JP2540400Y2 - 人工肛門用包装袋 - Google Patents

人工肛門用包装袋

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JP2540400Y2
JP2540400Y2 JP1990115835U JP11583590U JP2540400Y2 JP 2540400 Y2 JP2540400 Y2 JP 2540400Y2 JP 1990115835 U JP1990115835 U JP 1990115835U JP 11583590 U JP11583590 U JP 11583590U JP 2540400 Y2 JP2540400 Y2 JP 2540400Y2
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詢二 吉井
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呉羽化学工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、積層フィルムからなる人工肛門用包装袋に
関する。
〔従来技術ならびにその課題〕
人工肛門(またはオストミーバッグ)に使用される医
療用袋材としては、防臭性、柔軟性、ならびにかさかさ
音を発しない低ノイズ性などの特性が必要である。この
特性を満足する医療用袋材として、従来は塩化ビニリデ
ン系(PVDC)単層フィルムが使用されてきた。しかしな
がら塩化ビニリデン系の単層フィルムは熱溶着しにくい
性質を有しているため、人工肛門などにおいて袋状に形
成する際にはヒートシールを使用できず、高周波などに
よるシール作業が必要である。高周波シーラを使用する
シール作業では一般に直線的なシール線しか形成できな
いため、製作できる袋の形状はチューブ状に限られてい
た。
そこでPVDC系フィルムを芯層とし、その両側にヒート
シールが可能な特定のオレフィン樹脂、例えばポリエチ
レン(PE)やエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)な
どを積層した多層フィルムも提案されている。しかしな
がら、PEを外層として使用した場合、使用時に高いノイ
ズを持ち、かさかさした音を発し、またしなやかさにも
欠け、人工肛門などとして使用しにくい。またEVAはPE
よりも良好ではあるが、やはりかさかさ音を発する欠点
がある。またEVAの場合には酢酸臭があり、さらにフィ
ルムどうしの剥れ(ブロッキング)も生じやすい。
また、防臭層として機能するガスバリヤー性の樹脂と
してPVDC系樹脂フィルムの代わりにエチレン・ビニルア
ルコール共重合体(EVOHまたはHEVA)を用いたものも試
みられているが、EVOHなどは防臭性の点でPVDC系樹脂よ
りも劣るという欠点がある。
さらに、例えば特開昭60-139256号公報などにおいて
提案されている医療用袋材として、PVDC系樹脂を芯層と
し、その両側にエチレン・メチルアクリレート(EMA)
やエチレン・エチルアクリレート(EEA)を配したもの
がある。この多層フィルムを使用すると、かさかさ音の
ノイズ性やブロッキングの問題がなく、医療用袋材とし
てはそれまでのものよりも優れている。しかしながら、
EMA,EEAを使用すると、アクリル臭がきつく、使用者に
嫌われる場合がある。
本考案は上記従来の課題を解決するものであり、防臭
性の点で優れ、またヒートシールによる製袋が可能であ
り、さらにかさかさ音のノイズが低く、しなやかさの点
でも優れた人工肛門用包装袋を提供することを目的とし
ている。
〔課題を解決するための手段ならびに作用〕
本考案による人工肛門用包装袋は、塩化ビニリデン系
樹脂を芯層とし、その両側にVicat軟化温度が80℃以下
の熱可塑性エラストマーからなるフィルムを配したこと
を特徴とするものである。
また上記手段において、熱可塑性エラストマーは、ポ
リオレフィン系熱可塑性エラストマーを主体とする組成
物である。
すなわち本考案による人工肛門用包装袋は、図に示す
ように、防臭の点で優れたPVDC系樹脂を芯層1とし、し
なやかさおよび低ノイズ性、ヒートシール性に優れた熱
可塑性エラストマーを両外層2とした多層フィルムとす
ることで、人工肛門用包装袋として最適な諸特性すなわ
ち、防臭性、低ノイズ性、膚への馴染み、柔軟性などに
優れ、且つヒートシールによる製袋加工性に優れたもの
となる。
本考案で、芯層1として使用されるPVDC樹脂は、塩化
ビニリデン(VDC)の含有量が50wt%以上の塩化ビニル
(VC)、メチルアクリレート(MA)のようなアクリル酸
エステルなどをコーモノマーとした共重合物が用いられ
る。このPVDC樹脂には、必要に応じて、公知の安定剤お
よび/または可塑剤類が添加される。
PVDC樹脂による芯層1の厚みは、その防臭性を十分に
発揮できるよう5〜20μm、好ましくは7〜15μmであ
る。また人工肛門用包装袋として使用するバリヤー性の
目的に合うために、PVDC樹脂の酸素透過度は、200cc/m2
・day・atm(30℃)以下、好ましくは100cc/m2・day・a
tm(30℃)以下、より好ましくは60cc/m2・day・atm(3
0℃)以下とすることが必要である。
次に上記芯層1を挟む両外層2として用いられる熱可
塑性エラストマー(TPE)としては、ポリオレフィン系
熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラス
トマーなどが用いられる。
ここで用いられるポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マーの好ましい例としては、エチレンと、炭素数が3〜
12のアルファーオレフィンから選ばれる一種またはそれ
以上のアルファーオレフィンとの共重合体であって、ア
ルファーオレフィンとしては、プロピレン,ブテン−1,
ヘキセン−1,ヘプテン−1,4メチル−1−ペンテン,オ
クテン−1などであり、好ましくは、プロピレン,ブテ
ン−1である。但し、本考案はこれらに限定されるもの
でない。
共重合体のエチレンの含有量は20〜95モル%、好まし
くは40〜93モル%である。これらの共重合体の密度は、
通常0.92g/cm3以下であり、ASTM D1525(荷重1kg)に従
って測定したVicat(ビカット)軟化点(Vsp)は80℃以
下、好ましくは70℃以下のものである。
さらに熱可塑性エラストマーは、ヤング率(2.5%セ
カンドモジュラス、23℃)が5〜50kgf/mm2の範囲にあ
ることが好ましく、さらに好ましくは5〜30kgf/mm2
範囲である。ヤング率が5kgf/mm2未満では、柔らかすぎ
て、芯層との接着を良好にできず、逆にヤング率が50kg
f/mm2超過では、人工肛門などとして使用したときに皮
膚とのなじみが十分でなくなる。また熱可塑性エラスト
マーのASTM D2240による表面硬度(ショアーA)は45〜
75の範囲のものが好ましく使用できる。
上記熱可塑性エラストマーの具体例としては、東燃石
油化学株式会社製のポリオレフィンエラストマー(商品
名:ラブレーズ)が好ましい一例で、その厚みは15〜60
μm程度のものが好ましい。
上記に述べた芯層1と両外層2との間の接着手段とし
ては、熱接着、その他公知の方法が使用可能である。
人工肛門(オストミーバッグ)の袋材としての厚み
(図に示す三層フィルムの厚み)は、袋としての諸物性
ならびに製袋加工性を考慮すれば、40〜150μm、好ま
しくは60〜100μmである。
〔実施例及び対比例〕
実施例 芯層1のPVDC樹脂として、塩化ビニリデン(VDC)と
塩化ビニル(VC)の共重合物(具体的には、呉羽化学工
業株式会社製の商品名「クレハロン」)で、厚さ10μm
を使用した。外層2の熱可塑性エラストマー(TPE)と
しては、東燃石油化学株式会社製のポリオレフィンエラ
ストマーフィルム(商品名「ラブレーズ」)で、Vicat
軟化点が70℃、厚さが30μmのものを使用した。芯層1
とその両側の外層2は、熱ラミネートにより貼り合わ
せ、図に示すような三層フィルムとした。なおラブレー
ズの見掛け密度は0.85g/cm3であった。
上記ラブレーズは、23℃でのフィルムの厚みが20μm
であり、そのヤング率(2.5%セカンドモジュラス、23
℃)は、15kgf/mm2であった。また、破断時の伸度は長
手方向で580%、幅方向で540%であった。また、ASTM D
2240による表面硬度(ショアーA)は69であった。
対比例 対比例として、EVA(30μm)/EVOH(5μm)/EVA
(30μm)の構成のもの(比較例1)及び低密度PE単層
(70μm)のもの(比較例2)を選んだ。
上記の試料につき、オストミーバッグとして要求され
る特性のうち、特に重要な特性として防臭性、及びノイ
ズ性を対比した。その結果を第1表に示す。
上記第1表において酸素透過度は(cc/m2・day・atm
(30℃,100%RH))である。また低ノイズ性は人の感
触、聴覚により判定した。
上記第1表に示す通り、比較例1はEVAに起因する酢
酸臭が酷い。また袋のブロッキングも酷い。ガスバリヤ
ー層がEVOHの場合、防臭の点で格段に劣り実用上問題が
ある。
〔効果〕
本考案の構成物は、両外層に熱可塑性エラストマーを
配することで、従来のポリエチレン(PE)などのオレフ
ィン樹脂を両外層に用いたものに見られるような、使用
時に高いノイズ(かさかさ音)がせず、且つしなやかさ
に欠けることもなく、またEVA,EMA,EEAなどを両外層に
用いたものの場合のような酢酸臭やアクリル臭やEVAの
場合のようなフィルム同志のブロッキングも見られず人
工肛門などに使用される袋材(オストミーバッグ)とし
て最適なものである。
また外層として熱可塑性エラストマーを使うことで、
可塑剤やアンチブロッキング剤などを使用する必要はな
くなる。
また、膚に触れる側に汗かき時の汗を吸収するべく湿
気透過性のポリオレフィン不織布などを熱ラミネートす
ることもできる。これにより、従来のプラスチック製オ
ストミーバッグになかった汗の吸収・除去といった優れ
た効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案による人工肛門用包装袋の断面図である。 1……芯層、2……外層。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニリデン系樹脂を芯層とし、その両
    側にVicat軟化温度が80℃以下の熱可塑性エラストマー
    からなるフィルムを配したことを特徴とする人工肛門用
    包装袋。
  2. 【請求項2】熱可塑性エラストマーが、ポリオレフィン
    系熱可塑性エラストマーである請求項1記載の人工肛門
    用包装袋。
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JP2733610B2 (ja) * 1989-01-25 1998-03-30 ダイセル化学工業株式会社 医療用固定材

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