JP2545205B2 - 芳香族スルフィドアミド重合体 - Google Patents

芳香族スルフィドアミド重合体

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JP2545205B2 JP7052343A JP5234395A JP2545205B2 JP 2545205 B2 JP2545205 B2 JP 2545205B2 JP 7052343 A JP7052343 A JP 7052343A JP 5234395 A JP5234395 A JP 5234395A JP 2545205 B2 JP2545205 B2 JP 2545205B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な結晶性スルフィ
ドアミド重合体に関するものである。本発明の重合体
は、アミド基及びチオエーテル基を介してフェニレン基
及びアルキレン基が連結されている化学構造を有し、耐
熱性・難燃性・耐溶剤性・機械的性質などが優れた成形
物の素材として有用である。
【0002】
【従来の技術】チオエーテル基を介してフェニレン基が
連結されている構造を有する高分子化合物としてはポリ
フェニレンスルフィドがよく知られている。
【0003】これは難燃性に優れる、吸湿性が低い、寸
法安定性が高い等の特性を有している。しかしながら、
熱変形温度(HDT)260℃(GF40%)、結晶融
点(Tm)281℃であるため高耐熱性を必要とする分
野への利用の制限は免れない。従って、この種の重合体
についてさらに高い結晶融点を有するものの開発が望ま
れている。
【0004】また、チオエーテル基、フェニレン基、ア
ミド基を有するポリマー、いわゆる芳香族ポリチオエー
テルアミドの重合体及びその製造法は、特開昭60−2
26528号公報に記載されているが、軟化点が若干低
く、また、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピ
ロリドン等の有機溶媒に可溶で耐薬品性に劣ること、チ
オエーテル基を有するモノマーを合成するのはコスト面
で有用でないなどの問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの要
望に答えるべく鋭意研究の結果、工業的に入手容易で、
しかも安価な脂肪族系成分を含み、耐熱性・耐溶剤性及
び機械的性質に優れた、新規な芳香族スルフィドアミド
重合体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、重合体の構成
単位が一般式(I)及び(II)、又は(II)の繰返
し単位からなり、対数粘度[η]が0.02〜2.00
の芳香族スルフィドアミド重合体にある。
【0007】(ここで、対数粘度[η]は30℃で濃硫
酸中0.5g/100mlの濃度で測定し、対数粘度
[η]=ln 相対粘度/ポリマー濃度 に従い算出し
た値である。)
【0008】
【化2】
【0009】[式中、Ar1,Ar2,Ar3,Ar4は芳
香族環を示し、R1,R2,R3,R4,R5,R6は炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキ
ル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20の
アルコキシ基、炭素数2〜20のアシル基又は炭素数7
〜20のアリールアルキル基を表わし、それぞれ同一又
は異なっていても良い。a,b,c,dは互いに同一又
は異なる0〜4の整数を示す。また、R5,R6は水素で
あっても良い。R7,R8,R9は炭素数1〜20のアル
キレン基を表わし、それぞれ同一又は異なっていても良
い。]以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の重合体を合成するのに使用される
アミド基含有ジハロゲン化合物(III)及び(IV)
は下式で示され、
【0011】
【化3】
【0012】そのAr1,Ar2,Ar3,Ar4としては
【0013】
【化4】
【0014】等が挙げられ、それぞれ同一又は異なって
いても良い。その好ましい(III)及び(IV)の具
体例としては、以下のものが挙げられる。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】これらのアミド基含有化合物は、耐熱性の
面ではパラ位の結合からなることが好ましいが、得られ
るスルフィドアミド重合体の溶解性及び成形性を向上さ
せるためにメタ位及び/又はオルト位の結合を含んだ
り、また分岐構造をとっても良い。
【0019】これらのアミド基含有ジハロゲン化合物の
合成法としては、一般のアミド形成結合反応を用いるこ
とができる。例えば、相当するハロゲン含有カルボン酸
クロライドと脂肪族ジアミンとの反応により合成する方
法が挙げられる。
【0020】有機極性溶媒としては、非プロトン性で高
温でアルカリに対して安定な溶媒が好ましい。例えば、
N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−エチル
−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルトリアミド
(HMPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N
−メチル−2−ピロリドン(NMP)、1,3−ジメチ
ルイミダゾリジノン等が挙げられる。
【0021】本発明の重合体を合成するのに使用される
スルフィド化剤としては、硫化アルカリ金属、水硫化ア
ルカリ金属とアルカリ金属塩基、硫化水素とアルカリ金
属塩基が使用され得るが、硫化アルカリ金属や水硫化ア
ルカリ金属は水和物(0.5〜10モル当量)の形で使
用されても差支えない。また、これらのスルフィド化剤
は一般式(III)及び/又は(IV)で示されるジハ
ロゲン化合物の重合系内への添加に先立って系内で調製
されたものを添加しても差支えない。ジハロゲン化合物
を添加して重合を行う前には系内の水分を蒸留等によっ
て除去し、スルフィド化剤当り2.5モル当量以下にし
ておくことが好ましい。
【0022】スルフィド化剤として好ましいものは、硫
化ナトリウム、水硫化ナトリウムと水酸化ナトリウムの
組合わせ、硫化水素と水酸化ナトリウムの組合わせが挙
げられる。
【0023】重合時には、相転移触媒として知られてい
るクラウンエーテル化合物や、リン塩,アンモニウム塩
化合物の使用や、アルカリ金属カルボキシレート等の助
剤を使用すると得られるポリマーの分子量向上に有効で
あり、好ましい場合もある。
【0024】重合は150〜300℃、好ましくは18
0〜280℃で0.5〜24時間、好ましくは1〜12
時間攪拌下に行われる。
【0025】本発明において使用される一般式(II
I)又は(IV)で示されるジハロゲン化合物とスルフ
ィド化剤の比は0.9〜1.1:1.0の範囲が好まし
く、溶媒の量は重合中に生成するポリマーの量が系の7
〜50重量%、好ましくは10〜40重量%になるよう
に調節して使用することができる。
【0026】得られたポリマーは公知の回収法を用いる
ことができ、例えば、減圧蒸留、フラッシュ法や水ある
いは有機溶剤による再沈殿により単離され、水や有機溶
媒により洗浄後乾燥される。
【0027】本発明の芳香族スルフィドアミド重合体
は、一般に、30℃濃硫酸0.5g/100mlの濃度
で測定した対数粘度が0.02〜2.00のものであ
り、0.05〜2.00の範囲の対数粘度のものが好ま
しい。
【0028】本発明における芳香族スルフィドアミド重
合体は、空気中などの酸化性の雰囲気下で加熱すること
により鎖伸長や架橋、分岐などを生じさせることができ
る。
【0029】本発明の重合体を成形加工する際は、公知
の種々の充填剤成分を含むことができる。充填剤成分の
代表例としては、a)繊維状充填剤;ガラス繊維、炭素
繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、b)
無機充填剤;マイカ、タルク、クレイ、グラファイト、
カーボンブラック、シリカ、アスベスト、硫化モリブデ
ン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等を挙げること
ができる。
【0030】尚、本発明の重合体は後述の実施例でも述
べるとおり、その赤外分析による吸収スペクトル(10
90cm-1付近のチオエーテル結合に由来する吸収、1
640cm-1付近のアミド結合のカルボニル基に由来す
る吸収、3320cm-1,1540cm-1付近のアミド
結合のアミノ基に由来する吸収)から前述の式(I)及
び(II)、又は(II)の繰返し単位を持つ重合体で
あることが確認される。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0032】尚、本発明の重合体は、そのほとんどが濃
硫酸やN−メチル−2−ピロリドン/塩化リチウム(9
5/5重量比)のような特殊溶媒に溶けるのみで、一般
の有機溶媒には不溶であるので、平均分子量を求めるこ
とが困難である。従って、対数粘度[η]で、その分子
量の尺度とする。
【0033】ここでの対数粘度[η]は、30℃で濃硫
酸中0.5g/100mlの濃度で測定し、対数粘度
[η]=ln 相対粘度/ポリマー濃度 に従い算出し
た値である。
【0034】実施例1 500ml容量のオートクレーブに、Na2S・2.7
2O 0.04mol,N−メチル−2−ピロリドン
(NMP)150mlを入れ、攪拌しながら200℃ま
で昇温し、脱水を行った。NMP4.31%を含む留出
水1.26gを得た。反応系を100℃まで冷却した
後、
【0035】
【化8】
【0036】0.04molをNMP50mlとともに
添加し、系を封入、昇温して250℃で6時間重合し
た。
【0037】反応終了後、系を冷却し、メタノールを加
えてポリマーを析出させた。濾過した後、温水で洗浄、
濾過を繰返し、メタノールで洗浄し、乾燥して淡灰色の
粉末状ポリマー10.4g(収率80.1%)を得た。
【0038】このポリマーの対数粘度は、0.10(濃
硫酸,0.5g/100ml,30℃)であった。
【0039】このポリマーは、濃硫酸,NMP/LiC
l等には可溶であったが、メタノール,DMF,DMS
O等には不溶であった。
【0040】このポリマーの赤外吸収(IR)スペクト
ルを測定したところ1075cm-1にチオエーテル結合
に由来する吸収が、1642cm-1にアミド結合のカル
ボニル基に由来する吸収が見られた。
【0041】元素分析結果は、次の通りである。
【0042】
【表1】
【0043】このスルフィドアミド重合体は、X線回折
より結晶性であることを確認した。
【0044】また、分解温度は432℃で、融点は観察
されなかった。
【0045】実施例2 ジハロゲン化合物として
【0046】
【化9】
【0047】(0.02mol)と
【0048】
【化10】
【0049】(0.02mol)とを用いた以外は、実
施例1と同様に重合を行った。
【0050】その結果、11.2g(収率82.3%)
のポリマーを得た。
【0051】このポリマーの対数粘度は、0.11(濃
硫酸,0.5g/100ml,30℃)であった。
【0052】このポリマーは、濃硫酸,NMP/LiC
l等には可溶であったが、メタノール,DMF等には不
溶であった。
【0053】このポリマーの赤外吸収(IR)スペクト
ルを測定したところ1080cm-1にチオエーテル結合
に由来する吸収が、3350cm-1,1642cm-1
1545cm-1にアミド結合に由来する吸収が見られ
た。
【0054】元素分析結果は、次の通りである。
【0055】
【表2】
【0056】このスルフィドアミド重合体は、X線回折
より結晶性であることを確認した。
【0057】また、分解温度は427℃で、融点は観察
されなかった。
【0058】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の芳香族スルフィドアミド重合体は優れた耐熱性及び加
工性を有するので、エンジニアリングプラスチックとし
て幅広い分野への応用が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−255930(JP,A) 特開 昭61−254622(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体の構成単位が一般式(I)及び(I
    I)、又は(II)の繰返し単位からなり、対数粘度
    [η]が0.02〜2.00の芳香族スルフィドアミド
    重合体。(ここで、対数粘度[η]は30℃で濃硫酸中
    0.5g/100mlの濃度で測定し、対数粘度[η]
    =ln 相対粘度/ポリマー濃度 に従い算出した値で
    ある。) 【化1】 [式中、Ar1,Ar2,Ar3,Ar4は芳香族環を示
    し、R1,R2,R3,R4,R5,R6は炭素数1〜20の
    アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素
    数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ
    基、炭素数2〜20のアシル基又は炭素数7〜20のア
    リールアルキル基を表わし、それぞれ同一又は異なって
    いても良い。a,b,c,dは互いに同一又は異なる0
    〜4の整数を示す。また、R5,R6は水素であっても良
    い。R7,R8,R9は炭素数1〜20のアルキレン基を
    表わし、それぞれ同一又は異なっていても良い。]
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