JP2552968B2 - 水中超音波吸収材 - Google Patents

水中超音波吸収材

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JP2552968B2
JP2552968B2 JP3232188A JP23218891A JP2552968B2 JP 2552968 B2 JP2552968 B2 JP 2552968B2 JP 3232188 A JP3232188 A JP 3232188A JP 23218891 A JP23218891 A JP 23218891A JP 2552968 B2 JP2552968 B2 JP 2552968B2
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silicone rubber
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佐藤  誠
登 島本
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波吸収材に関し、特
に水中の超音波を吸収減衰させる水中超音波吸収材に関
する。
【0002】
【従来技術】近年目覚ましい発展をとげた超音波診断装
置の性能測定は、性能測定法通則(JIS T 150
1)に従って水槽中で行われる。この場合に使用する水
槽は、不必要な超音波の反射を防止し得る構造とする必
要がある。そこで、従来不要な超音波の反射を防止する
ために、水槽の内壁面に水中超音波吸収材を装着するこ
とが行われている。
【0003】このような水中超音波吸収材(以下単に吸
音材という)には、一般に水中の超音波の反射を防止し
て超音波診断装置の性能の測定精度を高める必要から、
音響インピーダンスを水と同程度にすること(水と吸音
材の界面における超音波の反射を防止するため)、及び
吸音材の単位厚さ当たりの超音波の減衰率を大きくする
ことが要求される。
【0004】従来、このような吸音材としては、平均粒
子径が0.5〜20μmのシリカを53〜65重量%含
有するシリコーンゴムが用いられていた(例えば、特公
昭60ー186894号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな吸音材は音響インピーダンスが水に非常に近いもの
の、減衰率が十分でないために厚くしなければならず、
不経済となるという欠点があった。
【0006】本発明者等は係る欠点を解決すべく鋭意検
討した結果、各々、水と略同一の音響インピーダンスを
有する2枚のシリコーンゴムを上下2層に積層すると共
に、上層の超音波減衰率を下層より小さくすることによ
り、吸音材としての全体の減衰率を従来の吸音材の2倍
近くに高めることができるということを見出し本発明に
到達した。従って、本発明の目的は音響インピーダンス
が水に近い上、超音波減衰率に優れた水中超音波吸収材
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
上下2層に積層したシリコーンゴムからなる水中超音波
吸収材であって、上層と下層の音響インピーダンスが略
同一であると共に、上層のシリコーンゴムの超音波減衰
率が下層のシリコーンゴムの超音波減衰率より小さいこ
とを特徴とする水中超音波吸収材によって達成された。
【0008】一般に、物質界面における超音波の反射
は、界面における各々の物質の音響インピーダンスの差
が大きくなるにしたがって大きくなるので超音波の反射
を防止し吸音効果を大きくするためには、界面を形成す
る各々の物質の音響インピーダンスを等しくすることが
望まれる。
【0009】従って本発明の吸音材においては、水と吸
音材の界面における超音波の反射を防止し吸音効果を大
きくする観点から、水の音響インピーダンスと同等にす
ることのできるシリコーンゴムを使用する。
【0010】音響インピーダンスとは、物質中を伝わる
音波の速度(音速:Vm/秒)と物質の密度(ρ:Kg
/m3 )との積で表される、物質の性質の一つであり、
例えば水の音響インピーダンスは、20〜45℃の範囲
では(1.48〜1.52)×106 (Kg/m2
秒)である。
【0011】本発明の吸音材においては、後記する如
く、吸音材の減衰率(単位厚さ当たりの超音波の減衰量
(吸音量))を大きくするために、上下2層構造のシリ
コーンゴムとするが、水と接する上層の音響インピーダ
ンスを水の音響インピーダンスと同等にするためにシリ
コーンゴムにシリカを含有させる。含有させるシリカの
量は、使用する温度の水の音響インピーダンスに合わ
せ、50〜65重量%の範囲で適宜調整する。
【0012】本発明においては、上層と下層の界面にお
ける超音波の反射を防止するために上層と下層の音響イ
ンピーダンスを略等しくする。この調整は、上層のシリ
コーンゴムの音響インピーダンスをAとし、下層のシリ
コーンゴムの音響インピーダンスをBとした場合に、A
/B=0.97〜1.03の範囲となるように下層のシ
リコーンゴムにシリカを含有させることにより容易に行
うことができる。特に超音波の反射を完全に防止する観
点からA/B=1とすることが好ましい。
【0013】本発明に使用するシリコーンゴムは特に限
定されるものではなく、公知のシリコーンゴムを適宜選
択して使用することができる。シリコーンゴムは有機基
としてメチル基及びビニル基を有するポリオルガノシロ
キサンのベースポリマーにシリカを配合し、硬化させる
ことにより容易に得ることができる。
【0014】上記の硬化法としては、重合度5,000
〜10,000のベースポリマー(ミラブル型シリコー
ンゴム)に有機過酸化物を作用させる方法又は重合度5
0〜2,000のベースポリマー(液状シリコーンゴ
ム)とポリオルガノハイドロジェンシロキサンとを白金
触媒の存在下に反応させる方法等を挙げることができ
る。
【0015】本発明において使用するシリカは、音響イ
ンピーダンスを調整し或いは減衰率を大きくする観点か
ら、乾式シリカ、湿式シリカ、石英粉末等を使用するこ
とが好ましい。特に、上層に含有させるシリカは、シリ
コーンポリマーとシリカの界面における超音波の反射を
防止する観点から0.5〜5μmの粒子径のシリカを使
用する。又、下層に含有させるシリカは、超音波の減衰
率を上層より大きくする観点から25〜50μmの粒子
径のものを使用する。
【0016】下層ではシリコーンポリマーとシリカの界
面において超音波の反射が生じるため上層と下層の界面
において超音波の反射が生じることとなるが、反射され
た超音波は上層によって吸収されるので、再度水中に伝
播することがなく、吸音材全体の減衰率を大きくするこ
とができる。
【0017】シリカをシリコーンゴムに含有させる方法
は、硬化反応をさせる前にベースポリマーに添加し混合
すること等によって容易に行うことができる。本発明の
吸音材は、ベースポリマーとしてミラブル型シリコーン
ゴムを使用した場合には、前記ベースポリマーにシリカ
及び必要に応じてアルコキシシラン、シロキサン類等の
湿潤剤或いはその他の添加剤を加えて混練した後、有機
過酸化物等の架橋剤を加えて混合し、押し出し成形等に
よってシート状に成形して室温で硬化させることにより
容易に得ることができる。
【0018】一方、ベースポリマーとして前記の液状シ
リコーンゴムを使用した場合には、前記ベースポリマー
にシリカ及びビニル基含有シリコーンレジン等の補強剤
或いはその他の添加剤を加えて混練した後、白金触媒等
の触媒を添加して混合し、上記同様にシート状に成形し
て加熱硬化させることにより、本発明の吸音材を得るこ
とができる。又、上下2層構造とすることは、下層をシ
ート状に成形して硬化させた後、更に、該下層の上に上
層をシート状に成形させて硬化させることにより、接着
剤を使用することなく、容易に行うことができる。
【0019】上記の如く、上層と下層の間に接着剤を使
用しない場合には、接着剤層と上層等との界面における
超音波の反射が生じない。本発明においては、吸音材と
しての減衰率を大きくするという観点から、上層と下層
の厚さの比(上層/下層)を0.2〜1となるようにす
ることが好ましい。
【0020】
【発明の効果】本発明の吸音材は、各層が異なる粒子径
のシリカを含有するシリコンゴムからなる2層構造を有
しているので、音響インピーダンスが水に近い上水槽内
における超音波の減衰率を極めて大きくすることができ
る。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、添加量を示す「部」は「重量部」を示す。
【0022】実施例1.分子鎖両末端がジメチル基で封
鎖されていると共に、粘度が600cpであり、ビニル
基含有量が0.015mol/100gであるジメチル
ポリシロキサン96部に、分子鎖両末端がトリメチルシ
リル基で封鎖されていると共にハイドロジェン基含有量
が0.005mol/gのメチルハイドロジェンポリシ
ロキサン4部を混合してベース材を調整した。
【0023】得られたベース材100部に平均粒子径
1.4μmの石英粉末131部(56.7重量%)を加
え、混練して上層用のベースコンパウンドを調製した。
更に、前記ベース材100部に平均粒子径34.5μm
の石英粉末119部(54.3重量%)を加え、混練し
て下層用のベースコンパウンドを調製した。
【0024】得られた下層用のベースコンパウンド及び
上層用のベースコンパウンドの各々に白金触媒を添加し
て混合した後、各々のベースコンパンドを真空容器に入
れ、減圧脱泡して各々の成形用コンパウンドを調製し
た。次いで、得られた下層用の成形コンパウンドを縦1
00mm、横100mm及び深さ3mmの金型に注入
し、120℃で5分間プレスしてシート状に成形した。
【0025】次いで、得られたゴムシートを縦100m
m、横100mm及び深さ4mmの金型の中に置き、そ
の上から上層用の成形コンパウンドを注入して、再度1
20℃で15分間プレスし成形した後、150℃で1時
間加熱硬化させて2層構造のゴムシートからなる吸音材
を作製した。
【0026】30℃における上層と下層の密度をJIS
C−2123に従って求め、次に30℃における上層と
下層の音速を音速測定装置(シングアラウンド式音速測
定装置UVM−2型:超音工業株式会社製の商品名)に
よって測定し、得られた密度と音速の積から上層と下層
の音響インピーダンスを求めたところ、上層は1.51
×106 (Kg/m2 ・秒)下層は1.50×10
6 (Kg/m2 ・秒)であった。
【0027】次に、水槽中に30℃の水を満たし、超音
波発振器(ファンクションゼネレータ・FG−350:
岩通電子株式会社製の商品名)によって水中で5MHz
の超音波を発生させ、超音波が吸音材を透過する前と後
の超音波の振幅の大きさを超音波受振器(オシロスコー
プ・VP−5204A:松下電器産業株式会社製の商品
名)により測定したところ、30℃の水中における超音
波の減衰率は−1.9db/mm/MHzであった。
【0028】比較例1.実施例1で調製した上層用の成
形コンパウンドを、縦100mm、横100mm及び深
さ4mmの金型に注入し、120℃で15分間プレスし
てシート状に成形した。得られたシートを更に150℃
で1時間加熱硬化させてシリコーンゴムシートを得た。
得られたシリコーンゴムシートについて、実施例1と全
く同様にして減衰率を測定したところ、−0.8db/
mm/MHzであった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下2層に積層したシリコーンゴムから
    なる水中超音波吸収材であって、上層と下層の音響イン
    ピーダンスが略同一であると共に、上層のシリコーンゴ
    ムの超音波減衰率が下層のシリコーンゴムの超音波減衰
    率より小さいことを特徴とする水中超音波吸収材。
  2. 【請求項2】 上層が、粒子径0.5〜5μmのシリカ
    を50〜65重量%含有するシリコーンゴムである請求
    項1に記載の水中超音波吸収材。
  3. 【請求項3】 下層が、粒子径25〜50μmのシリカ
    を50〜65重量%含有するシリコーンゴムである請求
    項1又は2に記載の水中超音波吸収材。
JP3232188A 1991-08-20 1991-08-20 水中超音波吸収材 Expired - Lifetime JP2552968B2 (ja)

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