JP2555708B2 - 立毛構造を有する資材およびその製造方法 - Google Patents

立毛構造を有する資材およびその製造方法

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JP2555708B2 JP63219258A JP21925888A JP2555708B2 JP 2555708 B2 JP2555708 B2 JP 2555708B2 JP 63219258 A JP63219258 A JP 63219258A JP 21925888 A JP21925888 A JP 21925888A JP 2555708 B2 JP2555708 B2 JP 2555708B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、多数の微細な繊維立毛を資材表面に有する
立毛資材を製造する方法に関する。
[従来の技術] 従来から、立毛布帛は、外観の審美性、光沢感、深色
性に優れていることなどから、衣料分野はもちろんのこ
と、装飾分野すなわち壁装材、家具や車輌などの椅子張
り材などの各種資材にも広く利用されている。
また、近年、数デニール以下などの細繊維立毛群が特
有にもたらす表面ヌメリ特性、表面揺れ動き特性を活用
し、生物付着防止性に優れた水産資材すなわち藻類、貝
類などの付着防止資材としても応用展開されつつある。
さらに、上記のような細立毛繊維と液体あるいは気体
との界面部において抵抗が小さくなる等の特異現象を示
すことなども見い出され、液体および気体中における物
体の安定走行効果をもたらす資材、もしくは抗力低減効
果をもたらす資材としても活用されつつある。
これらは、いずれも数デニール以下などの細繊維の立
毛群特有の現象、すなわち、チョークマーク効果、後述
するエアーバイブレーション効果、エアーマーク効果な
どによるゆらぎ、そよぎ特性・現象に起因すると考えら
れるものである。
このような、エアーマーク効果やエアーバイブレーシ
ョン効果は、通常市販の立毛布帛、すなわちベルベッ
ト、ビロード、別珍などで試験しても、ほとんど顕著に
見られないと言ってもよく、特に、本発明で用いられる
1デニール以下の極細立毛布帛品や天然のチンチラ毛皮
や、天然のヌートリヤ毛皮で見られるものである。
しかしながら、このようなエアーマーク効果やエアー
バイブレーション効果に優れる極細立毛を表面に有する
立毛構造資材を得んとして、極細立毛布帛をそのまま資
材基体に接着剤等を用いて付設したのでは、該接着剤や
樹脂等が布帛内部側まで浸透したり、裏通り(布帛裏側
から表の立毛側にまで浸透すること)するために立毛根
本部が強固に接着固定されてしまうので、自ずと極細繊
維を立毛に用いた肝心の特異現象、すなわち、そよぎ効
果やゆらぎ効果、前述のエアーマーク効果やエアーバイ
ブレーション効果等が消失もしくは低減してしまうの
で、前述したような、防藻、防貝機能や、抗力低減機能
が得られなくなってしまうという不都合がある。また、
椅子張り地等の装飾品の場合には表面効果やソフト性、
高級感などが損われるという不都合がある。
また、接着剤や樹脂が立毛布帛内部へ浸み込むのを避
けるために、例えば両面粘着テープを用いて資材基体と
接着させる方法も考えられるが、このような方法では接
着力および耐久性に自ずと問題があり好ましくない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上述のような従来技術の問題点に鑑
み、極細立毛布帛の最大の特徴であるエアーマーク、エ
アーバイブレーション効果などの特異な表面特性を良好
に有する立毛構造を持つ資材をうまく得ること、より具
体的には、極細繊維立毛布帛をうまく利用し、上述のエ
アーマーク、エアーバイブレーション効果などを実際上
損うことなく、多数の極細繊維立毛を表面に強固に有す
る立毛資材を構造する方法を提供せんとするものであ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記の目的を達成するために次の構成から
なるものである。
すなわち、表面に織度が1デニール以下の極細繊維立
毛を多数有しているとともにベース部が地糸層および低
融点繊維(C)を含む裏打ち層とからなる立毛布帛
(A)と、フィルムシート(B)とを、前記立毛布帛の
裏打ち層に含まれている低融点繊維(C)により熱接着
させて積層体とし、さらに該積層体の前記フィルムシー
ト(B)面側を資材基体(D)に貼付けることを特徴と
する立毛構造を有する資材およびその製造方法である。
[作用] 本発明を更に詳しく説明する。
本発明でいう立毛布帛(A)とは、多数の極細繊維立
毛を一方面に有するパイル布帛であり、特にその布帛構
造が限定されるものではないが、例えば別珍、ベルベッ
トの如く立毛糸と、織物のベース地を形成するタテ糸、
ヨコ糸からなる立毛織物がその代表的なものであり、他
方、織物では地タテ2重立毛編物が代表的なものであ
る。また、立毛布帛の形成方式も、各種の形成方式を採
用することができ、例えば、単パイル、あるいは複パイ
ル、二重ビロード、チンチラ織り等の各種の方式を使用
することができる。
本発明の立毛構造を有する資材の製造方法では、上記
のような立毛布帛(A)において、特に、非立毛面であ
る布帛裏面側、すなわち、ベース部を、地糸層および低
融点繊維(C)を含む裏打ち層とから構成せしめて立毛
布帛裏面側では、該裏打ち層が露出して存在するように
したことに第1の特徴があり、そのようにして、さらに
その立毛布帛(A)の裏面側に、フィルムシート(B)
を重ねて加熱加圧して該低融点繊維(C)の溶融熱接着
により布帛(A)とシート(B)とを積層体とし、さら
に該積層体のフィルムシート(B)側を資材基体(D)
に貼付けて立毛構造を有する資材を製造することに第2
の特徴がある。
上記低融点繊維(C)は、立毛繊維の融点よりも40℃
以上低い融点を持つものを用いるのが好ましく、該低融
点繊維としては、次の如き種類のもの等が好適に使用さ
れる。すなわち、ナイロン−12、6、66、610などポリ
アミド系ポリマからなる共重合体、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)、イソフタル酸、ポリテトラメチレン
グリコール(PTMG)などポリエステル系ポリマからなる
共重合体、さらにはPBTとナイロン−12の如きポリエス
テル系とポリアミド系ポリマの共重合体などが一般に使
用できるものであるが、これらに限定されるものではな
い。該低融点繊維(C)の融点が、立毛繊維の融点より
も40℃以内で低いときには、溶融熱接着性が概して小さ
く、接着力を高めるために熱圧着処理温度を上げると立
毛繊維が溶融したり、それにより、立毛の根本が固定さ
れたりして、立毛全体が硬化する傾向にあるので好まし
くない。
本発明に用いられ得る立毛布帛(A)について、パイ
ル織物を例にとり、図面に基づき説明すると、従来のパ
イル織物の代表的な構成は、例えば第3図および第4図
の組織線図に示す如く、織物の立毛表面を形成するパイ
ル系P1、P2と、ベース部を構成する地タテ糸1、2、
3、4、さらにパイル系と組織点を形成する地ヨコ糸a
〜lによりタテ二重パイル織物を製織し、該二重布帛の
中間をナイフ5によりパイル糸が切断されてなるものが
従来から知られている一般的な織物であったが、かかる
構成では、フィルムシートや資材基体に立毛布帛を貼り
付けるときに用いられる接着剤や樹脂が立毛部まで浸透
したり、裏通りするため前述極細立毛布帛の表面特性が
損なわれるものであった。
これに対して、本発明にかかるパイル織物において
は、第1図および第2図の織組織図に示す如く、パイル
糸が地タテ糸および/または地ヨコ糸と組織される点に
おいて、織物裏面にパイル糸が直接露出するのをカバー
する糸(裏打ち糸)G1、G2を設け、しかも、この裏打ち
糸は低融点繊維を含んで構成せしめることにより、フィ
ルムシートにこの立毛布を貼付けるには、接着剤や樹脂
を使用しなくてともよく、該低融点繊維の融点以上の温
度による熱圧着処理によって貼付けが可能となるので、
極細立毛布帛の表面特性が何ら損なわれることなく貼付
けが可能となるのである。上記の裏打ち糸は、布帛表面
の表層において裏打ち層を形成するものであり、さら
に、このように立毛布帛を裏打ち構造とすることによ
り、次の如き付随効果も同時に得られる。
すなわち、立毛布帛形成後の加工中、特に染色機中な
どでの揉み作用などにより、あるいは着用中などにおい
て多量に生じていた裏毛羽発生が、実質的にほぼ完全に
防止でき、特に、本発明の立毛資材の製造方法に用いら
れる立毛布帛は、立毛長さが4ミリ以上とかの長いパイ
ル品であることも多いが、従来、このような長パイル織
物においては、裏毛羽発生や抜毛が本来目立つものであ
ったのが、本発明によれば、それらをほぼ良好に抑制す
ることができる。
立毛布帛(A)の立毛長は、立毛の単繊維織度に応じ
ても異なるが、0.5mm〜45mmの範囲が良く、最も好まし
い範囲としては1mm〜20mmが好ましい。45mmを越える
と、パイル織編物の布帛形成が困難になるが、静電植毛
やタフティング等の植毛方式で立毛も形成せんとする場
合には、繊維が倒れてしまい立毛となり難いなど、ま
た、さらに立毛と立毛とが絡みやすくなり、本発明で必
要な表面の滑らかさが得難くなるという不都合もあり好
ましくない。0.5mm未満の立毛は、織編物、静電植毛方
式いずれでも立毛形成が困難であることと、立毛に極細
繊維を用いた場合でも立毛の腰が出て、立毛が立つ傾向
になり、立毛表面のザラツキ感が強く表面の滑らかさが
得難くなり好ましくない。
立毛繊維を構成する繊維形成性ポリマーとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、あるいはその共重合体(例
えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸のごとき共重
合成分など)ポリブチレンテレフタレート、あるいはそ
の共重合体等のポリエステル類、ナイロン6、11、12、
66、610等に代表されるポリアミド類及びそれらの共重
合体、アクリル系重合体類、ポリウレタン、ポリエチレ
ン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン及びその
共重合体類、ポリビニールアルコール、レーヨン等のあ
らゆる繊維形成性ポリマーが適用され得、これらの中よ
り具体的用途などに応じてポリマを適宜選択すればよ
い。
本発明において、エアーマーク効果、エアーバイブレ
ーション効果、さらにこれら効果に起因する立毛のそよ
ぎ、ゆらぎ現象などによる防藻、防貝性、液体及び気体
界面の抗力低減効果などを良好に得るために立毛繊維の
太さは、単繊維繊度が1デニール以下のものを用いるこ
とが重要である。該単繊維繊度が1デニールを越えると
本発明の効果が十分得られ難く好ましくない。好ましく
は、単繊維繊度0.5デニール以下のものを用いるのが良
く、特に好ましくは単繊維繊度0.1デニール以下の極細
繊維を用いるのが良い。単繊維繊度1デニール以下の極
細繊維の製造方法としては、例えば極細繊維発生型複合
繊維から極細繊維を得る方法が好ましい。より具体的に
は、剥離型、分割型複合繊維などの繊維を用いるととも
に、該繊維に適応した適宜の化学的または物理的方法等
により剥離、分割極細化処理を行なって極細繊維を得る
方法、または複合繊維の一成分の除去による極細化処理
を行なって極細繊維を得る方法、溶出型複合繊維を用い
る方法などの各種の方式が適宜好ましく用いられる。
該立毛布帛を目的とする資材基体に貼付けるときにお
いて、立毛布帛を資材基体に直接貼付けるため、資材基
体側から熱圧着することは実質的に不可能とされる。そ
のため、立毛布帛の立毛面より熱圧着処理を施さなけれ
ばならないが、このような処理法では、必然的にパイル
がへたってしまったり、資材基体の種類によっては、熱
圧着処理が不可能な場合もある。従って、接着剤や樹脂
などを用いる方法を採らざるを得ない。しかしながら、
接着剤や樹脂を用いた場合、種類によっては立毛布帛内
部まで浸透してしまうことが十分であり得るので、この
接着剤や樹脂の立毛布帛内部への浸透を防止する目的と
して、立毛布帛の非立毛面側にフィルムシート(B)層
を設けるのである。
立毛布帛と積層される該フィルムシート(B)とは、
ポリエステル、芳香族サルファイド(PPS)、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリアミド、塩化ビニル、ポリ
スチレンなど、あるいはこれらの共重合体からなるフィ
ルムであり、更にこれらの2軸延伸フィルムが強度、耐
久性などにおいて好ましい。厚みは、10〜100μmの範
囲のものが好ましく、10μm未満になると、積層体の伸
度が大きくなるといった問題が生じ、逆に厚みが100μ
mを越えると、積層体が硬くなって取扱いが悪くなる傾
向にある。
更に、フィルム上において低融点の接着剤の層がラミ
ネートされてなるホットメルト型のフィルムシート
(B)の使用は、熱圧着による接着効果をより高める上
で好ましく、その場合、該接着剤としては、具体的に
は、共重合ポリエステル系、ポリエステルエーテル系、
アクリル酸系、メタクリル酸系、ウレタン系、エポキシ
系、ポリアミド系、グリシジルメタクリレート共重合体
系などのものが使用できる。
次に、立毛布帛(A)とフィルムシート(B)とを積
層熱圧着する方法の代表例について次の(1)、(2)
で説明するが、これらに限定されるものではない。すな
わち、 (1) ナイロン共重合体からなる低融点繊維(C)を
裏打ち層に用いた立毛布帛(A)の非立毛面に、ナイロ
ン2軸延伸フイルム(B)を重ね、加熱ロールと非加熱
ロールからなる一対のロール間を、フィルム側が加熱ロ
ール部に接触するよう熱圧着し、積層体を得る方法、 (2) ポリエステル2軸延伸フィルムの片面に、低融
点の共重合ポリエステルを溶融押出ラミネートして、低
融点の接着剤層を設けたホットメルト型のフィルムシー
ト(B)とする。この接着剤層面に、ポリエステル共重
合体からなる低融点繊維(C)を裏打ち層として用いた
立毛布帛(A)の非立毛面を重ね、前記(1)と同方法
にて処理し、立毛布帛とフィルムシートとの積層体を得
る方法である。
フィルムシートと立毛布帛とを接着させる方法として
は、立毛布帛の裏打ち層に用いられている低融点繊維を
加熱、加圧下での熱融着により熱接着させる方法が最も
作業性、及び接着性にも優れているので好ましく、これ
は、例えば、カレンダー装置、アイロンプレス装置など
で行なうことができるが、これら方法に限定されるもの
ではない。
このようにして得られた、立毛布帛とフィルムとから
成る積層体を目的とする前述資材基体に接着させる方法
は、一般的な接着剤、例えばポリエステル系、エポキシ
系、アクリル系、ポリアミド系、シラン系、ゴム系、尿
素系、メラミン系などの各種処理剤、樹脂コーテング剤
などをフィルム(B)面および/または資材基体面に塗
布し接着すればよい。作業性を考慮した場合、資材基体
面に適宜これらの接着剤を塗布し、積層体を接着させる
のが一般的である。
ただし、ここで注意すべきことは、接着剤中に含まれ
る溶剤等によりフィルムが溶解現象を生じない接着剤を
選定することである。仮に接着剤の選定をあやまると、
フィルムが裂けたり溶解したりするため、接着剤が立毛
布帛の基部に浸透してしまい本発明の所期の目的とする
立毛のなびき、そよぎ現象、前述のエアーマークやエア
ーバイブレーション効果等に影響を及ぼすこととなり、
本発明の効果を失なう結果となる。
本発明において、立毛布帛とフィルムシートの積層体
が貼付される資材基体とは、次のようなものを指す。す
なわち (1) 産資建装分野における、壁面や椅子の基部面、 (2) 水産資材分野における、ブイ、標識などの漁業
に関する資材の他に、船舶や船体、港湾等の設備資材
や、海、川、湖沼、港湾などにおいて配されている配
管、配水路、配水溝などの各種の水まわりの設備や物品
に関連する資材全体の内装面、外装面、 (3) マリンレジャー設備分野における、水上滑り
台、ボート・ヨット、サーフィン板・ウインドサーフィ
ン板、水上スキー・ジェットスキーなどの外壁面、 (4) 陸上、航空上や空中における乗物、すなわち飛
行機、ハングライダー、自動車等の省エネにつながる外
装面など、数多くのもの示す。
[実施例] 次に、本発明を実施例により説明するが、本発明はか
かる実施例によって特別に制限されたりするものではな
く、むしろ次の応用展開をもたらすものである。
なお、説明で用いた特性値の測定方法及び効果の評価
方法は次の通りである。
(1) エアーマーク効果: 資材基体に付設された立毛布帛の表面に空気を吹きつ
け、空気吹付け口または布帛を相対的に移動させたと
き、その空気を吹きつけた跡が見られるか否かを肉眼で
判定した。もちろん、手でなでれば消せる。
(2) エアーバイブレーション効果: 資材基体に付設した立毛布帛表面の立毛に向けて空気
を1点に吹きつけたとき、立毛が四方八方に広がるが、
そのとき明瞭に立毛がバイブレーションの如くゆれてな
びく現象の度合いを肉眼判定した。
(3) 接着強度: 積層体の端面を酢酸エチル、クロロホルムなどの有機
溶剤に浸して、フィルムシートの布帛との界面が剥がし
たサンプルを作る。このサンプルを真空乾燥して有機溶
剤を完全に除き、接着力測定試験片を作る。
JIS K 6854−1977で規定された方法で、布帛とフ
ィルシートとの接着力を測定するものであり、試験片の
大きさは、幅2.5cm×長さ12cm、剥離速度は20cm/分、剥
離角は180゜とした。
強度的に問題ないと思われるものを○、やや問題があ
ると思われるものを△、全く問題があると思われるもの
を×とした。
(4) 接着耐久性: JIS L 1096記載のスコット形試験機を用い、幅2.5
cm×長さ12cmの試験片を100回揉み、これを接着力測定
の試験片として、試験片の揉み部分の接着力を測定し
た。揉みを行なわない試験片の接着力との比が80%以上
のものを接着耐久性○、80〜50%のものを△、50%未満
のものを×とした。
(5) 判合判定: 極細立毛布帛の資材基体への付設方法とした優れてい
るものを○、方法として問題があるものを×とした。
実施例1 島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリ
スチレンの海島型複合繊維(島数16、島対海比率:80:2
0)よりなる75デニール、18フィラメント糸をパイル糸
として用い、75デニール、36フィラメント糸を地タテ糸
に用い、更に、ナイロン共重合体からなる70デニール、
10フィラメントの低融点糸(融点100±5℃)を地タテ
裏打ち糸に用い、二重ビロード機構にて第1図および第
2図に示した織組織で立毛長さ6mmの立毛布帛を製造し
た。繊密度は、パイルタテ糸が46本/in、地タテ糸が92
本/in、地ヨコ糸が102本/in、タテ裏打ち糸が92本/inで
あった。
該布帛をトリクロルエチレンで処理してパイル糸の海
成分を除去し、単糸繊度0.2デニールの極細繊維立毛と
した。
こうして得られた立毛布帛の非立毛面を、別途準備し
た厚さ25μmのポリエステルフィルムシートに重ね、16
0℃に加熱されたカレンダロール装置の加熱されたロー
ル側にフィルムシート部が接するように同装置に供給
し、2Kg/cm2の圧力で熱圧着処理を行なって積層体を得
た。
さらに市販の水溶性エポキシ(“デナコール"EX313、
長瀬産業(株)製)をプラスチック平板上に塗布(3.8g
/m2)し、その上に該積層体のフィルム面を押圧、乾燥
して接着して立毛資材を得た。
こうして得られた積層体における接着力、接着耐久
性、および立毛資材のエアーマーク、エアーバイブレー
ション特性を評価した結果は、第1表の通りであり、本
発明によれば、極細立毛群独特のなびき、そよぎ、ソフ
ト性などの表面効果も損なわれず、しかも、積層体の接
着力、接着耐久性、資材全体の接着特性ともに良好な立
毛構造資材を得ることができることがわかる。
なお、更に、フィルムシート接着剤の立毛布帛の裏面
部も枝毛などの裏毛羽の発生もなく均整なものであり、
このような効果によっても、立毛布帛の非立毛面とフィ
ルムシートとが密着されやすくなり、接着力の向上に結
びついていると考えられるものであった。
実施例2 立毛布帛(A)として実施例1により得られた布帛を
準備し、また、フィルムシート(B)として、ポリエス
テル2軸延伸フィルムの片面上に接着剤として低融点の
共重合ポリエステル(融点112℃)80wt%とポリエチレ
ン20wt%とのブレンド物を溶融押出してなるホットメル
ト型のフィルムシート(厚さ:38μm)を準備した。
次いで、立毛布帛(A)の非立毛面をフィルムシート
(B)の接着剤層側の面と重ねて、160℃に加熱された
カレンダロール装置にフィルム面側が加熱ロールと接触
するように供給して熱圧着加工し積層体を得た。
さらに実施例1と同様に、市販の水溶性エポキシを用
い、プラスチック平板上に該積層体のフィルム面を押
圧、乾燥して接着して立毛資材を得た。
こうして得られた積層体における接着力、接着耐久
性、および立毛資材のエアーマーク、エアーバイブレー
ション特性を評価した結果は、第1表の通りであり、本
発明によれば、極細立毛群独特の表面効果も損なわれ
ず、しかも接着力、接着耐久性ともに問題ない優れた立
毛構造物が得られることが確認された。
比較例1 実施例1においてタテ裏打ち組織となっていない以外
は全て同じ織り構成からなる立毛布帛と、フィルムシー
トを準備した。
次いで、該立毛布帛とフィルムシートを接着させるた
めに合成ゴム系接着剤“セグメント速乾G(セメダイン
(株)製)を立毛布帛裏面に塗布し、押圧乾燥して積層
体を得た。このときの接着剤の塗布量は111g/m2であっ
た。
さらに実施例1、2と同様に、市販の水溶性エポキシ
を用いて、プラスチック平板上に該積層体のフィルム面
を押圧、乾燥して接着して立毛資材を得た。
こうして得られた積層体における接着力、接着耐久
性、および立毛資材のエアーマーク、エアーバイブレー
ション特性を評価した結果は、第1表の通りであり、積
層体の接着力、接着耐久性ともにやや問題がおこると、
更に接着剤の布帛内部浸透により立毛表面がザラつき、
更に極細立毛糸特有のエアーバイブレーション効果、エ
アーマーク効果も不十分なものであった。
[発明の効果] 以上述べた通りの本発明の方法によれば、立毛布帛の
ベース部と地糸層と裏打ち層との2層構造とし、且つ該
裏打ち層に低融点繊維を用い、非立毛面にフィルムを積
層・熱圧着した積層体を資材基体に貼付けすることによ
り (1) 接着剤や樹脂の浸み込みや裏通りがなく、立毛
のタッチ、エアーバイブレーション、エアーマーク効果
が損なわれなく、しかも、強固に立毛布帛を資材基体に
付設できるものである。
(2) 裏打ち組織により、極細立毛糸の裏毛羽発生が
防止でき、均整な布帛裏面となる。これに付随して、フ
ィルム、資材基体との接着性が向上するので、強固な立
毛構造を持つ資材を得ることができる。
(3) 立毛布帛とフィルムとの積層体を用いることに
より、布帛のシワ発生、タルミなどがなく、作業性良く
資材基体へ貼り付けができる。
(4) 以上の効果を生かして本発明の立毛資材は、建
装資材として壁装材や椅子張り材、物体と液体との抗力
低減資材等の用途に用いられ、あるいは藻類、貝類の付
着防止資材として、淡水、海水、汽水を問わず、これら
の水の汲上げ、排水、配水に供せられる配管路や溝の内
張りや、船舶の船体表面、ボート・ヨット、サーフィン
板・ウインドサーフィン板などの表面、あるいは溝、液
体を送液するパイプや配管の内壁表面、競泳用水着、水
中でのガス・石油などの発掘用プラットホームの架台表
面、橋脚表面、水中ケーブルの表面などの各種資材用途
に効果的に適用がなされ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明の立毛構造を有する資材
の製造方法に用いることのできる立毛布帛の代表的な1
実施態様例を説明するパイプ織組織図である。 第3図および第4図は、第1図と第2図に対比して従来
の立毛布帛の代表例を説明するパイル織組織図である。 1、2、3、4:地タテ糸 5:ナイフ a〜l:地ヨコ糸 P1、P2:タテパイル糸 G1、G2:地タテ裏打ち糸

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に繊織度が1デニール以下の極細繊維
    立毛を多数有しているとともにベース部が地糸層および
    低融点繊維(C)を含む裏打ち層とからなる立毛布帛
    (A)と、フィルムシート(B)とを、前記立毛布帛の
    裏打ち層に含まれている低融点繊維(C)により熱接着
    させて積層体とし、さらに該積層体の前記フィルムシー
    ト(B)面側を資材基体(D)に貼付けることを特徴と
    する立毛構造を有する資材の製造方法。
  2. 【請求項2】フィルムシート(B)が、厚さ10〜100μ
    mのものであることを特徴とする請求項第(1)項記載
    の立毛構造を有する資材の製造方法。
  3. 【請求項3】立毛布帛(A)の立毛長さが、0.5mm以上
    で45mm以下のものであることを特徴とする請求項第
    (1)項または第(2)項記載の立毛構造を有する資材
    の製造方法。
  4. 【請求項4】低融点繊維(C)が、立毛繊維の融点より
    も40℃以上低い融点を持つものであることを特徴とする
    請求項第(1)項、第(2)項または第(3)項記載の
    立毛構造を有する資材の製造方法。
  5. 【請求項5】フィルムシート(B)が、低融点の接着剤
    層を表面に有するホットメルト型のものであることを特
    徴とする請求項第(1)項、第(2)項、第(3)項ま
    たは第(4)項記載の立毛構造を有する資材の製造方
    法。
  6. 【請求項6】表面に繊度が1デニール以下の極細繊維立
    毛を多数有しているとともにベース部が地糸層および低
    融点繊維(C)を含む裏打ち層とからなる立毛布帛
    (A)と、フィルムシート(B)とを、前記立毛布帛の
    裏打ち層に含まれている低融点繊維(C)により熱接着
    された積層体。
  7. 【請求項7】請求項(6)記載の積層体の前記フィルム
    シート(B)面側に資材基体(D)が貼付けられたこと
    を特徴とする立毛構造を有する資材。
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