JP2546547B2 - 加熱型酸素センサにおけるヒータ電圧制御方法 - Google Patents

加熱型酸素センサにおけるヒータ電圧制御方法

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JP2546547B2 JP3013742A JP1374291A JP2546547B2 JP 2546547 B2 JP2546547 B2 JP 2546547B2 JP 3013742 A JP3013742 A JP 3013742A JP 1374291 A JP1374291 A JP 1374291A JP 2546547 B2 JP2546547 B2 JP 2546547B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車用エンジンや各種工業炉
の燃焼制御系等において用いられる加熱型酸素センサに
おけるヒータ電圧制御方法に係り、更に詳しくはセンサ
検知部の温度を安定に保ち、それによって測定精度を有
利に向上せしめ得る技術に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、自動車用内燃機関の排気ガス中
の酸素濃度や、工業炉、ボイラー炉等から排出される燃
焼排ガス中の酸素濃度を検知する酸素センサとして、酸
素イオン伝導性の固体電解質体を用いた酸素濃淡電池型
や限界電流型、或いは表面へのガスの吸着によって抵抗
値が変化するチタニア等を用いた酸化物半導体型のもの
等が知られている。
【0003】ところで、このような酸素センサを、被測
定ガスの温度が比較的低い場合にも有効に作動させるた
めには、その少なくとも酸素濃度を検知する検知部を、
適当なヒータ手段(発熱体)によって所定の高温度に加
熱、保持する必要があるが、特開昭55−140145
号公報等に開示されている如き、従来のヒータ手段を備
えた加熱型酸素センサにあっては、ヒータ手段の発熱量
が特に制御されていないために、被測定ガスの温度変化
等の使用環境変化によって、その検知部の温度が変化し
てしまい、正確な測定が望めないという問題を内在して
いた。
【0004】そこで、このような問題に鑑み、本願出願
人は、先に、特願昭62−112727号において、セ
ンサの検知部を加熱するヒータ手段として、外部からの
給電によって発熱する発熱体を用いると共に、かかるヒ
ータ手段における電気抵抗値を実測し、該ヒータ手段に
対して給電するヒータ電圧を、その電気抵抗値に基づく
測定信号と予め設定された基準値との差が一定となるよ
うに制御せしめるようにした加熱型酸素センサを提案し
た。即ち、かかる構造の加熱型酸素センサは、ヒータ手
段を構成する発熱体の抵抗値が温度に応じて変化するこ
とを利用してセンサ検知部の温度制御を行なうものであ
り、かかる発熱体の電気抵抗値を一定に保つように、該
発熱体に給電する電圧を制御することにより、センサ検
知部温度の安定化を図るものである。
【0005】ところが、このようにヒータ手段の抵抗値
を一定とする温度制御手法に関して、本発明者らが更な
る実験や検討を加えたところ、被測定ガスの温度変化に
起因して、センサ検出部の制御温度に誤差が発生してし
まい、そのために充分な制御精度を確保し難いことが明
らかとなった。この被測定ガスの温度変動に起因するセ
ンサ検出部の制御温度のずれは、特に自動車用内燃機関
の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ等、被測
定ガスの温度が数百℃以上の範囲に亘って変化する場
合、センサ出力に対して与える影響が無視できない程に
大きく、本発明者が行った実験によれば、被測定ガスが
常温の場合に825℃であったものが、被測定ガスが6
00℃となった場合には774℃となり、約50℃もの
制御温度のずれが認められた。
【0006】それ故、前述の如き、ヒータ手段の抵抗値
に基づくセンサ検知部の温度制御方法にあっては、被測
定ガスの温度が変化する場合に、その制御精度が大きく
低下してしまう点に問題を内在していたのであり、未だ
改良の余地を有していたのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、加熱型酸素センサにおける検知部の温度
を、ヒータ手段における電気抵抗値に基づいて制御する
に際して、被測定ガスの温度変化に起因する制御精度の
低下を防止し、センサ検知部における温度の安定化、延
いてはセンサの測定精度の向上を有利に達成せしめ得
る、加熱型酸素センサにおけるヒータ電圧制御方法を提
供することにある。
【0008】
【解決手段】かかる課題を解決するために、先ず、本発
明者らが、前記特願昭62−112727号に開示され
ている如き、ヒータ手段の抵抗値を一定に制御すること
によるセンサ検出部の温度コントロール方法について検
討を加えたところ、ヒータ手段における抵抗値は、セン
サ検知部を加熱する発熱体のみならず、該発熱体に電力
を給電するリード部をも含んだ回路抵抗値として検出さ
れることとなるために、このリード部における温度変化
に伴う抵抗値の変動が、センサ検知部の温度変化として
検出されてしまい、結果的に温度制御誤差が発生してし
まうことが、見い出された。より具体的には、被測定ガ
スの温度上昇があった場合、センサ取付部の温度上昇
が、熱放射や熱伝導等によってセンサ全体の温度上昇を
もたらすこととなるために、そのヒータ手段における発
熱体のみならずリード部も加熱されてしまい、かかるリ
ード部の温度上昇に伴う抵抗値の増加分が、センサ検知
部(発熱部)の温度上昇分として検出され、かかるヒー
タ手段に対する供給電力が抑えられることとなり、その
結果、センサ検知部の温度が目標値まで達しなくなるこ
とが、明らかとなったのである。
【0009】そして、本発明は、このような知見に基づ
いて為されたものであって、その特徴とするところは、
被測定ガス中の酸素濃度に応じたセンサ出力値を与える
検知部と、該検知部を外部からの給電によって加熱する
ヒータ手段とを有する加熱型酸素センサにおいて、かか
るヒータ手段に対して給電するヒータ電圧を、該ヒータ
手段における実測抵抗値に基づく測定信号と予め設定さ
れた基準値との差の大きさに対応した制御信号に基づい
て制御せしめることにより、前記検知部の温度をコント
ロールするに際し、同一酸素濃度の被測定ガスを異なる
ガス温度条件下に測定して、各温度条件下における前記
測定信号値または制御信号値と、各温度条件下において
前記センサ出力値が一定に保たれ得るように前記ヒータ
電圧を制御するためにかかる測定信号値または制御信号
値に加えるべき補正量とを実測し、それによって得られ
た測定信号値または制御信号値と補正量との関係式に基
づいて、測定時における測定信号または制御信号の大き
さに応じた補正量を算出し、得られた補正量を前記基準
値に加えるようにしたことにある。
【0010】また、本発明にあっては、被測定ガス中の
酸素濃度に応じたセンサ出力値を与える検知部と、該検
知部を外部からの給電によって加熱するヒータ手段とを
有する加熱型酸素センサにおいて、かかるヒータ手段に
対して給電するヒータ電圧を、該ヒータ手段における実
測抵抗値に基づく測定信号と予め設定された基準値との
差の大きさに対応した制御信号に基づいて制御せしめる
ことにより、前記検知部の温度をコントロールするに際
し、同一酸素濃度の被測定ガスを異なるガス温度条件下
に測定して、各温度条件下における前記測定信号値また
は制御信号値と、各温度条件下において前記センサ出力
値が一定に保たれ得るように前記ヒータ電圧を制御する
ためにかかる測定信号値または制御信号値に加えるべき
補正量とを実測し、それによって得られた測定信号値ま
たは制御信号値と補正量との関係式に基づいて、測定時
における測定信号または制御信号に対して補正を加える
ようにした加熱型酸素センサにおけるヒータ電圧制御方
法をも、その特徴とするものである
【0011】
【作用・効果】すなわち、かかる本発明は、ヒータ手段
の抵抗値から求められる制御信号から、ヒータ手段のリ
ード部における温度変化に起因する誤差分を除去し、セ
ンサ検知部における温度変化に高精度に対応した信号と
為すべく、本発明者らが鋭意検討した結果完成されたも
のであって、被測定ガスの温度変化に伴う、ヒータ手段
のリード部における温度変化に起因する誤差を、ヒータ
手段における実測抵抗値に基づく測定信号、或いは該測
定信号と予め設定された基準値との差の大きさに対応し
た制御信号の値に対して、略一定の関係をもって発生す
るものとみなし、予め、測定信号または制御信号の大き
さと、それに含まれる誤差量の大きさとの関係を実測
し、それらの関係式に基づいて該測定信号または制御信
号に対する補正を加えることにより、ヒータ手段のリー
ド部における温度変化に起因する誤差を、極めて有利に
除去することが可能であることを見いだし得たことに基
づくものである。
【0012】従って、このような本発明手法に従えば、
ヒータ手段における抵抗値から、センサ検知部の温度に
対して高精度に対応した制御信号を得ることができるの
であり、それ故、かかる制御信号に基づいてヒータ電圧
を制御せしめることにより、被測定ガスに温度変化が生
じた場合にも、センサ検知部の温度を目標温度に高精度
に維持することが可能となり、それによってセンサの使
用範囲の拡大とその測定精度の向上が、極めて有利に達
成され得ることとなるのである。また、本発明手法にお
いては、酸素センサとして、従来構造のものをそのまま
用いることができ、しかも温度検出素子等の特別な機器
を必要とすることなく、ヒータ手段のリード部における
温度変化に起因する誤差を簡単な構成をもって効果的に
除去することができるといった大きな利点を有している
のである。
【0013】
【実施例】以下、本発明に従う加熱型酸素センサにおけ
るヒータ電圧制御方法の実施例について、図面を参照し
つつ、詳細に説明することとする。
【0014】先ず、図1は、本発明手法の実施に際して
用いられる加熱型酸素センサの一具体例を示す展開構造
図である。この加熱型酸素センサは、全体として狭幅な
板状の長手形状を呈しており、その先端部において、酸
素濃淡電池の原理を利用して被測定ガス中の酸素濃度に
応じた出力値を与える検知部を備えている。
【0015】具体的には、かかる加熱型酸素センサは、
図1から明らかなように、積層構造とされている。即
ち、高温において酸素イオン伝導性を示す安定化ジルコ
ニアからなる板状の固体電解質体2と、同様な固体電解
質材料から形成されたスペーサ部材4と、更に同様な固
体電解質材料から形成された二枚の板状のヒータプレー
ト6,8とを積層せしめて、一体的な積層構造とされて
いると共に、スペーサ部材4の切欠部によって、それら
固体電解質体2と一枚のヒータプレート6との間に、大
気に連通せしめられる空気通路10が形成されているの
である。また、固体電解質体2の外側面には、被測定ガ
スに接触せしめられる測定電極12が設けられており、
そしてこの測定電極12に対向するように、固体電解質
体2の空気通路10に面する内側面には基準電極14が
設けられて、空気通路10を通じて導かれる基準ガスと
しての空気が、かかる基準電極14に接触せしめられる
ようになっている。
【0016】また、ヒータプレート6,8の間には、ヒ
ータ手段としてのヒータエレメント16が配設されてい
る。このヒータエレメント16は、センサの先端部分に
おいて、固体電解質体2と測定電極12と基準電極14
とから構成された検知部を加熱するために、該基準電極
14に対応する部位に配置された、所定パターンの線状
乃至は帯状の発熱部18と、この発熱部18への通電を
行なうために、その両端部にそれぞれ接続されて一体的
に形成された通電リード部20,20とから構成されて
いる。そして、このヒータエレメント16の通電リード
部20,20に対して、外部の給電装置22が接続され
ており、この給電装置22からの、ヒータエレメント1
6の発熱部18への給電によって、前記測定電極12、
基準電極14及びそれら電極の配置された固体電解質体
2からなる検知部が、所定の温度に加熱せしめられ得る
ようになっている。
【0017】そうして、かくの如き構造の酸素センサに
あっては、内燃機関における排気ガス中の酸素濃度の測
定等に好適に用いられることとなり、良く知られている
ように、例えば、自動車用内燃機関の排気管に対し、そ
の測定電極22が排気ガスに晒されるように、検出部が
排気管内に突出する状態で装着せしめられ、それによっ
て該測定電極22が晒される排気ガスと基準電極14が
晒される空気(基準エア)との酸素濃度差に基づき、そ
れら測定電極22と基準電極14との間で、ネルンスト
の式に従うところの起電力が出力信号として取り出され
るのであり、更にかかる出力信号に基づいて、そのよう
な排気ガスを発生せしめる内燃機関の燃焼制御が行なわ
れることとなる。
【0018】ところで、このような酸素センサを用いて
被測定ガス中の酸素濃度を検出するに際しては、公知の
如く、その検知部を所定温度に加熱、保持せしめる必要
がある。そこで、かかる酸素センサにおいては、給電装
置22が可変型電源とされていると共に、該給電装置2
2によるヒータエレメント16に対する給電回路上に電
流計24および電圧計26が配設されており、該ヒータ
エレメント16に給電される電流値:Ih および電圧
値:Vh が、それぞれ計測されるようになっている。そ
して、これら電流値:Ih および電圧値:Vh が、制御
装置28に入力せしめられ、該制御装置28によって、
それら電流値:Ih および電圧値:Vh から算出され
る、センサの温度情報を有する信号としての抵抗値:R
h に基づいて、前記給電装置22からヒータエレメント
16に給電される電圧が制御せしめられ、以てヒータエ
レメントの発熱量、延いてはセンサ検知部の温度がコン
トロールされるようになっているのである。
【0019】以下、かかる制御装置28によるヒータエ
レメント16に対する給電制御について、図2に示され
たブロック図を参照しつつ、詳述することとする。
【0020】先ず、この制御装置28は、除算器30を
備えており、前記電流計24および電圧計26にて検出
された電流値:Ih および電圧値:Vhが、それぞれ増
幅器32,32を介して、かかる除算器30に入力され
ることにより、ヒータエレント16の実測抵抗値を表す
抵抗信号:Rh (=Vh /Ih )に変換せしめられる。
更に、かかる抵抗信号:Rh は、除算器34に入力さ
れ、該除算器34において、外部入力装置36から入力
されたヒータエレメント16の基準温度(通常は常温)
下における抵抗値:Rh0にて除されることにより、該基
準温度抵抗値:Rh0との比を表す測定信号:Pv (=R
h /Rh0)に変換される。即ち、このように抵抗信号:
Rh を基準温度下の抵抗値:Rh0で除することにより、
ヒータエレメント16の抵抗値のセンサ個体間における
差が除去された、該ヒータエレメント16の抵抗の大き
さを表す信号として、測定信号:Pv を得ることができ
るのである。そして、公知の如く、このようにして得ら
れた測定信号:Pv は、ヒータエレメント16の抵抗温
度係数に基づき、該ヒータエレメント16、延いてはセ
ンサの温度情報を有するのである。
【0021】さらに、このようにして得られた、ヒータ
エレメント16の抵抗値に基づく測定信号:Pv は、ア
ンプ38を介して、減算器40に入力され、該減算器4
0において、設定器42によって予め固定的に設定され
た基準値:Sv と比較されて、その差の大きさに対応し
た制御信号:Yc に変換される。そして、この制御信
号:Yc が、制御装置28の出力値として給電装置22
に入力せしめられ、以て該制御信号:Yc の大きさに応
じた電圧が、ヒータエレメント16に対して給電せしめ
られるようになっている。なお、かかる測定信号:Pv
と比較される基準値:Sv は、或る基準温度(例えば、
常温)の被測定ガスの酸素濃度を測定するに際して、セ
ンサ検出部の温度を目的とする温度に加熱、保持するに
必要な電圧を、給電装置22からヒータエレメント16
に出力せしめるだけの大きさの制御信号値に設定される
こととなる。
【0022】また、かかる制御装置28においては、前
記制御信号:Yc の出力回路上に、フィードバック回路
44が設けられており、このフィードバック回路44に
より、制御信号:Yc の大きさに応じて算出された補正
値:ΔSv が、加算器48によって、前記基準値:Sv
に加えられることにより、該基準値:Sv に対して補正
が加えられるようになっている。そして、ここにおい
て、かかるフィードバック回路44により基準値:Sv
に加えられる補正量:ΔSv は、演算器46により、制
御信号:Ycの値に基づいて、下記の関係式(1)にて
示される関数に従い、算出されることとなる。 ΔSv = F(Yc ) ・・・(1)
【0023】すなわち、かかる関係式(1)より明らか
なように、基準値:Sv に加える補正量:ΔSv は、制
御信号:Yc の大きさに応じて決定されるのであり、こ
の関係式(1)は、実測によって求められることとな
る。具体的には、制御信号:Yc は、上述の説明から明
らかなように、ヒータエレメント16における抵抗値、
延いてはセンサ温度に応じて変化する値であることか
ら、前述の如き構造の酸素センサを用いて被測定ガスの
酸素濃度を実測するに際し、該被測定ガスの温度を異な
らせることにより、異なる制御信号:Yc を得ることが
できるのであり、従って、同一酸素濃度の被測定ガス
を、異なる被測定ガス温度条件下に測定した場合におけ
る、該制御信号:Yc の値と、それら各温度条件下にお
いてセンサ出力値が一定に保たれ得るようにヒータ電圧
を制御するために、前記基準値:Sv に加えなければな
らない補正量:ΔSv とを実測することにより、それら
制御信号:Yc と補正量:ΔSv との関係を表す式とし
て、上記関係式(1)を求めることができるのである。
【0024】因みに、前述の如き構造の酸素センサにお
いて、被測定ガスの温度を常温から100℃間隔で60
0℃まで上昇させたそれぞれの場合における、制御信
号:Yc と補正量:ΔSv との関係を実測した結果を、
図3に示しておくこととする。即ち、この場合、上記関
係式(1)は、かかる図3に示される如き曲線を表す式
として求められるのである。なお、図3中、Yc0は、被
測定ガスの温度が常温である場合の制御信号を示すもの
であり、制御信号がYc0である場合には、補正量:ΔS
v が0となって、基準値:Sv が、補正を加えられるこ
となく、そのまま減算器40に入力されることとなる。
【0025】なお、上述の如きフィードバック回路44
による、基準値:Svに対する補正は、例えば、制御信
号:Yc の変化に応じて、PID型の制御動作等によっ
て実施されることとなる。
【0026】すなわち、測定信号:Pv と比較される基
準値:Sv に対して上述の如きフィードバック補正を加
えた補正基準値を用い、該補正基準値を減算器40に入
力せしめて測定信号:Pv と比較することにより、かか
るヒータエレメント16の抵抗値より求められた測定信
号:Pv から、通電リード部20,20の温度変化に起
因するヒータエレメント16の抵抗値の変化による影響
が有利に除去され、それによって、前記制御信号:Yc
が、発熱部16の抵抗値の変化、即ちセンサ検知部の温
度変化に対して高精度に対応した信号として、出力され
得るのである。
【0027】従って、このような制御装置28にて得ら
れた制御信号:Yc によって、給電装置22を制御せし
めることにより、被測定ガスの温度変化による影響を殆
ど受けることなく、センサ検知部の温度を目標とする一
定温度に高精度に制御することができるのであり、それ
によってセンサの使用条件範囲が有利に拡大され得ると
共に、センサの測定精度が極めて有効に向上され得るの
である。
【0028】因みに、一定酸素濃度の被測定ガスを異な
るガス温度条件下に測定するに際して、上述の如きフィ
ードバック系を有する制御装置28によりヒータ電圧を
制御せしめた場合(実施例)と、フィードバック系を有
しておらず固定基準値(Sv )をそのまま減算器に入力
せしめて測定信号と比較するようにした制御装置により
ヒータ電圧を制御せしめた場合(比較例)とについて、
それぞれ、センサ出力に含まれる誤差量を実測した結果
を、図4に示すこととする。この図4に示された実験結
果からも、上述の如きヒータ電圧の制御方法を採用する
ことによって、被測定ガスの温度が常温から高温まで変
動しても、高精度なセンサ出力を安定して得られること
が、明らかである。
【0029】また、上述の如きヒータ電圧の制御に際し
ては、酸素センサそのものには何等の改造を加える必要
がなく、従来構造のものをそのまま用いることが可能で
あり、しかも温度検出素子等の特別な機器を必要とする
ことなく、ヒータ手段のリード部における温度変化に起
因する誤差を簡単な構成をもって効果的に除去すること
ができるといった大きな利点を有しているのであり、そ
れ故、その実施化が極めて容易に図られ得るのである。
【0030】更にまた、本発明者が検討したところによ
れば、被測定ガスの温度変化が生じた場合における、制
御信号:Yc の値と、基準値:Sv に加えなければなら
ない補正量:ΔSv との関係式(1)は、基本的に同一
構造の酸素センサであれば、異なるセンサ個体間におい
ても、略同一と見なしてもそれ程大きな誤差が発生しな
いことが確認されており、特に、本実施例においては、
ヒータエレメントの抵抗信号:Rh を、該抵抗信号:R
hと基準温度抵抗値:Rh0との比を示す測定信号:Pv
(=Rh /Rh0)に変換することにより、ヒータエレメ
ント16の抵抗値のセンサ個体間における差を除去する
ようになっていることから、センサ交換時等において
も、従前のものと同一の関係式が有利に適用され得るの
であり、それによってセンサ交換時におけるヒータ電圧
制御系の補正値の修正操作を、極めて容易に行なうこと
ができるのである。
【0031】以上、本発明の一実施例について詳述して
きたが、これは文字通りの例示であって、本発明は、か
かる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0032】例えば、本発明が適用される酸素センサと
しては、前記実施例に示されている如き、酸素濃淡電池
の原理に基づいて、酸素濃度差に応じた起電力を出力す
る電気化学的セルを備えた、所謂シングルセル型の酸素
センサに限定されるものでは、決してない。具体的に
は、例えば、酸素濃度検出手段としての電気化学的セン
シングセルと共に、電気化学的ポンピングセルを含む、
所謂ダブルセル型の酸素センサや、或いはその他、酸化
物半導体型の酸素センサや限界電流型の酸素センサ等、
公知の各種構造の加熱型酸素センサに対して、何れも有
利に適用され得るものである。
【0033】また、本発明手法が適用される酸素センサ
の用途としても、前記実施例における記載によって限定
的に解釈されるものでないことは勿論であり、内燃機関
の排気ガスのガス成分測定の他、各種工業炉の燃焼排ガ
スのガス成分測定等、被測定ガスの温度が広い範囲に亘
って変動するような各種用途の酸素センサに対して、本
発明は、何れも、極めて有利に適用され得るものであ
る。
【0034】さらに、前記実施例では、制御信号:Yc
に応じた補正量を、基準値:Sv に対して加えていた
が、この基準値:Sv に加える代わりに、該基準値:S
v と比較される測定信号Pv から減ずるようにしても、
同一の効果を得ることができる。
【0035】また、前記実施例では、フィードバック回
路44により基準値:Sv に加えられる補正量:ΔSv
が、制御信号:Yc の値に基づいて、前記関係式(1)
にて示される関数に従って算出されるようになっていた
が、かかる制御信号:Yc は、ヒータエレメント16の
抵抗値から求められる測定信号:Pv から、一定の基準
値:Sv を減ずることにより算出されるものであること
から、この制御信号:Yc の代わりに測定信号:Pv を
用い、予め実測により求められた下記関係式(2)にて
示される関数に基づいて、補正量:ΔSv を算出するこ
とも可能である。 ΔSv = F(Pv ) ・・・(2)
【0036】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に際して用いられる酸素センサの
一具体例を示す展開構造図である。
【図2】図1に示されている酸素センサにおける制御装
置の構成をブロック図を用いて示す説明図である。
【図3】図1に示されている如き構造の酸素センサにお
いて、制御信号:Ycと補正量:ΔSv との関係を実測
した結果を示すグラフである。
【図4】図1に示されている如き構造の酸素センサを用
い、本発明手法に従ってヒータ電圧を制御せしめつつ、
一定酸素濃度の被測定ガスを異なる温度条件下に測定し
た場合における、センサ出力に含まれる誤差量を実測し
た結果を、比較例と共に示すグラフである。
【符号の説明】
2:固体電解質体 4:スペーサ部材 6,8:ヒータプレート 10:空気通路 12:測定電極 14:基準電極 16:ヒータエレメント 18:発熱部 20:通電リード部 22:給電装置 28:制御装置 14:フィードバ
ック回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定ガス中の酸素濃度に応じたセンサ
    出力値を与える検知部と、該検知部を外部からの給電に
    よって加熱するヒータ手段とを有する加熱型酸素センサ
    において、かかるヒータ手段に対して給電するヒータ電
    圧を、該ヒータ手段における実測抵抗値に基づく測定信
    号と予め設定された基準値との差の大きさに対応した制
    御信号に基づいて制御せしめることにより、前記検知部
    の温度をコントロールするに際し、同一酸素濃度の被測
    定ガスを異なるガス温度条件下に測定して、各温度条件
    下における前記測定信号値または制御信号値と、各温度
    条件下において前記センサ出力値が一定に保たれ得るよ
    うに前記ヒータ電圧を制御するためにかかる測定信号値
    または制御信号値に加えるべき補正量とを実測し、それ
    によって得られた測定信号値または制御信号値と補正量
    との関係式に基づいて、測定時における測定信号または
    制御信号の大きさに応じた補正量を算出し、そしてその
    得られた補正量を前記基準値に加えることを特徴とする
    加熱型酸素センサにおけるヒータ電圧制御方法。
  2. 【請求項2】 被測定ガス中の酸素濃度に応じたセンサ
    出力値を与える検知部と、該検知部を外部からの給電に
    よって加熱するヒータ手段とを有する加熱型酸素センサ
    において、かかるヒータ手段に対して給電するヒータ電
    圧を、該ヒータ手段における実測抵抗値に基づく測定信
    号と予め設定された基準値との差の大きさに対応した制
    御信号に基づいて制御せしめることにより、前記検知部
    の温度をコントロールするに際し、同一酸素濃度の被測
    定ガスを異なるガス温度条件下に測定して、各温度条件
    下における前記測定信号値または制御信号値と、各温度
    条件下において前記センサ出力値が一定に保たれ得るよ
    うに前記ヒータ電圧を制御するためにかかる測定信号値
    または制御信号値に加えるべき補正量とを実測し、それ
    によって得られた測定信号値または制御信号値と補正量
    との関係式に基づいて、測定時における測定信号または
    制御信号に対して補正を加えることを特徴とする加熱型
    酸素センサにおけるヒータ電圧制御方法。
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