JP2555411B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents
内燃機関の動弁装置Info
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- JP2555411B2 JP2555411B2 JP63081602A JP8160288A JP2555411B2 JP 2555411 B2 JP2555411 B2 JP 2555411B2 JP 63081602 A JP63081602 A JP 63081602A JP 8160288 A JP8160288 A JP 8160288A JP 2555411 B2 JP2555411 B2 JP 2555411B2
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- cam
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Description
【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 （１） 産業上の利用分野 本発明は、機関弁を閉弁方向へ付勢する弁ばねと、機
関弁を開弁させるリフト部及び機関弁の閉弁を許容する
ベース部を有するカムと、このカムから機関弁に至る力
の伝達系に介装されて弁頭間隙を排除する油圧タペット
とを備えた内燃機関の動弁装置の改良に関する。
関弁を開弁させるリフト部及び機関弁の閉弁を許容する
ベース部を有するカムと、このカムから機関弁に至る力
の伝達系に介装されて弁頭間隙を排除する油圧タペット
とを備えた内燃機関の動弁装置の改良に関する。
（２） 従来の技術 従来、かかる動弁装置において、カム軸の芯振れや撓
みに起因するカムの振動により機関弁に閉弁不良を惹起
するのを防止するために、カムのベース部に閉弁点から
開弁点（即ちリフト部の開弁緩衝曲線の開始点）に向っ
て下り勾配をつけると共に、それらの二点間の落差を油
圧タペットの遊びに相当するリフト量またはそれよりや
ゝ小さいリフト量に設定して、機関弁の開弁時期を狂わ
せることなく、ベース部のリフト方向の振れをベース部
の下り勾配と相殺させるようにすることが知られている
（特開昭59−43911号公報参照）。
みに起因するカムの振動により機関弁に閉弁不良を惹起
するのを防止するために、カムのベース部に閉弁点から
開弁点（即ちリフト部の開弁緩衝曲線の開始点）に向っ
て下り勾配をつけると共に、それらの二点間の落差を油
圧タペットの遊びに相当するリフト量またはそれよりや
ゝ小さいリフト量に設定して、機関弁の開弁時期を狂わ
せることなく、ベース部のリフト方向の振れをベース部
の下り勾配と相殺させるようにすることが知られている
（特開昭59−43911号公報参照）。
（３） 発明が解決しようとする課題 上記のようにカムのベース部に閉弁点から開弁点に向
って直線的に下り勾配をつけるものでは、その下り勾配
が比較的緩やかになるため、機関弁の閉弁直後にベース
部にリフト方向の大きな振れが起こったときには、これ
を上記下り勾配で相殺することが困難である。殊に、ベ
ース部の大きな振れは機関弁の閉弁直後に発生し易い。
って直線的に下り勾配をつけるものでは、その下り勾配
が比較的緩やかになるため、機関弁の閉弁直後にベース
部にリフト方向の大きな振れが起こったときには、これ
を上記下り勾配で相殺することが困難である。殊に、ベ
ース部の大きな振れは機関弁の閉弁直後に発生し易い。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、機関
弁の閉弁直後、カムのベース部にリフト方向の大きな振
れが生じても、その振れの影響を機関弁に及ぼさないよ
うにした内燃機関の動弁装置を提供することを目的とす
る。
弁の閉弁直後、カムのベース部にリフト方向の大きな振
れが生じても、その振れの影響を機関弁に及ぼさないよ
うにした内燃機関の動弁装置を提供することを目的とす
る。
B.発明の構成 （１） 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、機関弁を閉弁
方向へ付勢する弁ばねと、機関弁を開弁させるリフト部
及び機関弁の閉弁を許容するベース部を有するカムと、
フリーボール型のチェック弁を有して、カムから機関弁
に至る力の伝達系に介装される弁頭間隙排除用の油圧タ
ペットとを備えた、内燃機関の動弁装置であって、カム
のベース部に、閉弁点から所定の中間点に向って下る下
り勾配部と、前記中間点以降からリフト部の開弁緩衝曲
線の開始点に向って上る上り勾配部とを設けると共に、
その上り勾配部の勾配を、リフト部が作動する前にチェ
ック弁が閉弁しないよう該リフト部の開弁緩衝曲線の勾
配より緩くしたことを特徴とする。
方向へ付勢する弁ばねと、機関弁を開弁させるリフト部
及び機関弁の閉弁を許容するベース部を有するカムと、
フリーボール型のチェック弁を有して、カムから機関弁
に至る力の伝達系に介装される弁頭間隙排除用の油圧タ
ペットとを備えた、内燃機関の動弁装置であって、カム
のベース部に、閉弁点から所定の中間点に向って下る下
り勾配部と、前記中間点以降からリフト部の開弁緩衝曲
線の開始点に向って上る上り勾配部とを設けると共に、
その上り勾配部の勾配を、リフト部が作動する前にチェ
ック弁が閉弁しないよう該リフト部の開弁緩衝曲線の勾
配より緩くしたことを特徴とする。
尚、下り勾配部の終点と上り勾配部の始点とは互いに
一致させてもよく、また相互間に適当な距離を置いても
よい。
一致させてもよく、また相互間に適当な距離を置いても
よい。
また本発明は、上記特徴に加えて、下り勾配部の油圧
タペットの伸縮量に換算した高低差をＡ、上り勾配部の
油圧タペットの伸縮量に換算した高低差をＢ、油圧タペ
ットの遊びをL0としたとき、 L0≧Ａ≧Ｂ 上式が成立するようにＡ及びＢを設定したことを特徴
とする。
タペットの伸縮量に換算した高低差をＡ、上り勾配部の
油圧タペットの伸縮量に換算した高低差をＢ、油圧タペ
ットの遊びをL0としたとき、 L0≧Ａ≧Ｂ 上式が成立するようにＡ及びＢを設定したことを特徴
とする。
（２） 作用 第１の特徴によれば、前記従来例の如くカムのベース
部が全長に亘り下り勾配とされる構造のものと比較し
て、特にベース部前半の下り勾配部にはそのベース部後
半部の上り勾配部の存在に基づいて大なる下り勾配をつ
けることができるから、機関弁の閉弁直後に生じるベー
ス部の大なるリフト方向の振れでも上記下り勾配部の勾
配によって相殺することができ、また相殺しきれない振
れは油圧タペットの遊びによって吸収される。
部が全長に亘り下り勾配とされる構造のものと比較し
て、特にベース部前半の下り勾配部にはそのベース部後
半部の上り勾配部の存在に基づいて大なる下り勾配をつ
けることができるから、機関弁の閉弁直後に生じるベー
ス部の大なるリフト方向の振れでも上記下り勾配部の勾
配によって相殺することができ、また相殺しきれない振
れは油圧タペットの遊びによって吸収される。
また、このようにベース部前半の下り勾配部の勾配を
大きくするためにベース部後半に上り勾配部を特設して
も、その上り勾配部の勾配は、リフト部が作動する前に
油圧タペットのフリーボール型チェック弁が開弁しない
よう該リフト部の開弁緩衝曲線の勾配よりも緩く設定さ
れるから、この上り勾配部により油圧タペットが踏張機
能を発揮して機関弁を開弁させてしまうことを確実に回
避でき、従って上り勾配部の特設によるも機関弁の開弁
時期が早まることはない。
大きくするためにベース部後半に上り勾配部を特設して
も、その上り勾配部の勾配は、リフト部が作動する前に
油圧タペットのフリーボール型チェック弁が開弁しない
よう該リフト部の開弁緩衝曲線の勾配よりも緩く設定さ
れるから、この上り勾配部により油圧タペットが踏張機
能を発揮して機関弁を開弁させてしまうことを確実に回
避でき、従って上り勾配部の特設によるも機関弁の開弁
時期が早まることはない。
また特に第２の特徴によれば、ベース部後半の上り勾
配による油圧タペットの作動をより確実に防止すること
ができると共に、カムのリフト部の開弁緩衝曲線を、開
弁点及びリフト部のリフト量を変えることなく自由に選
定することができる。
配による油圧タペットの作動をより確実に防止すること
ができると共に、カムのリフト部の開弁緩衝曲線を、開
弁点及びリフト部のリフト量を変えることなく自由に選
定することができる。
（３） 実施例 以下、図面により本発明の実施例について説明する。
先ず本発明の第１実施例を示す第１図において、内燃
機関のシリンダヘッド１には燃焼室２と、この燃焼室２
に開口するポート３とが形成されており、そのポートは
吸，排気弁等の機関弁４により開閉される。
機関のシリンダヘッド１には燃焼室２と、この燃焼室２
に開口するポート３とが形成されており、そのポートは
吸，排気弁等の機関弁４により開閉される。
機関弁４はシリンダヘッド１にバルブガイド５を介し
て昇降自在に支承され、本発明による動弁装置６により
開閉駆動される。
て昇降自在に支承され、本発明による動弁装置６により
開閉駆動される。
動弁装置６は、機関弁４の頭部に固着されたリテーナ
4aとシリンダヘッド１との間に縮設されて機関弁４を閉
じ方向に付勢する弁ばね７と、シリンダヘッド１の支持
孔８に装着される油圧タペット９と、この油圧タペット
９に揺動自在に支承されて先端部を機関弁４の頭部に係
合させるカムフォロア10と、シリンダヘッド１に支承さ
れて図示しないクランク軸より回転駆動され、カムフォ
ロア10の上側に形成されたスリッパ面10aにカムＣを係
合させるカム軸11とより構成される。
4aとシリンダヘッド１との間に縮設されて機関弁４を閉
じ方向に付勢する弁ばね７と、シリンダヘッド１の支持
孔８に装着される油圧タペット９と、この油圧タペット
９に揺動自在に支承されて先端部を機関弁４の頭部に係
合させるカムフォロア10と、シリンダヘッド１に支承さ
れて図示しないクランク軸より回転駆動され、カムフォ
ロア10の上側に形成されたスリッパ面10aにカムＣを係
合させるカム軸11とより構成される。
上記カムＣは、第１図及び第２図に示すように、機関
弁４を開弁させるリフト部Clと、同弁４の閉弁を許容す
るベース部Cbとを有し、両部Cl,Cbの境界点の一方が閉
弁点P1、他方が開弁点P2となる。ベース部Cbは、閉弁点
P1から所定の中間点P3に向って下る下り勾配部b1と、中
間点P3から、閉弁点P2（即ちリフト部Clの開弁緩衝曲線
の開始点）に向って上る上り勾配部b2とから構成され、
この上り勾配部b2の上り勾配は、前記リフト部Clの開弁
緩衝曲線の上り勾配よりも緩く設定される。
弁４を開弁させるリフト部Clと、同弁４の閉弁を許容す
るベース部Cbとを有し、両部Cl,Cbの境界点の一方が閉
弁点P1、他方が開弁点P2となる。ベース部Cbは、閉弁点
P1から所定の中間点P3に向って下る下り勾配部b1と、中
間点P3から、閉弁点P2（即ちリフト部Clの開弁緩衝曲線
の開始点）に向って上る上り勾配部b2とから構成され、
この上り勾配部b2の上り勾配は、前記リフト部Clの開弁
緩衝曲線の上り勾配よりも緩く設定される。
次に第３図により前記油圧タペット９について説明す
る。油圧タペット９は、有底のシリンダ20と、このシリ
ンダ20のシリンダ孔20aに摺動自在に嵌合してその内部
に油圧室21を画成するプランジャ22とを主たる構成要素
としており、シリンダ20が前記支持孔８に嵌着される。
プランジャ22はその外端の球状端部22aをカムフォロア1
0基端部の球状凹部10bに係合させる。
る。油圧タペット９は、有底のシリンダ20と、このシリ
ンダ20のシリンダ孔20aに摺動自在に嵌合してその内部
に油圧室21を画成するプランジャ22とを主たる構成要素
としており、シリンダ20が前記支持孔８に嵌着される。
プランジャ22はその外端の球状端部22aをカムフォロア1
0基端部の球状凹部10bに係合させる。
プランジャ22には油溜室23と、この油溜室23を前記油
圧室21に連通する弁孔24とが設けられており、油溜室23
は、プランジャ22の側壁の油孔25、シリンダ20及びプラ
ンジャ22の摺動面間の環状油路27及びシリンダ20の側壁
の油孔26を介して、シリンダヘッド１に穿設された給油
路32に連通し、この給油路32を図示しない油ポンプの吐
出口に連なる。したがって機関の運転中、油溜室23は油
ポンプから送られる油によって常に満たされる。
圧室21に連通する弁孔24とが設けられており、油溜室23
は、プランジャ22の側壁の油孔25、シリンダ20及びプラ
ンジャ22の摺動面間の環状油路27及びシリンダ20の側壁
の油孔26を介して、シリンダヘッド１に穿設された給油
路32に連通し、この給油路32を図示しない油ポンプの吐
出口に連なる。したがって機関の運転中、油溜室23は油
ポンプから送られる油によって常に満たされる。
プランジャ22の下端にはハット形のバルブケージ28の
フランジ部28aが嵌合され、そしてかしめリング33によ
り固着される。このバルブケージ28には、それに開閉ス
トロークを規定されつゝ前記弁孔24を開閉するフリーボ
ール型のチェック弁29が収容される。即ち、チェック弁
29は閉弁方向にばね付勢されてはおらず、油圧室21の昇
圧にのみ依存して弁孔24を閉じるようになっている。
フランジ部28aが嵌合され、そしてかしめリング33によ
り固着される。このバルブケージ28には、それに開閉ス
トロークを規定されつゝ前記弁孔24を開閉するフリーボ
ール型のチェック弁29が収容される。即ち、チェック弁
29は閉弁方向にばね付勢されてはおらず、油圧室21の昇
圧にのみ依存して弁孔24を閉じるようになっている。
更に油圧室21にはプランジャ22をシリンダ20の上方へ
突出させるように付勢する伸長ばね31が収容される。
突出させるように付勢する伸長ばね31が収容される。
而して、カムＣの回転に伴いリフト部Clがカムフォロ
ア10のスリッパ面10aに押圧力を加えると、油圧タペッ
ト９では、プランジャ22が油圧室21側へ押圧されるの
で、油圧室21が昇圧し始め、該室21から弁孔24を通して
油溜室23へ少量の油が流出することによりプランジャ22
が初期沈みを起こした後、チェック弁29が弁孔24を閉じ
て油圧室21の油圧を保持し、続いて油圧室21の油中に混
在する気泡の圧縮等に起因してプランジャ22が弾性沈み
を起こした後、油圧室21の油圧が急上昇し、その油圧に
よりプランジャ22が踏張力が発揮する結果、カムフォロ
ア10は、プランジャ22の球状端部22aを支点として、リ
フト部Clにより下方へ揺動され、弁ばね７の力に抗して
機関弁４を開く。
ア10のスリッパ面10aに押圧力を加えると、油圧タペッ
ト９では、プランジャ22が油圧室21側へ押圧されるの
で、油圧室21が昇圧し始め、該室21から弁孔24を通して
油溜室23へ少量の油が流出することによりプランジャ22
が初期沈みを起こした後、チェック弁29が弁孔24を閉じ
て油圧室21の油圧を保持し、続いて油圧室21の油中に混
在する気泡の圧縮等に起因してプランジャ22が弾性沈み
を起こした後、油圧室21の油圧が急上昇し、その油圧に
よりプランジャ22が踏張力が発揮する結果、カムフォロ
ア10は、プランジャ22の球状端部22aを支点として、リ
フト部Clにより下方へ揺動され、弁ばね７の力に抗して
機関弁４を開く。
機関弁４の開弁中、油圧室21の高圧の油がシリンダ20
及びプランジャ22の摺動間隙へ僅かに漏洩するため、プ
ランジャ22はリーク沈みを起こす。
及びプランジャ22の摺動間隙へ僅かに漏洩するため、プ
ランジャ22はリーク沈みを起こす。
次に、カムＣのベース部Cbがカムフォロア10に到来す
ると、弁ばね７が機関弁４をカムフォロア10と共に押上
げて閉弁位置に戻す。他方、油圧タペット９では伸長ば
ね31がプランジャ22を伸長復帰させてカムフォロア10の
スリッパ面10aをカム11aに当接させ、これによって弁頭
間隙を排除する。
ると、弁ばね７が機関弁４をカムフォロア10と共に押上
げて閉弁位置に戻す。他方、油圧タペット９では伸長ば
ね31がプランジャ22を伸長復帰させてカムフォロア10の
スリッパ面10aをカム11aに当接させ、これによって弁頭
間隙を排除する。
そして、伸長ばね31のプランジャ22に対する伸長作用
により油圧室21が減圧すれば、チェック弁29が開弁する
ので、油溜室23の油が弁孔24を通して油圧室21に供給さ
れ、油圧室21からの油の流出分が補充される。
により油圧室21が減圧すれば、チェック弁29が開弁する
ので、油溜室23の油が弁孔24を通して油圧室21に供給さ
れ、油圧室21からの油の流出分が補充される。
こゝで、 としたとき、前記カムＣのベース部Cbにおける下り勾配
部b1の油圧タペット９の伸縮量に換算した高低差Ａ、上
り勾配部b2の油圧タペット９の伸縮量に換算した高低差
Ｂは次式が成立するように設定される。
部b1の油圧タペット９の伸縮量に換算した高低差Ａ、上
り勾配部b2の油圧タペット９の伸縮量に換算した高低差
Ｂは次式が成立するように設定される。
L0＝l1A+l1B＋Ｌ≧Ａ≧Ｂ 次にこの実施例の作用について説明する。
第４図はカムＣの回転に伴う油圧タペット９及び機関
弁４の各変位を示すもので、同図において、点ａでリフ
ト部Clの作動によりプランジャ22が沈みを始め、点ｂで
チェック弁29が閉じ、点ｂ−ｃ間で油圧タペット９に弾
性沈みを生じ、点ｄで機関弁４の開弁が開始され、点ｅ
で機関弁４の閉弁（弁座に着座）し、点ｆ−ｇ間で前記
弾性沈みの反発力によりプランジャ22が伸び、点ｈでプ
ランジャ22が弁頭間隙を排除すべく完全復帰する。
弁４の各変位を示すもので、同図において、点ａでリフ
ト部Clの作動によりプランジャ22が沈みを始め、点ｂで
チェック弁29が閉じ、点ｂ−ｃ間で油圧タペット９に弾
性沈みを生じ、点ｄで機関弁４の開弁が開始され、点ｅ
で機関弁４の閉弁（弁座に着座）し、点ｆ−ｇ間で前記
弾性沈みの反発力によりプランジャ22が伸び、点ｈでプ
ランジャ22が弁頭間隙を排除すべく完全復帰する。
点ｈを過ぎると、点ｉに達するまでプランジャ22はチ
ェック弁29を開いたまゝカムＣのベース部Cbにおける下
り勾配部b1に沿って伸びて行く。特に、その下り勾配部
b1は閉弁点P1からベース部Cbの中間点P3に下っているの
で、ベース部の全長に亘って下る従来のものに比し、そ
の勾配は急であり、したがって機関弁４の閉弁直後にカ
ムｃがリフト方へ大きく振れても、その振れは下り勾配
部b1の大なる下り勾配によって相殺され、油圧タペット
９のチェック弁29の閉弁を防止し得る。その結果、機関
弁４は無用な開弁力を全く受けず、正常な閉弁状態を維
持することができる。
ェック弁29を開いたまゝカムＣのベース部Cbにおける下
り勾配部b1に沿って伸びて行く。特に、その下り勾配部
b1は閉弁点P1からベース部Cbの中間点P3に下っているの
で、ベース部の全長に亘って下る従来のものに比し、そ
の勾配は急であり、したがって機関弁４の閉弁直後にカ
ムｃがリフト方へ大きく振れても、その振れは下り勾配
部b1の大なる下り勾配によって相殺され、油圧タペット
９のチェック弁29の閉弁を防止し得る。その結果、機関
弁４は無用な開弁力を全く受けず、正常な閉弁状態を維
持することができる。
この場合、カムＣの振れが下り勾配部b1の勾配で相殺
しきれない程大であれば、残余の振れは油圧タペット９
自体の遊びL0によって吸収される。
しきれない程大であれば、残余の振れは油圧タペット９
自体の遊びL0によって吸収される。
また特に油圧タペット９が、フリーボール型のチェッ
ク弁29を有する自由チェック弁型に構成されている関係
で、その遊びL0は、初期沈み量l1A＋弾性沈み量l1B＋リ
ーク沈み量Ｌとなり、就中、L1Aは、油圧タペット９の
チェック弁29の開閉ストロークの選定により自由に大き
く設定できるから、チェック弁29の閉じ後の油圧タペッ
ト９の踏張機能を何等損じることなく遊びL0を大きく取
ることが可能であり、これによって油圧タペット９の吸
振幅を増大させ、カムＣの残余の振れを確実に吸収する
ことができる。
ク弁29を有する自由チェック弁型に構成されている関係
で、その遊びL0は、初期沈み量l1A＋弾性沈み量l1B＋リ
ーク沈み量Ｌとなり、就中、L1Aは、油圧タペット９の
チェック弁29の開閉ストロークの選定により自由に大き
く設定できるから、チェック弁29の閉じ後の油圧タペッ
ト９の踏張機能を何等損じることなく遊びL0を大きく取
ることが可能であり、これによって油圧タペット９の吸
振幅を増大させ、カムＣの残余の振れを確実に吸収する
ことができる。
点ｉを過ぎると、再び点ａに達するまでプランジャ22
はカムＣのベース部Cbにおける上り勾配部b2に沿って沈
んでいくが、この上り勾配部b2の勾配はリフト部Clの開
弁緩衝曲線の勾配よりも緩くなっているから、この間の
プランジャ22の沈み速度は遅く、チェック弁29の閉弁を
もたらすには至らず、従ってこの間で油圧タペット９が
踏張機能を発揮して機関弁４を開弁させるようなことは
ない。
はカムＣのベース部Cbにおける上り勾配部b2に沿って沈
んでいくが、この上り勾配部b2の勾配はリフト部Clの開
弁緩衝曲線の勾配よりも緩くなっているから、この間の
プランジャ22の沈み速度は遅く、チェック弁29の閉弁を
もたらすには至らず、従ってこの間で油圧タペット９が
踏張機能を発揮して機関弁４を開弁させるようなことは
ない。
第５図及び第６図は本発明の第２及び第３実施例を示
すもので、第２実施例は、ベース部Cbにおける下り勾配
部b1の高低差Ａと上り勾配部b2の高低差Ｂとを等しく設
定した点を除けば第１実施例と同様構成であり、第３実
施例は、ベース部Cbにおける下り勾配部b1の勾配を上り
勾配部b2の勾配よりも大とした点を除けば第１実施例と
同様構成である。
すもので、第２実施例は、ベース部Cbにおける下り勾配
部b1の高低差Ａと上り勾配部b2の高低差Ｂとを等しく設
定した点を除けば第１実施例と同様構成であり、第３実
施例は、ベース部Cbにおける下り勾配部b1の勾配を上り
勾配部b2の勾配よりも大とした点を除けば第１実施例と
同様構成である。
また第７図は本発明の第４実施例を示すもので、油圧
タペット９を、固定のロッカ軸35に枢支されるカムフォ
ロア10の揺動端部に装着して、その先端を機関弁４頭部
に当接させた点を除けば第１実施例と同様構成であり、
図中、第１実施例と対応する部分には同一符号を付す。
タペット９を、固定のロッカ軸35に枢支されるカムフォ
ロア10の揺動端部に装着して、その先端を機関弁４頭部
に当接させた点を除けば第１実施例と同様構成であり、
図中、第１実施例と対応する部分には同一符号を付す。
C.発明の効果 以上のように本発明の第１の特徴によれば、カムのベ
ース部に、閉弁点から所定の中間点に向って下る下り勾
配部と、前記中間点以降からリフト部の開弁緩衝曲線の
開始点に向って上る上り勾配部とを設けたので、従来例
の如くカムのベース部が全長に亘り下り勾配とされる構
造のものと比較して、特にベース部前半の下り勾配部に
は大なる下り勾配をつけることができ、従って、油圧タ
ペットの吸振機能と相俟って、機関弁閉じ直後のベース
部の大なる振れを効果的に吸収することができる。また
このようにベース部前半の下り勾配部の勾配を大きくす
るためにベース部後半に上り勾配部を特設しても、その
上り勾配部の勾配は、リフト部が作動する前に油圧タペ
ットのフリーボール型チェック弁が閉弁しないよう該リ
フト部の開弁緩衝曲線の勾配よりも緩く設定されるの
で、この上り勾配部により油圧タペットが踏張機能を発
揮して機関弁を早めに開弁させてしまうことを確実に回
避することができ、以上の結果、機関弁の閉弁領域では
正常な閉弁状態を維持することができる。
ース部に、閉弁点から所定の中間点に向って下る下り勾
配部と、前記中間点以降からリフト部の開弁緩衝曲線の
開始点に向って上る上り勾配部とを設けたので、従来例
の如くカムのベース部が全長に亘り下り勾配とされる構
造のものと比較して、特にベース部前半の下り勾配部に
は大なる下り勾配をつけることができ、従って、油圧タ
ペットの吸振機能と相俟って、機関弁閉じ直後のベース
部の大なる振れを効果的に吸収することができる。また
このようにベース部前半の下り勾配部の勾配を大きくす
るためにベース部後半に上り勾配部を特設しても、その
上り勾配部の勾配は、リフト部が作動する前に油圧タペ
ットのフリーボール型チェック弁が閉弁しないよう該リ
フト部の開弁緩衝曲線の勾配よりも緩く設定されるの
で、この上り勾配部により油圧タペットが踏張機能を発
揮して機関弁を早めに開弁させてしまうことを確実に回
避することができ、以上の結果、機関弁の閉弁領域では
正常な閉弁状態を維持することができる。
また油圧タペットが、フリーボール型チェック弁を有
する自由チェック弁型に構成されている関係で、その油
圧タペットの遊びは、フリーボール型チェック弁の開閉
ストロークの選定により自由に大きく設定できるから、
チェック弁の閉じ後の油圧タペットの踏張機能を何等損
じることなく遊びを大きく取ることが可能であり、これ
によって油圧タペットの吸振幅を増大させ、カムの残余
の振れを確実に吸収することができる。
する自由チェック弁型に構成されている関係で、その油
圧タペットの遊びは、フリーボール型チェック弁の開閉
ストロークの選定により自由に大きく設定できるから、
チェック弁の閉じ後の油圧タペットの踏張機能を何等損
じることなく遊びを大きく取ることが可能であり、これ
によって油圧タペットの吸振幅を増大させ、カムの残余
の振れを確実に吸収することができる。
また本発明の第２の特徴によれば、ベース部後半の上
り勾配部による油圧タペットの作動をより確実に防止す
ることができ、その上カムの開弁点及びリフト部のリフ
ト量を変えずともリフト部の開弁緩衝曲線の選定を自由
に行うことができ、設計の自由度が大幅に増大する。
り勾配部による油圧タペットの作動をより確実に防止す
ることができ、その上カムの開弁点及びリフト部のリフ
ト量を変えずともリフト部の開弁緩衝曲線の選定を自由
に行うことができ、設計の自由度が大幅に増大する。
第１図ないし第４図は本発明の第１実施例を示すもの
で、第１図は全体図、第２図はカムのプロフィル展開
図、第３図は油圧タペットの縦断面図、第４図はカムの
回転に伴う油圧タペット及び機関弁の変位特性線図、第
５図及び第６図は本発明の第２及び第３実施例を示すカ
ムのプロフィル展開図、第７図は本発明の第４実施例を
示す、第１図に対応した全体図である。 Ｃ……カム、Cl……リフト部、Cb……ベース部、P1……
閉弁点、P2……開弁点、b1……下り勾配部、b2……上り
勾配部、４……機関弁、６……動弁装置、９……油圧タ
ペット、10……カムフォロア、11……カム軸、20……シ
リンダ、21……油圧室、22……プランジャ、23……油溜
室、28……バルブケージ、29……チェック弁、31……伸
長ばね
で、第１図は全体図、第２図はカムのプロフィル展開
図、第３図は油圧タペットの縦断面図、第４図はカムの
回転に伴う油圧タペット及び機関弁の変位特性線図、第
５図及び第６図は本発明の第２及び第３実施例を示すカ
ムのプロフィル展開図、第７図は本発明の第４実施例を
示す、第１図に対応した全体図である。 Ｃ……カム、Cl……リフト部、Cb……ベース部、P1……
閉弁点、P2……開弁点、b1……下り勾配部、b2……上り
勾配部、４……機関弁、６……動弁装置、９……油圧タ
ペット、10……カムフォロア、11……カム軸、20……シ
リンダ、21……油圧室、22……プランジャ、23……油溜
室、28……バルブケージ、29……チェック弁、31……伸
長ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福尾 幸一 埼玉県和光市中央１丁目４番１号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−43911（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−49112（ＪＰ，Ａ)
Claims (2)
- 【請求項１】機関弁（４）を閉弁方向へ付勢する弁ばね
（７）と、機関弁（４）を開弁させるリフト部（Cl）及
び機関弁（４）の閉弁を許容するベース部（Cb）を有す
るカム（Ｃ）と、フリーボール型のチェック弁（29）を
有して、カム（Ｃ）から機関弁（４）に至る力の伝達系
に介装される弁頭間隙排除用の油圧タペット（９）とを
備えた、内燃機関の動弁装置であって、 カム（Ｃ）のベース部（Cb）に、閉弁点（P1）から所定
の中間点（P3）に向って下る下り勾配部（b1）と、前記
中間点（P3）以降からリフト部（Cl）の開弁緩衝曲線の
開始点（P2）に向って上る上り勾配部（b2）とを設ける
と共に、その上り勾配部（b2）の勾配を、リフト部（C
l）が作動する前にチェック弁（29）が閉弁しないよう
該リフト部（Cl）の開弁緩衝曲線の勾配より緩くしたこ
とを特徴とする、内燃機関の動弁装置。 - 【請求項２】第項記載のものにおいて、下り勾配部
（b1）の油圧タペット（９）の伸縮量に換算した高低差
をＡ、上り勾配部（b2）の油圧タペット（９）の伸縮量
に換算した高低差をＢ、油圧タペット（９）の遊びをL0
としたとき、 L0≧Ａ≧Ｂ 上式が成立するようにＡ及びＢを設定したことを特徴と
する、内燃機関の動弁装置。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63081602A JP2555411B2 (ja) | 1988-04-01 | 1988-04-01 | 内燃機関の動弁装置 |
| US07/317,771 US4942854A (en) | 1988-03-03 | 1989-03-02 | Valve operating device for use in internal combustion engine |
| CA000592597A CA1326183C (en) | 1988-03-03 | 1989-03-02 | Valve operating device for use in internal combustion engine |
| AU30986/89A AU607382B2 (en) | 1988-03-03 | 1989-03-03 | Valve operating device for use in internal combustion engine |
| EP89302186A EP0332359B1 (en) | 1988-03-03 | 1989-03-03 | Valve operating device for use in internal combustion engine |
| DE89302186T DE68911173T2 (de) | 1988-03-03 | 1989-03-03 | Ventilsteuervorrichtung für Brennkraftmaschine. |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63081602A JP2555411B2 (ja) | 1988-04-01 | 1988-04-01 | 内燃機関の動弁装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01253511A JPH01253511A (ja) | 1989-10-09 |
| JP2555411B2 true JP2555411B2 (ja) | 1996-11-20 |
Family
ID=13750866
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63081602A Expired - Lifetime JP2555411B2 (ja) | 1988-03-03 | 1988-04-01 | 内燃機関の動弁装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2555411B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5614305B2 (ja) * | 2011-01-25 | 2014-10-29 | トヨタ自動車株式会社 | 可変動弁装置およびそれを備える内燃機関 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5943911A (ja) * | 1982-09-03 | 1984-03-12 | Toyota Motor Corp | 内燃機関用カム |
| JPS6149112A (ja) * | 1984-08-17 | 1986-03-11 | Fuji Heavy Ind Ltd | エンジンの動弁機構 |
-
1988
- 1988-04-01 JP JP63081602A patent/JP2555411B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01253511A (ja) | 1989-10-09 |
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Legal Events
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