JP2539886B2 - 絶縁性被覆膜の除去方法 - Google Patents

絶縁性被覆膜の除去方法

Info

Publication number
JP2539886B2
JP2539886B2 JP63124920A JP12492088A JP2539886B2 JP 2539886 B2 JP2539886 B2 JP 2539886B2 JP 63124920 A JP63124920 A JP 63124920A JP 12492088 A JP12492088 A JP 12492088A JP 2539886 B2 JP2539886 B2 JP 2539886B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
insulating coating
wire
pulsed laser
energy density
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63124920A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01295609A (ja
Inventor
和朗 奥沢
悦郎 小林
正伸 日高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsuo Sangyo Co Ltd
Ushio Denki KK
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsuo Sangyo Co Ltd
Ushio Denki KK
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsuo Sangyo Co Ltd, Ushio Denki KK, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsuo Sangyo Co Ltd
Priority to JP63124920A priority Critical patent/JP2539886B2/ja
Publication of JPH01295609A publication Critical patent/JPH01295609A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2539886B2 publication Critical patent/JP2539886B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Lasers (AREA)
  • Removal Of Insulation Or Armoring From Wires Or Cables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、絶縁性被覆膜を有する被覆ワイヤーの当該
絶縁性被覆膜を除去する方法に関する。
〔従来の背景〕
例えばコイル、トランス、スピーカー、コンデンサ等
の各種の電子部品に用いられる導電材としてのワイヤー
には、通常、エナメル、ポリイミドアミド等の絶縁材料
によりコーティングされて絶縁性被覆膜が形成されてい
る。
これらの被覆ワイヤーは、例えばハンダ付け等の手段
により例えば回路基板等の所定の部材に電気的に接続さ
れるが、絶縁性被覆膜の材料が低融点である場合には、
絶縁性被覆膜がハンダ付けの際の熱により溶融されて除
去されるので、当該絶縁性被覆膜を除去するための特別
の工程を設けなくても電気的な接続を十分に達成するこ
とができる。
しかし、絶縁性被覆膜の材料が高融点である場合に
は、ハンダ付けの際の熱では溶融が困難であるため、何
らかの特別な手段により絶縁性被覆膜をあらかじめ除去
してワイヤーの接続部分を露出させておく工程が必要で
ある。
このようなことから、従来においては、次のような絶
縁性被覆膜の除去手段が採用されていた。
人手により絶縁性被覆膜を削り取る手段。
機械力により絶縁性被覆膜を削り取る手段。
加熱により絶縁性被覆膜を溶かして除去する手段。
加熱した苛性ソーダ等の薬品により絶縁性被覆膜を溶
かして除去する手段。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記の各手段は、次のような問題点を有して
いる。
すなわち、上記の手段は、相当の手間と労力を要す
るため製造コストの上昇を招来し、またワイヤーを損傷
するおそれがある。
上記の手段は、機械力の制御が困難なためワイヤー
を損傷するおそれがある。
上記の手段は、ワイヤーの酸化を招来し、そのため
ハンダ付け等において接続不良が生ずる問題点がある。
上記の手段は、公害防止のための薬品の廃棄処理が
めんどうであり、また薬品の取り扱いが不便である。ま
たワイヤーが薬品により侵される問題がある。
本発明は以上の如き事情に基づいてなされたものであ
って、その目的は、簡単な手段により、効率的に、ワイ
ヤーの損傷、変質を招くことなく、被覆ワイヤーから絶
縁性被覆膜を除去することができる絶縁性被覆膜の除去
方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の方法は、絶縁性被
覆膜を有する被覆ワイヤーの当該絶縁性被覆膜を除去す
る方法において、パルス状レーザ発振器と、このパルス
状レーザ発振器よりのレーザを複数のレーザに分割する
分割ミラーと、それぞれの長手方向が前記被覆ワイヤー
の周方向に沿うように、当該被覆ワイヤーの周方向にお
いてほぼ等角度間隔で配設された、前記分割ミラーより
の各分割パルス状レーザのエネルギー密度を高くするシ
リンドリカルレンズとを備えてなる除去装置を用い、前
記被覆ワイヤーの絶縁性被覆膜に対し、当該絶縁性被覆
膜の表面におけるエネルギー密度が10〜30J/cm2であっ
て、その照射回数が3〜10回となる照射条件で、各分割
パルス状レーザを照射することにより、当該絶縁性被覆
膜を除去することを特徴とする。
そして、除去装置を構成するパルス状レーザ発振器
が、横軸方向励起型ガスレーザ発振器であることが好ま
しい。
〔作用〕
被覆ワイヤーの絶縁性被覆膜にパルス状レーザが照射
されると、当該パルス状レーザのエネルギーにより絶縁
性被覆膜が、溶融、蒸発、剥離、飛散等してワイヤーか
ら除去される。
そして、本発明の除去方法においては、前記絶縁性被
覆膜の表面におけるエネルギー密度が10〜30J/cm2と比
較的低いものであり、しかも、そのような低いエネルギ
ー密度を与える各分割パルス状レーザを3〜10回にわた
り照射するので、ワイヤー自体に損傷や変質を発生させ
ることなく、絶縁性被覆膜を確実に除去することができ
る。
また、本発明の方法に用いる除去装置には、各分割パ
ルス状レーザのエネルギー密度を高くするシリンドリカ
ルレンズを複数備えているので、小型のパルス状レーザ
発振器を用いて除去効率を高めることができる。
また、上記の除去装置を構成する複数のシリンドリカ
ルレンズは、それぞれの長手方向が被覆ワイヤーの周方
向に沿うように、当該被覆ワイヤーの周方向においてほ
ぼ等角度間隔で配設されているので、被覆ワイヤーの絶
縁性被覆膜に対して、当該被覆ワイヤーの周方向におい
てほぼ等角度間隔の方向から、上記照射条件による各分
割パルス状レーザを照射することができる。この結果、
被覆ワイヤーの周方向の全体にわたって絶縁性被覆膜を
確実に除去することができる。
ここで、「被覆ワイヤーの周方向においてほぼ等角度
間隔の方向から各分割パルス状レーザを照射する」と
は、シリンドリカルレンズから絶縁性被覆膜の表面に至
るそれぞれの照射光路の互いになす角度がほぼ等しいこ
とを意味する。
そして、横軸方向励起型ガスレーザ発振器を備えた除
去装置を用いることにより、ピークパワーが大きいパル
ス状レーザが得られるので除去効率を高めることができ
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の一実施例を概略的に示す説明用斜視
図である。同図において、10はパルス状レーザ発振器、
20は例えば三角錐状の分割ミラー、31,32,3334,35,36は
反射ミラー、41,42,43はシリンドリカルレンズ、50は被
覆ワイヤーで、例えばボイスコイル用のマグネットワイ
ヤーである。60は集塵器である。
この例においては、分割ミラー20の頂点にレーザビー
ムが当たると当該頂点に隣接する3面によりそれぞれ3
方向に均等に分割反射されて3本の分割パルス状レーザ
L1,L2,L3が形成される。従って、分割パルス状レーザL
1,L2,L3の各エネルギーは、それぞれ分割前のパルス状
レーザLの1/3と均等である。そして各分割パルス状レ
ーザは、反射ミラーにより進行方向が制御され、かつシ
リンドリカルレンズにより被覆ワイヤー50の表面におけ
るエネルギー密度が10〜30J/cm2となるまで高くされた
うえ、第2図にも示すように、被覆ワイヤー50の表面に
その長手方向に好ましくは直角で、かつ被覆ワイヤー50
の周方向においてほぼ等角度間隔になる3方向(それぞ
れの照射光路のなす角度がほぼ120゜)から照射され
る。ここに、照射回数は3〜10回とされる。
集塵器60は、パルス状レーザの直射を受けない位置に
配置され、パルス状レーザの照射の際に発生する絶縁性
被覆膜の蒸発物等を吸引除去するためのものである。
なお、シリンドリカルレンズ41,42,43と、被覆ワイヤ
ー50との間の光路中には、メニスカスレンズ(図示省
略)が設けられている。このメニスカスレンズは被覆ワ
イヤー50の形状に合わせてパルス状レーザを集光するた
めのものである。また、必要に応じてパルス状レーザの
スポット径を制御するためのマスク等を設けてもよい。
パルス状レーザ発振器10としては、例えば横軸方向励
起大気圧動作型炭酸ガスレーザ(Transversery Excited
Atmospheric Pressure CO2 Laser,以下「TEA−CO2
ーザ」ともいう。)発振器、あるいはエキシマレーザ発
信器等を好ましく用いることができる。
TEA−CO2レーザ発振器の具体的構成の一例を第3図に
示す。同図において、11は出力ミラー、12は全反射ミラ
ー、13はエネルギー蓄積用コンデンサ、14は高電圧スイ
ッチである。
このTEA−CO2レーザは、光軸(レーザの出る方向)に
対して横軸方向から励起(放電)をするレーザであっ
て、大気圧程度で動作するものである。当該TEA−CO2
ーザ発振器において、封入ガス圧力は0.5〜1気圧程
度、電源の電圧は数十kV以上で、電流は数kA以上、レー
ザのパルス幅は数μsec程度、パルス状レーザの単位時
間当たりの繰り返し回数は数千回以下/秒、発振波長は
10μm付近の赤外線波長域である。
斯かるTEA−CO2レーザ発振器を備えた除去装置によれ
ば、ピークパワーが大きいパルス状レーザが得られるの
で絶縁性被覆膜の除去を効率的に達成することができ
る。
なお、被覆ワイヤーの絶縁性被覆膜をワイヤーの周方
向の全体にわたって完全に除去しなくても、ワイヤーの
一部が露出していれば、接続に十分となる場合がある。
以上の実施例によれば、レーザ発振器10よりのパルス
状レーザを被覆ワイヤー50の絶縁性被覆膜に照射する
と、パルス状レーザのエネルギーにより絶縁性被覆膜
が、溶融、蒸発、剥離、飛散等して除去される。なお、
この実施例においては、被覆ワイヤー50の表面における
エネルギー密度が10〜30J/cm2と比較的低く、しかも、
そのような低いエネルギー密度を与えるパルス状レーザ
が3〜10回にわたり照射されるので、絶縁性被覆膜の除
去が効率的かつ確実に行われるとともに、ワイヤー自体
に損傷や変質を発生させることはない。また、絶縁性被
覆膜の蒸発物等は、集塵器60により回収されるので周囲
を汚染するおそれがない。
また、パルス状レーザのエネルギー密度がシリンドリ
カルレンズにより高められるので、絶縁性被覆膜を迅速
かつ容易に除去できる。
そして、3本の分割パルス状レーザL1,L2,L3がそれぞ
れ被覆ワイヤー50の周方向においてほぼ120゜の等角度
間隔で3方向から当該被覆ワイヤー50の絶縁性被覆膜を
照射するので、被覆ワイヤー50の周方向に沿って確実に
絶縁性被覆膜を除去できる。
なお、被覆ワイヤー50をその長手方向を軸として回転
させて3方向からパルス状レーザを照射するようにして
もよいことは勿論である。
第4図は本発明の他の実施例の概略を示す説明図であ
る。同図において、10はパルス状レーザ発振器、70は三
角柱状の分割ミラー、71,72,73,74は反射ミラー、81,82
はシリンドリカルレンズ、83,84はマスク、85,86はメニ
スカスレンズ、50は平板状の被覆ワイヤーである。
マスク83,84には被覆ワイヤー50の形状に合わせた透
過口が設けられているまた、メニスカスレンズ85,86は
被覆ワイヤー50の形状に合わせてレーザを結像させるも
のである。
この例においては、三角柱状の分割ミラー70の稜線に
パルス状レーザ発振器10よりのレーザビームが当たると
当該稜線に隣接する2面により2方向に均等に分割反射
されて2本の分割パルス状レーザL1,L2が形成される
が、まず、一方の分割パル状レーザL1を被覆ワイヤー50
の一面側に照射して絶縁性被覆膜の除去処理を行う。続
いて、被覆ワイヤー50を矢印方向に移動させた後、他方
の分割パルス状レーザL2を被覆ワイヤー50の他面側に照
射して絶縁性被覆膜の除去処理を行う。
すなわち、この例においては、2本の分割パルス状レ
ーザL1,L2を被覆ワイヤー50に同時に照射するのではな
くて、2本の分割パルス状レーザL1,L2の照射点をずら
して被覆ワイヤー50を移動させることにより逐次除去処
理を行うので、2本の分割パルス状レーザL1,L2を同一
ライン上で被覆ワイヤー50に向かって反対方向から照射
した場合に生ずる悪影響を防止することができる。
この例は、特に被覆ワイヤー50の形状が平板状である
場合に好適であり、分割パルス状レーザL1,L2をそれぞ
れ平板状の一面側および他面側にくっきりと照射するこ
とができ、効率的な除去処理を達成することができる。
〔実施例〕
第1図に示した実施例に基づいて、実際に、種々の被
覆ワイヤーについてその絶縁性被覆膜を除去する実験を
行い、下記の項目について評価した。結果を後記第1表
に示す。
なお、被覆ワイヤーの絶縁性被覆膜の被照射面におけ
るパルス状レーザのエネルギー密度は15J/cm2、被覆ワ
イヤーの絶縁性被覆膜におけるパルス状レーザの照射ス
ポットの大きさは2×10mm、パルス状レーザの照射回数
は7回とした。
また、実験に供した被覆ワイヤーは次のものである。
油性エナメル線(JIS C3202) (芯線の太さ0.14mm,被覆膜の厚さ8〜10μm) ポリウレタンナイロン線(JIS C3211) (芯線の太さ0.14mm,被覆膜の厚さ8〜10μm) ポリエステル線(JIS C3210) (芯線の太さ0.14mm,被覆膜の厚さ8〜10μm) ポリイミド銅線 (芯線の太さ0.14mm,被覆膜の厚さ8〜10μm) ポリアミドイミド銅線 (芯線の太さ0.14mm,被覆膜の厚さ8〜10μm) ポリアミドイミドアルミ線 (芯線の太さ0.14mm,被覆膜の厚さ8〜10μm) (1)処理面の状態 各被覆ワイヤーの処理面を顕微鏡(200倍)で観察し
て、処理面の良否を調べた。評価は、酸化物等の異物の
発生が認められず良好な場合を「○」、酸化物等の異物
の発生が若干認められるが実用上差し支えない場合を
「△」、酸化物等の異物の発生が著しく認められ不良で
ある場合を「×」とした。
(2)ハンダの付着性 ハンダ槽内のハンダを230〜250℃の温度で溶融し、こ
の溶融状態のハンダに各被覆ワイヤーの処理面を2秒間
浸漬し、処理面に対するハンダの付着性を調べた。評価
は、ハンダのはじきが認められず付着性が良好な場合を
「○」、ハンダのはじきが若干認められるが実用上差し
支えない場合を「△」、ハンダのはじきが著しく認めら
れ不良である場合を「×」とした。
(3)導体抵抗 各被覆ワイヤーを長さ55mmに切断し、これに上述の条
件でパルス状レーザを照射して、絶縁性被覆膜を5mmに
わたって除去し、これを金糸線にカシメ法またはハンダ
付け法により接続して導体抵抗を測定した。
なお、ポリアミドイミドアルミ線については、ハン
ダ付けが困難であるため、ハンダの付着性の評価、ハン
ダ付け法による導体抵抗の測定は行わなかった。
以上の実験例の結果からも理解されるように、本発明
によれば、種々の被覆ワイヤーの絶縁性被覆膜を良好に
除去することできる。
なお、処理面に発生した若干の酸化物等の異物は、例
えば酸やフラックス等により簡単に除去することができ
るので、実用上問題はない。
以上の実験例におけるパルス状レーザの照射条件は、
エネルギー密度が15J/cm2、照射回数が7回であった
が、この照射条件は、除去すべき絶縁性被覆膜の種類、
厚さ、ワイヤーの材質等により、エネルギー密度10〜30
J/cm2、照射回数3〜10回の範囲内で適宜最適となるよ
うに決定される。
すなわち、絶縁性被覆膜を除去するという観点からは
エネルギー密度は大きいほどよいといえるが、ワイヤー
自体に損傷を与えてはならないという観点からはエネル
ギー密度の上限を規定することが必要となる。また、照
射回数についても、絶縁性被覆膜を除去する観点および
ワイヤー自体への損傷を防止する観点から、その上限お
よび下限を規定することが必要となる。なお、ワイヤー
は金属製であり、パルス状レーザに対する反射率が高い
とはいえ実際には若干の吸収がある。従って、ワイヤー
の熱容量にもよるが、ワイヤーが昇温して酸化すること
を防止するために、ワイヤーのレーザに対する反射率
(吸収率)、熱容量を考慮してパルス状レーザの条件を
選択することが必要である。
しかして、本発明のように、エネルギー密度が10〜30
J/cm2であって、その照射回数が3〜10回となる照射条
件とすれば、市販のほとんどの被覆ワイヤーの絶縁性被
覆膜の除去が可能であり、しかも、ワイヤー自体に損傷
や変質を発生させることはなかった。すなわち、照射す
べき総エネルギー量は絶縁性被覆膜の除去に必要な絶対
量として決定されるが、これをどのようなパルス幅、照
射回数等により与えるかはワイヤーの耐光性、反射率、
熱容量等により決定される。
なお、パルス状レーザとしては、TEA−CO2レーザに限
られず、例えばYAGレーザ、エキシマレーザのような大
きな出力を有するその他のレーザも使用することができ
る。
〔比較実験例〕
パルス状レーザの照射条件(絶縁性被覆膜の被照射面
におけるエネルギー密度および照射回数)を次の条件a
〜dのように変更したこと以外は上記の実験例と同様に
して、被覆ワイヤー(上記のポリウレタンナイロン
線)の絶縁性被覆膜を除去する比較実験を行って被覆ワ
イヤーの処理面を観察した。結果を後記第2表に示す。
(照射条件) 条件a:エネルギー密度 8J/cm2,照射回数 7回 条件b:エネルギー密度32J/cm2,照射回数 7回 条件c:エネルギー密度16J/cm2,照射回数 2回 条件d:エネルギー密度16J/cm2,照射回数11回 以上の比較実験例の結果からも理解されるように、エ
ネルギー密度が10J/cm2未満である場合(条件a)およ
び照射回数が3回未満である場合(条件c)には、被覆
膜の除去を確実に行うことができず、一方、エネルギー
密度が30J/cm2を超える場合(条件b)および照射回数
が10回を超える場合(条件d)には、ワイヤー自体に損
傷や変質を発生させてしまう。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の方法によれば、分割ミ
ラーによって分割され、シリンドリカルレンズによりエ
ネルギー密度が高められた各分割パルス状レーザを、被
覆ワイヤーの絶縁性被覆膜に対して、当該被覆ワイヤー
の周方向においてほぼ等角度間隔の方向から照射して当
該絶縁性被覆膜をワイヤーから除去するので、被覆ワイ
ヤーの周方向の全体にわたり均一に絶縁性被覆膜を除去
することができる。しかも、絶縁性被覆膜の表面におけ
るエネルギー密度が10〜30J/cm2と比較的低いものであ
って、かつ、そのような低いエネルギー密度を与える各
分割パルス状レーザが3〜10回にわたり照射されること
により、ワイヤーの損傷、変質を招くことなく、被覆ワ
イヤーの絶縁性被覆膜を効率的に除去することができ
る。
また、横軸方向励起型ガスレーザ発振器を備えた除去
装置を用いることにより、ピークパワーが大きいパルス
状レーザが得られるので絶縁性被覆膜の除去を効率的に
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は一実施例の概略を示す説明用斜視図、第2図は
複数本の分割パルス状レーザの照射方向を示す説明図、
第3図はTEA−CO2レーザ発振器の具体的構成例を示す説
明用断面図、第4図は他の実施例の概略を示す説明図で
ある。 10……パルス状レーザ発振器 11……出力ミラー、12……全反射ミラー 13……エネルギー蓄積用コンデンサ 14……高電圧スイッチ、20……分割ミラー 31,32,33,34,35,36……反射ミラー 41,42,43……シリンドリカルレンズ 50……被覆ワイヤー、60……集塵器 70……分割ミラー 71,72,73,74……反射ミラー 81,82……シリンドリカルレンズ 83,84……マスク 85,86……メニスカスレンズ L……パルス状レーザ L1,L2,L3……分割パルス状レーザ
フロントページの続き (72)発明者 奥沢 和朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小林 悦郎 神奈川県横浜市緑区元石川町6409番地 ウシオ電機株式会社内 (72)発明者 日高 正伸 東京都港区西新橋2丁目36番1号 松尾 産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−240186(JP,A) 特開 昭58−136212(JP,A) 特開 昭60−98808(JP,A) 実開 昭58−128780(JP,U) 特公 昭50−23148(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性被覆膜を有する被覆ワイヤーの当該
    絶縁性被覆膜を除去する方法において、 パルス状レーザ発振器と、このパルス状レーザ発振器よ
    りのレーザを複数のレーザに分割する分割ミラーと、そ
    れぞれの長手方向が前記被覆ワイヤーの周方向に沿うよ
    うに、当該被覆ワイヤーの周方向においてほぼ等角度間
    隔で配設された、前記分割ミラーよりの各分割パルス状
    レーザのエネルギー密度を高くするシリンドリカルレン
    ズとを備えてなる除去装置を用い、 前記被覆ワイヤーの絶縁性被覆膜に対し、当該絶縁性被
    覆膜の表面におけるエネルギー密度が10〜30J/cm2であ
    って、その照射回数が3〜10回となる照射条件で、各分
    割パルス状レーザを照射することにより、当該絶縁性被
    覆膜を除去することを特徴とする絶縁性被覆膜の除去方
    法。
  2. 【請求項2】除去装置を構成するパルス状レーザ発振器
    が、横軸方向励起形ガスレーザ発振器であることを特徴
    とする請求項1に記載の絶縁性被覆膜の除去方法。
JP63124920A 1988-05-24 1988-05-24 絶縁性被覆膜の除去方法 Expired - Fee Related JP2539886B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63124920A JP2539886B2 (ja) 1988-05-24 1988-05-24 絶縁性被覆膜の除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63124920A JP2539886B2 (ja) 1988-05-24 1988-05-24 絶縁性被覆膜の除去方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01295609A JPH01295609A (ja) 1989-11-29
JP2539886B2 true JP2539886B2 (ja) 1996-10-02

Family

ID=14897409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63124920A Expired - Fee Related JP2539886B2 (ja) 1988-05-24 1988-05-24 絶縁性被覆膜の除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2539886B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101026428B1 (ko) * 2006-04-26 2011-04-07 페톤 가부시끼가이샤 실드 도체층의 절단 방법 및 레이저 가공 장치

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2683926B2 (ja) * 1988-01-25 1997-12-03 三菱電機株式会社 絶縁被覆電線の被覆剥離方法及びその装置
JPH02146911A (ja) * 1988-11-28 1990-06-06 Ushio Inc 電線の絶縁被覆の抜取り方法
US5337941A (en) * 1993-03-31 1994-08-16 The Furukawa Electric Co., Ltd. Magnet wire having a high heat resistance and a method of removing insulating film covering magnet wire
CN1138380A (zh) * 1994-12-28 1996-12-18 株式会社篠崎制作所 用激光加工滚筒和其它物件的方法及加工设备
US5837961A (en) * 1995-11-24 1998-11-17 Miller; Richard T. Laser wire stripping apparatus having multiple synchronous mirrors and a method therefor
WO2003079067A1 (fr) * 2002-03-18 2003-09-25 Ntt Electronics Corporation Procede et dispositif pour la fabrication de fibre optique nue
JP2007194451A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Cosel Co Ltd 電子部品とその実装方法
JP4910546B2 (ja) * 2006-08-01 2012-04-04 住友電気工業株式会社 同軸ケーブルのレーザ加工方法
JP5305223B2 (ja) * 2008-06-26 2013-10-02 Tdk株式会社 絶縁導線の被覆剥離方法
JP2009166128A (ja) * 2009-02-03 2009-07-30 Phoeton Corp レーザ加工装置
CN102386547B (zh) * 2011-09-06 2013-05-01 湖北星业光电科技有限公司 激光剥漆机
JP5652413B2 (ja) * 2012-02-17 2015-01-14 Tdk株式会社 コイル部品の製造方法とワイヤの継線方法
FR2992784B1 (fr) * 2012-06-29 2015-08-07 Laselec Dispositif de denudage de cables electriques utilisant des diodes laser violettes ou bleues
CN105032849B (zh) * 2015-08-19 2017-10-10 武汉拓尔奇光电技术有限公司 一种电感引脚激光清洗设备
CN113001033A (zh) * 2019-12-18 2021-06-22 泰科电子(上海)有限公司 激光切割设备
KR102400439B1 (ko) * 2020-04-24 2022-05-20 주식회사 휴비스 에나멜 동선 탈피장치

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58136212A (ja) * 1982-02-05 1983-08-13 住友電装株式会社 絶縁電線の皮剥方法
JPS58128780U (ja) * 1982-02-24 1983-08-31 日本電気株式会社 レ−ザ被覆切断装置
JPS5986819U (ja) * 1982-12-02 1984-06-12 島田理化工業株式会社 レ−ザ光式ワイヤストリツプ装置
JPS6098808A (ja) * 1983-11-04 1985-06-01 ソニー株式会社 線材の被覆剥離方法及びそれに用いる装置
JPS62240186A (ja) * 1986-04-11 1987-10-20 Mitsubishi Electric Corp 加工材料の切断方法および切断装置
JPS63249413A (ja) * 1987-04-02 1988-10-17 三菱電機株式会社 被覆電線端末処理装置
JPS6471584A (en) * 1987-09-10 1989-03-16 Fujitsu Ltd Device for eliminating covering part of covered wire
JPH01127689U (ja) * 1988-02-12 1989-08-31
JPH01157519U (ja) * 1988-04-14 1989-10-31

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101026428B1 (ko) * 2006-04-26 2011-04-07 페톤 가부시끼가이샤 실드 도체층의 절단 방법 및 레이저 가공 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01295609A (ja) 1989-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2539886B2 (ja) 絶縁性被覆膜の除去方法
JP2683926B2 (ja) 絶縁被覆電線の被覆剥離方法及びその装置
US5298715A (en) Lasersonic soldering of fine insulated wires to heat-sensitive substrates
US6531677B2 (en) Method and apparatus for drilling printed wiring boards
JP4701463B2 (ja) 電池用電極板の活物質除去方法
JP2609802B2 (ja) レーザ溶接方法
JP4275120B2 (ja) コイル部品の製造方法及び製造装置
JP2007516083A (ja) 担体から被覆層または塗装部をレーザにて除去する方法と装置
JP3259156B2 (ja) 回路基板の表面処理方法
JP2008109753A (ja) 被覆剥離方法
JP2000202664A (ja) レ―ザ穴あけ加工方法
JPH05182854A (ja) コイル端末処理方法
JPS6331092B2 (ja)
US4013212A (en) Soldering method
JPH04105509A (ja) 電線皮膜の剥離方法
JP3667706B2 (ja) レーザ加工方法
JP2001047222A (ja) レーザによる被覆細線のリフローソルダリング法
JPH0687067A (ja) はんだ付け方法
CN113199105A (zh) 为短线尾上锡的方法
JPH03212109A (ja) エナメル電線の絶縁膜剥離方法
JP3343812B2 (ja) バイアホール形成方法及びレーザ加工装置
JPH06141432A (ja) 導線の絶縁被膜除去装置
JPH0982554A (ja) コイル用ワイヤの絶縁層剥離方法
JP2837936B2 (ja) 絶縁層剥離方法およびその装置
JPH11337418A (ja) シース型熱電対の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees