JP2555770B2 - 銅厚膜回路用基板及びその製造方法 - Google Patents

銅厚膜回路用基板及びその製造方法

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JP2555770B2
JP2555770B2 JP2275042A JP27504290A JP2555770B2 JP 2555770 B2 JP2555770 B2 JP 2555770B2 JP 2275042 A JP2275042 A JP 2275042A JP 27504290 A JP27504290 A JP 27504290A JP 2555770 B2 JP2555770 B2 JP 2555770B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は銅厚膜回路用基板及びその製造方法、より詳
しくは厚膜ハイブリッドICに用いられる基板のうち、ア
ルミナ等のセラミック基板上に、銅を導体とした配線パ
ターンが形成された銅厚膜回路用基板及びその製造方法
に関する。
従来の技術 一般に金属銅粉末を主成分とする銅ペーストを用いて
銅厚膜回路用基板を製造する場合、まずスクリーン印刷
等の方法によりセラミック基板上に銅ペーストの回路パ
ターンを印刷し、その後窒素雰囲気の焼成炉において脱
バインダ工程を経た後、850〜950℃の高温で焼成する。
セラミック基板上へ銅ペーストを用いて回路パターン
を印刷する際、その印刷膜厚条件は、銅厚膜導体の接着
強度を確保するために焼成後の膜厚が約17μm以上必要
とされていること、及び焼成時の体積収縮を考慮して決
定されている。
また、前記脱バインダ工程は銅ペースト中にバインダ
成分として含まれる高分子樹脂等の有機物質を除去する
ために行なわれるものであり、焼成炉内の比較的低温
(約450〜700℃)に維持された脱バインダ工程部に10pp
m以下程度の極く微量の酸素を添加して行なわれてい
る。
しかし、微量に酸素を添加するコントロールは難し
く、不確実な脱バインダ処理あるいは銅成分の酸化が発
生しやすい。不確実な脱バインダ処理は銅厚膜導体の接
着強度劣化の要因となる一方、銅成分の酸化は半田濡れ
性及び導電抵抗値を悪化させることとなる。
上記銅の酸化を防止する方法として、空気中あるいは
酸素を含む雰囲気中で銅ペーストを高温で焼成し、その
後水素雰囲気中、300〜500℃の温度範囲で1〜10分間還
元処理を行なう方法が開示されている(特開昭63−1174
90号公報)。
発明が解決しようとする課題 上記した従来の銅厚膜回路用基板を製造する方法にお
いて、焼成後の膜厚は銅厚膜導体の接着強度を確保する
ために約17μm以上が必要とされているが、約17μm以
上の膜厚では、配線パターンの線巾及び線間距離が最小
でも150μm程度に留まり、それ以上の高密度配線化は
現在の製造技術では困難であるという課題があった。
また、印刷技術の改善により、17μm程度の膜厚で線
巾が150μm未満に低減できたとしても、基板との接触
面積の減少に比例して銅厚膜導体の接着強度が減少する
ため、現在実現されている程度の接着強度では細線部分
の接着強度不足が著しく、信頼性が低くなるという課題
があった。
さらに、脱バインダ工程において微量の酸素を添加す
る場合、微量酸素添加のコントロールが困難であり、そ
のため不完全な脱バインダ処理となりやすい。不完全な
脱バインダ処理は銅厚膜導体の接着強度の劣化を引き起
こすこととなる。また銅成分の酸化は半田濡れ性及び導
電抵抗値の劣化を生じさせる等、銅厚膜導体としての基
本特性の劣化を生じさせるという課題があった。
また、特開昭63−117490号公報に開示されているよう
に、空気中で銅ペーストの焼成を行ない、その後500℃
程度の水素雰囲気中で還元処理を施したとしても、一旦
形成された銅酸化物の還元は十分にはなされないので、
導電抵抗値が通常の銅導体のレベルまでは回復しない。
さらに、半田濡れ性についても、例えば5,000ppmの酸素
を含む雰囲気中で焼成を行なった場合、その後に500℃
程度における水素による還元処理を行なったとしても、
やはり十分には回復せず、満足できるものではなかった
という課題があった。
本発明は上記した課題に鑑み発明されたものであっ
て、銅厚膜回路用基板としての基本特性である、接着強
度、導電抵抗値及び半田濡れ性のすべての特性において
満足のいく銅厚膜回路用基板及びその製造方法を提供す
ることを目的としている。
課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明に係る銅厚膜回路用
基板は、セラミック基板上に銅厚膜導体が形成されてい
る銅厚膜回路用基板において、前記セラミック基板と前
記銅厚膜導体との界面にタングステン酸鉛が存在してい
ることを特徴としている(1)。
また、本発明に係る銅厚膜回路用基板は、上記(1)
記載の銅厚膜回路用基板において、タングステン酸鉛が
PbWO4であることを特徴としている(2)。
また、本発明に係る銅厚膜回路用基板の製造方法は、
上記(1)記載の銅厚膜回路用基板の製造方法におい
て、金属銅粉末を主成分とし、PbOとWあるいはWO3を含
有する銅ペーストを用い、下記の〜式の条件を満た
す雰囲気中での脱バインダー処理とその後に連続して行
われる高温焼成処理からなる焼成工程、及び下記の〜
式の条件を満たす水素雰囲気中あるいは一酸化炭素雰
囲気中での還元処理工程を含む処理を行うことを特徴と
している(3)。
5≦x≦5,000 … 100≦y≦550 … y≦192.1log10x+165.8 … y≧150.0log10x−4.845 … ただし x:焼成工程における酸素量(ppm) y:還元処理工程における温度(℃) をそれぞれ表す。
また、本発明に係る銅厚膜回路用基板の製造方法は、
上記(1)記載の銅厚膜回路用基板の製造方法におい
て、金属銅粉末を主成分とし、PbOとWあるいはWO3を含
有する銅ペーストを用い、下記の〜式の条件を満た
す雰囲気中での脱バインダー処理とその後に連続して行
われる高温焼成処理からなる焼成工程、及び下記の〜
式の条件を満たす水素雰囲気中あるいは一酸化炭素雰
囲気中での還元処理工程を含む処理を行うことを特徴と
している(4)。
15≦x≦5,000 … 100≦y≦525 … y≦200log10x+150 … y≧286.1log10x−308.4 … y≧115.3log10x+84.7 … ただし x:焼成工程における酸素量(ppm) y:還元処理工程における温度(℃) をそれぞれ表す。
また、本発明に係る銅厚膜回路用基板の製造方法は、
上記(3)又は(4)記載の銅厚膜回路用基板の製造方
法において、焼成工程及び還元処理工程を一つの焼成炉
内で行い、前記焼成工程を行う前記焼成炉部内に酸素を
供給し、前記還元処理工程を行う前記焼成炉部内に水素
を供給することを特徴としている(5)。
作用 銅厚膜回路用基板における基本特性の劣化を防止して
安定な特性を得るための製造方法を種々検討した結果、
以下の事実を突き止めた。
銅ペーストを印刷済みの銅厚膜回路用基板は、トンネ
ル型の連続焼成炉内で焼成処理される。この焼成工程
は、連続焼成炉内の比較的低温度の領域(約450〜700
℃)(以下、脱バインダ領域と記す)で酸素を添加して
有機バインダ成分を除去する脱バインダ処理と、その後
に連続する連続焼成炉内の高温領域(約850〜950℃)
(以下、高温焼成領域と記す)で金属粉末等の焼結反応
を行う高温焼成処理とからなる。
脱バインダ領域における添加酸素量を従来一般に採用
されていた数ppm程度よりも増加させると、銅厚誘導体
の基板への接着強度は増大する。
連続焼成炉の脱バインダ領域で添加された酸素は、ペ
ースト中の有機物の除去に消費される他に、一部連続焼
成炉の高温焼成領域に移動もしくは拡散する。
連続焼成炉の高温焼成領域における酸素は、上記のご
とく脱バインダ領域で添加した酸素の一部が連続焼成炉
内を移動もしくは拡散したものである。従って、高温焼
成領域における酸素濃度は、脱バインダ領域における酸
素濃度以下となる。
この高温焼成領域での高温焼成処理時の酸素濃度が増
大すると、導電抵抗値及び半田濡れ性は劣化するが、そ
の後水素雰囲気中での還元処理により前記両特性はある
程度改善され得る。
また、高温焼成処理時における酸素濃度の増加に伴な
い、半田濡れ性の劣化を改善するのに必要とされる還元
処理温度も高くなる。
さらに、高温焼成処理時における酸素濃度の増加に伴
ない、銅厚膜導体内に生成される酸化銅の量が増加する
が、還元処理による酸化銅の還元により、ポロシティ
(空孔)が生成され、焼成時よりもポーラスな膜質に変
化する。
高温焼成処理時における酸素濃度が5,000ppmを超える
と、その後たとえ600℃程度の高温で水素による還元処
理を行っても、導電抵抗値は劣化したままで回復しない
が、高温焼成処理時における酸素濃度が5,000ppm以内で
あれば、導電抵抗値は還元処理により改善される。
水素による還元処理温度の高温化に伴ない接着強度は
低下するが、高温焼成処理時における添加酸素量を増加
させる程、接着強度の低下率を小さく抑えることがで
き、接着強度特性は安定する。
また、焼成/還元処理を実施した銅厚膜導体の温度サ
イクルテスト後の接着強度も大きく、強度劣化率は小さ
い。
PbOとWあるいはWO3を含有する銅ペーストを焼成する
際、添加する酸素量を一般に採用されていた数ppm程度
よりも増加させると、銅厚膜導体/基板界面にPbWO4
生成しており、添加酸素量に比例して生成量も増加す
る。
銅厚膜導体と基板との間に生成したPbWO4は、焼成後
水素還元を行なっても生成量の変化はなく安定して存在
する。
これら事実に基づき、さらに種々の実験を行ない、銅
厚膜回路用基板及びその製造方法における最良の方法を
提案する。
焼成時における脱バインダ領域の酸素濃度を5ppm未満
とすると、銅ペースト中のバインダ成分の完全な除去が
困難となり、接着強度の確保ができなくなる。第2図及
び第3図には焼成時における脱バインダ領域の酸素量を
3ppmあるいは500ppmとし、その後さらに500℃の水素雰
囲気中で還元を行なった試料のX線回折による分析結果
を示しており、この結果からも脱バインダ領域の酸素濃
度が5ppm未満であると、銅厚膜導体/基板界面にPbWO4
が生成しないことが確認された。
また、上記より、焼成後の還元処理によって良好な
半田濡れ性及び導電抵抗値が確保される範囲として高温
焼成処理時における酸素濃度を5000ppm以下とした。
また、還元処理工程における温度yを、酸素量xが5p
pm以上100ppm以下の範囲内で上記式を満たす範囲に設
定した場合、接着強度が劣化することはない。これは、
銅厚膜回路用基板内において接着強度を発現している酸
化物の生成量が、水素による還元処理を行っても必要量
確保されるためと考えられる。また、還元処理温度yが
550℃を超えると還元力が非常に大きく成る為、接着強
度は極端に低下してしまう。
さらに、上記式で表される還元処理温度yより低い
温度範囲において還元処理を行なうと、半田濡れ性が実
用可能なレベルまで回復しない。これは銅厚膜導体表面
での還元反応、つまり Cu2O+H2→2Cu+H2O で表わされる反応が、上記式で表わされるyより低い
温度範囲では十分進まず、未還元のCu2Oが多く存在し、
これが半田濡れ性を阻害してしまうことによる。
以上の考察に基づき、上記〜式(第1図)で表わ
した条件が設定された。
さらに、上記〜式(第1図)で表わされる範囲の
内、接着強度等が特に優れた範囲として上記〜式
(第1図)で表わされる範囲を提案した。この範囲にお
いては後記する実施例により実証されるように、特に優
れた銅厚膜回路用基板としての特性が得られる。
また、上記した銅厚膜回路用基板の製造方法におい
て、焼成工程及び還元処理工程を一つの焼成炉内で行な
い、前記焼成工程を行なう前記焼成炉部内に酸素を供給
し、前記還元処理工程を行なう前記焼成炉部内に水素あ
るいは一酸化炭素を供給することにより、特性に優れた
銅厚膜回路用基板が連続的に効率よく製造される。
また、セラミック基板上に銅厚膜導体が形成されてい
る銅厚膜回路用基板において、前記セラミック基板と前
記銅厚膜導体との界面にタングステン酸鉛が存在してい
ることにより、前記基板と前記銅厚膜導体との接着強度
が向上することとなる。
また、上記タングステン酸鉛が例えばPbWO4の形態で
存在していることが確認された。
さらに、上記した銅厚膜回路用基板において、金属銅
粉末を主成分とし、PbOとWあるいはWO3を含有する銅ペ
ーストを用い、上記の〜式の条件を満たす雰囲気中
での焼成工程、及び上記の〜式の条件を満たす水素
雰囲気中あるいは一酸化炭素雰囲気中での還元処理工程
を含むことにより、前記基板と前記銅厚膜導体との接着
強度がさらに向上し、温度サイクル試験後においても安
定した接着強度を有するようになり、特に接着強度に優
れ、しかも導電抵抗値及び半田濡れ性の特性においても
優れた銅厚膜回路用基板が製造される。
実施例及び比較例 以下、本発明に係る銅厚膜回路用基板及びその製造方
法の実施例及び比較例を説明する。
先ず、所定形状のアルミナ基板を用意し、このアルミ
ナ基板の表面にスクリーン印刷法を用いて、金属銅粉末
を主成分とし、Pb、Wを含み、高分子樹脂からなるバイ
ンダ成分を含有した銅ペーストを塗布した。その後ベル
トコンベア方式の連続焼成炉内の脱バインダ領域(450
〜700℃)において、3〜8000ppmの酸素添加量に調節し
て脱バインダ処理を行なった。
その後、ベルトコンベア方式の連続焼成炉内の高温焼
成領域において、焼成温度850〜950℃の範囲内で高温焼
成処理を行なった。
さらにその後、水素雰囲気中あるいは一酸化炭素雰囲
気中の還元処理部において、200〜600℃の還元温度でも
って還元処理を行なった。
セラミック基板上に形成された銅厚膜回路用基板の評
価試験は以下のごとくに行った。
まず、接着強度試験は、96%アルミナ基板上に形成し
た2×2mmの銅厚膜導体のランド中央に、直径1.2mmの軟
銅線を半田付けにより接着し、その後プル引張法により
初期強度、150℃で1000時間エージング後の接着強度及
び温度サイクル試験後の接着強度を測定した。温度サイ
クル試験は−55℃から+150℃までの温度で500サイクル
実施した。初期強度では18kgf未満の強度となる場合
を、エージング後では12kgf未満の強度となる場合を強
度不良と判定した。
また、半田濡れ性の試験は、2×2mmのランド部を230
±10℃の溶融状態の共晶半田(63%Sn−37%Pb)中に約
5秒間浸漬し、その後引き上げ、前記ランド部における
良好に濡れている部分の面積率を測定することにより行
なった。ランド部の半田の濡れ率が90%以上の場合を半
田濡れ性良好と判定した。
また、導電抵抗値は、形成したL(長さ)/W(幅)=
150の比を持つ測定用導体パターンの導電抵抗値を測定
し、この後膜厚を測定して膜厚10μmでの値に換算処理
をした。導電抵抗値が2.8mΩを超える場合を導電抵抗値
不良と判定した。
実施例及び比較例の試験結果を第1表に示す。評価が
○のうち、接着強度が20kgf以上と特に接着強度に優
れ、半田濡れ性も良好なものを◎で示した。
第1表で表わされたデータをグラフにプロットしたも
のが第1図であり、この第1図には上記〜式の範
囲、〜式の範囲も合わせて示している。評価が○の
ものはすべて上記〜式で示される範囲内におさまっ
ている。また、評価が◎のものはすべて上記〜式で
示される範囲内におさまっている。
半田濡れ性の良好な場合と不良の場合の一例を第4図
に示す。第4図(a)(試料NO.8)が良好な場合を示し
ており、ランド1のほとんどの部分が半田2により覆わ
れている。第4図(b)(試料NO.7)は半田濡れ性が不
良な場合を示しており、ランド1のかなりの部分が半田
2に覆われず露出している。
また、本発明の範囲内の条件で処理した場合、試料N
O.14〜16のように膜厚が薄い場合でも接着強度は強く、
一方、本発明の範囲外の条件で処理した場合、膜厚が薄
い例(試料NO.17)では接着強度が著しく低下し、高密
度配線化用として用いるには信頼性が低く不適当であ
る。
また、本発明の範囲内の条件で処理した場合の試料N
o.19及びNo.20ではいずれもサイクル試験後においても
接着強度は良好であるが、本発明の範囲外の条件で処理
した場合では、No.21及びNo.22のようにサイクル試験後
の接着強度低下が大きいことがわかる。
また、本発明の範囲内の条件で処理した場合、すべて
良好な初期接着強度を示しており、特に◎印を付した上
記〜式で示される範囲内の条件で処理した場合、初
期接着強度、エージング後及びサイクル試験後の接着強
度においてもさらに良好な接着強度を示している。
さらに、試料No.11のように還元温度が高過ぎる場合
には十分な接着強度が得られず、反対に試験No.7やNo.2
3のように、還元温度が低過ぎる場合には実用的な半田
濡れ性能が不足するため、製造条件としては不適当であ
る。
このように、本実施例による銅厚膜回路用基板及びそ
の製造方法によれば、膜厚を薄くした際にも十分な接着
強度を確保することができ、150μm以下の線巾及び線
間を有した高密度配線パターンの形成に適したものを製
造することができる。しかも、温度サイクル試験後の銅
厚膜導体の接着強度の改善にも十分な効果を持ってお
り、銅厚膜回線用基板としての基本特性である、接着強
度、導電抵抗値及び半田濡れ性のすべての特性において
満足のいく銅厚膜回路用基板を製造することができる。
発明の効果 以上の説明により明らかな如く、本発明に係る銅厚膜
回路用基板及びその製造方法によれば、焼成工程及び水
素雰囲気中あるいは一酸化炭素雰囲気中での還元処理工
程を含む、これら各工程を上記〜式の条件を満たし
て行なうことにより、銅厚膜回路用基板としての基本特
性である接着強度、導電抵抗値及び半田濡れ性のすべて
の特性において優れたものを得ることができる。
また、上記〜式の条件を満たす処理工程となすこ
とにより、特に接着強度に優れしかも他の特性も十分に
満足のいく値が得られる銅厚膜回路用基板を製造するこ
とができる。
さらには、焼成工程を行なう焼成炉部内に酸素を供給
し、還元処理工程を行なう焼成炉部内に水素あるいは一
酸化炭素を供給し、一つの焼成炉内において上記〜
式あるいは〜式の条件を満たして処理工程を行なう
ことにより、特性に優れた銅厚膜回路用基板を連続的に
効率よく製造することができる。
また、セラミック基板上に銅厚膜導体が形成されてい
る銅厚膜回路用基板において、前記セラミック基板と前
記銅厚膜導体との界面にタングステン酸鉛が存在してい
る場合には、前記基板と銅厚膜導体との接着強度を向上
させることが可能となり、上記タングステン酸鉛がPbWO
4であることにより、前記基板と銅厚膜導体との接着強
度をより一層向上させることができる。
さらに、上記した銅厚膜回路用基板の製造方法におい
て、金属銅粉末を主成分とし、PbOとWあるいはWO3を含
有する銅ペーストを用い、上記の〜式の条件を満た
す雰囲気中での焼成工程、及び上記の〜式の条件を
満たす水素雰囲気中あるいは一酸化炭素雰囲気中での還
元処理工程を含む場合には、前記基板と銅厚膜導体との
接着強度が温度サイクル試験後においても安定したもの
となり、特に接着強度に優れ、しかも導電抵抗値及び半
田濡れ性等の基本特性においても優れた銅厚膜回路用基
板を製造することができる。従って、微細な線巾、線間
距離を有する高密度配線パターンの形成が可能となり、
しかも信頼性の高い銅厚膜回路用基板を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は焼成工程における酸素添加量と還元処理工程に
おける還元温度をパラメータとして、本発明に係る方法
の範囲を示した図、また実施例及び比較例の実施条件を
併せてプロットした図、第2図(a)は焼成時酸素量を
3ppmとした際の焼成後の銅厚膜回路用基板のX線回折に
よる分析結果を示す図、第2図(b)は第2図(a)の
還元後の分析結果を示す図、第3図(a)は焼成時酸素
量を500ppmとした際の焼成後の銅厚膜回路用基板のX線
回折による分析結果を示す図、第3図(b)は第3図
(a)の還元後の分析結果を示す図、第4図(a)
(b)は半田濡れ性の試験結果の一例を示した図であ
る。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック基板上に銅厚膜導体が形成され
    ている銅厚膜回路用基板において、前記セラミック基板
    と前記銅厚膜導体との界面にタングステン酸鉛が存在し
    ていることを特徴とする銅厚膜回路用基板。
  2. 【請求項2】タングステン酸鉛がPbWO4である請求項1
    記載の銅厚膜回路用基板。
  3. 【請求項3】金属銅粉末を主成分とし、PbOとWあるい
    はWO3を含有する銅ペーストを用い、下記の〜式の
    条件を満たす雰囲気中での脱バインダー処理とその後に
    連続して行われる高温焼成処理からなる焼成処理、及び
    下記の〜式の条件を満たす水素雰囲気中あるいは一
    酸化炭素雰囲気中での還元処理工程を含む処理を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の銅厚膜回路用基板の製造
    方法。 5≦x≦5,000 … 100≦y≦550 … y≦192.1log10x+165.8 … y≧150.0log10x−4.845 … ただし x:焼成工程における酸素量(ppm) y:還元処理工程における温度(℃) をそれぞれ表す。
  4. 【請求項4】金属銅粉末を主成分とし、PbOとWあるい
    はWO3を含有する銅ペーストを用い、下記の〜式の
    条件を満たす雰囲気中での脱バインダー処理とその後に
    連続して行われる高温焼成処理からなる焼成工程、及び
    下記の〜式の条件を満たす水素雰囲気中あるいは一
    酸化炭素雰囲気中での還元処理工程を含む処理を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の銅厚膜回路用基板の製造
    方法。 15≦x≦5,000 … 100≦y≦525 … y≦200log10x+150 … y≧286.1log10x−308.4 … y≧115.3log10x+84.7 … ただし x:焼成工程における酸素量(ppm) y:還元処理工程における温度(℃) をそれぞれ表す。
  5. 【請求項5】焼成工程及び還元処理工程を一つの焼成炉
    内で行い、前記焼成工程を行う前記焼成炉部内に酸素を
    供給し、前記還元処理工程を行う前記焼成炉部内に水素
    を供給する請求項3又は請求項4記載の銅厚膜回路用基
    板の製造方法。
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