JP2552115Y2 - 開閉式印鑑 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、無数の連続気孔を有する多孔性印材よりな
る印字体を使用した印鑑を搭載した所謂開閉式印鑑の改
良に関する。

（従来の技術） 従来、インクを吸蔵できるようにスポンジゴム等の無
数の連続気孔を有した多孔性印材より形成された印字体
を使用して、使用のたびに朱肉等に付着させる必要のな
い印鑑が知られている。

しかしながら、この種の印鑑は印字面が露出している
と印字面にキズをつけたり、ゴミが付着したり、インク
が乾いてしまう等の問題が発生する為に、キャップで印
字面を被覆するようになっており、その為にキャップを
着脱するのが面倒なだけでなく、キャップをなくしてし
まう等の問題や着脱に際して誤って手を汚すなどの問題
がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記のような問題を解決した便利な印鑑付筆
記具を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために案出された本考案の開閉式
印鑑は、軸筒の先方部に印鑑を取付けて、開口部を遮蔽
する蓋部をキャップ先端部の基部に回動自在に取付ける
と共に、キャップの側面に窓部を穿設して軸筒の側面よ
り突設した釦を窓部に嵌挿して、キャップ内に軸筒を軸
推移可能に嵌装し、釦を操作して軸筒をキャップの先方
に推移させた時に蓋部が印鑑の角部を接触しながら拡開
して印字体が開口部より露出して捺印可能となると共に
印鑑がキャップに対して突出状態に係止されるように構
成したことである。

（実施例） 第１図及び第３図は本考案の実施例を示している。先
ず、第１図に示す様に印鑑（４）はインクを吸蔵できる
様にスポンジゴム等の無数の連続通気孔を有した多孔性
印材より形成された印字体（５）とインクを貯蔵して印
字体（５）にインクを供給するインク吸蔵体をカバーで
（図示せず。）脚部（６）に固着して構成され、軸筒
（１）の先方部内孔に設けられた軸部（11）に着脱可能
に嵌着している。キャップ（３）の前端で開口部（16）
近傍に設けた基部（15）にキャップ（３）と蓋部（８）
との相互間にスプリング（10）を附勢して蓋部（８）を
回動自在に取付けると共に、蓋部（８）は常時開口部
（16）を遮蔽するように構成されている。

又、キャップ（３）は軸筒（１）の外周部に軸推移可
能に被嵌されるが、軸筒（１）の側面には外方に膨出し
た釦（18）と釦（18）の側面に張り出した突起（19）を
有した弾性片（17）が一体に形成され、それと対向して
キャップ（３）の側面には先方と後方に横方向の溝（1
3）と溝（14）を有した窓部（12）が穿設されて、上記
突起（19）は窓部（12）に嵌装し、キャップ（３）は軸
筒（１）に対して釦（18）の突起（19）が窓部（12）の
溝（13）と溝（14）に弾性変移しながら係止する間隔で
推移する。

又、上記軸筒（１）の後端で孔（24）には尾栓（２）
が軸部（20）で固着されており、軸部（20）の先方にボ
ス部（22）を有した受け部（21）が形成され、ボス部
（22）は上記釦（18）の内面と対向して、スプリング
（23）が附勢されている。

尚、上記スプリング（23）の設置は釦（18）の弾性変
移を確実にするため設けたものであるが必須の構成要素
ではない。又、釦（18）の側面に張出した突起（19）は
両側面に設けられるのが望ましいが、無論一方のみでも
良い。

（作用） 考案の開閉式印鑑は以上のように構成されており、未
使用時には第１図に示す様に蓋部（８）が印字体（５）
を被覆状態に成している。

捺印時には釦（18）を操作して軸筒（１）をキャップ
（３）の前方に推移すると止着部（９）を支点にして蓋
部（８）の内側面が印字体（５）を避けた印鑑（４）の
角部（７）に接触しながら拡開して、印字体（５）がキ
ャップ（３）の開口部（16）より露出する。その時、釦
（18）の突起（19）がキャップ（３）の窓部（12）の溝
（13）に係止して位置決めされ捺印時の押圧に適宜耐え
た状態に構成される。再び印字体（５）を収納する場合
には釦（18）を操作して軸筒（１）をキャップ（３）に
対して後方に推移させれば良い。その時、釦（18）の突
起（19）がキャップ（３）の窓部（12）の溝（14）に係
止して位置決めされ印鑑の収納時に尾栓（２）の後端に
若干の押圧が加わっても蓋部（８）が拡開しないように
構成されている。

（考案の効果） 本考案の開閉式印鑑の構成及び作用は以上の如くであ
り、従来のキャップで印字面を被覆した物のように、捺
印の度にキャップを着脱して紛失してしまう心配も無く
又、キャップの着脱の際に誤って手を汚してしまう等の
問題も無く使用でき、且つ、非使用時には印字面が蓋部
により被覆されているので、キズをつけたり、ゴミが付
着したり、インクが乾いてしまう等の問題もなく、極め
て使い勝手の良い印鑑が提供可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す縦断面図で、印字体を収
納した状態を示している。第２図は蓋部を拡開して印字
体を露出させた状態を示した半縦断面図、又、第３図は
釦部位の要部縦断面図を示している。 （１）…軸筒、（２）…尾栓、（３）…キャップ、
（４）…印鑑、（５）…印字体、（６）…脚部、（７）
…角部、（８）…蓋部、（９）…止着部、（10）…スプ
リング、（11）…軸部、（12）…窓部、（13）…溝、
（14）…溝、（15）…基部、（16）…開口部、（18）…
釦、（19）…突起、（20）…軸部、（21）…受け部、
（22）…ボス部、（23）…スプリング、（24）…孔。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸筒（１）の先方部にインクを吸蔵できる
   様にスポンジゴム等の無数の連続通気孔を有した多孔性
   印材より形成された印字体（５）をカバーで被覆して成
   る印鑑（４）を取付けて、開口部（16）を常時遮蔽する
   蓋部（８）をキャップ（３）先端部の基部（15）にキャ
   ップ（３）と蓋部（８）との相互間にスプリング（10）
   を附勢して回動自在に取付けると共に、上記キャップ
   （３）の側面に先方と後方に横方向の溝（13）と（14）
   を有した窓部（12）を穿設して軸筒（１）の側面より内
   方に弾性変移可能に突設し、且つ側面に張り出した突起
   （19）を有した釦（18）を窓部（12）に嵌挿して、キャ
   ップ（３）内に軸筒（１）を軸推移可能に嵌装し、キャ
   ップ（３）に対して釦（18）を操作して軸筒（１）をキ
   ャップ（３）の先方に推移させた時、上記蓋部（８）の
   内側面に印字体（５）が非接触状態で印鑑（４）のカバ
   ーの角部（７）が接触しながら蓋部（８）を拡開して印
   字体（５）が上記開口部（16）より露出して捺印可能と
   なると共に釦（18）が弾性変移しながら推移して突起
   （19）が窓部（12）の溝（13）に貫出係止し、その状態
   から上記釦（18）を操作して軸筒（１）をキャップ
   （３）の後方に推移させた時に突起（19）が窓部（12）
   の溝（14）に貫出係止し、蓋部（８）が閉じると共に、
   印鑑（４）がキャップ（３）内に収容されるように構成
   したことを特徴とする開閉式印鑑。