JP2558348Y2 - 内燃機関の可変圧縮比装置 - Google Patents

内燃機関の可変圧縮比装置

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JP2558348Y2
JP2558348Y2 JP6059091U JP6059091U JP2558348Y2 JP 2558348 Y2 JP2558348 Y2 JP 2558348Y2 JP 6059091 U JP6059091 U JP 6059091U JP 6059091 U JP6059091 U JP 6059091U JP 2558348 Y2 JP2558348 Y2 JP 2558348Y2
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piston
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雅彦 松田
建夫 久米
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は内燃機関(以下エンジン
と称する)の可変圧縮比装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジン中負荷域よりも大き
い高負荷域あるいは高エンジン回転域においてはノッキ
ングを発生させないようにしながら、エンジン中負荷よ
り小さい低負荷域では熱効率を上げて燃費の改善をはか
るために、圧縮比を可変にしうるエンジンが各種提案さ
れている。
【0003】かかる圧縮比可変機構は、例えば特公昭6
3−32972号公報に開示されている。この公報に開
示された圧縮比可変機構は、エンジンのコネクティング
ロッドの両端の軸支部の一方に、コネクティングロッド
の軸受孔とこの軸受孔を挿通する支軸とを互いに偏心さ
せる偏心軸受を、ピストンからの荷重と支軸からの反力
とが偏心することによって生じる回転力によって自在に
回転するように設け、さらには軸受半径方向に移動可能
なロックピンを駆動することにより偏心軸受の回転を自
由と固定との間に切り替えるための油圧作動式ロック手
段を設けて、このロック手段へ供給される作動オイルの
圧力を、ピストン位置の検出手段と運転条件の検出手段
との信号を受けるコンピュータからの信号により、ロッ
ク中には常時ロック手段に油圧がかかり、ロック解除中
にはロック手段に油圧がかからない条件下で制御するよ
うにしたものである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の内燃機関の可変圧縮比機構では、油圧機構に
よりロックピンを軸受半径方向に駆動して、偏心軸受の
回転を自由と固定との間に切り替えているので、コネク
ティングロッドの往復運動等に基づき生じる慣性力の影
響によってロックピンの作動が不確実になるおそれがあ
る。
【0005】このため、ロックピンを軸受の軸方向に駆
動することにより、コネクティングロッドの往復運動等
に基づき生じる慣性力によってロックピンの作動に影響
を及ぼさなくするようにした可変圧縮比機構も考えられ
ている。
【0006】しかし、このような可変圧縮比機構におい
て、圧縮比を切り替えるときに、ロックピンの突出部分
と偏心軸受との係合部分が強く衝突して、ロックピンの
突出部分あるいは偏心軸受の上記ロックピンとの係合部
分が破壊するおそれがあった。
【0007】本考案は上記の点に鑑みてなされたもの
で、圧縮比を切り替えるときに、ロックピンの突出部分
と偏心軸受との係合部分が強く衝突して、ロックピンの
突出部分あるいは偏心軸受の上記ロックピンとの係合部
分とが破壊するのを未然に防止することができる内燃機
関の可変圧縮比装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本考案の構成は、内燃機関の気筒内を摺動するピスト
ンと、このピストンに一端が枢支され他端がクランク軸
に枢支されるコネクティングロッドとを具備し前記ピス
トンの往復運動をクランク軸の回転運動に変えている内
燃機関において、前記コネクティングロッドの他端とク
ランク軸との間に介装され外周面の中心と内周面の中心
とが偏心してなる偏心スリーブと、この偏心スリーブの
両縁部において前記コネクティングロッドの他端を挟む
ように形成されたフランジ部と、前記コネクティングロ
ッド内から前記フランジ部の両側に出没可能に内装され
たロックピンと、一方側のフランジ部に設けられ前記ロ
ックピンを係合する第1の係合部と、他方側のフランジ
部に設けられ前記ロックピンを係合する第2の係合部と
を備え、前記第1の係合部及び前記第2の係合部は、前
記ロックピンの端部が完全に係合するロック用係合部
と、前記ロックピンの前記ロック用係合部への移動を案
内するため該ロック用係合部より浅く形成されたガイド
用係合部とからなり、更に、前記ロックピンを前記第1
の係合部側及び前記第2の係合部側に押圧する押圧部材
を該第1の係合部及び該第2の係合部に対向して反対側
のフランジ部にそれぞれ形成したことを特徴とする。
【0009】
【作用】エンジンの圧縮比を切り替えるために作動油の
油圧が制御されると、一方のフランジ部の係合部との係
合を外されたロックピンは、他方のフランジ部の係合部
に係合する前に、先ず、ガイド用係合部に係合して、係
合部との完全な係合を一旦阻止される。しかるのちロッ
クピンは、押圧部材に押圧されて相対回転しているフラ
ンジ部のロック用係合部に進入する。
【0010】
【実施例】図1には本考案の一実施例に係る内燃機関の
可変圧縮比装置の低圧縮比状態にある時の全体構成、図
2にはそのコネクティングロッドの正面、図3には本考
案の一実施例に係る内燃機関の可変圧縮比装置の高圧縮
比状態にある時の全体構成、図4にはそのコネクティン
グロッドの正面、図5には図1及び図3中の矢印V部の
拡大状態、図6には低圧縮比状態にある時の油圧駆動機
構の断面、図7には高圧縮比状態にある時の油圧駆動機
構の断面を示してある。
【0011】まず、図1内乃至図4に示すように、コネ
クティングロッド6が、その小端部をガソリンエンジン
(内燃機関)の気筒内を往復運動するピストン8のピス
トンピン7に枢支されるとともに、その大端部をクラン
クシャフト1のクラングピン2に枢支されている。
【0012】また、コネクティングロッド6の大端部に
おける枢支部にはコネクティングロッド6の軸受穴とこ
の軸受穴を挿通する支軸としてのクランクピン2とを交
互に偏心させる偏心スリーブ5が回転可能に設けられて
いる。即ち、この偏心スリーブ5はその内周面の中心と
その外周面の中心とが偏心しており、偏心スリーブ5を
最小偏心位置からクランクピン2の外周を160度程度
回転すると最大偏心位置近傍を採りうるようになってい
る。
【0013】なお、偏心スリーブ5の内周面とクランク
ピン2の外周面との間には、図5に詳しく示すように、
偏心スリーブ5の内周面付きのメタル軸受9が介装され
ると共に、偏心スリーブ5の外周面とコネクティングロ
ッド6の軸受穴の内周面との間には、コネクティングロ
ッド6の軸受穴の内周面付きのメタル軸受10が介装さ
れている。これにより、偏心スリーブ5とクランクピン
2との間で摺動できるとともに、偏心スリーブ5とコネ
クティングロッド6の軸受穴との間で摺動できるように
なっている。
【0014】ところで、偏心スリーブブロック手段11
が設けられているが、この偏心スリーブブロック手段1
1は偏心スリーブ5の軸方向即ちクランクシャフト1の
軸方向に移動しうるロックピンとしてのストッパピン1
2を備えており、このストッパピン12をそのピストン
式流体圧駆動機構としての油圧駆動機構11Aで作動さ
せることにより、偏心スリーブ5に形成された第1の係
合部5a及び第2の係合部5bにストッパピン12を係
合させて、この偏心スリーブ5の回転を2つの位置(上
記の最小偏心位置と最大偏心位置近傍)で固定しうるも
のである。
【0015】なお、第1の係合部5a及び第2の係合部
5bの詳しい構成については後述する。
【0016】さらに、この偏心スリーブブロック手段1
1について詳述する。図6及び図7に示すように、ま
ず、ストッパピン12の中間部には、フランジ状にピス
トン部12aが拡径して一体に設けられており、このピ
ストン部12a付きストッパピン12が、コネクティン
グロッド6の大端部に形成された貫通穴に嵌合されてい
る。この貫通穴はコネクティングロッド6の大端部をク
ランクシャフト軸方向に貫通しており、3つの径を有す
る3段穴部として構成されていて、一端部に位置する小
径穴部はストッパピン12の径とほぼ同じで、中間部に
位置する中径穴部はピストン12aの径とほぼ同じで、
他端部に位置する大径穴部はピストン12aより大きく
設定されている。
【0017】従って、この貫通穴にピストン部12a付
きストッパピン12を入れると、貫通穴の小径穴部にス
トッパピン12が液密に挿通されるとともに、貫通穴の
中径穴部にピストン部12aが液密に挿嵌される。そし
て、リターンスプリング15を入れて、更に貫通穴の大
径部とほぼ同径の貫通穴が形成されたキャップ16を嵌
め込み、このキャップ16をコネクティングロッド6に
ボルト等にて固定すると、ストッパピン12がその一端
を貫通穴の小径部に液密に嵌挿されるとともにその他端
部をキャップ16の貫通穴に液密に嵌挿されて、貫通穴
の中径部がピストン部12aにて2つのチャンバ13,
14に分割される。そして、このチャンバ13,14に
それぞれ油圧通路17,18が連通接続されるようにな
っている。これにより、これらの2つのチャンバは、ピ
ストン部12aの両端に形成される油圧室(流体圧室)
13,14として構成される。なお、リターンスプリン
グ15は油圧室13内に装填されて、ピストン部12a
付きストッパピン12を油圧室14側へ付勢しているこ
とになる。なお、ピストン部12a両側の受圧面積は等
しく設定されている。
【0018】これにより、このストッパピン12に付設
のピストン部12a,油圧室13,14,リターンスプ
リング15,キャップ16等で、ストッパピン12に連
結されたピストン部12aを移動させることによってス
トッパピン12を駆動しうるピストン式油圧駆動機構1
1Aが構成される。
【0019】また、偏心スリーブ5は、図1乃至図4に
示すごとく、コネクティングロッド6の大端部を挟むよ
うに軸方向に離隔されたフランジ部51,52を有して
いるが、一方のフランジ部51における偏心スリーブ5
が最小偏心位置を採るような部分には、第1の係合部5
aが形成されるとともに、他方のフランジ部52におけ
る偏心スリーブ5が最大偏心位置近傍を採るような部分
には、第2の係合部5bが形成される。そして、上記フ
ランジ部51,52の互いに整合する位置にガイド用切
欠部53が形成されている。また、上記コネクティング
ロッド6の大端部の底部には円筒状の油圧ピストン54
が取り付けられている。この油圧ピストン54内にはピ
ストン55が液密に嵌挿されており、ピストン55の両
側面からピン56が油圧ピストン54の両側面に設けら
れた窓57から突設されている。上記ピストン55の両
端面と油圧ピストン54の側壁との間には付勢ばね5
8,59が装填されると共にオイルが満たされている。
さらに、上記ピストン55で仕切られた油圧ピストン5
4内の両側の室はオリフィス60,61を介してオイル
供給路に接続されている。上記ピストン55は上記付勢
ばね58,59の付勢力により中立位置に保たれてい
る。
【0020】そして、ストッパピン12が図3及び図7
に示すように右方へ移動して第1の位置をとった状態
で、図3及び図4に示すように、ストッパピン12が第
2の係合部5b側に係合して、偏心スリーブ5が最大偏
心位置近傍でコネクティングロッド6の大端部に固定さ
れる。ストッパピン12が図1及び図6に示すように左
方へ移動して第2の位置をとった状態で、図1及び図2
に示すように、ストッパピン12が第1の係合部5a側
に係合して、偏心スリーブ5が最小偏心位置でコネクテ
ィングロッド6の大端部に固定されるようになってい
る。
【0021】そして、偏心スリーブ5が最大偏心位置近
傍でコネクティングロッド6の大端部に固定されると、
コネクティングロッド6は見掛け上最も伸びた状態にな
って、高圧縮比状態を実現することができ、偏心スリー
ブ5が最小偏心位置でコネクティングロッド6の大端部
に固定されると、コネクティングロッド6は見掛け上最
も縮んだ状態になって、低圧縮比状態を実現することが
できるのである。なお、この低圧縮比状態での圧縮比は
エンジンがノッキングを起こさない程度の値が選ばれ、
これは通常のエンジンにおいて設定されている値とほぼ
同等である。従って、高圧縮比状態での圧縮比が通常の
エンジンで設定されている値よりも高い値として設定さ
れることになる。
【0022】さらに、両油圧室13,14に油圧通路1
7,18を通じて予め所要の油圧(標準油圧)を印加し
ておく手段と、ピストン12a付ストッパをリターンス
プリング15の付勢力に抗して油圧室13側へ移動させ
るべく、油圧室14に上記の標準油圧よりも高い油圧
(標準油圧+α)を印加しうる手段とが設けられてい
る。
【0023】すなわち、油圧通路17,18は図1及び
図3に示すように、クランクシャフト1のクランクジャ
ーナル3からクランクアーム4の部分を通ってクランク
ピン2から更にメタル軸受9,偏心スリーブ5,メタル
軸受10及びコネクティングロッド6の大端部を通っ
て、それぞれ油圧室13,14に連通接続されている。
【0024】なお、メタル軸受9とクランクピン2との
間及びメタル軸受10と偏心スリーブ5との間は摺動す
るので、図5に示す如く、メタル軸受9,10の内周面
には、この内周面を一周する油圧通路17,18に繋が
る2条の無端状溝が形成され、メタル軸受9に形成され
た各溝には偏心スリーブ5に形成された油圧通路17,
18の部分に整合する貫通穴が形成されるとともに、メ
タル軸受10に形成された各溝にもコネクティングロッ
ド6の大端部に形成された油圧通路17,18の部分に
整合する貫通穴が形成されている。
【0025】上記の構成により、エンジン中負荷以下の
領域を検出すると、油圧室14に高い油圧(標準油圧+
α)が供給される。このとき油圧室13内には油圧通路
17を介してメインギャラリからの標準油圧が供給され
ているので、結果として上記の高い油圧(標準油圧+
α)と標準油圧との差圧αがピストン部12aにかか
り、これによりこの差圧分がリターンスプリング15の
付勢力に抗してピストン部12a付ストッパピン12を
図3及び図7に示すように右方へ移動させる。その結
果、ストッパピン12が第1の位置をとり、図3及び図
4に示すように、ストッパピン12と第2の係合部5b
とが係合して、偏心スリーブ5が最大偏心位置近傍でコ
ネクティングロッド6の大端部に固定されている。この
際、ストッパピン12と第2の係合部5bとが係合する
際に、ピン56がガイド用切欠部53の端部に当接し、
オイルのダンパ機能により衝撃が緩衝される。そして、
コネクティングロッド6は見掛け上ほぼ最も伸びた状態
にストッパピン12に衝撃を受けることもなく切り替え
られて、高圧縮比状態とされる。このように高い圧縮比
状態にすると、熱効率が良くなり、燃費の向上が期待で
きる。
【0026】また、エンジン中負荷域よりも大きいエン
ジン高負荷域あるいはエンジン高回転域を検出すると、
油圧室13,14に標準油圧が供給される。これによ
り、リターンスプリング15の付勢力によって、ピスト
ン部12a付ストッパピンが、図2及び図6に示すよう
に左方へ移動して、第2の位置をとると、図1及び図2
に示すように、ストッパピン12と第1の係合部5aと
が係合して、偏心スリーブ5が最小偏心位置でコネクテ
ィングロッド6の大端部に固定される。この際、ストッ
パピン12と第1の係合部5aとが係合する際に、ピン
56がガイド用切欠部53の端部に当接し、オイルのダ
ンパ機能により衝撃が緩衝される。その結果、コネクテ
ィングロッド6は見掛け上最も縮んだ状態にストッパピ
ン12に衝撃を受けることもなく切り替えられ、低圧縮
比状態とされる。このように低圧縮比状態にすることに
より、ノッキングを確実に回避することができる。
【0027】図8に基づいて第1の係合部5a及び第2
の係合部の詳細構造を説明する。図8には偏心スリーブ
の構造説明を示してある。なお、第1の係合部5a及び
第2の係合部5bの構成は同一であるので、第1の係合
部5aのみの構成を説明する。
【0028】図8(a)及び図8(c)には偏心スリー
ブ5の側面状態を示してあり、図8(b)には図8
(a)及び図8(c)中のB矢視を示してある。
【0029】第1の係合部5aは、ストッパピン12が
完全に係合する固定係合部101と、ストッパピン12
の移動を完全係合の手前で阻止するためのフランジ部5
1を貫通していない(固定係合部101より浅く形成さ
れた)ガイド用係合部102とから構成されている。固
定係合部101は、フランジ部51を貫通すると共に、
ストッパピン12が大きくがたつくことなく係合する大
きさに形成されている。
【0030】第1の係合部5aに対向して反対側のフラ
ンジ部52には、ストッパピン12を第1の係合部5a
側に押圧してストッパピン12をガイド用係合部102
もしくは固定係合部101に係合させる押圧部材として
の押出ランプ103が形成されている。
【0031】図9乃至図11に基づいてストッパピン1
2の第1の係合部への係合状況を説明する。図9乃至図
11には偏心スリーブ12の回転状況を示してあり、図
9乃至図11の(a)には偏心スリーブ5の側面状態、
(b)には展開平面状態を示してある。
【0032】エンジンの圧縮比を低圧縮比モードにする
状態に油圧が制御されると、第2の係合部5bとの係合
を外されたストッパピン12は端部がフランジ部51の
内側面に衝合される。ストッパピン12に対して図9,
図10中矢印方向に相対回転する偏心スリーブ5のフラ
ンジ部51が矢印a方向に移動する時、押出ランプ10
3によりストッパピン12が第1の係合部5a側に押出
され、ストッパピン12がガイド用係合部102に衝合
して係合方向の移動が阻止される。(図10(b))。
図11に示すように、偏心スリーブ5の回転によりフラ
ンジ部51が矢印b方向に若干移動することで、ストッ
パピン12が固定係合部101に係合する。これによ
り、偏心スリーブ5とコネクティングロッド6が一体化
されたことになる。
【0033】すなわち、ストッパピン12は、押出ラン
プ103に押圧されて一旦ガイド用係合部102に係合
することにより、完全結合の手前でその移動が阻止され
てフランジ部51に対して不完全係合する。そして、ス
トッパピン12は、この不完全係合の状態でガイド用係
合部102に案内されて固定係合部101に係合する。
【0034】従って、偏心スリーブ5の回転が早い場合
であっても、ストッパピン12の固定係合部101への
係合が確実に行なわれる。
【0035】ストッパピン12と第1の係合部5aもし
くは第2の係合部5bとが係合する際に、ピン56(図
1乃至図6参照)がガイド用切欠部53の端部に当接し
オイルのダンパ機能により衝撃がストロークSの範囲で
緩衝される(衝撃吸収機構)。
【0036】図9(b),図10(b),図11(b)
に示すように、固定係合部101の位置は、ピン56
(図1乃至図6参照)がガイド用切欠部53の端部に当
接する前における偏心スリーブ5の回転方向上流側に設
けられている。これにより、偏心スリーブ5の回転が遅
い場合ガイド用切欠部53の端部にピン56が当接する
前(衝撃吸収機構が動作する前)にストッパピン12が
固定係合部101に係合する。
【0037】従って、偏心スリーブ5の回転が遅い場合
であっても、ストッパピン12の固定係合部101への
係合が確実に行なわれる。
【0038】なお、上記一実施例では、衝撃吸収機構を
備え、緩衝ストロークの手前側でストッパピン12が係
合するように固定係合部101を設けたが、衝撃吸収機
構を備えずにガイド用係合部102の任意の位置に固定
係合部101を設けるようにしても良い。
【0039】
【考案の効果】本考案の内燃機関の可変圧縮比装置によ
ると、偏心スリーブの回転速度が速くてもロックピンと
偏心スリーブの係合が容易に且つ迅速に行なわれるの
で、騒音が出ず、耐久性が向上するという効果を奏す
る。また、ロックピンと偏心スリーブの係合がスムーズ
に行なわれるため、ロックピンを移動させる制御荷重が
低減でき、構造上のコスト低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る内燃機関の可変圧縮比
装置の低圧縮比状態にある時の全体構成図。
【図2】図1におけるコネクティングロッドの正面図。
【図3】本考案の一実施例に係る内燃機関の可変圧縮比
装置の高圧縮比状態にある時の全体構成図。
【図4】図3におけるコネクティングロッドの正面図。
【図5】図1及び図3中の矢印V部の拡大図。
【図6】低圧縮比状態にある時の油圧駆動機構の断面
図。
【図7】高圧縮比状態にある時の油圧駆動機構の断面
図。
【図8】偏心スリーブの構造説明図。
【図9】偏心スリーブの回転状況説明図。
【図10】偏心スリーブの回転状況説明図。
【図11】偏心スリーブの回転状況説明図。
【符号の説明】
1 クランクシャフト 5 偏心スリーブ 5a 第1の係合部 5b 第2の係合部 12 ストッパピン 51,52 フランジ部 53 ガイド用切欠部 56 ピン 101 固定係合部 102 ガイド用係合部 103 押出ランプ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の気筒内を摺動するピストン
    と、このピストンに一端が枢支され他端がクランク軸に
    枢支されるコネクティングロッドとを具備し前記ピスト
    ンの往復運動をクランク軸の回転運動に変えている内燃
    機関において、前記コネクティングロッドの他端とクラ
    ンク軸との間に介装され外周面の中心と内周面の中心と
    が偏心してなる偏心スリーブと、この偏心スリーブの両
    縁部において前記コネクティングロッドの他端を挟むよ
    うに形成されたフランジ部と、前記コンクティングロッ
    ド内からの前記フランジ部の両側に出没可能に内装され
    たロックピンと、一方側のフランジ部に設けられ前記ロ
    ックピンを係合する第1の係合部と、他方側のフランジ
    部に設けられ前記ロックピンを係合する第2の係合部と
    を備え、前記第1の係合部及び前記第2の係合部は、前
    記ロックピンの端部が完全に係合するロック用係合部
    と、前記ロックピンの前記ロック用係合部への移動を案
    内するため該ロック用係合部より浅く形成されたガイド
    用係合部とからなり、更に、前記ロックピンを前記第1
    の係合部側及び前記第2の係合部側に押圧する押圧部材
    を該第1の係合部及び該第2の係合部に対向して反対側
    のフランジ部にそれぞれ形成したことを特徴とする内燃
    機関の可変圧縮比装置。
JP6059091U 1991-07-31 1991-07-31 内燃機関の可変圧縮比装置 Expired - Lifetime JP2558348Y2 (ja)

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