JP2546099B2 - 溶接缶胴の搬送方法 - Google Patents

溶接缶胴の搬送方法

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JP2546099B2
JP2546099B2 JP4057433A JP5743392A JP2546099B2 JP 2546099 B2 JP2546099 B2 JP 2546099B2 JP 4057433 A JP4057433 A JP 4057433A JP 5743392 A JP5743392 A JP 5743392A JP 2546099 B2 JP2546099 B2 JP 2546099B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジュース缶やコーヒ飲
料缶等に用いられる溶接缶胴の溶接直後の溶接部に、塗
料等による外面補修および内面補修を行なうため、溶接
缶胴を搬送する方法に関し、特に缶径の異なる種々のサ
イズの溶接缶胴を搬送するのに適した方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接缶胴は通常缶胴プリフォームの重ね
合せ部を、線電極を介して1対の電極ロールによってマ
ッシュシーム電気抵抗溶接することによって形成される
が、形成後の溶接部の金属は露出していて耐蝕性や耐錆
性が劣る。そのため溶接直後に溶接部をそのまま直進す
るように搬送しながら、溶接部を塗料等により外面補修
および内面補修して、耐蝕性等の改善を図っている(特
公昭61−43106号公報、特公平1−18782号
公報参照)。
【0003】上記の補修のための溶接缶胴の搬送装置と
して、従来は例えば図5に示すような2条の水平コンベ
アベルト2を用いて、溶接缶胴1の下方部の両側の支持
部3を支持して搬送しながら、溶接部1aの補修を行な
っていた。そして缶径が異なる溶接缶胴、例えば缶径が
より大きな溶接缶胴1’を搬送する際は、外面補修装置
および内面補修装置の配置替えを缶径が変わる毎に行な
う部品交換の手間がかからないように、溶接部1a、
1’aの搬送経路を一定に保持した状態で、水平コンベ
アベルト2を鉛直方向に、すなわち矢印A方向に下降さ
せて、支持部3’で溶接缶胴1’を支持して搬送を行な
っていた。
【0004】そのため小径の溶接缶胴1の支持点3、3
間の円弧に対する中心角θよりも、大径の溶接缶胴1’
の支持点3’、3’間の円弧に対する中心角θ’の方が
小さくなって、搬送が不安定となるという問題が生じ
た。搬送が不安定になると、溶接部1a、1’a、つま
り補修される箇所が搬送中に左右に動くため、未補修の
部分が生じて、金属露出部が残り、溶接部の耐蝕性や耐
錆性が劣化し、補修の目的を十分に達成することができ
なくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶接部が最
頂部となって、缶径に拘わらず所定の直線軸に沿って安
定に移動するように、溶接缶胴を搬送する方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の溶接缶胴の搬送
方法は、溶接部が最頂部となって所定の直線軸に沿うよ
うに、2条のコンベアベルトによって円筒形の溶接缶胴
を支持して搬送する方法であって、各コンベアベルトの
幅が溶接缶胴の支持部における接線方向に延びるよう
に、かつ各支持部と溶接缶胴の最下端との間の円弧に対
する中心角がαになるようにして溶接缶胴を搬送し、缶
径が異なる溶接缶胴を搬送する際は、上記直線軸を通る
鉛直面に対し1/2αの角度をなす斜め方向にコンベア
ベルトを上昇又は下降させて、当該溶接缶胴を支持する
ことを特徴とする。
【0007】
【作用】図1において、1は比較的小径の溶接缶胴、
1’は溶接缶胴1よりも大径の溶接缶胴、1aは溶接缶
胴1の溶接部、1’aは溶接缶胴1’の溶接部である。
溶接缶胴1、1’は、溶接部1a、1’aが、溶接点1
0a(図2参照)を通って、紙面に垂直方向に延びる共
通の直線軸Xに沿って移動するように、幅が支持部1
3、13’における接線方向に延びる2条のコンベアベ
ルト12によって搬送される。
【0008】直線軸Xを通る鉛直面Yは、溶接缶胴1の
中心軸Oおよび最下端1b、ならびに溶接缶胴1’の中
心軸O’および最下端1’bを通る。小径の溶接缶胴1
の支持部13と溶接部1aを結ぶ直線Zと鉛直面Yとの
なす角度は1/2αであるから、缶径がより大きい溶接
缶胴1’に変わった場合に、コンベアベルト12を、鉛
直面Yに対し1/2αの角度をなす斜め方向に下降させ
ると、溶接缶胴1’に対する支持部13’は、直線Zの
延長線上にくる。そのため支持部13’と溶接缶胴1’
の最下端1’b間の円弧に対する中心角は、支持部1
3’と最下端1’b間の円弧に対する円周角1/2αの
2倍、、すなわちαになる。すなわち溶接缶胴の缶径が
変わっても、支持部と溶接缶胴の最下端間の円弧に対す
る中心角の大きさは一定となる。従って上記中心角αを
適当な大きさ(例えば30度)に定めることによって、
溶接缶胴を安定してコンベアベルトによって搬送するこ
とができる。
【0009】
【実施例】図2において、10は電極ロール装置の外部
電極ロール、10aは溶接点であり、11は図5に示す
タイプの、従来形式の無限循環する中間コンベアベルト
である。コンベアベルト12は、鉛直面Yに対して対称
の位置に平行して2条設けられており、駆動ロール15
により無限循環して、溶接缶胴1を矢印B方向に搬送す
る。コンベアベルト12の入口側近傍に対向して1組の
コンベアベルト12の上下動装置14aが、また出口側
近傍に対向して同様の構造の上下動装置14bが1組配
設されている。入口側上下動装置14aと出口側上下動
装置14bの間に、溶接部1aの外面補修装置(図示さ
れない;例えば特公昭61−43106号公報第3図に
示される塗布ロール23のような)、および内面補修装
置(図示されない;例えば特公平1−18782号公報
第6図、第7図に示されるエアレススプレーガン16の
ような)が配設されている。中間コンベアベルト11の
搬送距離は、コンベアベルト12のそれの約1/10で
あり、しかも中間コンベアベルト11上の溶接缶胴1は
単に搬送されるのみで、搬送中に何の操作も受けないの
で、中間コンベアベルト11は従来形式のもので差し支
えない。
【0010】図2、図3に示すように、コンベアベルト
12は、フレーム16に固着されたガイドレール17の
上面に形成された、直線軸X方向に延びる長溝17aに
沿って移行するように配設されている。ガイドレール1
7の全長に沿って永久磁石ロッド18が、コンベアベル
ト12と接触するように埋設されていて、溶接缶胴1
は、搬送中に永久磁石ロッド18に磁気吸引されて、支
持部13においてコンベアベルト12に密着するように
なっている。支持部13と溶接缶胴1の最下端1bとの
間の円弧に対する中心角がαになるように、ガイドレー
ル17は配設されている。角αは約50〜70度である
ことが好ましい。
【0011】図3および図4に示すように、高さ調整ね
じ20を挿入、取付けるための孔部19aを有する取付
板19が、フレーム16およびベース盤22に、鉛直面
Y(図1参照)に対し1/2αの角度をなすように固着
されている。従って高さ調整ねじ20も、その軸心20
aが鉛直面Yに対し1/2αの角度をなすように取付け
られている。高さ調整ねじ20の上面には、高さ調整ね
じ20を回動するための6角溝20bが形成されてい
る。高さ調整ねじ20は回動の際、リテーナ23および
スペーサ24によって上昇を抑止され、また半球面軸受
25によって下降を抑止されるようになっている。
【0012】高さ調整ねじ20のねじ部20cに、フレ
ーム16の下面に固着されたナット26が螺合してお
り、高さ調整ねじ20の回動によって、フレーム16、
従ってコンベアベルト12が、鉛直面Yに対し1/2α
の角度をなす斜め方向に上下動するように構成されてい
る。取付板19およびナット26にはそれぞれ、缶径
(例えば#211等の公称径)を表示するスケールおよ
び指針(何れも図示されない)が付いている。なお図3
の記号27で示す部材は、溶接装置のほぼ全長にわたっ
て延びるホーン(horn)であって、図示されないが、エ
アレススプレーガン用の塗料配管やON−OFF操作用
のエア配管等が付設されている。
【0013】以上の装置において、製造する溶接缶胴の
缶径を切替える場合、例えば今まで公称径202の溶接
缶胴1を製造していたのを中止して、公称径211の溶
接缶胴1’を製造する場合は、4個の各高さ調整ねじ2
0のねじ部20cにレンチ(図示されない)を挿入し、
各高さ調整ねじ20に螺合する各ナット26の指針が下
降して、各スケールの#211表示の位置に達するまで
各高さ調整ねじ20を回動する。かくすることによって
公称径211の溶接缶胴1’を、支持部13’と溶接缶
胴1’の最下端1’bとの間の円弧に対する中心角がα
になるようにして溶接缶胴を搬送することができる。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、溶接部が最頂部となっ
て、缶径に拘わらず所定の直線軸に沿って安定に移動す
るように、溶接缶胴を搬送することができるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の作用を説明するための説明用縦
断面図である。
【図2】本発明を実施するための装置の例の概略平面図
である。
【図3】図2のIII−III線に沿う縦断面図であ
る。
【図4】図3のIV−IV線からみた側面図である。
【図5】従来の溶接缶胴の搬送方法の例を示す説明用縦
断面図である。
【符号の説明】
1 溶接缶胴 1’ 溶接缶胴 1a 溶接部 1’a 溶接部 1b 最下端 1’b 最下端 12 コンベアベルト 13 支持部 13’ 支持部 X 直線軸 Y 鉛直面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶接部が最頂部となって所定の直線軸に
    沿うように、2条のコンベアベルトによって円筒形の溶
    接缶胴を支持して搬送する方法において、各コンベアベ
    ルトの幅が溶接缶胴の支持部における接線方向に延びる
    ように、かつ各支持部と溶接缶胴の最下端との間の円弧
    に対する中心角がαになるようにして溶接缶胴を搬送
    し、缶径が異なる溶接缶胴を搬送する際は、上記直線軸
    を通る鉛直面に対し1/2αの角度をなす斜め方向にコ
    ンベアベルトを上昇又は下降させて、当該溶接缶胴を支
    持することを特徴とする溶接缶胴の搬送方法。
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