JP2549685B2 - 多孔質体および多孔質体製造方法 - Google Patents

多孔質体および多孔質体製造方法

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JP2549685B2 JP63021714A JP2171488A JP2549685B2 JP 2549685 B2 JP2549685 B2 JP 2549685B2 JP 63021714 A JP63021714 A JP 63021714A JP 2171488 A JP2171488 A JP 2171488A JP 2549685 B2 JP2549685 B2 JP 2549685B2
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【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、比表面積の大きい多孔質体および多孔質体
製造方法に関する。
[従来の技術] 多孔質体は比表面積が大きく、酵素または微生物など
の有機触媒成分、無機触媒成分を分担担持させる触媒担
体、表面からの放熱効率の高い放熱体として多用され、
ハニカム材、網状部材などがこうした多孔質体として一
般的である。特にハニカム材は自動車排気ガス中の有害
分質を除去する触媒担体として普及している。
しかしながら最近では今まで以上の性能向上、例えば
触媒成分の分散担持能力などの向上が要望されている。
このためハニカム材などの多孔質体に替り、比表面積の
大きなファイバあるいはウィスカといった短繊維(以下
単にファイバという)を用いた次のようなファイバ製多
孔質体が開発されている。
ファイバ製多孔質体は、所定形状の筐体または枠体
と、ファイバあるいはファイバを加工したブランケッ
ト、不織布等から成り、ファイバ又はブランケット等を
筐体内へ積層または挿着したり、枠体へ挾着または貼着
することによって構成されている。このような構成のフ
ァイバ製多孔質体は除塵材としても使用されている。特
にセラミックファイバまたはセラミックウィスカを上記
したファイバとして用いたセラミックファイバ製多孔質
体は、セラミック特有の耐熱性、耐薬品性を活用した有
益かつ高付加価値の多孔質体である。
[発明が解決しようとする課題] 上記したセラミックファイバ製多孔質体を含むファイ
バ製多孔質体は、比表面積の極めて大きな多孔質体であ
るが次のような問題点が残されている。
ファイバ製多孔質体の外形形状を形成する筐体内に積
層されたファイバ層、枠体に挾着されたファイバのブラ
ンケット等は、相互に絡み付いた多数のファイバによっ
て構成されている。従ってファイバ製多孔質体は、筐体
等に直接固定されたファイバとファイバ相互の絡み付き
によって保持されているファイバを主要な構成部材と
し、所定形状を維持している。このため振動、ファイバ
の自重、吹きつけられた気体の圧力などの外力が加わる
と、ファイバ相互の絡み付きがほぐれてファイバの初期
の状態、例えばファイバの積層厚さなどを長期にわたっ
て維持できず、ファイバ製多孔質体の当初の特性例えば
触媒成分の分散担持効率等の低下が生じ好ましくない。
またファイバ製多孔質体の用途、使用場所は多種多用
であり、均一な特性例えば除塵能力を得るためには筐体
内に積層させるファイバの量、厚さなどを均一に揃える
作業が必要である。あるいは用途に応じてファイバの
量、厚さなどを調整する作業が必要である。これらの作
業は煩雑であるばかりか、場合によっては例えば複雑に
湾曲した筐体内にファイバを均一に積層する作業などは
困難である。
本発明は以上の問題点を解決するためになされ、第1
の目的は、ファイバ即ち短繊維状の針状体の各々を枠体
等と一体化させて、針状体の初期の状態が変化すること
のない多孔質体を提供することである。また第2の目的
は、針状体の各々と枠体等が一体化され、針状体の初期
の状態の変化のない多孔質体を、その多孔質体の形状等
の影響を受けることなく容易に製造できる多孔質体製造
方法を提供することである。
発明の構成 [課題を解決するための手段] かかる目的を達成するために本発明の用いた手段は、 複数の孔を枠材によって形成する多孔支持枠と 該多孔支持枠から前記各孔内に突出して該各孔のほぼ
全内周面にわたって密生し、前記各孔の全開口部を覆う
針状体と を備えることを特徴とする多孔質体をその要旨とする。
更に、前記目的を達成するためのかかる多孔質体を製
造する本発明の用いた手順は、 複数の孔を備えた多孔支持枠を形成する耐熱性の枠材
表面に、ケイ素またはケイ素とアルミニウムとの混合物
から成る原料粒子を被着し、 被着後の前記多孔支持枠を窒素ガスを含む還元性ガス
または水蒸気を含む水素ガスのガス雰囲気中で温度1200
℃〜1370℃、少なくとも1時間焼成する ことを特徴とする多孔質体製造方法をその要旨とする。
[作用] 本発明による多孔質体の多孔支持枠は、枠材によって
多孔質体の所定形状、例えばシート状、円筒状などの外
形形状および後述する針状体によって覆われる複数個の
孔を形成する。多孔支持枠から各孔内に突出して各孔の
ほぼ全内周面にわたって密生する針状体は、各孔を形成
する枠材と一体になり各孔の全開口部を覆うとともに比
表面積を各孔毎に増加させる。即ち針状体は各孔の孔毎
に独立した多孔質体とする。こうして複数の孔を備えた
多孔支持枠および針状体は、孔毎の多孔質体を集合させ
た所定形状の多孔質体を構成する。
なお針状体の密生のしかたに制限は無く、各孔の全開
口部を覆っていれば良い。例えば針状体が一定方向に向
けて密生していても異なる方向に向けて密生していて
も、各孔の全開口部がこの針状体によって覆われていれ
ば十分である。
また、本発明の前記した多孔質体の製造方法によれ
ば、まず耐熱性の多孔支持枠の枠材表面にケイ素または
ケイ素とアルミニウムとの混合物から成る原料粒子を適
宜選択された被着方法によって被着する。原料粒子は次
工程の焼成によって発生するウィスカの原材料となる。
上記の被着方法には様々なものがある。例えば原料粒
子粉末を第3ブチルアルコール、ケトンなどの有機溶剤
に加えてスラリとして、このスラリの塗布、吹き付け、
静電塗料などの方法、このスラリに浸漬する方法などが
ある。あるいは蒸着、スパッタリング等の薄膜製造法で
原料粒子を被着させることもできる。なお、塗布、浸漬
などの方法では自然乾燥等を併用して行ない、有機溶剤
を蒸発させて枠材表面からの原料粒子の離脱を防止する
ことが望ましく、薄膜製造法では枠材と原料との濡れ性
を向上させるために、予め枠材表面に他の金属等を付着
させておいても良い。これらの被着方法のうち塗布、浸
漬などの方法は被着作業の容易な方法である。また上記
のケイ素とアルミニウムの混合物は、両物質のおのおの
の粉末粒子を回転混合機などで撹拌混合した物理的混合
物、あるいは両物質を化合させた化学的混合物のどちら
でも良い。
次に、被着後の多孔支持枠体を窒素ガスを含む還元性
ガスまたは水蒸気を含む水素ガスのガス雰囲気中で、温
度1200℃〜1370℃、少なくとも1時間の条件によって焼
成して枠材表面に原料粒子の物質とガス雰囲気中の窒素
または酸素との反応生成物である後述のウィスカを成長
させ、これらのウィスカによって多孔支持枠の各孔の全
開口部を覆わせる。
上記焼成温度および焼成時間の範囲内であればウィス
カを好適に成長させて各孔の全開口部をウィスカによっ
て覆うことができる。しかし1200℃より低い温度または
1時間に満たない時間の焼成条件ではウィスカの成長が
不十分となるため、得られた多孔質体から多孔支持枠体
を除外したウィスカ自体の気孔率(以下、単に気孔率と
いう)が低下する。従って各孔の全開口部がウィスカに
よって覆われなくなる。また、1370℃を越える温度で
は、原料粒子の融点に近い温度であるためにやはりウィ
スカの成長が不十分となり気孔率が低下する。
窒素ガスを含む還元性ガス、例えばアンモニア分解ガ
スは窒素を供給しこのガス雰囲気中で、原料粒子がケイ
素の粒子である場合には窒化ケイ素(Si3N4)ウィスカ
を成長させ、原料粒子が前記混合物の粒子である場合に
は窒化ケイ素ウィスカ、窒化アルミニウム(AlN)ウィ
スカを成長させる。水蒸気を含む水素ガスは酸素を供給
しこのガス雰囲気中で、原料粒子がケイ素の粒子である
場合にはシリカ(SiO2)ウィスカを成長させ、原料粒子
が前記混合物の粒子である場合にはシリカウィスカおよ
びムライト(Al6Si2O13)ウィスカを成長させる。なお
水素ガス雰囲気中の上記混合物をケイ素:23〜30重量
%、アルミニウム70〜77重量%の混合物とすると、極め
て耐熱性の高いムライトウィスカを選択的に成長させる
ことができ好ましい。
上記したウィスカによって各孔の全開口部が覆われる
程度は、各孔の開口面積、開口部容積および温度、時間
の焼成条件によって決まる。
[実施例] 次に本発明を用いた実施例について図面を用いて説明
する。
まずウィスカの原材料を得るため、ケイ素粉末500gを
第3ブチルアルコール500ml中に加え、この溶液を純度9
9.9%、粒径10mmのアルミナ球石とともに内容積1.51の
ポリエチレン製粉砕容器に入れ、この容器を84rpm×24
時間回転させケイ素粒子を微細に粉砕する。こうして粒
径約0.5μmのケイ素の混入したスラリ(以下ケイ素ス
ラリという)を生成しておく。
実施例 1 第1図は後述の筒状多孔質体1の製造過程等を説明す
るための説明図であり、第1図(A)は筒状多孔質体1
を製造するための筒状枠体2の斜視図である。筒状枠体
2は外径100mm深さ100mmの円筒カゴ形であり、200メッ
シュのニクロム金網から各々形成された円筒部材2aと底
板2bから構成されている。そしてこの筒状枠体2から次
のようにして筒状多孔質体1を得る。
第1に、この筒状枠体2を上記ケイ素スラリ中に浸漬
し、筒状枠体2の全表面に第3ブチルアルコールを介し
てケイ素微細粒子を被着させる。なお本実施例では、浸
漬後の筒状枠体2を自然乾燥させて第3ブチルアルコー
ルを蒸発させ、筒状枠体2の表面からのケイ素微細粒子
の離脱を防止する。
次に被着後の筒状枠体2をアンモニア分解ガス雰囲気
中で1280×1時間焼成して、窒素とケイ素との反応生成
物である窒化ケイ素ウィスカを筒状枠体2の表面から成
長させる。こうして筒状枠体2と窒化ケイ素ウィスカと
が一体となった筒状多孔質体1を得る。
第1図(B)は上記の製造方法より製造された筒状多
孔質体1の斜視図およびその一部拡大図であり、第1図
(C)は第1図(B)における拡大図のI−I線断面図
である。この筒状多孔質体1は、拡大図に示す如く筒状
枠体2の表面に直接窒化ケイ素ウィスカ3を各孔毎に均
一に密生させている。このため振動等の外力が加わって
も窒化ケイ素ウィスカ3の均一な密生状態を保持する。
そしてこの窒化ケイ素ウィスカ3は、第1図(C)に示
す如く筒状枠体2の各孔2cの全開口部を覆うとともに、
筒状多孔質体1の比表面積を各孔2c毎に増加させてい
る。
本実施例の筒状多孔質体1の各孔2cは、筒状枠体2と
一体化された多数の窒化ケイ素ウィスカ3によって全開
口部を覆われている。従って複数の孔2cを備えた筒状多
孔質体1は極めて大きな比表面積を有した多孔質体であ
る。更に、ニクロム金網および窒化ケイ素ウィスカの耐
熱性を活用し、高温下でも触媒担体、除塵材等として使
用可能な多孔質体である。なおこの筒状多孔質体1は粒
径〜7μm程度の粒子を除去する除塵能力および81%の
気孔率を備えている。
また、本実施例の製造方法によれば、枠体が筒状枠体
2の如く線材で構成されしかもその形状が複雑であって
も、線材の表面に針状の窒化ケイ素ウィスカ3を容易に
しかも均一に密生させることができる。従って本実施例
の製造方法は、窒化ケイ素ウィスカの各々と枠体とが一
体化され、上記の除塵能力等の特性を備えた金網状の筒
状多孔質体1を容易に製造することができる製造方法で
ある。
次に上記の筒状多孔質体1を除塵材として用いた使用
例を説明する。第2図は筒状多孔質体1をディーゼルエ
ンジンの排気管内に設置した使用状態を概略的に示し、
筒状多孔質体1は、小径排気管4aと大径排気管4bとの接
合部に、取付金具5を介して大径排気管4b内部に筒状多
孔質体1の底板2b側をせり出して取付けられている。
排気ガスは、図中矢印で示す如く小径排気管4aから大
径排気管4bに筒状多孔質体1の周壁および底板の孔2cを
通過して流出する。筒状多孔質体1は粒径5〜7μmの
粒子を除去する除塵能力をもつので、排気ガスが各孔を
通過する際に排気ガス中の未燃カーボン粒子を、窒化ケ
イ素ウィスカ3の表面に付着させて除去することができ
る。本実施例では筒状枠体2をニクロム金網で形成した
ので、この筒状枠体2に電流を通電して筒状枠体2と一
体になった窒化ケイ素ウィスカ3を発熱させて、窒化ケ
イ素ウィスカ3に付着している未燃カーボン粒子を燃焼
分解させることができる。即ち筒状多孔質体1は高温下
での使用が可能であるとともに電気的発熱を利用した再
使用効率の高い除塵材として使用できる多孔質体であ
る。
本実施例と異なる焼成温度および焼成時間の焼成条件
における実験で得られた筒状多孔質体における気孔率を
表1に示す。
表から明らかなように、実験B,C,Dによるものは気孔
率が低く各孔の全開口部がウィスカによって覆われなか
った。
実施例 2 第3図は後述のアルミナ多孔質体11の製造過程等を説
明するための説明図であり、第3図(A)はアルミナ多
孔質体11を製造するためのアルミナ質ハニカム材(以下
アルミナ材という)12の斜視図である。アルミナ材12は
肉厚0.2mmピッチ1mmのハニカム材であり、外径100mm厚
さ5mmの円盤状である。そしてこのアルミナ材12から次
のようにしてアルミナ多孔質体11を得る。
第1に、このアルミナ材12を前記ケイ素スラリ中に浸
漬し、アルミナ材12の各孔12aの内周壁内の全表面に第
3ブチルアルコールを介してケイ素微細粒子を被着させ
る。なお本実施例では、浸漬後のアルミナ材12を自然乾
燥させて第3ブチルアルコールを蒸発させ、アルミナ材
12の表面からのケイ素微細粒子の離脱を防止する。
次に被着後のアルミナ材12を露点10℃の水蒸気を含む
水素ガス雰囲気中で1330℃×1時間焼成して、酸素とケ
イ素との反応生成物であるシリカウィスカをアルミナ材
12の各孔12aの内周壁面の表面から成長させる。こうし
てアルミナ材12とシリカウィスカとが一体となったアル
ミナ多孔質体11を得る。
第3図(B)は上記の製造方法より製造されたアルミ
ナ多孔質体11の斜視図およびその上面の一部拡大図であ
る。このアルミナ多孔質体11は、拡大図に示す如くアル
ミナ材12の各孔12aの内周壁面の表面に直接シリカウィ
スカ13を各孔毎に均一に密生させている。このため振動
等の外力が加わってもシリカウィスカ13の均一な密生状
態を保持する。そしてこのシリカウィスカ13は、アルミ
ナ材12の各孔12aの全開口部を覆うとともに、アルミナ
多孔質体11の比表面積を各孔12a毎に増加させている。
本実施例のアルミナ多孔質体11の各孔12aは、アルミ
ナ材12と一体化された多数のシリカウィスカ13によって
全開口部を厚さ方向にわたって覆われている。従って複
数の孔12aを備えたアルミナ多孔質体11は極めて大きな
比表面積を有した軽量の多孔質体である。なおこのアル
ミナ多孔質体11は粒径2〜5μm程度の微細粒子を除去
する除塵能力および74%の気孔率を備えている。このた
めアリミナ多孔質体11はクリーンルーム内で使用される
電子機器等の空冷用送排風口に設置する高性能除塵材と
して使用可能な多孔質体であり、電子機器の軽量化を促
進させる。
また、本実施例の製造方法によれば、枠体が細孔の集
合体であるハニカム材であっても、おのおのの細孔の上
記ハニカム材の厚さ方向にわたる全内周面にシリカウィ
スカ13を容易にしかも均一に密生させて細孔の全開口部
を覆うことができる。従って本実施例の製造方法は、シ
リカウィスカの各々と枠体とが一体化され、上記の除塵
能力等の特性を備えたハニカム状のアルミナ多孔質体11
を容易に製造することができる製造方法である。
本実施例と異なる焼成温度および焼成時間の焼成条件
における実験で得られたアルミナ多孔質体における気孔
率を表2に示す。
表から明らかなように、実験B,Cによるものは気孔率
が低く各孔の全開口部がウィスカによって覆われなかっ
た。
実施例 3 第4図は後述のコージライト多孔質体21の製造過程等
を説明するための説明図であり、第4図(A)はコージ
ライト多孔質体21を製造するためのコージライト質ハニ
カム材(以下コージライト材という)22の斜視図ある。
コージライト材22は肉厚0.2mmピッチ1mmのハニカム材で
あり、外径80mm厚さ3mmの円盤状である。そしてこのコ
ージライト材22から次のようにしてコージライト多孔質
体21を得る。
第1に、このコージライト材22を前記ケイ素スラリ中
に浸漬し、コージライト材22の各孔22aの内周壁面の全
表面に第3ブチルアルコールを介してケイ素微細粒子を
被着させる。なお本実施例では、浸漬後のコージライト
材22を自然乾燥させて第3ブチルアルコールを蒸発さ
せ、コージライト材22の表面からのケイ素微細粒子の離
脱を防止する。
次に被着後のコージライト材22をアンモニア分解ガス
雰囲気中で1280℃×1時間焼成して、窒素とケイ素との
反応生成物である窒化ケイ素ウィスカをコージライト材
22の各孔22aの内周壁面の表面から成長させる。こうし
てコージライト材22と窒化ケイ素ウィスカとが一体とな
ったコージライト多孔質体21を得る。
第3図(B)はコージライト多孔質体21の斜視図およ
びその上面の一部拡大部である。このコージライト多孔
質体21は、拡大図に示す如くコージライト材22の各孔22
aの内周壁面の表面に直接窒化ケイ素ウィスカ23を各孔
毎に均一に密生させている。このため振動等の外力が加
わっても窒化ケイ素ウィスカ23の均一な密生状態を保持
する。そしてこの窒化ケイ素ウィスカ23は、コージライ
ト材22の各孔22aの全開口部を覆うとともに、コージラ
イト多孔質体21の比表面積を各孔22a毎に増加されてい
る。
本実施例のコージライト多孔質体21の各孔22aは、コ
ージライト材22と一体化された多数の窒化ケイ素ウィス
カ23によって全開口部を厚さ方向にわたって覆われてい
る。従って複数の孔22aを備えたコージライト多孔質体2
1は極めて大きな比表面積を有した多孔質体である。更
に、コージライトおよび窒化ケイ素ウィスカの耐熱性を
活用し、より高温下でも触媒担体、除塵材等として使用
可能な多孔質体である。なおこのコージライト多孔質体
21は粒径2〜3μm程度の粒子を除去する除塵能力およ
び80%の気孔率を備えている。
また、本実施例の製造方法によれば、枠体が細孔の集
合体であるハニカム材であっても、おのおのの細孔の上
記ハニカム材の厚さ方向にわたる全内周面に窒化ケイ素
ウィスカ23を容易にしかも均一に密生させて細孔の全開
口部を覆うことができる。従って本実施例の製造方法
は、窒化ケイ素ウィスカの各々と枠体とが一体化され、
上記の除塵能力等の特性を備えたハニカム状のコージラ
イト多孔質体21を容易に製造することができる製造方法
である。
次に上記のコージライト多孔質体21の使用例を説明す
る。第5図はコージライト多孔質体21をストーブの燃焼
筒上部に設置した使用状態を概略的に示し、図示する如
く、コージライト多孔質体21は、ストーブ30の燃焼筒31
の上面に取付けられている。燃焼筒31の内部の火芯32で
燃料が燃焼すると、熱せられた空気は図示する如くコー
ジライト多孔質体21の各孔22aを通過する。コージライ
ト多孔質体21は上記した除塵能力をもつので各孔22aを
通過する空気中の煤を窒化ケイ素ウィスカ23の表面に付
着させて除去する。加えて、コージライト多孔質体21は
火芯32での燃焼によって加熱されているので、窒化ケイ
素ウィスカ23に付着した煤を燃焼分解させるとともに窒
化ケイ素ウィスカ23の表面から遠赤外線を放出するので
ストーブ30の放熱効果をも向上させることかできる。
本実施例と異なる焼成温度および焼成時間の焼成条件
における実験で得られたコージライト多孔質体における
気孔率を表3に示す。
表から明らかなように、実験Cによるものは気孔率が
低く各孔の全開口部がウィスカによって覆われなかっ
た。
本発明による多孔質体は上記実施例に限定されるもの
ではなく要旨を逸脱しない範囲で実施可能である。例え
ばケイ素とアルミニウムとの混合物からムライトウィス
カを上記実施例の如く成長させれば、より耐熱性の高い
多孔質体を得ることができる。種々の露点における水蒸
気を含む水素ガス雰囲気中で焼成して得たムライトウィ
スカの密生した多孔質体に関する実験結果を表4に示
す。なお、ハニカム材は実施例3と同一である。
表から明らかなように、実験E,Fによるものは気孔率
が低く各孔の全開口部がウィスカによって覆われなかっ
た。
また、本発明の多孔質体は除塵材ばかりでなく、触媒
成分の分散担持効率の高い触媒担体および断熱材などに
使用することができる。
発明の効果 以上実施例を含めて詳細したように、本発明による多
孔質体は、多孔支持枠から各孔内に突出して各孔のほぼ
全内周面から針状体を密生させるとともに針状体で各孔
の全開口部を覆ったので大きな比表面積をもつことはも
ちろんのこと、各々の針状体と枠体等とを一体化させ
て、針状体の初期の状態を変化させることのない多孔質
体である。このため本発明による多孔質体は長期に渡っ
て所要の用途に使用可能な多孔質体である。
また、本発明による多孔質体製造方法によれば、多孔
質体の形状に左右されることなく各孔のほぼ全内周面に
針状体を密生させてその針状体で各孔の全開口部を覆わ
せることが容易にできる。従って本発明の多孔質体の製
造は、各々の針状体と枠体とが一体となっており、針状
体の初期の状態に変化のない多孔質体を容易に製造でき
る多孔質体製造方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例である多孔質体およびそ
の製造方法を説明するための説明図、第2図はその多孔
質体の使用状態を説明するための説明図、第3図は第2
の実施例である多孔質体およびその製造方法を説明する
ための説明図、第4図は第3の実施例である多孔質体お
よびその製造方法を説明するための説明図、第5図は第
3の実施例の多孔質体の使用状態を説明するための説明
図である。 1……筒状多孔質体、2……ニクロム金網による筒状枠
体、2c……孔、3……窒化ケイ素ウィスカ、11……アル
ミナ多孔質体、12……アルミナ質のハニカム材(アルミ
ナ材)、12a……孔、13……シリカウィスカ、21……コ
ージライト多孔質体、22……コージライト質のハニカム
材(コージライト材)、22a……孔、23……窒化ケイ素
ウィスカ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の孔を枠材によって形成する多孔支持
    枠と、 該多孔支持枠から前記各孔内に突出して該各孔のほぼ全
    周にわたって密生し、前記各孔の全開口部を覆う針状体
    と を備えることを特徴とする多孔質体。
  2. 【請求項2】複数の孔を備えた多孔支持枠を形成する耐
    熱性の枠材の表面に、ケイ素またはケイ素とアルミニウ
    ムとの混合物から成る原料粒子を被着し、 被着後の前記多孔支持枠を窒素ガスを含む還元性ガスま
    たは水蒸気を含む水素ガスのガス雰囲気中で温度1200℃
    〜1370℃、少なくとも1時間焼成することを特徴とする
    多孔質体製造方法。
JP63021714A 1988-02-01 1988-02-01 多孔質体および多孔質体製造方法 Expired - Fee Related JP2549685B2 (ja)

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