鉄筋１の任意箇所に取付け
てその掛けリング９に治具、道具等を吊り、ね
じ鉄筋１に取付ける部材の引掛け具、吊り具等
にする。

等に使用することができる。

また、掛け金具ａをねじ鉄筋１から取外すとき
は、上記と反対に、フツクボルト８をねじ戻して
その先端縁をねじ孔６内に入り込ませ、その後、
掛け金具ａを側方へ90゜回転して第４図に実線で
示すようにその本体４をねじ鉄筋１の扁平側に嵌
合した状態になして外側へ引くと、掛け金具ａは
取外される。

一方、上記ねじ鉄筋１に代え、第７図に示すよ
うに断面が楕円形で、その長径側の両外周部にわ
たつてねじ２′を設けたねじ鉄筋１′においても、
掛け金具ａを上記と同様に操作して着脱すること
ができる。

なお、上記掛け金具ａの本体４は、鍜造や鋳造
で作製してもよいし、また、１面にねじを装設し
た金属平板をねじ側へＵ字形に彎曲加工して作製
してもよい。

本考案はねじ鉄筋用掛け金具を上記のように構
成したから、その本体をねじ鉄筋の任意箇所の扁
平側に嵌合し90゜回転してフツクボルトをねじ込
めばねじ鉄筋に螺合して固定し、一方、上記と反
対に操作するとねじ鉄筋から取外され、掛け金具
のねじ鉄筋への着脱を極めて容易迅速になし得る
上に、掛け金具は、そのフツクボルトがねじ鉄筋
の平面部に当ることにより、絶対に回転しなくて
ねじ鉄筋から脱離するおそれがなく、掛け金具の
固定は確実堅固且つ安全である。

更に、ねじ鉄筋の任意箇所に側方より着脱でき
るから、他のねじ鉄筋や床等の上でも簡易に着脱
でき、且つ長いねじ鉄筋でも何等差支えない上
に、立鉄筋で、ねじ鉄筋が上方へ長く突出してい
たり、あるいはねじ鉄筋の上端部もコンクリート
壁中に埋まつているような場合でも、容易にねじ
鉄筋に着脱し得て作業上至便である。

その上、掛け金具にかかる力は、掛け金具とね
じ鉄筋の互いに螺合したねじ山によつて支持する
ため、大きな荷重も充分負担することができ、且
つ構造は極めて簡単で容易安価に製作し得る等の
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係るねじ鉄筋用掛
け金具の正面図、第２図は平断面図、第３図は側
面図、第４図および第５図はその掛け金具をねじ
鉄筋に取付ける作用説明正面図で、第４図は掛け
金具をねじ鉄筋に嵌合した状態、第５図は掛け金
具をねじ鉄筋に固定した状態をそれぞれ示す。第
６図は第５図における状態の側面図、第７図はね
じ鉄筋の他の例を示す正断面図である。 １……ねじ鉄筋、２……ねじ、４……本体、５
……雌ねじ、６……ねじ孔、８……フツクボル
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扁平状丸棒の長径側の両外周部にわたつてねじ
   を設けたねじ鉄筋の扁平側に嵌合するＵ字形に本
   体を形成し、その本体の内方に上記ねじ鉄筋のね
   じと螺合する雌ねじを装設して中央部には上記雌
   ねじまで貫通するねじ孔を設け、該ねじ孔にフツ
   クボルトを螺通してなるねじ鉄筋用掛け金具。