JP2549470B2 - 揺動補償型アンテナ装置 - Google Patents

揺動補償型アンテナ装置

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JP2549470B2
JP2549470B2 JP3057070A JP5707091A JP2549470B2 JP 2549470 B2 JP2549470 B2 JP 2549470B2 JP 3057070 A JP3057070 A JP 3057070A JP 5707091 A JP5707091 A JP 5707091A JP 2549470 B2 JP2549470 B2 JP 2549470B2
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  • Details Of Aerials (AREA)
  • Support Of Aerials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、方位周りには広く仰角
周りには狭いビーム、いわゆるファンビーム指向性を有
するアンテナを備える揺動補償型アンテナ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】(1)技術背景 従来から、船舶等において衛星通信のために指向性アン
テナが用いられている。船舶衛星通信は、歴史的には1
976年米国のマリサット衛星により開始されたもので
あり、1982年以降は国際的な組織であるインマルサ
ットに引き継がれて実施されている。このような船舶衛
星通信を行うためには、所定の指向性を有するアンテナ
を必要とする。
【0003】例えば、1987年6月現在のインマルサ
ット標準A船舶地球局の技術基準によると、船舶地球局
のG/Tは−4dBK以上と規定されており、この基準
に適合するアンテナをパラボラアンテナとして構成しよ
うとする場合、直径80cm程度の寸法が求められる。
【0004】(2)追尾及び揺動補償 船舶衛星通信には、もっぱら、揺動補償型アンテナ装置
が用いられている。この揺動補償型アンテナ装置は、衛
星追尾機能に加え揺動補償機能を有する装置である。
【0005】すなわち、船舶の移動体に搭載されたアン
テナが衛星からの電波を良好に受信し続けるためには、
当該アンテナを駆動して衛星を追尾させる必要がある。
また、このようなアンテナ駆動及びその制御機能は、揺
動補償を行うように構成することが可能である。例え
ば、船舶は海上の波浪によって揺動し、この揺動分を補
償することにより良好な衛星追尾を実現できる。船舶の
揺動には、例えばロール、ピッチ等がある。ロールは横
揺れ、ピッチは縦揺れに相当し、両者を補償するために
はアンテナを機械的にまたは電子的に横、縦に駆動する
必要がある。このため、従来から、揺動補償等の目的で
アンテナを駆動する技術が各種開発されている。
【0006】(3)第1従来例 図20には、第1従来例に係る揺動補償型アンテナ装置
の構成が示されている。この図に示される従来例は、特
開昭51−115757号公報に記載されている装置で
ある。この装置は、いわゆるペンシルビーム指向性を有
するパラボラアンテナ10と、このパラボラアンテナ1
0を所定方向に回動可能に支持する第1の軸12と、第
1の軸12を回動可能に支持する第2の軸14と、第2
の軸14を方位方向に回動可能に支持する第3の軸16
と、第3の軸16上に配置搭載される姿勢センサ18
と、を備えている。すなわち、この従来例においては、
軸16の回動によって軸14,12及びパラボラアンテ
ナ10が方位方向に回動され、軸14の回動により軸1
2及びパラボラアンテナが所定方向に回動され、軸12
の回動により軸14の回動方向とは垂直な方向にパラボ
ラアンテナ10が回動される。
【0007】また、姿勢センサ18は、軸14及び12
のそれぞれの回動方向についての揺動成分を検出するセ
ンサである。この従来例に係る装置は、先に述べたよう
に船舶衛星通信等に用いられるため、船舶の揺動によっ
て姿勢が変化する。姿勢センサ18は、軸16の回動に
伴って回転するため、船舶の揺動成分のうち方位方向の
成分を除外した成分を検出できる。より具体的には、軸
14,12のそれぞれの周りの揺動成分を検出可能であ
る。この検出の結果は、軸12,14の制御に用いら
れ、船舶の揺動を補償しつつパラボラアンテナ10によ
る衛星の追尾が実行されることになる。
【0008】(4)二軸機械軸の装置 このように、アンテナとしてパラボラアンテナ等を用い
る場合、その駆動に係る軸を3個設け、それらを全て機
械軸として構成することが可能である。しかし、そのよ
うな構成とすると、機械的設計が複雑となり、装置が高
価格となり易い。このような問題点を解決するために
は、軸構成を改良し、2個の機械軸で足りるようにすれ
い。
【0009】このような装置、すなわち二軸機械軸の装
置としては、例えば「海事衛星通信ディジタル船舶局用
アンテナシステムの小型軽量化について」(塩川他、電
子通信学会、SANE84−19、pp17−24)等
に開示されている装置がある。この文献に開示されてい
る装置は、いわゆる40cmφのショートバックファイ
ヤー(SBF)アンテナであり、ビーム幅が±15°の
ものである。
【0010】このような構成によれば、比較的簡易な機
械的構成で揺動補償型アンテナ装置を実現できる。
【0011】しかし、このような構成においては、特異
点が発生するという問題点が生ずる。特異点は、例えば
天頂方向に現れ、揺動条件下でアンテナがこの方向を向
いている場合に追尾誤差を発生させる点である。この特
異点に対処するためには、アンテナやそれを支持するフ
レーム等に軽量かつ堅牢な材料を使用し、アンテナ等を
駆動するモータの負荷を低減する手段や、また、モータ
として比較的高性能のACサーボモータを採用し、これ
に応じて高性能のACサーボ制御回路を採用し高性能の
サーボ系によりアンテナを駆動するという手段がある。
さらには、制御ソフトウェアの改良により、特異点近傍
の追尾誤差を軽減する等の手段もある。
【0012】しかし、このような対策は、特別の材料、
高価格な回路を採用すること等を求めるため、装置の高
価格化を免れない。また、これらの対策を施した場合で
も、特異点近傍での追尾誤差が約10°とのデータが存
在する。
【0013】(5)電子軸を有する装置 このような問題点を解決する手段としては、複数の軸の
うちいずれかを電子軸とするのが有効である。電子軸
は、いわゆるフェーズドアレイアンテナにより実現し得
るものである。
【0014】フェーズドアレイアンテナは、複数のアン
テナ素子をアンテナ基板上に電極として正方格子状に配
置しつつ被着形成することで、平板状のアンテナとして
構成されるものである。例えば、各アンテナ素子毎に移
相器(phase shifter )を設け、各アンテナ素子に係る
信号の移相量を制御すれば、アンテナのビーム指向特性
を所定の特性に切り換え実現することができる。また、
本願出願人が先に提案している特願平2−339317
号記載の装置のように、行列配置されたアンテナ素子の
各行毎に移相器を設けるようにすれば、比較的簡易な構
成で電子軸を実現することができる。
【0015】(6)揺動補償原理 このように、二軸機械軸一軸電子軸とすることにより、
特異点における追尾誤差を低減しつつ比較的簡易かつ安
価な構成で揺動補償を実行することができる。しかし、
この揺動補償に当って、二乃至三軸の制御が必要となる
という問題点がある。
【0016】一般に、船舶の揺動は、図21に示される
ような座標変換として表される。ただし、船舶が静止し
ている状態で、すなわち揺動していない状態での座標系
をX(0) (0) (0) であるとする。ここで、X(0)
船首方向を、Z(0) が天頂方向を、それぞれ表してい
る。
【0017】すると、船舶の縦揺れであるピッチpが生
じた場合、座標系がX(1) (1) (1) に移動する。移
動後の各軸のうち、Y(1) 軸はY(0) 軸と同一の軸であ
り、X(1) 及びZ(1) 軸はそれぞれY(0) 軸周りにX
(0) 及びZ(0) 軸をピッチpだけ旋回した位置にある。
【0018】さらに、船舶の横揺れであるロールrが生
じた場合、座標系はX(2) (2) (2) に変化する。こ
の場合、X(2) 軸はX(1) 軸と同一の軸であり、Y(2)
及びZ(2) 軸はそれぞれY(1) 及びZ(1) 軸をX(1)
を中心にロールrだけ旋回させた位置に移動する。
【0019】従って、ロールr及びピッチpを含む船舶
の揺動は、ロールr及びピッチpの合成である揺動角u
として表現できることになる。
【0020】この揺動角uを船舶の揺動に伴うアンテナ
方向の変化を表すものとして把握するならば、この揺動
uは、仰角(エレベーション;EL)方向の成分q
と、EL方向に垂直(クロスエレベーション;XEL)
方向の成分qと、に分解することができる。各成分q
及びqは、ロールr及びピッチpに基づき行列演算
により求めることができる。
【0021】従って、船舶の揺動に伴うアンテナ方位の
変化を補償して衛星Sを追尾し続けようとする場合、ロ
ールr及びピッチpを検出する手段及びその検出結果に
基づいて成分q及びqを求める手段を設けてやれば
い。例えば機械軸または電子軸としてEL軸及びXE
L軸を構成するとすれば、EL軸の制御を成分qに基
づき、XEL軸の制御を成分qに基づき、それぞれ行
えばい。
【0022】しかし、このような制御は、行列演算を伴
う点で複雑な内容のものとなる。従って、その演算を省
略乃至削減することができれば、装置構成を簡素としか
つ制御が容易で安価な揺動補償型アンテナ装置を実現で
きる。このような制御を実現するためには、いわゆるフ
ァンビーム指向性を有するアンテナを使用すればい。
【0023】(7)第2従来例 図22には、いわゆるファンビーム指向性を有するアレ
イアンテナを使用した第2従来例に係る揺動補償型アン
テナ装置の実体構成が示されている。図22は概略断面
図であり、実際には厚みを有する部材(レドーム等)の
厚みを省略した断面として描かれている。
【0024】この図に示される揺動補償型アンテナ装置
は、アンテナ素子20が4個縦列配置されたアレイアン
テナ22を備える構成である。このアレイアンテナ22
は、後述するようなファンビーム指向性を有するアンテ
ナである。また、アレイアンテナ22は仰角軸24によ
り支持されており、その支持方向はアンテナ素子20の
配列が仰角軸24周りとなるような方向である。
【0025】仰角軸24は、方位軸フレーム26によっ
て回動可能に支持されている。仰角軸24の一端にはギ
ア28が、方位軸フレーム26には仰角軸モータ30
が、それぞれ取り付けられており、ギア28と仰角軸モ
ータ30との間はベルト32により連結されている。従
って、仰角軸モータ30の駆動により仰角軸24が回転
し、これによりアレイアンテナ22が仰角軸24周りに
回転する。
【0026】方位軸フレーム26は、方位軸34と一体
に構成されている。方位軸34は、支持脚36に回動可
能に保持されており、かつその下端にはギア38が設け
られている。一方で、支持脚36には方位軸モータ40
が取り付けられており、方位軸モータ40とギア38の
間がベルト42によって連結されている。従って、方位
軸モータ40が駆動すると、これにより方位軸34が回
転し、アレイアンテナ22は方位軸34周りに回転する
ことになる。
【0027】支持脚36は、方位軸フレーム26、アレ
イアンテナ22等を偏心支持する機能を有している。す
なわち、レドームベース44の底面の中心からややずれ
た位置において方位軸フレーム26等を支持する機能を
有している。これにより、レドームベース44の底面に
は蝶番46によって開閉可能なように十分な大きさのア
クセスハッチ48を設けることができる。アクセスハッ
チ48は、アレイアンテナ22及びその周辺回路等の保
守、点検等を行う作業者が腕等を差し入れるためのハッ
チであり、これにより装置の保守性等が確保される。
【0028】レドームベース44は、いわゆるレドーム
50の底面を構成する部材である。レドーム50は、例
えばFRP等の電波を透過可能な部材で形成されてお
り、アレイアンテナ22等の構成を降雨等から保護する
部材である。通常、船舶衛星通信用のアレイアンテナ2
2により送受信される電波は1.5GHz近傍であるた
め、レドーム50を形成する材料としてもこの周波数帯
の電波を透過可能な材料が選択される。
【0029】図23及び図24には、アレイアンテナ2
2のアンテナパターンがそれぞれ示されている。これら
の図のうち、図23に示されるアンテナパターンは仮想
XEL軸周りのアンテナパターンであり、図24に示さ
れるアンテナパターンはEL軸周りのアンテナパターン
である。
【0030】ここで、仮想XEL軸とは、EL軸に垂直
な方向の軸として仮想された軸をいい、図22において
は実際には存在しない。より具体的には、アンテナ素子
20の配列方向と垂直な方向である。また、EL軸は仰
角軸24に相当する。
【0031】これらの図から明瞭に理解されるように、
アレイアンテナ22の指向性は、仮想XEL軸周りに広
く、EL軸周りに狭いビーム幅を有する特性である。こ
のような特性は一般にファンビーム指向性と呼ばれる。
このような特性とすると、先に図21に示した成分q1
及びq2 のうち、q2 については揺動補償を行う必要が
なくなる。これは、成分q2が仮想XEL軸周りの成分
であること、及びアレイアンテナ22の仮想XEL軸周
りのアンテナパターンが広い広角ビーム幅のパターンで
あることによるものである。
【0032】従って、図22に示される従来例によれ
ば、成分q1 のみについて演算、制御等を行うのみでよ
く、比較的簡易に揺動補償を実行することが可能とな
る。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにファンビーム指向性を有するアレイアンテナを用い
た場合でも、EL軸周りの成分q1 を行列演算により求
める必要があるという問題点があった。すなわち、制御
に係る演算が複雑であるという問題点があった。本発明
は、このような問題点を解決することを課題としてなさ
れたものであり、ファンビーム指向性を有するアンテナ
に第1従来例における姿勢センサ18に相当する部材を
組み合せ、EL軸周りの揺動成分の補償に係る演算を簡
易化すると共に、当該姿勢センサ18に相当する部材の
構成を簡素化することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1記載の揺動補償型アンテナ
装置は、方位軸フレームと共に回転するように設置さ
れ、かつ、移動体の揺動のうち仰角軸周りの揺動成分を
検出する揺動検出手段を備え、仰角軸周りの揺動成分を
アンテナの仰角に加減し、これを目標として仰角軸を駆
動することを特徴とする。
【0035】さらに、請求項2記載の揺動補償型アンテ
ナ装置は、方位軸の回動に同期して同じ角度だけ回動す
る補助回転台を備え、請求項1記載の揺動検出手段と同
様の揺動検出手段をこの補助回転台に固定することを特
徴とする。
【0036】また、請求項3記載の揺動補償型アンテナ
装置は、アンテナが、仰角軸周りにアンテナ素子が並ぶ
ようN(N:2以上の自然数)個のアンテナ素子が縦列
配置されたアレイアンテナであることを特徴とする。
【0037】請求項4記載の揺動補償型アンテナ装置
は、アンテナが、仰角軸周りの方向を列として、N行M
列(N,M:2以上の自然数)にアンテナ素子が配列さ
れたアレイアンテナであり、アレイアンテナの各列ごと
に設けられ対応する列に属するアンテナ素子の合成出力
を信号出力する受信機フロントエンドと、各受信機フロ
ントエンドから出力される信号を同相合成する同相合成
回路と、を備え、仰角軸と垂直な軸周りにアンテナの指
向性を連続的に変化させることを特徴とする。
【0038】また、請求項5及び7記載の揺動補償型ア
ンテナ装置は、方位軸フレームに固定され、かつ、移動
体の揺動のうち仰角軸周りの成分を検出する揺動検出手
段を備え、仰角軸周りの揺動成分を補償するようアンテ
ナのビーム傾きを加減することを特徴とする。
【0039】さらに、請求項6記載の揺動補償型アンテ
ナ装置は、方位軸の回動に同期して同じ角度だけ回動す
る補助回転台を備え、請求項5記載の揺動検出手段と同
様の揺動検出手段をこの補助回転台に固定することを特
徴とする。
【0040】さらに、請求項記載の揺動補償型アンテ
ナ装置は、アンテナが、請求項3記載のアンテナと同様
のアレイアンテナであり、さらにN個のアンテナ素子の
うちN個またはN−1個のアンテナ素子に係る送信及び
/または受信信号を移相させるN個またはN−1個の移
相器と、実現すべき仰角周りのビーム傾きを示す移相器
駆動信号に応じて移相器の移相量を制御する移相器駆動
回路と、を備え、仰角軸周りの揺動成分の値に応じて移
相器駆動信号を移相器駆動回路に供給することを特徴と
する。
【0041】そして、請求項記載の揺動補償型アンテ
ナ装置は、揺動検出手段が、移動体の仰角方向の傾斜角
を検出する傾斜計と、移動体の仰角周りの角速度を検出
する角速度検出器と、傾斜計の出力と角速度検出器の出
力を合成し仰角軸周りの揺動成分として出力する合成フ
ィルタと、を含み、合成フィルタが、傾斜計の出力を濾
波する第1のフィルタと、角速度検出器の出力を濾波す
るよう第1のフィルタと相補的な伝達関数を有する第2
のフィルタと、第1のフィルタの出力と第2のフィルタ
の出力を加算する加算器と、を含むことを特徴とする。
【0042】
【作用】本発明の請求項1においては、アンテナの指向
性がいわゆるファンビーム指向性である。従って、先に
図21に基づき説明したように、移動体の揺動のうち仰
角周りの成分q2 についてのみ揺動補償を行えばよく、
図23に示されるような広角ビーム幅を有する仮想XE
L軸周りについては揺動補償に係る演算を行う必要がな
い。
【0043】また、これに加え、請求項1においては成
分qが揺動検出手段により直接検出される。すなわ
ち、揺動検出手段は、移動体の揺動のうち仰角軸周りの
揺動成分qを検出するものである。従って、その検出
結果を仰角軸の駆動制御に直接使用することができる。
例えば、アンテナの追尾目標たる衛星の無揺動時の仰角
を水平面を基準としてelと表すこととすると、天頂を
基準とした仰角軸周りの制御量θは、 θ=90−el+q と表される。従って、請求項1においては、仰角軸周り
の揺動成分、すなわち一軸のみの成分を検出しこの検出
結果をアンテナの仰角に加減することで揺動補償が可能
となる。
【0044】請求項2においては、請求項1と異なり、
揺動検出手段が方位軸フレームと共に回転するのではな
く補助回転台に固定される。この補助回転台は、方位軸
の回動に同期して同じ角度だけ回動するため、揺動検出
手段の検出動作は請求項1と同様のものになる。この結
果、請求項1と同様の作用が得られ、さらに、揺動検出
手段の別体構成が可能となる。
【0045】請求項3においては、請求項1または2に
係るアンテナがアンテナ素子の縦列配置に係るアレイア
ンテナとして構成される。このような構成のアレイアン
テナにおいては、複数のアンテナ素子が縦列配置される
仰角周りについては、各アンテナ素子の特性が合成され
るため全体としてビーム幅の狭いアンテナパターンが得
られる。逆に、仰角軸と垂直な方向、すなわち仮想XE
L軸周りにおいては、アンテナ素子が一列であるため広
角のビーム幅を有するアンテナパターンが得られる。す
なわち、請求項3により、簡易な構成でファンビーム指
向性を有するアンテナが実現されることになる。
【0046】請求項4においては、請求項1又は2に係
るアンテナがアンテナ素子をN行M列配置したアレイア
ンテナとして構成される。このような構成のアンテナに
おいては、請求項3記載のアンテナと同様の指向性が実
現されるが、ただし、M列配置しているため請求項3よ
り仮想XEL軸周りのビーム幅は狭くなる。請求項4に
おいては、このようなビームを仮想XEL軸周りに連続
的に変化させることで、請求項3と等価なファンビーム
指向性が実現される。すなわち、各列ごとに生成される
受信信号が同相合成され、仮想XEL軸が電子的に実現
される。
【0047】また、請求項5及び7においては、仰角軸
周りの揺動成分qの補償が仰角軸の駆動ではなくアン
テナのビーム傾きの加減により行われる。すなわち、請
求項5及び7において用いられるアンテナは仰角周りの
ビーム傾きが切替可能なアンテナであり、これを切り換
えることにより、アンテナの姿勢を変更することなく揺
動補償が実行される。
【0048】請求項6においては、請求項5における揺
動検出手段が補助回転台に固定される。これにより、請
求項2と同様の作用が得られる。
【0049】請求項においては、仰角軸周りのビーム
切替が可能なアンテナが、移相器を有するアレイアンテ
ナとして実現される。すなわち、アレイアンテナを構成
するN個のアンテナ素子の全てまたは1個を除いた残り
の素子について、移相器が設けられ、この移相器の移相
量の制御によってビーム傾きが切り換えられる。これに
より、仰角軸周りにビーム傾きが切替可能なアンテナが
簡易に実現される。
【0050】請求項においては、揺動検出手段が傾斜
計、角速度センサ及び合成フィルタから構成される。こ
れらのうち、傾斜計により移動体の仰角方向の傾斜角
が、角速度センサにより移動体の仰角周りの角速度が、
それぞれ検出される。従って、移動体の仰角方向の傾斜
角について言えば、傾斜計は伝達関数1であり、角速度
センサは伝達関数sである。但しここでsはラプラス演
算子である。傾斜計の出力及び角速度センサの出力は、
それぞれ合成フィルタを構成する第1または第2のフィ
ルタに入力される。ここで、第2のフィルタは第1のフ
ィルタと相補的な伝達関数を有している。すなわち、傾
斜計及び第1のフィルタの伝達関数と、角速度センサ及
び第2のフィルタの伝達関数と、を加算すると1となる
よう第1及び第2のフィルタの伝達関数が設定されてい
る。従って、第1のフィルタの出力と第2のフィルタの
出力を加算することにより、周波数特性の平坦な揺動成
分qが検出される。これにより、傾斜計と角速度セン
サの双方を併用しつつより正確な仰角軸周りの揺動成分
の検出が行われる。
【0051】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づいて説明する。なお、図18乃至図24に示される
従来例と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略す
る。
【0052】(1)実施例の実体構成 図1には、本発明の一実施例に係る揺動補償型アンテナ
装置の実体構成が示されている。この図は、図22と同
様に断面を概略図示したものであり、第2従来例の構成
に一軸揺動検出器52を付加した構成である。
【0053】一軸揺動検出器52は、この実施例におい
ては方位軸フレーム26上に載置されている。従って、
方位軸34の回動により方位軸フレーム26と共に回転
する。また、後述するように、一軸揺動検出器52は仰
角軸24周りの揺動成分を検出する方向に配置されてお
り、その出力に基づき仰角軸モータ30の制御が行われ
る。
【0054】(2)第1実施例の回路構成 図2には、本発明の第1実施例に係る揺動補償型アンテ
ナ装置の全体回路構成が示されている。この回路は、図
1に示される実体構成により実現可能なものであり、ア
レイアンテナ22、駆動制御部54、方位・仰角入力部
56及びアンテナ出力処理部58から構成されている。
アレイアンテナ22は、図1に示されるように4個のア
ンテナ素子20が縦列配置された構成であり、図23及
び24に示されるようなアンテナパターンを実現するも
のである。駆動制御部54は、アレイアンテナ22を衛
星仰角及び衛星方位に基づき駆動することにより衛星を
追尾させる回路であり、揺動補償機能をも備えている。
また、方位・仰角入力部56は、ジャイロコンパス等か
ら移動体方位(装置が搭載される船舶等の移動体の方
位)を取り込み、衛星の仰角及び相対方位を駆動制御部
54に供給する回路である。アンテナ出力処理部58
は、アレイアンテナ22の出力を取り込み所定の処理を
施してステップトラック角の生成等を行う回路である。
【0055】以下、各部構成及び動作について説明す
る。
【0056】(2.1)アレイアンテナ 図3には、本実施例におけるアレイアンテナ22の回路
構成が示されている。この図に示されるように、アレイ
アンテナ22はアンテナ素子20を4個縦列配置した構
成である。
【0057】一般に、アレイアンテナは、アンテナ素子
が配置されたアンテナ基板及びこのアンテナ基板と誘電
体を介して積層された給電基板を有している。図3にお
けるアンテナ素子20は、実際にはアレイアンテナ22
のアンテナ基板上に電極として形成されるものであり、
各アンテナ素子20に係る結線は給電基板上において行
われる。この実施例におけるアレイアンテナ22は、4
個のアンテナ素子22に加え、合成器60を有してい
る。
【0058】すなわち、この実施例においては、各アン
テナ素子20の出力が合成器60によって合成され、ア
ンテナ出力処理部58に出力される。従って、この実施
例においては、仰角軸24周りに単一のアンテナパター
ン、例えば図21に示されるようなアンテナパターンが
得られる。
【0059】(2.2)駆動制御部 図4には、この実施例における駆動制御部54の構成が
示されている。
【0060】駆動制御部54は、図22に示される仰角
(EL)軸24及びEL軸モータ30を備えている。ま
た、同様に、方位(AZ)軸34及びこれを駆動するA
Z軸モータ40を備えている。言換えれば、駆動制御部
54は、アレイアンテナ22を機械的に駆動する機能を
備えた回路である。
【0061】また、駆動制御部54においては、EL軸
24の角度を検出するEL軸角度検出手段62が設けら
れている。EL軸角度検出手段62は、例えばロータリ
ーエンコーダ等により構成される部材である。同様に、
AZ軸34の角度を検出すべくAZ軸角度検出手段64
が設けられている。
【0062】EL軸角度検出手段62及びAZ軸角度検
出手段64の検出結果は、それぞれEL軸制御回路66
及びAZ軸制御回路68に入力される。EL軸制御回路
66には、EL軸制御用演算手段70が前置されてい
る。EL軸制御用演算手段70は、方位・仰角入力部5
6から追尾対象となる衛星の仰角、すなわち衛星仰角を
取り込み、EL軸モータ30を制御すべくEL軸制御量
を演算する手段である。EL軸制御量演算手段70の演
算結果は、EL軸制御回路66に与えられ、これに基づ
きEL軸制御回路66がEL軸モータ30を制御する。
EL軸モータ30は、これに応じてEL軸24を回転さ
せ、その角度がEL軸角度検出手段62により検出され
フィードバック量としてEL軸制御回路66に与えられ
る。すなわち、EL軸に係るサーボループが形成されて
いる。
【0063】一方、AZ軸制御回路68は、方位・仰角
入力部56から衛星の相対方位を取り込む。AZ軸制御
回路68は、この方位に基づきAZ軸モータ40を制御
し、AZ軸モータ40はこれらに応じてAZ軸34を回
転させる。AZ軸34の角度はAZ軸角度検出手段64
により検出され、フィードバック量としてAZ軸制御回
路68に与えられる。すなわち、AZ軸34についても
サーボループが形成されている。なお、衛星の相対方位
を取り込むのみでよくEL軸制御量演算手段70に対応
する部材を必要としないのは、アレイアンテナ22が図
23に示されるパターンを有することによる。
【0064】さらに、この実施例の駆動制御部54は、
一軸揺動検出器52を備えている。一軸揺動検出器52
は、前述のように方位軸フレーム26上に搭載されてお
り、仰角軸24周りの揺動成分を検出するセンサであ
る。一軸揺動検出器52の出力は、EL軸制御量演算手
段70に与えられ、EL軸制御量演算手段70は前述の
衛星仰角と共に一軸揺動検出器52の出力を用いてEL
軸制御量を演算する。ここに、EL軸制御量の演算式
は、先に述べたように、 θ=90°−el+q1 である。但し、θはEL軸制御量、elは衛星仰角、q
1 は一軸揺動検出器52の検出結果たる仰角軸24周り
の揺動成分である。
【0065】(2.3)一軸揺動検出器 図5には、一軸揺動検出器52の構成が、図6にはその
伝達関数モデルが、それぞれ示されている。
【0066】本実施例における一軸揺動検出器52は、
傾斜計72、角速度検出器74及び合成フィルタ76か
ら構成されている。傾斜計72は、移動体の傾斜を測定
し傾斜信号として合成フィルタ76に出力するセンサで
ある。例えば、レベルセンサ、振り子式傾斜計等を用い
ることができる。
【0067】図7には、いわゆる振り子式傾斜計の一例
構成が示されている。この図に示されるように、振り子
式傾斜計においては、2個の抵抗R及び磁気抵抗素子R
X 及びRY がブリッジ接続されており、支点78により
振り子状に支持されたマグネット80が磁気抵抗素子R
X 及びRY に近接配置されている。この状態で船体が揺
動すると、マグネット80がこれに応じて振れるため、
磁気抵抗素子RX 及びRY の抵抗値が変化する。従っ
て、ブリッジの平衡状態が崩れ、端子AとBの間に出力
電位eが発生する。この出力電位eは、船舶の揺動を表
すものであり、図5における傾斜信号に相当する。
【0068】一方角速度検出器74は、移動体の角速度
を検出するセンサである。角速度検出器74として例え
ばソリッドステートタイプのものを用いることができ、
角速度検出器74の出力たる角速度信号は合成フィルタ
76に与えられる。
【0069】ここで、傾斜計72の角速度検出器74及
び合成フィルタ76の伝達関数は、図6のように表され
る。すなわち、傾斜計72及び角速度検出器74への入
力を所定方向についての移動体の揺動成分であるとすれ
ば、傾斜計72の伝達関数は1、角速度検出器74の伝
達関数はsとなる。従って、両者を併用して移動体の揺
動成分を検出しようとする場合、単に加算しただけでは
移動体の揺動成分(揺動検出角)を得ることができな
い。従って、これに対応すべく、合成フィルタ76は、
伝達関数ωa /(s+ωa )を有するフィルタA82
と、伝達関数1/(s+ωa )を有するフィルタB84
と、両フィルタA82及びB84の出力を加算する加算
器86と、を含んでいる。但し、ωa は遮断角周波数で
ある。
【0070】従って、傾斜計72とフィルタA82の合
計伝達関数はωa /(s+ωa )となり、角速度検出器
74とフィルタB84の合計伝達関数はs/(s+
ωa )となる。これによって、加算器86出力段から見
た伝達関数は、ωa /(s+ωa )+s/(s+ωa
=1となる。言換えれば、傾斜計72及びフィルタA8
2に係る伝達関数と、角速度検出器74及びフィルタB
84に係る伝達関数と、は互いに相補的である。
【0071】なお、図6においては伝達関数をアナログ
的に表示しているが、これはディジタル的に実現しても
かまわない。すなわち、フィルタA82及びフィルタB
84はディジタルフィルタであっても良い。但し、この
場合には傾斜計72及び角速度検出器74からの出力が
ディジタル信号としてまたはディジタル信号に変換され
て合成フィルタ76に入力される必要がある。
【0072】(2.4)方位・仰角入力部 図8には、本実施例における方位・仰角入力部56の構
成が示されている。
【0073】この図に示されるように、方位・仰角入力
部56は衛星方位仰角入力手段88を備えている。衛星
方位仰角入力手段88は、例えばGPS等の航法装置か
ら衛星の方位及び仰角に係る情報を入力する手段であ
る。衛星方位仰角入力手段88により取り込まれる衛星
方位はいわゆる絶対方位、すなわち地球の経線を基準と
した方位である。一方で、駆動制御部54に供給すべき
方位は衛星の相対方位であるため、本実施例の方位・仰
角入力部56においては絶対方位を相対方位に加算する
動作が実行される。
【0074】このような動作を実行すべく、方位・仰角
入力部56は、ジャイロコンパス等の装置から移動体方
位入力を取り込む。この移動体方位入力は、装置の搭載
に係る船舶等の移動体の方位変化を示す情報であり、こ
れを経線を基準として逐次累積加算することにより現在
の移動体方位が得られる。このような加算を実行するた
め、現在の移動体方位を格納する移動体方位レジスタ9
0と、移動体方位レジスタ90の前段に配置され逐次移
動体方位レジスタ90の出力を移動体方位入力と加算す
る加算器92と、が設けられている。
【0075】移動体方位レジスタ90に格納された移動
体方位は、衛星方位仰角入力手段88によって入力され
る衛星の絶対方位から減算される。この減算処理を実行
すべく移動体方位レジスタ90の後段には加算器94が
設けられいる。そして、衛星方位仰角入力手段88によ
って入力される衛星仰角を一時格納すべく衛星仰角レジ
スタ96が設けられ、加算器94によって求められる衛
星の相対方位を一時格納すべく衛星方位レジスタ98が
設けられている。
【0076】衛星仰角レジスタ96及び衛星方位レジス
タ98にそれぞれ格納される衛星仰角及び衛星の相対方
位は、駆動制御部54に供給され、これに応じアレイア
ンテナ22による衛星の追尾が実行される。
【0077】なお、衛星仰角レジスタ96及び移動体方
位レジスタ92については、いわゆるステップトラック
制御が実行される。ステップトラック制御は後述するア
ンテナ出力処理部58からのステップトラック角により
行われるものである。
【0078】(2.5)アンテナ出力処理部 図9には、方位・仰角入力部56におけるステップトラ
ック制御を実行するためのアンテナ出力処理部58の構
成が示されている。アンテナ出力処理部58は、アレイ
アンテナ22に係る無線機の一部を構成する回路であ
る。すなわち、本実施例に係る揺動補償型アンテナ装置
は、移動体等の船舶において、衛星通信に係る電波の送
受信、または衛星放送に係る電波の受信に用いられる。
このため、当該揺動補償型アンテナ装置は、受信及び必
要な場合には送信に係る回路と接続されあるいは一体に
構成されている。図9に示される回路は、衛星通信に係
る送受信装置または衛星放送に係る受信装置の一部、特
に方位誤差の検出に関連する構成のみを示したものであ
る。
【0079】図9に示されるアンテナ出力処理部58
は、受信機100、受信レベル信号発生手段102及び
ステップトラック制御回路104から構成されている。
受信機100は、アレイアンテナ22からの出力を取り
込む装置である。受信機100は、例えばLNA等の構
成を含んでおり、その少なくとも一部構成はアレイアン
テナ22のアンテナ基板背面に配置されている。通常、
アンテナ出力は微小レベルの信号であるためこれを取り
出すためには所定のレベルまで増幅してやる必要があ
る。このために、少なくともLNAを含む受信機フロン
トエンドがアレイアンテナ22に近接した位置に配置さ
れる。なお、本実施例はいわゆるRF伝送、IF伝送の
いずれについても適用できるものである。
【0080】受信レベル信号発生手段102は、受信機
100の出力に応じて受信レベル信号を発生させる手段
である。受信機100の出力は、いわゆる搬送波対雑音
電力比C/N0を表す出力である。受信機100は、ア
ンテナ出力をより低い周波数に変換し、いわゆるIF信
号として受信信号レベル信号発生手段102に供給し、
受信レベル信号発生手段102はこのIF信号を取り込
んで、IF信号に含まれるキャリアのレベル等から搬送
波対雑音電力比C/N0を推定する。受信レベル信号発
生手段102は、推定したC/N0に対して単調増加と
なるような値の受信レベル信号を生成する。生成された
受信レベル信号は、ステップトラック制御回路104に
入力される。
【0081】ステップトラック制御回路104は、受信
レベル信号発生手段102によって生成される受信レベ
ル信号に基づき仰角及び方位に係るステップトラック角
を生成する。すなわち、ステップトラック制御回路10
4から出力されるステップトラック角は、前述の衛星仰
角レジスタ96及び移動体方位レジスタ90にそれぞれ
供給される。ステップトラック角がこれらのレジスタ9
6及び90に与えられるとその内容が微調整される。
【0082】言換えれば、ステップトラック角は、衛星
仰角レジスタ96及び移動体方位レジスタ90の内容を
受信レベル信号の値に応じて微調整するものである。従
って、ステップトラック角の大きさは所定の微小角度で
あり、その符号は、受信レベル信号の値がより大となる
ような符号に設定される。なお、このステップトラック
制御回路104の具体的な構成については、例えば特願
平2−175014号、特願平2−240413号等の
本願出願人先提案に基本的に開示済みであるので、ここ
では省略する。
【0083】(2.6)第1実施例の動作 次に、本実施例に係る揺動補償型アンテナ装置の全体動
作について説明する。本実施例においては、まず、衛星
方位仰角手段88により衛星の仰角及び絶対方位が取り
込まれる。取り込まれた衛星仰角は、衛星仰角レジスタ
96に取り込まれ、必要に応じてステップトラック制御
を受けつつさらに駆動制御部54のEL軸制御量演算手
段70に供給される。一方、衛星の絶対方位は、移動体
方位レジスタ90の後段に配置された加算器94に供給
される。加算器94には、ジャイロコンパス等により得
られる移動体方位入力を積分した値、すなわち移動体方
位が供給されており、衛星の絶対方位から移動体方位が
減算され衛星の相対方位が求められる。この方位は、衛
星方位レジスタ98に格納され、さらに駆動制御部54
のAZ軸制御回路68に供給される。なお、移動体方位
レジスタ90についても必要に応じてステップトラック
が施される。
【0084】さらに、駆動制御部54においては、方位
・仰角入力部56から供給される衛星仰角及び相対方位
に応じてEL軸モータ30及びAZ軸モータ40が制御
され、EL軸24及びAZ軸34が回動される。すなわ
ち、アレイアンテナ22に係る機械軸が駆動される。こ
の駆動により、アレイアンテナ22の姿勢は、追尾目標
たる衛星を捕捉できる姿勢となる。なお、アレイアンテ
ナ22の出力によりアンテナ出力処理部58のステップ
トラック制御回路104においてステップトラック角が
生成され方位・仰角入力部56に与えられる。
【0085】このような追尾制御を行っている際に搭載
に係る船舶に揺動が生じた場合、本実施例においては、
一軸揺動検出器52により当該揺動のうちEL軸24周
りの成分が検出される。この検出結果は、先に述べたよ
うに相補的な伝達関数を実現する合成フイルタによって
得られるものであり、一定の正確性が担保されたもので
ある。一軸揺動検出器52の出力は、EL軸制御量演算
手段70に与えられ、衛星仰角に係る減算により、EL
軸制御量が演算されることになる。言換えれば、一軸揺
動検出器52の出力に係る減算を行うのみで、当該揺動
成分を補うようEL24が回動されることになる。
【0086】従って、本実施例においては、従来に比べ
極めて簡易な演算アルゴリズムで移動体の揺動補償を実
行することができる。これは、アレイアンテナ22によ
りいわゆるファンビーム指向性が実現されており、か
つ、方位軸フレーム26上に一軸揺動検出器52がEL
軸24周りの揺動手段を検出するよう載置されているこ
とによる。また、この実施例における揺動検出手段が一
軸揺動検出器52として、すなわちEL軸24周りの揺
動成分のみを検出するように構成されているため、例え
ば図20に示される姿勢センサ18のように2以上の方
向について駆動成分の検出を行う必要がなく、約1/2
のコストにより実現される安価な揺動検出手段により前
述の効果が実現されることになる。さらに、アンテナ素
子20の個数を適当に、例えば4〜5個に設定すること
で、海面反射の影響を軽減できる。
【0087】(3)第2実施例 図10には、本発明の第2実施例に係る揺動補償型アン
テナ装置の構成が示されている。この図に示される回路
は、例えば図2に示される第1実施例の回路構成に比
べ、駆動制御部54がアレイアンテナ22に移相器制御
信号を出力する点で異なる。この移相器制御信号は、ア
レイアンテナ22における移相量を制御する信号であ
る。
【0088】図11には、本実施例におけるアレイアン
テナ22の構成が示されている。この図に示されるアレ
イアンテナ22は、3個のアンテナ素子20が縦列配置
された構成であり、かつ、上端及び下端のアンテナ素子
20について移相器106−1及び106−3が設けら
れた構成である。
【0089】すなわち、この実施例においては、移相器
106−1及び106−3の移相量の制御によって、ア
レイアンテナ22のアンテナパターンをEL軸24周り
に切り替えることができる。このようなビームの切替を
可能にするため、移相器106−1及び106−3を駆
動する移相器駆動回路108が設けられている。
【0090】移相器駆動回路108は、後述するように
駆動制御部54から供給される移相器制御信号に応じて
移相器106−1及び106−3の制御を実行する。具
体的には、移相器106−1及び106−3のビット数
に応じてディジタル信号を供給する。移相器106−1
及び106−3の出力は、中央のアンテナ素子20の出
力と合成器60において合成されアンテナ出力処理部5
8に出力されるが、このとき移相器駆動回路108によ
り移相器106−1及び106−3が制御されると、例
えば図12に示されるようにアレイアンテナ22のEL
軸24周りのアンテナパターンが切り替えられる。な
お、この実施例においては、移相器106−1及び10
6−3に係るビット数が2ビットであり、アンテナパタ
ーンが3種類切り替えられるものとしている。このよう
な切替は、EL軸24周りにおいて行われることから、
補助EL軸と呼ぶことができる。すなわち、実際のEL
軸24はEL軸モータ30によって回転駆動される機械
的なものであり、移相器106−1及び106−3の制
御によるビームの切替はこれを補助するものであるとい
うことができる。この実施例においては、専ら、この補
助EL軸によって揺動補償を実行している。
【0091】図13には、アレイアンテナ22の移相器
駆動回路108に移相器制御信号を供給する駆動制御部
54の構成が示されている。
【0092】この実施例に係る駆動制御部54は、前述
の第1実施例における駆動制御部54と異なり、一軸揺
動検出器52の出力がEL軸制御回路66に与えられる
のではなく、移相器制御量演算手段110に与えられ
る。移相器制御量演算手段110は、一軸揺動検出器5
2の出力に応じ、移動体の揺動のうちEL軸24周りの
成分を補償すべく移相器制御信号を生成し移相器駆動回
路108に供給する。すなわち、この実施例において
は、AZ軸34及びEL軸24は、アレイアンテナ24
を追尾のために駆動するのみであり、揺動補償は専ら移
相器制御量演算手段110の出力である移相器制御信号
によって行われている。
【0093】従って、この実施例においても、先に説明
した第1実施例と同様の効果を得ることができる。加え
て、移動体の揺動補償を移相制御のみによって実現可能
なため、AZ軸34、EL軸24の制御に係るサーボル
ープを比較的低速なものとすることができる。これは、
衛星仰角の変化や衛星の相対方位の変化が船舶の方位
(移動体方位)の変化、移動等によって生ずるものであ
り、揺動よりも低速であることによる。これにより、駆
動制御部54の構成を安価なものとしつつ、かつ、揺動
に対するレスポンスを比較的高速に保つことができる。
【0094】(4)第3実施例 図14には、本発明の第3実施例に係る揺動補償型アン
テナ装置の構成、特に補助回転台の構成が示されてい
る。
【0095】この実施例の実体構成及び全体回路構成
は、例えば図2に示される第1実施例の構成または図1
0に示される第2実施例の構成のいずれであっても良
い。この実施例が特徴とする点は、一軸揺動検出器52
が方位軸フレーム26上に載置されるのではなく、補助
回転台上に配置されることにある。
【0096】図14に示される補助回転台は、モータ1
12及び回転台114を備えている。モータ112は、
回転台114を方位軸34に同期して同じ角度で回転さ
せるモータである。一軸揺動検出器52は、回転台11
4上に固定されている。
【0097】このようにすると、一軸揺動検出器52を
レドーム50内に配置する必要がない。例えば、船室内
に別体配置することが可能となる。このようにすると、
一軸揺動検出器52をより穏やかな環境条件(温度、振
動条件等)の下に設置することができ、かつ、レドーム
50を小型化することができる。
【0098】(5)第4実施例 図15には、本発明の第4実施例に係る揺動補償型アン
テナ装置の構成、特にその方位・仰角入力部56の構成
が示されている。本実施例の実体構成は、例えは図1に
示されるように一軸揺動検出器52を方位軸フレーム2
6上に載置する構成であっても良く、また図14に示さ
れるように回転体114上に載置する構成であっても良
い。また、揺動補償がEL軸24について行われてもま
た補助EL軸について行われていてもかまわない。この
実施例が特徴とする点は、方位・仰角入力部56として
いわゆる相対方位に係る構成を採用した点にある。
【0099】すなわち、図15に示されるように、本実
施例は衛星方位仰角入力手段88に代え探索制御手段1
16を有している。探索制御手段116は、電源投入、
サーチ指令等に応じていわゆる探索動作を実行する。な
お、この探索制御手段116の構成は、例えば本願出願
人の先提案に係る特願平2−240413号に示されて
いる方位探索制御回路の構成を応用したものである。こ
の実施例においては、探索制御手段116の出力が衛星
仰角レジスタ96及び衛星方位レジスタ98に入力さ
れ、衛星仰角及び衛星の相対方位の両者について探索制
御が実行される。衛星の相対方位について探索制御が実
行されることにより、第1実施例のように衛星の絶対方
位から移動体方位を減算して衛星の相対方位を求める必
要がなくなるため、この実施例においては移動体方位レ
ジスタ90及び加算器94が廃止され、かつ、加算器9
2は移動体方位レジスタ98の内容を逐次加算更新する
よう設けられている。ステップトラック制御は、衛星仰
角レジスタ96及び衛星方位レジスタ98について行わ
れる。
【0100】図16には、図15に示される方位・仰角
入力部において探索制御を実行するためキャリア検出信
号(CD)を生成する機能を設けたアンテナ出力処理部
58の構成が示されている。すなわち、この実施例のア
ンテナ出力処理部58においては、受信機100から出
力されるIF信号を取り込みキャリアを検出してCDを
出力する復調器118が設けられている。復調器118
から出力されるCDは、所望の信号が一定のレベル以上
で受信できているかどうかを表す信号であり、探索制御
手段116はこれに応じて探索制御を実行する。なお、
復調器118におけるキャリア検出動作も、一般の復調
器における基本動作の1つであり、例えばPLLによる
方法などで実現される。
【0101】従って、本実施例においても、前述の第1
乃至第3実施例と同様の効果を得ることができる。
【0102】(6)第5実施例 以上の説明においては、アレイアンテナ22が、EL軸
24周りに3〜4個のアンテナ素子20を配置した構成
のものであった。しかし、本発明はこのような配置に限
定されるものではない。例えば、1列ではなく2列にア
ンテナ素子20を配置しても良い。ただし、この場合に
は、仮想XEL軸周りのビーム幅が一列の場合に比べ狭
くなるため、揺動がある程度影響しやすくなる。しか
し、反面、アンテナ素子20の個数を同一とし従って合
成利得を同程度とした場合と比較すると、アレイアンテ
ナ22がより低背となる。従って、補償すべき揺動成分
の大きさが小さい船舶、例えば内水路用の船舶や大型船
舶等について、かかる構成が有効なものであると言え
る。
【0103】図17には、本発明の一実施例に係る揺動
補償型アンテナ装置の実体構成が概略図示されている。
この図に示される装置におけるアレイアンテナ22は、
アンテナ素子20を4行2列に配置した構成である。
【0104】また、図18及び図19には、このような
実体構成による本発明の第5実施例の回路構成が示され
ている。特に、図18にはアレイアンテナ22の回路構
成が、図19には同相合成回路の一例構成が、それぞれ
示されている。
【0105】この実施例は、ほぼ第1実施例と同様の回
路構成を有しているが、アレイアンテナ22として図1
7のような4行2列素子配置の構成を使用するため、当
該アレイアンテナ22の出力処理に係る構成が異なる。
これは、具体的には、2列配置の構成とした結果仮想X
EL軸周りのビーム幅が狭くなっても、これにかかわら
ず、等価的に1列配置の場合と同様のファンビーム指向
性を実現するためである。
【0106】図18に示されるように、この実施例のア
レイアンテナ22は、アンテナ素子20の各列ごとに合
成器60を有しており、各合成器60の出力(アンテナ
出力A及びB)を取り込み増幅等の処理を行って出力す
る2個の受信機フロントエンド120を有している。受
信機フロントエンド120は、LNA等を含み、アンテ
ナ22近傍に配置され、受信機100の一部機能を分離
分担する。さらに、アレイアンテナ22は、各受信機フ
ロントエンド120の出力を取り込み所定の中間周波数
(IF)に変換する周波数変換器122と、周波数変換
器122から出力されるIF信号A及びBを同相合成し
て受信機100に供給する同相合成回路124と、を有
している。
【0107】すなわち、この実施例においては、各列の
受信出力がIF信号に変換された後、各列に係るIF信
号AとBとが同相に調整され合成される。従って、受信
時において、利得が向上する。例えば、6個のアンテナ
素子20を1列配置した場合に比べ、8個のアンテナ素
子20を2列配置した場合、アンテナ素子20個数の増
加により合成利得が増大する。また、仰角回りに並ぶア
ンテナ素子20の個数が6個から4個に低減して装置が
低背・小型化する。列当りのアンテナ素子20個数を同
一とした場合、2列配置では1列配置に比べ、受信利得
が最大3dBの増加となる。
【0108】このような効果を実現するために、同相合
成回路124は、例えば図19に示されるような構成と
なる。この図に示される同相合成回路124は、IF信
号A及びBにそれぞれ対応して設けられたミキサ126
及び128と、ミキサ126及び128の出力を合成し
てIF信号として出力する合成器130と、を有してい
る。ミキサ128には所定周波数・所定位相の信号を供
給する局部発振器132が接続されている。また、ミキ
サ126の出力位相とIF信号Bの位相を比較し位相差
を表す信号を出力する位相比較器134と、位相比較器
134の出力のうち位相差を表す信号を取り出すループ
フィルタ136と、ループフィルタ136の出力信号値
(電圧)に応じて発振位相が制御され局部発振器132
と同一周波数で発振する電圧制御局部発振器(VCO)
138と、を有している。ミキサ126とVCO138
はIF信号Aについての移相器140を構成する。
【0109】すなわち、IF信号A及びBは、それぞれ
ミキサ126又は128において局部発振器132又は
VCO138の発振出力と合成され、合成器130にお
いて合成出力される。ここに、局部発振器132の発振
出力とVCO138の発振出力は、周波数は同一である
が、位相については、前者が固定であるのに対し後者が
可変である。VCO138の出力位相は、ミキサ126
の出力位相がミキサ128の出力位相と同一となるよ
う、位相比較の結果に応じて調整される。
【0110】従って、この実施例によれば、受信時にお
いて同相合成により仮想XEL軸周りで衛星を電子的に
追尾することができ、仮想XEL軸周りのビーム幅が狭
いにもかかわらず、1列素子配置の場合と同様のファン
ビーム指向性を等価的に実現できる。追尾範囲は、アン
テナ素子20単独でのビーム幅、C/N0、同相合成回
路124の性能等で定まる。なお、位相比較を行う必要
があるところから、かかる効果は受信時においてのみ期
待できる。
【0111】(7)その他 また、以上の説明においては、AZ軸34とレドーム5
0とを別体に構成している。しかし、これは一体に構成
しても同様の効果を得ることができる。AZ軸34とレ
ドーム50とを一体構成した装置としては、本願出願人
が先に提案した特願平3−040297号の装置があ
る。言換えれば、この先提案に係る装置の方位軸構造を
本発明の装置に応用することができる。この場合、レド
ーム50の小型化が可能になる。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、ファンビーム指向性を有するアンテナを2個
の機械軸にて回動可能に支持し、方位軸フレームに仰角
軸周りの揺動成分を検出する揺動検出手段を固定する構
成としたため、簡易な制御アルゴリズムで揺動補償を実
行することができ、揺動検出手段の構成をより簡易なも
のとすることができ、安価かつ小型な揺動補償型アンテ
ナ装置を実現することができる。
【0113】また、請求項2によれば、揺動検出手段を
補助回転台に固定するようにしたため、揺動検出手段の
別体配置が可能となり、より降雨等に強い装置が実現で
きる。 請求項3によれば、ファンビーム指向性がアレ
イアンテナにより簡易かつ小型の構成で実現できる。
【0114】また、請求項4によれば、ファンビーム指
向性がアレイアンテナにより簡易かつ小型に実現でき
る。加えて、アンテナ素子がM列配置されているため、
アンテナをより低背の形状とすることができる。M列配
置により仮想XEL軸周りのビーム幅が狭くなるが、同
相合成により請求項3とほぼ等価なファンビーム指向性
が得られる。
【0115】請求項5及び7によれば、揺動検出手段を
方位軸フレームに固定し、揺動検出手段により検出され
る仰角軸周りの揺動成分をアンテナの仰角のビーム切替
によって補償するようにしたため、請求項1と同様の効
果が得られると共に、機械軸の動作をより低速のものと
することができ、装置構成の簡素化、安価化がより顕著
に実現される。
【0116】請求項6によれば、揺動検出手段を補助回
転台に固定するようにしたため、請求項5において得ら
れる効果に加え請求項2における効果をも得ることがで
きる。請求項によれば、ファンビーム指向性を有し、
かつ仰角周りのビーム傾きが切替可能なアンテナをアレ
イアンテナにより実現すことができるため、装置構成を
小型にしかつ安価にすることができる。
【0117】請求項によれば、相補的な伝達関数を実
現しつつ傾斜計及び角速度検出器の双方を用いて揺動成
分の検出を行うようにしたため、簡易な構成でより正確
な揺動検出を行うことができ、装置構成の小型、安価化
がより顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る揺動補償型アンテナ装
置の実体構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る揺動補償型アンテナ
装置の全体回路構成を示すブロック図でる。
【図3】第1実施例におけるアレイアンテナの構成を示
す図である。
【図4】第1実施例における駆動制御部の構成を示すブ
ロック図である。
【図5】第1実施例における一軸揺動検出器の構成を示
すブロック図である。
【図6】図5に示される一軸揺動検出器の伝達関数モデ
ルを示す図である。
【図7】図5に示される一軸揺動検出器における傾斜計
の構成を示す回路図である。
【図8】第1実施例における方位・仰角入力部の構成を
示すブロック図である。
【図9】第1実施例におけるアンテナ出力処理部の構成
を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2実施例に係る揺動補償型アンテ
ナ装置の全体回路構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施例におけるアレイアンテナの構成を
示す図である。
【図12】図11に示されるアレイアンテナにより得ら
れる補助EL軸周りのアンテナパターンを示す図であ
る。
【図13】第2実施例における駆動制御部の構成を示す
ブロック図である。
【図14】第3実施例における補助回転体の構成を示す
側面図である。
【図15】第4実施例における方位・仰角入力部の構成
を示すブロック図である。
【図16】第4実施例におけるアンテナ出力処理部の構
成を示すブロック図である。
【図17】本発明の一実施例に係る揺動補償型アンテナ
装置の実体構成を示す概略断面図である。
【図18】第5実施例におけるアレイアンテナの構成を
示す図である。
【図19】第5実施例における同相合成回路の構成を示
すブロック図である。
【図20】第1従来例に係る揺動補償型アンテナ装置の
構成を示す斜視図である。
【図21】EL軸及びXEL軸を有する揺動補償型アン
テナ装置における揺動補償原理を示す座標関係図であ
る。
【図22】第2従来例に係る揺動補償型アンテナ装置の
実体構成を示す概略断面図である。
【図23】ファンビーム指向性を有するアレイアンテナ
における仮想XEL軸周りのアンテナパターンを示す図
である。
【図24】ファンビーム指向性を有するアレイアンテナ
におけるEL軸周りのアンテナパターンを示す図であ
る。
【符号の説明】
20 アンテナ素子 22 アレイアンテナ 24 仰角軸(EL軸) 26 方位軸フレーム 30 仰角軸モータ(EL軸モータ) 34 方位軸(AZ軸) 40 方位軸モータ(AZ軸モータ) 52 一軸揺動検出器 54 駆動制御部 56 方位・仰角入力部 58 アンテナ出力処理部 70 EL軸制御量演算手段 72 傾斜計 74 角度検出器 76 合成フィルタ 82 フィルタA 84 フィルタB 86 加算器 106−1,106−2 移相器 108 移相器駆動回路 110 移相器制御量演算手段 112 モータ 114 回転台 120 受信機フロントエンド 124 同相合成回路 130 合成器 132 局部発振器 134 位相比較器 138 電圧制御局部発振器(VCO) S 衛星 r ロール p ピッチ u 揺動角 q1 揺動角の仰角成分(EL軸周りの揺動成分)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方位周りには広く仰角周りには狭いビー
    ム幅となるファンビーム指向性を有するアンテナと、ア
    ンテナを仰角方向に回動可能に支持する仰角軸と、仰角
    軸を回動可能に保持する方位軸フレームと、方位軸フレ
    ームを回動可能に支持する方位軸と、アンテナを仰角軸
    周りに回動させる仰角軸駆動手段と、方位軸フレームを
    回動させることによりアンテナを方位軸周りに回動させ
    る方位軸駆動手段と、アンテナが搭載される船舶等の移
    動体の揺動を検出する揺動検出手段と、追尾対象たる衛
    星との送信及び/又は受信に係る電波がアンテナにより
    捕捉されるよう方位軸駆動手段及び仰角軸駆動手段を制
    御し、かつ、検出される揺動を補償するよう仰角軸駆動
    手段を制御する制御手段と、を有する揺動補償型アンテ
    ナ装置において、 揺動検出手段が、方位軸と共に回転するように設置さ
    れ、かつ、移動体の揺動のうち仰角軸周りの揺動成分を
    検出し、 制御手段が、仰角軸周りの揺動成分をアンテナの仰角に
    加減することにより揺動補償制御を行うことを特徴とす
    る揺動補償型アンテナ装置。
  2. 【請求項2】 方位周りには広く仰角周りには狭いビー
    ム幅となるファンビーム指向性を有するアンテナと、ア
    ンテナを仰角方向に回動可能に支持する仰角軸と、仰角
    軸を回動可能に保持する方位軸フレームと、方位軸フレ
    ームを回動可能に支持する方位軸と、アンテナを仰角軸
    周りに回動させる仰角軸駆動手段と、方位軸フレームを
    回動させることによりアンテナを方位軸周りに回動させ
    る方位軸駆動手段と、アンテナが搭載される船舶等の移
    動体の揺動を検出する揺動検出手段と、追尾対象たる衛
    星との送信及び/又は受信に係る電波がアンテナにより
    捕捉されるよう方位軸駆動手段及び仰角軸駆動手段を制
    御し、かつ、検出される揺動を補償するよう仰角軸駆動
    手段を制御する制御手段と、を有する揺動補償型アンテ
    ナ装置において、 方位軸の回動に同期して同じ角度だけ回動する補助回転
    台を備え、 揺動検出手段が、補助回転台に固定され、かつ、移動体
    の揺動のうち仰角軸周りの揺動成分を検出し、 制御手段が、仰角軸周りの揺動成分をアンテナの仰角に
    加減することにより揺動補償制御を行うことを特徴とす
    る揺動補償型アンテナ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の揺動補償型アンテ
    ナ装置において、 アンテナが、仰角軸周りにアンテナ素子が並ぶようN
    (N:2以上の自然数)個のアンテナ素子が縦列配置さ
    れたアレイアンテナであることを特徴とする揺動補償型
    アンテナ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の揺動補償型アンテ
    ナ装置において、 アンテナが、仰角軸周りの方向を列として、N行M列
    (N,M:2以上の自然数)にアンテナ素子が配列され
    たアレイアンテナであり、 アレイアンテナの各列ごとに設けられ対応する列に属す
    るアンテナ素子の合成出力を信号出力する受信機フロン
    トエンドと、 各受信機フロントエンドから出力される信号を同相合成
    する同相合成回路と、 を備え、 仰角軸と垂直な軸周りにアンテナの指向性を連続的に変
    化させることを特徴とする揺動補償型アンテナ装置。
  5. 【請求項5】 方位周りには広く仰角周りには狭いビー
    ム幅となるファンビーム指向性を有し仰角周りのビーム
    傾きが切り替え可能なアンテナと、アンテナを仰角方向
    に回動可能に支持する仰角軸と、仰角軸を回動可能に保
    持する方位軸フレームと、方位軸フレームを回動可能に
    支持する方位軸と、アンテナを仰角軸周りに回動させる
    仰角軸駆動手段と、方位軸フレームを回動させることに
    よりアンテナを方位軸周りに回動させる方位軸駆動手段
    と、アンテナカ搭載される船舶等の移動体の揺動を検出
    する揺動検出手段と、追尾対象たる衛星との送信及び/
    又は受信に係る電波がアンテナにより捕捉されるよう方
    位軸駆動手段及び仰角軸駆動手段を制御し、かつ、検出
    される揺動を補償するようアンテナのビーム傾きを切り
    替える制御手段と、を有する揺動補償型アンテナ装置に
    おいて、 揺動検出手段が、方位軸と共に回転するように設置さ
    れ、かつ、移動体の揺動のうち仰角軸周りの揺動成分を
    検出し、 制御手段が、仰角軸周りの揺動成分を補償するようアン
    テナの仰角周りのビーム傾きを加減することを特徴とす
    る揺動補償型アンテナ装置。
  6. 【請求項6】 方位周りには広く仰角周りには狭いビー
    ム幅となるファンビーム指向性を有し仰角周りのビーム
    傾きが切り替え可能なアンテナと、アンテナを仰角方向
    に回動可能に支持する仰角軸と、仰角軸を回動可能に保
    持する方位軸フレームと、方位軸フレームを回動可能に
    支持する方位軸と、アンテナを仰角軸周りに回動させる
    仰角軸駆動手段と、方位軸フレームを回動させることに
    よりアンテナを方位軸周りに回動させる方位軸駆動手段
    と、アンテナが搭載される船舶等の移動体の揺動を検出
    する揺動検出手段と、追尾対象たる衛星との送信及び/
    又は受信に係る電波がアンテナにより捕捉されるよう方
    位軸駆動手段及び仰角軸駆動手段を制御し、かつ、検出
    される揺動を補償するようアンテナのビーム傾きを切り
    替える制御手段と、を有する揺動補償型アンテナ装置に
    おいて、 方位軸の回動に同期して同じ角度だけ回動する補助回転
    台を備え、 揺動検出手段が、補助回転台に固定され、かつ、移動体
    の揺動のうち仰角軸周りの揺動成分を検出し、 制御手段が、仰角軸周りの揺動成分を補償するようアン
    テナの仰角周りのビーム傾きを加減することを特徴とす
    る揺動補償型アンテナ装置。
  7. 【請求項7】 方位周りには広く仰角周りには狭いビー
    ム幅となるファンビーム指向性を有し仰角周りのビーム
    傾きが切り替え可能なアンテナと、アンテナを仰角方向
    に回動可能に支持する仰角軸と、仰角軸を回動可能に保
    持する方位軸フレームと、方位軸フレームを回動可能に
    支持する方位軸と、方位軸フレームを回動させることに
    よりアンテナを方位軸周りに回動させる方位軸駆動手段
    と、アンテナが搭載される船舶等の移動体の揺動を検出
    する揺動検出手段と、追尾対象たる衛星との送信及び/
    又は受信に係る電波がアンテナにより捕捉されるよう方
    位軸駆動手段を制御し、かつ、検出される揺動を補償す
    るようアンテナのビーム傾きを切り替える制御手段と、
    を有する揺動補償型アンテナ装置において、 揺動検出手段が、方位軸と共に回転するように設置さ
    れ、かつ、移動体の揺動のうち仰角軸周りの揺動成分を
    検出し、 制御手段が、仰角軸周りの揺動成分を補償するようアン
    テナの仰角周りのビーム傾きを加減することを特徴とす
    る揺動補償型アンテナ装置。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至7記載の揺動補償型アンテ
    ナ装置において、 アンテナが、仰角軸周りに並ぶよう縦列配置されたN
    (N:2以上の自然数) 個のアンテナ素子と、N個のア
    ンテナ素子のうちN個又はN−1個のアンテナ素子に係
    る送信及び/又は受信信号を移相させるN個又はN−1
    個の移相器と、実現すべき仰角周りのビーム傾きを示す
    移相器駆動信号に応じて移相器の移相量を制御する移相
    器駆動回路と、を備え、 制御手段が、仰角軸周りの揺動成分の値に応じて移相器
    駆動信号を移相器駆動回路に供給することを特徴とする
    揺動補償型アンテナ装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8記載の揺動補償型アンテ
    ナ装置において、 揺動検出手段が、移動体の仰角方向の傾斜角を検出する
    傾斜計と、移動体の仰角周りの角速度を検出する角速度
    検出器と、傾斜計の出力と角速度検出器の出力を合成し
    仰角軸周りの揺動成分として出力する合成フィルタと、
    を含み、 合成フィルタが、傾斜計の出力を濾波する第1のフィル
    タと、角速度検出器の出力を瀘波するよう第1のフィル
    タと相補的な伝達関数を有する第2のフィルタと、第1
    のフィルタの出力と第2のフィルタの出力を加算する加
    算器と、を含むことを特徴とする揺動補償型アンテナ装
    置。
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