JP2539720B2 - バインダ―樹脂組成物及びその製法 - Google Patents

バインダ―樹脂組成物及びその製法

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JP2539720B2
JP2539720B2 JP4029899A JP2989992A JP2539720B2 JP 2539720 B2 JP2539720 B2 JP 2539720B2 JP 4029899 A JP4029899 A JP 4029899A JP 2989992 A JP2989992 A JP 2989992A JP 2539720 B2 JP2539720 B2 JP 2539720B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種プラスチックの保
護、美粧および接着を目的として用いられるバインダー
樹脂組成物に関し、更に詳しくは、ポリオレフィン系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリエステル系樹脂等、各種合成樹脂のフィル
ム、シートまたは成形物に対し優れた諸物性を示す塗
料、印刷インキ、あるいは接着剤のバインダー樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】プラス
チックは、高生産性でデザインの自由度が高く、軽量、
防錆、対衝撃性等多くの利点があるため、近年、自動車
部品、電気部品、建築資材等の材料として多く用いられ
ている。とりわけポリオレフィン系樹脂は、価格が安く
成形性、耐薬品性、耐熱性、耐水性、良好な電気特性な
ど、多くの優れた性質を有するため、工業材料として広
範囲に使用されており、将来その需要の伸びが最も期待
されている材料の一つである。
【0003】しかしながらポリオレフィン系樹脂は、ポ
リウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリエステル系樹脂等、極性を有する合成樹脂と異
なり、非極性でかつ結晶性のため、塗装や接着が困難で
あると言う欠点を有する。そこで従来よりポリオレフィ
ン系樹脂成形物の表面を、プラズマ処理やガス炎処理し
て活性化することにより付着性を改良しているが、この
方法は工程が複雑で多大な設備費や時間的なロスを伴う
こと、又成形物の形の複雑さ及び樹脂中の顔料や添加物
の影響により、表面処理効果にバラツキを生ずる等の欠
点を有している。
【0004】このような前処理なしに塗装する方法とし
て、自動車のポリプロピレンバンパー塗装に見られよう
なプライマー組成物が種々提案されている。例えば特公
昭62−21027号公報には、プロピレン−α−オレ
フィン共重合体をマイレン酸変性した表面処理剤が提案
されている。しかしポリオレフィンにマイレン酸を導入
しただけのプライマー組成物では、付着性、耐溶剤性は
あるが、スプレー性、溶解性、相溶性が悪いという欠点
を有している。また、ツーコート仕上げという煩雑さを
伴うものである。
【0005】ワンコート仕上げ用の被覆用組成物として
は、ポリオレフィン系樹脂に対して強い付着力を有する
塩素化ポリオレフィンや環化ゴム等があるが、耐候性、
耐湿性、耐ガソリン性等が劣り十分な塗膜性能を示さな
い。そのため良好な塗料物性を有するアクリル樹脂やア
ルキッド樹脂を混合して使用する試みがなされている
が、本来アクリル樹脂やアルキッド樹脂は塩素化ポリオ
レフィンと相溶性が悪いため、塗膜の光沢が低下し、外
観を著しく損なうなどの問題を生じる。
【0006】これらの欠点を改良するため特開昭58−
71966号公報に見られるような、アクリル系単量体
と塩素化ポリオレフィンを共重合して得られる被覆用組
成物や、特開昭59−27968号公報に見られるよう
な、水酸基を有するアクリル系単量体等と塩素化ポリオ
レフィンを共重合させた、塩素化ポリオレフィン変性水
酸基含有アクリル共重合体とイソシアネート化合物を必
須成分として成る塗料組成物や、特開昭62−9537
2号公報に見られるような、塩素化ポリオレフィンと液
状ゴムの存在下で、水酸基を有するアクリル系単量体等
と共重合した水酸基含有アクリル変性塩素化ポリオレフ
ィンおよびイソシアネート化合物を主成分として成る接
着剤樹脂組成物などが提案されている。しかしこれら塩
素を含有する組成物は、耐紫外線性や耐熱性にやや劣
り、長期の耐候性に問題がある。
【0007】塩素を含有しない組成物として、特開昭6
2−273083号公報には、マレイン酸をグラフト重
合したポリオレフィンと官能基モノマーおよびラジカル
重合性不飽和モノマーを共重合した樹脂組成物と、架橋
剤より成る複層塗膜形成法が提案されている。また、他
にもポリオレフィン中に不飽和結合を導入する方法(特
開平1−123812号公報、特開平2−269109
号公報)、有機過酸化物を導入する方法(特開平1−1
31220号公報)、2官能性有機過酸化物を用いる方
法(特開昭64−36614号公報)などが提案されて
いるが、これらはいずれもポリオレフィンとラジカル重
合性不飽和モノマーの反応性を向上させるための工夫で
ある。
【0008】しかしながらこれらの方法は、高濃度で共
重合反応を行った場合、反応中にゲル化する恐れがある
ため、非常に希薄な濃度で反応を行う必要がある。この
ためポリオレフィンへのグラフト共重合効率は非常に低
く、ラジカル重合性不飽和モノマーのホモポリマーを生
じやすく、精製などの工程を経なければ2層分離を起こ
し、そのままでは使用できないという欠点を有する。
【0009】一方、食品包装用材料としても、様々な種
類のプラスチックフィルムが開発され使用されている。
それに伴って包装形態も多様化しており、特に包装内容
物を保護するために、ラミネートによる複合フィルムの
使用が多くなっている。これら包装用に使用されるラミ
ネート用インキは、フィルムの種類により数多くのイン
キを使い分けていたが、今日では該ラミネート用インキ
は2種類に大別されるようになってきている。即ち、専
らポリプロピレンフィルムに用いられる塩素化ポリプロ
ピレンと塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体を主たるバ
インダーとするインキ組成物と、専らポリエステル、ナ
イロンフィルムに用いられるウレタン樹脂を主たるバイ
ンダーとするインキ組成物である。
【0010】前者の塩素化ポリプロピレンと塩素化エチ
レン酢酸ビニル共重合体を主たるバインダーとするイン
キ組成物は、例えば特公昭60−31670号公報に、
また塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体を更にスルフォ
クロル化したインキ組成物は、特開昭55−14577
5号公報に示されている。これらは未処理ポリプロピレ
ンフィルムに対してインキの接着性が良好であるととも
に、エクストリュージョンラミネート方式でラミネート
印刷した場合でも良好な接着性を示す。しかしポリエス
テル、ナイロン等のフィルムに対しては接着性に乏し
く、これらのフィルムにはラミネート用印刷インキとし
て適さない。
【0011】後者のウレタン系樹脂を主たるバインダー
とするインキ組成物は、特開昭62−153366号公
報、特開昭62−153367号公報で示されるよう
に、ポリエステル及びナイロンなどの極性を有するフィ
ルムに対しては良好な接着性を示すが未処理ポリプロピ
レンフィルムに対してはまったく付着性がなく、ポリプ
ロピレンエクストリュージョンラミネート方式による印
刷は不可能である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のよう
に、塩素化ポリオレフィン系のバインダー樹脂にみられ
る耐候性の低下がなく、また従来の非塩素ポリオレフィ
ン系グラフト物にみられる架橋やゲル化物が少なくポリ
オレフィンに対する付着性を有し、かつポリウレタン系
樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂等、各種合成樹脂のフィルム、シートまたは成
形物に対し優れた諸物性を示す溶液の均一透明性の良好
な塗料、印刷インキ、あるいは接着剤用のバインダー樹
脂組成物を提供する事を目的とする。
【0013】本発明者らは、すでに特開昭61−215
666号公報において塩素化ポリオレフィンと塩素化ポ
リジエンへのアクリル系モノマーのグラフト重合につい
ては発明を完成させポリオレフィンと他の極性樹脂との
両者に付着するバインダーとしてその効果を確認してい
る。しかし、さらに高い性能を要求される場合や長期の
使用に際しては塩酸の脱離による劣化が問題となってく
る事がわかった。
【0014】そこで、本発明者らは塩素化されていない
が溶剤への溶解性の良いポリオレフィンであるプロピレ
ンとエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンを共重
合したポリオレフィンを有機過酸化物と熱により減成し
たのち、ラジカル重合性単量体をグラフト重合させる方
法を考察し種々検討を重ねた結果、以下のような条件下
において均一なグラフト重合物が得られる事を見いだし
た。
【0015】すなわち、本発明はプロピレンとエチレン
と炭素数4〜20のα−オレフィンをランダム共重合し
たポリオレフィンを有機過酸化物及び/または熱により
減成したもの20〜80重量%に対し、ラジカル重合性
単量体を80〜20重量%添加してグラフト重合させる
際に、下記(a)(b)(c)(d)の各要件 (a)ポリオレフィンを有機溶媒に固形分濃度が20〜
50重量%の範囲で溶解する、(b)ポリオレフィン溶
液に有機過酸化物を添加した後に、不飽和カルボン酸誘
導体を反応液内濃度が1リットルあたり0.5モルを越
えないような範囲で徐々に添加する、(c)ラジカル重
合性単量体の少なくとも50モル%が炭素数4〜12の
アクリル酸エステルである、(d)有機過酸化物の半減
期が3〜5時間となる温度で反応を行う、のいずれか1
つ、いずれか2つ、いずれか3つ又は全部を組合せるこ
とにより得られる樹脂溶液の均一透明性の良好なバイン
ダー樹脂組成物およびその製法並びにこれを利用した塗
料、インキ、接着剤用バインダー樹脂組成物である。
【0016】ここで、プロピレンとエチレンと炭素数4
〜20のα−オレフィンを共重合したポリオレフィンは
ランダム共重合したものが好ましく、必要によりプロピ
レンとエチレンとα−オレフィンの量比を選ぶ事が出来
る。特に、ポリプロピレンへの付着性を必要とする場合
はプロピレン成分が50モル%以上含まれるものが望ま
しい。
【0017】炭素数4〜20のα−オレフィンとしては
ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル
ペンテン−1、3−メチルペンテン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン
−1等のものがあり、特に炭素数4〜10のものが望ま
しい。
【0018】このポリオレフィンの減成は、従来より行
われている熱溶融状態で行う方法でよく、熱のみによる
減成、および/または有機過酸化物を添加した減成反応
により行うものである。この時の温度は120〜250
℃の範囲でよく、有機過酸化物としてはジ−クミルパー
オキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブ
チルパーオキシド、t−ブチルパーオキシアセテート等
を用いることができる。減成後のポリオレフィンの分子
量は必要により調整する事が出来るが溶解性の点からは
1〜3万程度が望ましい。
【0019】このように減成したランダム共重合ポリオ
レフィンを用いることで塩素化ポリオレフィンを用いた
変性物にみられる塩素の脱離による樹脂の劣化が全くな
く、耐紫外線性や耐熱性などの物性の向上が期待でき
る。
【0020】グラフト重合に用いるラジカル重合性単量
体としては、不飽和モノカルボン酸エステルおよび不飽
和ジカルボン酸エステルまたは酸無水物、不飽和芳香族
単量体、その他をもちいることができる。不飽和モノカ
ルボン酸エステルとしては炭素数4〜20のアクリル酸
エステル、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル
酸シクロヘキシル、および/またはメタアクリル酸エス
テル、たとえばメタクリル酸メチル、メタアクリル酸エ
チル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸n−ブ
チル、メタアクリル酸、メタアクリル酸イソブチル、メ
タアクリル酸t−ブチル、メタアクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタアクリル酸ラウリル、メタアクリル酸ステ
アリル、メタアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸シク
ロヘキシル等がある。
【0021】また、不飽和ジカルボン酸誘導体としては
無水マイレン酸、マイレン酸ジメチル、マイレン酸ジエ
チル、マイレン酸ジ−2−エチルヘキシル、マイレン酸
ジブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマ
ル酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジブチル等があ
げられる。
【0022】さらに不飽和芳香族単量体としてはスチレ
ン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレ
ン、イソプロピルスチレン、α−メチルスチレン、α−
エチルスチレン等が挙げられる。その他のラジカル重合
性単量体としては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ア
クリロニトリル、アクリルアミド等が挙げられる。
【0023】本発明は、ポリオレフィン20〜80重量
%に対し、ラジカル重合性単量体を80〜20重量%添
加してグラフト重合する場合に有効な方法であり、ポリ
オレフィンが20重量%未満ではポリオレフィンに対す
る付着性が劣り、80重量%を越えるとポリウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂等の各種極性基材に対する付
着性が低下する。好ましくはポリオレフィンが40〜6
0%の範囲であることが望ましい。
【0024】本発明では、これらラジカル重合性単量体
を単独あるいは数種混合して用いる事が出来るが、これ
らの少なくとも50モル%が炭素数4〜12のアクリル
酸エステルであることが必要であり、これより少ないと
重合反応速度が著しく低下するためモノマーの反応液内
濃度を1リットルあたり0.5モルを越えない範囲に維
持することが困難となり2層分離を生じる事となる。ま
た、炭素数12を越えるアクリル酸エステルは重合速度
が遅く上記と同様な理由で2層分離を生じる。
【0025】また、アクリル酸エステルは塗料やインキ
にした場合の塗膜の光沢性や柔軟性により良い効果を与
える事からラジカル重合性単量体の主要成分として好ま
しいものである。
【0026】アクリル酸エステルとしては上述したもの
のうち炭素数4〜12のものがあげられるが、とくに耐
湿性や耐溶剤性を必要とされるインキ、塗料用途にはア
クリル酸シクロヘキシルを用いるのが好ましい。
【0027】これらの反応は有機溶媒中で行うが、この
時用いられる有機溶媒としてはベンゼン、トルエン、キ
シレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチ
ル、テトラヒドロフラン等があげられる。
【0028】反応濃度ははじめにポリオレフィンのみを
溶解したときの固形分濃度が20〜50wt%の範囲で開
始し、これに有機過酸化物を添加した後に、ラジカル重
合性単量体を反応液内濃度が1リットルあたり0.5モ
ルを越えないような範囲で徐々に添加する。
【0029】初期の反応濃度はグラフト反応の初期反応
を制御する上で重要であり、20〜50重量%の範囲で
行うが、20重量%より低いとグラフト効率が低下し2
層分離が生じ、50重量%より高いと架橋やゲル化物が
生成し粘度が上昇する傾向がある。
【0030】ラジカル重合性単量体の添加は反応液内濃
度が1リットルあたり0.5モルを越えないような範囲
で徐々に添加するが、用いるラジカル重合性単量体の重
合反応性によりその添加速度を調整して、添加速度がモ
ノマーの消費速度を越えない範囲で維持するようにする
事が重要である。ラジカル重合性単量体の濃度が1リッ
トルあたり0.5モルを越えるとラジカル重合性単量体
のホモポリマーの生成及び成長が著しくなり、2層分離
を生じる事となる。未反応のラジカル重合性単量体の濃
度はガスクロマトグラフィー等により定量する事が出来
る。
【0031】反応温度は用いる有機過酸化物の半減期が
3〜5時間となる温度でおこなうが、3時間より短いと
ラジカル重合性単量体の自己重合が促進されホモポリマ
ーの生成により2層分離が生じたり、ポリマー分子間の
架橋が生じゲル化物を生成し易くなる。5時間より長い
と重合反応が進行しにくく十分なグラフト重合が阻害さ
れる傾向がある。本発明の製法によって得られるバイン
ダー樹脂組成物溶液は実用濃度において均一透明性の良
好な溶液であり、これをフィルム等にキャストしたコー
ティング膜も均一で透明なものである。
【0032】本発明のバインダー樹脂組成物は反応液を
濃度調整するだけでそのままコーティングする事もでき
るが、これに顔料、溶剤、顔料分散剤、粘度調整剤、可
塑剤、安定剤、架橋硬化剤等を添加して混練し、イン
キ、塗料あるいは接着剤として用いることもできる。ま
た、これにさらにアルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン等を添加して用
いても差し支えない。
【0033】
【作用】本発明は、塩素化ポリオレフィン系のバインダ
ー樹脂にみられる耐候性の低下がなく、また従来の非塩
素ポリオレフィン系グラフト物にみられる架橋やゲル化
物が少なくポリオレフィンに対する付着性を有し、かつ
ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリエステル系樹脂等、各種合成樹脂のフィルム、
シートまたは成形物に対し優れた諸物性を示す塗料、印
刷インキ、あるいは接着剤用のバインダー樹脂組成物を
提供することを目的としている。
【0034】本発明者らはこの目的を達成するために、
ポリオレフィンに塩素を含まないランダム共重合ポリオ
レフィンの減成物を用いて、従来のラジカル重合による
グラフト反応条件を最適化する事で均一透明なバインダ
ー樹脂組成物溶液を得る事が出来た。
【0035】ラジカル重合によるグラフト化反応ではグ
ラフト効率を向上する方法として一般につぎのような事
が知られている。(井手文雄著 グラフトとその応用
高分子刊行会) 1)幹ポリマー濃度が高い方がよい 2)モノマー濃度が低い方がよい 3)ラジカル発生剤濃度が低い方がよい
【0036】しかし、実際にはこのような条件を満足す
るような組み合わせを選ぶのは非常に困難を要し、さら
にこれに実用的な物性を付与するような組み合わせは容
易に得られるものではない。また、従来のポリオレフィ
ンへのラジカル重合性単量体のグラフト重合物の主な用
途はプラスチック成形物の改質剤であったために、その
均一性は本発明の方法において得られるような溶液およ
び乾燥塗膜での完全な均一透明性までは有してはいない
のが現状である。
【0037】したがって、本発明者らは塗料・インキ用
途での物性を満足し、かつより均一なグラフト重合物が
得られる条件の組み合わせを検討したところ、単にグラ
フト効率を高めるだけでなく、反応中に必然的に生成す
るアクリル樹脂のホモポリマーを如何に相溶させるかを
検討した結果以下のような考え方により本発明を完成す
るに至ったものである。
【0038】まず、減成したランダム共重合ポリオレフ
ィンを用いることで、ポリオレフィンの溶解性を向上さ
せるとともに低分子量化することでアクリル樹脂のホモ
ポリマーとの相溶性を向上させた。また、減成反応によ
り分子末端に炭素−炭素二重結合を導入し、ポリオレフ
ィン自身の反応性を向上させた。これを溶解した溶液に
ラジカル反応性モノマーを徐々に添加することで初期の
幹ポリマー濃度を高くする事が出来る。
【0039】さらに、モノマーを徐々に添加することで
モノマー濃度を一定値以下に保つ事ができ、モノマーに
対する相対的な幹ポリマー濃度を高く維持する事も可能
となった。また、モノマー濃度を低く維持することによ
り生成するホモポリマーやグラフト鎖の分子量を小さく
抑えることができ、ポリオレフィンとアクリル樹脂の相
溶性を向上することができるという作用も期待できる。
【0040】グラフト重合するラジカル重合性単量体の
少なくとも50モル%に炭素数4〜12のアクリル酸エ
ステルを用いるが、これはアクリル酸エステルが塗料や
インキで使用される顔料に対して適当な分散性能を有し
ていることなど必要な物性を得るための選択であるが、
メタクリル酸エステルや炭素数12以上のアクリル酸エ
ステルでは重合速度が遅いためにモノマー濃度が高くな
り十分なグラフト重合が進行しにくいためである。
【0041】また、ポリオレフィンに対するグラフト重
合のしやすさは、不飽和ジカルボン酸誘導体>アクリル
酸エステル>メタクリル酸エステルの順であるが、不飽
和ジカルボン酸誘導体はグラフト鎖の生長反応が生じに
くく短いグラフト鎖しか生成しないので反応中に生成す
るラジカル重合性単量体のホモポリマーを相溶化する効
果が少ないと予想される。従って、分子鎖の生長反応性
とポリオレフィンへのグラフト性のバランスのとれた炭
素数4〜12のアクリル酸エステルを主成分として用い
る事で安定したグラフト反応が進行し易いと考える。
【0042】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】実施例−1 攪拌器、冷却管、温度計および滴下ロートを取り付けた
4つ口フラスコ中で、プロピレンとエチレンとブテンの
ランダム共重合物であるポリオレフィン(プロピレン成
分75モル%、エチレン成分20モル%、1−ブテン成
分5モル%、分子量9万)を200℃付近で減成した分
子量3万の減成ポリオレフィン100重量部をトルエン
230重量部に溶解し、105℃に加温した後t−ブチ
ルパーオキシイソプロピルカーボネート7重量部を添加
した。(この時の半減期は約4時間)
【0044】温度を100℃に維持したまま攪拌を続
け、これにアクリル酸シクロヘキシル120重量部、マ
イレン酸ジメチル10重量部、アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル20重量部およびトルエン140重量部を混合
した溶液をチューブポンプにより3時間かけて添加し
た。反応はさらに十分な攪拌を行いながら4時間継続し
た後、冷却した。
【0045】得られた樹脂溶液の濃度は40%で、25
℃での溶液粘度は320CPS、重量平均分子量は7
万、残存モノマーは0.1%以下であった。
【0046】実施例−2 攪拌器と、冷却管、温度計および滴下ロートを取り付け
た4つ口フラスコ中で、実施例−1と同様な方法で減成
した分子量3万の減成ポリオレフィン100重量部をト
ルエン230重量部に溶解し、105℃に加温した後t
−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート7重量部
を添加した。(この時の半減期は約4時間)
【0047】温度を100℃に維持したまま攪拌を続
け、これにアクリル酸シクロヘキシル90重量部、メタ
クリル酸シクロヘキシル30重量部、マレイン酸ジメチ
ル10重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル20重
量部およびトルエン140重量部を混合した溶液をチュ
ーブポンプにより3時間かけて添加した。反応はさらに
充分な攪拌を行いながら4時間継続した後、冷却した。
【0048】得られた樹脂溶液の濃度は40%で、25
℃での溶液粘度は540CPS、重量平均分子量は6
万、残存モノマーは0.5%であった。
【0049】実施例−3 攪拌器、冷却管、温度計および滴下ロートを取り付けた
4つ口フラスコ中で、実施例−1と同様な方法で減成し
た分子量3万の減成ポリオレフィン100重量部をトル
エン375重量部に溶解し、105℃に加温した後t−
ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート7重量部を
添加した。(この時の半減期は約4時間)
【0050】温度を82℃に維持したまま攪拌を続け、
これにアクリル酸シクロヘキシル90重量部、メタクリ
ル酸シクロヘキシル30重量部、マレイン酸ジメチル1
0重量部、およびアクリル酸2−ヒドロキシエチル20
重量部を混合した溶液をチューブポンプにより3時間か
けて添加した。反応はさらに充分な攪拌を行いながら4
時間継続したのち、冷却した。
【0051】得られた樹脂溶液の濃度は40%で、25
℃での溶液粘度は250CPS、重量平均分子量は5
万、残存モノマーは0.5%であった。
【0052】実施例−4 攪拌器、冷却管、温度計および滴下ロートを取り付けた
4つ口フラスコ中で、実施例−1と同様な方法で減成し
た分子量3万の減成ポリオレフィン100重量部をトル
エン230重量部に溶解し、82℃に加温した後ベンゾ
イルパーオキシド7重量部を添加した(この時の半減期
は約4時間)。
【0053】温度を82℃に維持したまま攪拌を続け、
これにアクリル酸シクロヘキシル90重量部、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル30重量部、マレイン酸ジメチ
ル10重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル20重
量部およびトルエン140重量部を混合した溶液をチュ
ーブポンブにより3時間かけて添加した。反応はさらに
充分な攪拌を行いながら4時間継続した後、冷却した。
【0054】得られた樹脂溶液の濃度は40%で、25
℃での溶液粘度は180CPS、重量平均分子量は6
万、残存モノマーは0.1%であった。
【0055】実施例−5 攪拌器、冷却管、温度計および滴下ロートを取り付けた
4つ口フラスコ中で、実施例−1と同様な方法で減成し
た分子量3万の減成ポリオレフィン100重量部をトル
エン250重量部に溶解し、82℃に加温した後ベンゾ
イルパーオキシド7重量部を添加した。(この時の半減
期は約4時間)
【0056】温度を82℃に維持したまま攪拌を続け、
これにアクリル酸シクロヘキシル90重量部、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル30重量部、マレイン酸ジメチ
ル10重量部、およびアクリル酸2−ヒドロキシエチル
20重量部を混合した溶液をチューブポンプにより3時
間かけて添加した。反応はさらに充分な攪拌を行いなが
ら4時間継続した後、冷却した。
【0057】得られた樹脂溶液の濃度は50%で、25
℃、40%での溶液粘度は480CPS、重量平均分子
量は10万、残存モノマーは0.1%以下であった。
【0058】比較例−1 攪拌器、冷却管、温度計および滴下ロートを取り付けた
4つ口フラスコ中で、実施例−1と同様な方法で減成し
た分子量3万の減成ポリオレフィン100重量部をトル
エン230重量部に溶解し、105℃に加温した後t−
ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート7重量部を
添加した。(この時の半減期は約4時間)
【0059】温度を100℃に維持したまま攪拌を続
け、これにメタクリル酸シクロヘキシル120重量部、
マレイン酸ジメチル10重量部、アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル20重量部およびトルエン140重量部を混
合した溶液をチューブポンプにより3時間かけて添加し
た。反応はさらに充分な攪拌を行いながら4時間継続し
た後、冷却した。
【0060】得られた樹脂溶液の濃度は40%で、25
℃での溶液粘度は180CPS、重量平均分子量は4
万、残存モノマーは2.1%であった。溶液は1日放置
後、2層に分離した。
【0061】比較例−2 攪拌器と、冷却管、温度計および滴下ロートを取り付け
た4つ口フラスコ中で、実施例−1と同様な方法で減成
した分子量3万の減成ポリオレフィン100重量部をト
ルエン250重量部に溶解し、110℃に加温した後t
−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート7重量部
を添加した。(この時の半減期は約2時間)
【0062】温度を107℃に維持したまま攪拌を続
け、これにアクリル酸シクロヘキシル90重量部、メタ
クリル酸シクロヘキシル30重量部、マレイン酸ジメチ
ル10重量部、およびアクリル酸2−ヒドロキシエチル
20重量部を混合した溶液をチューブポンプにより3時
間で添加した。反応はさらに充分な攪拌を行いながら4
時間継続した後、冷却した。
【0063】得られた樹脂溶液の濃度は40%で、25
℃での溶液粘度は1800CPS、重量平均分子量は2
3万、残存モノマーは0.2%であった。溶液は反応中
から白濁し2層に分離した。
【0064】固形分濃度を40重量%に調整したバイン
ダー溶液の反応処方と25℃における物性を表1に示し
た。
【0065】
【表1】 モノマー濃度は反応中の最大値を示した。 粘度測定はB型粘度計を使用した。
【0066】表1より本発明に該当する実施例1〜5で
は溶液の透明性がよく2層分離のないものが得られるこ
とがわかる。また、これらの溶液は分子量や粘度が適度
に調整された架橋やゲル化物の少ない樹脂溶液であるこ
とがわかる。
【0067】次に、これらのバインダー樹脂組成物を塗
料に応用した場合の性能について配合例1および2によ
り説明する。また、従来の塩素化ポリオレフィン樹脂の
物性について参考例1を示した。
【0068】配合例−1 実施例−1で得たバインダー樹脂溶液(solid 4
0%)100gと二酸化チタン26gをサンドミルで3
時間混練した後、イソシアネート硬化剤 デスモジュー
ルZ4370(住友バイエルウレタン株式会社製、イソ
ホロンジイソシアネート系、イソシアヌレート体)1
9.7gを添加し、No.4フォードカップで13〜1
5秒/20℃になるようキシレンで粘度調整を行い。ポ
リプロピレン板、TX−933A(三菱油化株式会社
製)にスプレー塗装した。室温で15分間乾燥した後、
80℃で30分間強制乾燥し、1週間室内に静置した後
塗膜の試験を行った。結果を表2に示した。
【0069】配合例−2 実施例−2で得たバインダー樹脂溶液(solid 4
0%)100gと二酸化チタン26gをサンドミルで3
時間混練した後、イソシアネート硬化剤 デスモジュー
ルZ4370 12.9gを添加し、配合例−1と同様
な方法で塗料調整及び塗膜の試験を行った。結果を表2
に示した。
【0070】参考例−1 塩素化ポリプロピレン スーパークロン832L(山陽
国策パルプ株式会社製、塩素含有率27wt%、固形分3
0wt%)35g及びポリアクリルポリオールデスモフェ
ンA−160(住友バイエルウレタン株式会社製、固形
分60%、水酸基含有量2.7%対solid)35
g、二酸化チタン26g、デスモジュールZ4370
12.2gの配合割合で、配合例−1と同様な方法で塗
料調整及び塗膜の試験を行った。結果を表2に示した。
【0071】
【表2】
【0072】試験方法 ・付着性 塗面上に1mm間隔で素地に達する100個の碁盤目を作
り、その上にセロファン粘着テープを密着させて180
°方向にひきはがし、塗膜の残存する程度で判定した。
【0073】・促進耐候性 カーボンアーク式のサンシャインウエザーメーターを使
用した。白色度はハンターで、光沢度は60°鏡面反射
光沢度計で測定した。
【0074】・耐温水性 40℃の温水に塗装板を120時間及び240時間浸せ
きし、塗膜の状態を調べた。
【0075】・耐ガソリン性 (ラビング100回)脱脂綿に日石レギュラーガソリン
をしみ込ませ、塗面を100回ラビングし、塗膜の状態
を調べた。 (浸せき2時間)塗面上に素地に達するスクラッチ
(×)を入れ、日石レギュラーガソリンに2時間浸せき
し、塗膜の状態を調べた。
【0076】・耐屈曲性 1/2φインチマンドレルで180°折り曲げ、塗膜の
状態を調べた。
【0077】・耐衝撃性 デュポン式衝撃試験機で、撃芯1/2φインチ、荷重5
00gを使用し、塗面上に50cmの高さから落下させ、
塗膜の状態を調べた。
【0078】表2で示したように、ポリプロピレンへの
付着性は従来の塩素化樹脂と同等以上であり、耐候性は
塩素化樹脂に比べてかなり改善されていることがわか
る。また、耐温水性や耐ガソリン性についても大きく改
善され、耐屈曲性、耐衝撃性はラジカル重合性単量体に
アクリル酸エステルを主成分とすることで改善されてい
る。総合的に評価して本発明のバインダー樹脂組成物
が、塗料として優れた性能を有することがわかる。
【0079】続いて、これらのバインダー樹脂組成物を
インキに応用した場合の性能について配合例3および4
により説明する。また、従来の塩素化ポリオレフィン樹
脂およびウレタン樹脂の物性について参考例2および3
を示した。
【0080】配合例−3 実施例−1で得たバインダー樹脂溶液(solid 4
0%)でインキを調整し、コーティングロッド#10で
未処理ポリプロピレンフィルム(以下未処理PPと称
す)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PE
Tと称す)、ナイロンフィルム(以下NYと称す)にそ
れぞれ塗工し、24時間室温で乾燥した後、セロファン
粘着テープを用いセロテープ剥離試験及びヒートシール
強度試験を行った。結果を表4に示した。尚、インキの
配合処方は表3に重量部で示した。
【0081】配合例−4 実施例−2で得たバインダー樹脂溶液(solid 4
0%)でインキを調整し、以下配合例−3と同様な試験
を行った。結果を表4に示した。
【0082】参考例−2 塩素化ポリプロピレン スーパークロン803MW(山
陽国策パルプ株式会社製、塩素含有率29.5wt%、固
形分20wt%)と塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体
スーパークロンBX(山陽国策パルプ株式会社製、塩素
含有率18wt%、固形分20wt%)の混合物でインキを
調整し、以下配合例−3と同様な試験を行った。結果を
表4に示した。
【0083】参考例−3 ポリウレタン樹脂 サンブレンIB−450(三洋化成
化学工業株式会社製、固形分30wt%)でインキを調整
し、以下配合例−3と同様な試験を行った。結果を表4
に示した。
【0084】表4よりわかるように、本発明のバインダ
ー樹脂による実施例ではポリプロピレン(PP)、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)等のいずれのフィル
ムに対しても優れた付着性を示しており、従来の塩素化
樹脂とポリウレタン樹脂の持つ性能を合わせ持った汎用
性のあるインキを調整することが可能となっている。
【0085】
【表3】 ・二酸化チタン(石原産業株式会社製、ルチル型R−8
20) ・カーミン6BN(東洋インキ製造株式会社製、アゾ系
有機顔料) ・インキの練肉条件:サンドミルで2時間混練
【0086】
【表4】
【0087】・セロテープ剥離試験 インキ塗工面上にセロファン粘着テープを貼付け、一気
に剥したときの塗工面の剥離状態で判定した。
【0088】・ヒートシール強度試験 インキ塗工面を重ね合わせて、110℃−1kg/cm2
1秒間の圧着条件でヒートシールを行い、24時間後テ
ンシロンにて180°剥離強度試験を行った(引張速度
50mm/min )
【0089】
【発明の効果】以上実施例により説明したように、本発
明により得られるバインダー樹脂組成物及びその製法に
より、塩素化ポリオレフィン系のバインダー樹脂にみら
れる耐候性の低下がなく、また従来の非塩素ポリオレフ
ィン系グラフト物にみられる架橋やゲル化物が少なくポ
リオレフィンに対する付着性を有し、かつポリウレタン
系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂等、各種合成樹脂のフィルム、シートまたは
成形物に対し優れた諸物性を示す塗料、印刷インキ、あ
るいは接着剤用のバインダー樹脂組成物を提供すること
が可能となったものである。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンとエチレンと炭素数4〜20
    のα−オレフィンをランダム共重合したポリオレフィン
    を有機過酸化物及び/または熱により減成したもの20
    〜80重量%に対し、少くとも50モル%が炭素数4〜
    12のアクリル酸エステルであるラジカル重合性単量体
    を80〜20重量%添加してグラフト重合させて得られ
    樹脂溶液の均一透明性の良好なバインダー樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンを有機溶媒に固形分濃度
    が20〜50重量%の範囲で溶解することにより得られ
    る請求項1記載のバインダー樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン溶液に有機過酸化物を添
    加した後に、ラジカル重合性単量体を反応液内濃度が1
    リットルあたり0.5モルを越えないような範囲で徐々
    に添加することにより得られる請求項1又は2記載のバ
    インイダー樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 有機過酸化物の半減期が3〜5時間とな
    る温度で反応を行うことにより得られる請求項1ないし
    3のいずれか1項記載のバインダー樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 プロピレンとエチレンと炭素数4〜20
    のα−オレフィンをランダム共重合したポリオフィンを
    有機過酸化物及び/または熱により減成したもの20〜
    80重量%に対し、ラジカル重合性単量体を80〜20
    重量%添加してグラフト重合させる際に、下記(a)(b)
    (c)(d) (a)ポリオレフィンを有機溶媒に固形分濃度が20〜
    50重量%の範囲で溶解する、 (b)ポリオレフィン溶液に有機過酸化物を添加した後
    に、ラジカル重合性単量体を反応液内濃度が1リットル
    あたり0.5モルを越えないような範囲で徐々に添加す
    る、 (c)ラジカル重合性単量体の少なくとも50モル%が
    炭素数4〜12のアクリル酸エステルである、 (d)有機過酸化物の半減期が3〜5時間となる温度で
    反応を行う、 の各要件のいずれか1つ、いずれか2つ、いずれか3
    つ、又は全部を組合せることにより得られる樹脂溶液の
    均一透明性の良好なバインダー樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項におけるア
    クリル酸エステルの1〜100モル%がシクロヘキレル
    アクリレートであるバインダー樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項項1〜5のいずれか1項により得
    られるバインダー樹脂組成物の製法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項により得ら
    れる樹脂を含有してなる塗料・インキおよび接着剤用バ
    インダー樹脂組成物。
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