JP2560805Y2 - シールリング - Google Patents

シールリング

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JP2560805Y2
JP2560805Y2 JP326492U JP326492U JP2560805Y2 JP 2560805 Y2 JP2560805 Y2 JP 2560805Y2 JP 326492 U JP326492 U JP 326492U JP 326492 U JP326492 U JP 326492U JP 2560805 Y2 JP2560805 Y2 JP 2560805Y2
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二郎 松本
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、合成樹脂製シールリ
ングに関するものであり、特にシール面の摺動摩擦抵抗
と摩耗量を低減させたシールリングに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図13に示すように、一般にシールリン
グ1は軸2の周溝3に装着され、シールリング1の外周
面をシリンダ4の内周面に押圧することによりその押圧
面をシールすると共に、シール対象液の圧力差によって
低圧側の周溝3の内壁に押圧され、その低圧側のシール
面5で周溝3をシールするようになっている。
【0003】また、軸2が回転する装置の場合は、シー
ル面5と周溝3の内壁との間に摺動摩擦抵抗と摩耗が発
生するため、これらを低減する目的で図14及び図15
に示すごときシールリング1を使用することが提案され
ている(実開平3−88062号公報参照)。
【0004】これらのシールリング1は、シール面5に
潤滑溝6、7を形成し、その潤滑溝6、7にシール対象
液を導入することにより潤滑膜が生じやすいようにした
ものである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、図14
のように潤滑溝6が細い溝で形成されているものは、シ
ール対象液がその潤滑溝6内に自由に出入りし難く、そ
の内部に溜ってしまうことが多い。このため、シール対
象液が油であって、かつ高温下で使用される場合は、潤
滑溝6に溜った油が次第に劣化し、ついにはタール状に
変質して潤滑溝6を閉塞してしまうという問題がある。
【0006】また、図15の場合は、潤滑溝7が周方向
に連続しているため、前述のようにシール対象液が溜る
ことはない。しかし、この場合は、シール対象液の高圧
側と低圧側の圧力差によってシールリング1を変形させ
る応力が発生すると、図16に示すように、潤滑溝7の
エッジ部8に応力が集中し(図の応力分布図参照)、こ
の部分が摩耗しやすいという問題がある。
【0007】そこで、この考案は合成樹脂製シールリン
グにおいて、潤滑溝の形状に改良を加えることによって
上述の問題を解決し、摺動摩擦抵抗及び摩耗量の少ない
シールリングを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この出願に係る第1の考案は、図1乃至図3に示
すように、シールリング11の両側面の全長にわたり一
定間隔をおいて多数の潤滑溝12をリング両側面に設
け、その潤滑溝12以外のリング側面にシール面13を
形成した合成樹脂製シールリングである。図示の場合
は、潤滑溝12をリング両側面の同一位置に設けたもの
を示しているが、周方向にずれた位置に設けてもよい。
【0009】上記の潤滑溝12は、リング内周縁から半
径方向にリング側面の中程に達する所要深さの両端壁1
4と、その両端壁14間に形成された溝外周壁15とに
囲まれた周方向に長い凹所16により形成したものであ
る。
【0010】第2の考案は、図4乃至図6に示すよう
に、上記の凹所16にシール面13と一致する高さのラ
ンド部17を設けたものである。
【0011】第3の考案は、図7乃至図12に示すよう
に、上記の第1及び第2の考案の改良であり、いずれも
潤滑溝12の両端壁14とリング内周面との間の角部1
8及び両端壁14と溝外周壁15間の角部19にそれぞ
れアールを付け、かつ両端壁14とシール面13との間
のエッジ部20及び溝外周壁15とシール面13との間
のエッジ部21にクラウニングを施したものである。
【0012】第4の考案は、上記の各考案において潤滑
溝12のリング側面に対する面積比率を20〜70%に
設定したものである。
【0013】
【作用】上記第1の考案に係るシールリング11は、潤
滑溝12が周方向に長く形成され、かつシール状態でそ
の潤滑溝12がリング内周面側に開放されているので、
シール対象液がこの潤滑溝12に自由に出入りすること
ができ、溜ることがない。また、シール対象液の高圧側
と低圧側の圧力差によりシールリング11を変形させる
力が発生し、溝外周壁15のエッジ部に応力が集中する
場合でも、潤滑溝12相互間の柱部22が存在すること
により、上記の応力集中を緩和することができ、また摩
耗も減少する。
【0014】第2の考案は、ランド部17のまわりに潤
滑溝12が形成されるので、シール対象液の出入りを妨
げることがない。潤滑溝12間の柱部22に加え、ラン
ド部17が存在することにより、シールリング11の変
形の際の応力集中の緩和及び摩耗の減少が一層効果的と
なる。
【0015】第3の考案は、潤滑溝12の各角部18、
19にアールを付けることにより、シール対象液が潤滑
溝12に出入りしやすくなり、また、両端壁14とシー
ル面13との間のエッジ部20及び溝外周壁15とシー
ル面13との間のエッジ部21にクラウニングを施すこ
とにより、シール面13に潤滑膜が生じやすく、かつエ
ッジ部20、21に応力が集中しにくくなるため摩耗が
低減される。
【0016】第4の考案において、潤滑溝12のリング
側面に対する面積比率を20〜70%と設定したのは、
20%未満では摺動摩擦抵抗及び摩耗の低減が充分でな
く、70%以上では摩耗が大きくなり、当初の目的を達
成し得ないからである。
【0017】なお、上記の数値は、20〜50%に設定
することが好ましい。
【0018】
【実施例】実施例1 ポリエーテルエーテルケトン樹脂を主材料とし、カーボ
ン繊維、四フッ化エチレン樹脂を充填材として配合した
材料を用い、図7乃至図9に示した形状のシールリング
11を射出成形により得た。上記シールリング11の柱
部22におけるリング幅方向の断面積は略矩形であり、
外径59mm、リングの幅1.95mm、リング肉厚2.1
5mmとし、リング両側面の全周にわたり一定間隔をおい
て潤滑溝12を設け、これら潤滑溝12のリング側面に
対する面積比率を40%とし、かつ、各潤滑溝12の各
角部18、19にアールを付け、またエッジ部20、2
1にクラウニングを施した。
【0019】このようにして得られたシールリング11
を自動車用オートマチック・トランスミッションオイル
(昭和シェル石油社製:デキシロンII)を使用し、油圧
15kgf/cm2 、軸回転数7500rpm、油温1
40℃の条件で100時間の耐久試験に供し、回転トル
ク、即ち摺動摩擦抵抗と、リング側面の摩耗量を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0020】実施例2 実施例1と同じ組成の材料を用い、図10乃至図12に
示した形状のシールリング11を射出成形により得た。
上記シールリング11の柱部22におけるリング幅方向
の段面積には略矩形であり、外径59mm、リングの幅
1.95mm、リング肉厚2.15mmとし、リング両側面
の全周にわたり、一定間隔をおいて、ランド部17を中
央部に有する潤滑溝12を設け、その潤滑溝12のリン
グ側面に対する面積比率を30%としたものである。
【0021】実施例1と同一条件で耐久試験を行った結
果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】[比較例] 実施例1及び2と同じ材料を用い、リング側面に潤滑溝
を設けずに射出成形したシールリングを比較例1とす
る。
【0024】リング側面に実施例1と同様の潤滑溝を設
け、その潤滑溝のリング側面に対する面積比率を15%
としたシールリングを比較例2とする。
【0025】リング側面の潤滑溝が図14に示す形状の
シールリングを比較例3とする。
【0026】リング側面の潤滑溝が図15に示す形状の
シールリングを比較例4とする。
【0027】以上の各比較例について、各実施例と同一
条件で耐久試験に供した。その結果を表1に示す。
【0028】[考察] 表1に示すように、実施例1及び2は比較例1〜3に比
べ、回転トルク、即ち、摺動摩擦抵抗が小さく、かつリ
ング側面の摩耗量が少ない。また、比較例4に比べる
と、回転トルクは同程度であるが、リング側面の摩耗量
が少ない。
【0029】
【考案の効果】この出願の第1の考案に係るシールリン
グは、シール対象液によりシールリング側面に潤滑膜が
形成されやすく、シール対象液が潤滑溝に溜ることもな
く、かつ潤滑溝のエッジ部に応力が集中することを防ぐ
ことができる。その結果、摺動摩擦抵抗及び摩耗が低減
される効果がある。
【0030】第2乃至第4の考案は、上記の効果を一層
顕著に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の考案の一部拡大正面図
【図2】図1のII−II線の断面図
【図3】図1のIII −III の断面図
【図4】第2の考案の一部拡大断面図
【図5】図4のV−V線の断面図
【図6】図4のVI−VI線の断面図
【図7】第3の考案の一部拡大正面図
【図8】図7のVIII−VIII線の断面図
【図9】図7のIX−IX線の断面図
【図10】第4の考案の一部拡大正面図
【図11】図10のXI−XI線の断面図
【図12】図10のXII −XII 線の断面図
【図13】シールリングの使用状態の拡大断面図
【図14】(a)は従来例の一部拡大断面図、(b)は
同上の断面図
【図15】(a)は他の従来例の一部拡大断面図、
(b)は同上の断面図
【図16】図15の従来例の使用状態の拡大断面図
【符号の説明】 1 シールリング 2 軸 3 周溝 4 シリンダ 5 シール面 6、7 潤滑溝 11 シールリング 12 潤滑溝 13 シール面 14 端壁 15 溝外周壁 16 凹所 17 ランド部 18、19 角部 20、21 エッジ部 22 柱部

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】リング両側面の全長にわたり一定間隔をお
    いて多数の潤滑溝をリング両側面に設け、その潤滑溝以
    外のリング側面にシール面を形成した合成樹脂製シール
    リングにおいて、上記潤滑溝を、リング内周縁から半径
    方向にリング側面の中程に達する所要深さの両端壁と、
    その両端壁間に形成された溝外周壁とに囲まれた周方向
    に長い凹所により形成したことを特徴とするシールリン
    グ。
  2. 【請求項2】上記凹所の中央部にシール面と一致する高
    さのランド部を設けたことを特徴とする請求項1に記載
    のシールリング。
  3. 【請求項3】潤滑溝の両端壁とリング内周面との間の角
    部及び両端壁と溝外周壁間の角部にそれぞれアールを付
    け、かつ両端壁とシール面の間のエッジ部及び溝外周壁
    とシール面との間のエッジ部にそれぞれクラウニングを
    施したことを特徴とする請求項1又は2に記載のシール
    リング。
  4. 【請求項4】上記潤滑溝のリング側面に対する面積比率
    を20〜70%に設定したことを特徴とする請求項1、
    2又は3に記載のシールリング。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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