JP2538041B2 - カラ―熱転写記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はサーマルヘッドを用いて画像記録を行なうカ
ラー熱転写記録装置に関する。

従来の技術 従来のカラー熱転写記録装置としては、例えば特開昭
63−116884号公報に示されている。従来のカラー熱転写
記録装置の構成は第３図に示すようなものであった。第
３図において、インクシート102は、イエロー、マゼン
タ、シアン、の３色に面順次で塗り分けられており、こ
のインクシート102を用いてカラー記録が行なわれる。

すなわち、前記インクシート102と共にプラテンロー
ラ104およびライン状の発熱素子103aを有するサーマル
ヘッド103に挟持された記録紙101は、紙押えローラ108
によって搬送方向を変えられながら、駆動源107によっ
て駆動されるキャプスタンローラ105とピンチローラ106
とによって図中矢印Ａ方向へ搬送される。

このとき入力信号により駆動されるサーマルヘッド10
3により加熱されたインクシート102上のインクは、記録
紙101上に熱転写され記録が行なわれる。

インクシート102は、記録紙101からインクシートガイ
ド109によって引き剥され、図中矢印Ｃ方向に搬送され
る。

１色目の記録が終了するとサーマルヘッド103がプラ
テンローラ104と離間し、記録紙101のみが図中矢印Ｂ方
向に印字開始位置まで戻され、２色目のインクで記録が
可能な状態となり、２色目、３色目が前述した動作を繰
り返すことにより、記録紙101上にカラー記録が行なわ
れる。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、前記のような構成では、インクシート
と記録紙の引き剥し力により、第４図に示すように、イ
ンクシートの搬送方向（図中矢印Ｄ方向）に記録紙が引
かれ、記録紙の搬送経路が101′のように変化する。こ
れに伴い、サーマルヘッドとキャプスタンローラおよび
ピンチローラとの間の記録紙搬送距離が変化する。この
変化量は、熱転写記録に伴う熱によりインクシートと記
録紙の引き剥し力が異なるため一定しない。従って、カ
ラー記録を行う場合は、記録紙搬送距離は１、２、３色
目の記録時で各々変動するため、ドットずれが発生し、
カラー記録画像の品質を低下させるという課題を有して
いた。

本発明はかかる点に鑑み、記録紙の搬送系を安定に
し、記録画像品質の低下を軽減することができるカラー
熱転写記録装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 本発明は、サーマルヘッドと記録紙搬送手段との間に
位置し、記録紙に当接してサーマルヘッドと記録紙搬送
手段との間の記録紙走行経路を形成するとともに記録紙
が圧接されるガイド部材とを備え、ガイド部材への圧接
部でインクシートを記録紙から引き剥し、少なくとも記
録紙とインクシートが引き剥される位置における、記録
紙とガイド部材との圧接力はインクシートと記録紙の引
き剥し力よりも大きいことを特徴とするカラー熱転写記
録装置である。

作用 本発明は前記した構成により、インクシートと記録紙
の引き剥し力が記録紙に作用しても、ガイド部材と記録
紙との圧接力がインクシートと記録紙の引き剥し力より
も大きいため、常に記録紙はガイド部材に圧接された状
態を維持し、記録紙の搬送経路が変わらず、記録紙を安
定して搬送することができる。したがって、ドットずれ
を軽減でき、記録画像品質の優れたカラー熱転写記録装
置を提供できる。

実施例 第１図は本発明の一実施例におけるカラー熱転写記録
装置の基本構成図を示すものである。第１図において、
ライン状の発熱素子3aを有するサーマルヘッド３は、プ
ラテンローラ４と対向する位置に設けられており記録部
を構成している。

駆動源７によって駆動されるキャプスタンローラ５お
よびキャプスタンローラ５に圧接するピンチローラ６
（５および６は記録紙搬送手段を構成）は、記録紙１を
挟持せしめ往復搬送するものである。８は紙押えローラ
である。

サーマルヘッド３とキャプスタンローラ５およびピン
チローラ６との間に位置しているガイド部材10は、記録
紙１の裏面からインクシート２側に向かって記録紙１を
圧接している。また、熱転写記録に伴う熱によりインク
シート２と記録紙１の引き剥し力が異なり、インクシー
ト２と記録紙１との引き剥し位置が変化したとしても、
記録紙変化量よりも十分大きく設定されている。インク
シート２は記録紙１のガイド部材10との圧接部で記録紙
１の表面から引き剥され、インクシートガイド９によっ
て搬送方向を変えられる。

また、インクシート２は第２図に示すように、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、の３色のインク面に塗り分けて
あり、このインクシート２を用いて面順次でカラー記録
を行う。

以上のように構成されたこの実施例のカラー熱転写記
録装置装置において、以下その動作を説明する。

インクシート２と共にプラテンローラ４及びサーマル
ヘッド３に挟持された記録紙１は、記録紙駆動手段であ
るキャプスタンローラ５およびピンチローラ６によっ
て、図中矢印ａ方向へ搬送される。また、記録紙１は、
キャプスタンローラ５およびピンチローラ６とサーマル
ヘッド３の間に位置しているガイド部材10によって、記
録紙１の裏面からインクシート２側に向かって、圧接さ
れている。この圧接力は、少なくとも記録紙１とインク
シート２が引き剥される位置において、インクシート２
と記録紙１の引き剥し力よりも大きくなるように設定さ
れている。

記録紙１が、図中矢印ａ方向へ搬送されているとき、
入力信号により駆動されるサーマルヘッド３により加熱
されたインクシート２上のインクは、記録紙１上に熱転
写され記録が行なわれる。

インクシート２は記録紙１のガイド部材10との圧接部
で記録紙１の表面から引き剥され、インクシートガイド
９によって搬送方向を変えられ、図中矢印ｃ方向に搬送
される。

１色目の記録が終了するとサーマルヘッド３がプラテ
ンローラ４と離間し、記録紙１のみが図中矢印ｂ方向に
印字開始位置まで戻され、２色目のインクで記録が可能
な状態となり、２色目、３色目が前述した動作を繰り返
すことにより、記録紙１上にカラー記録が行なわれる。

以上のようにこの実施例によれば、キャプスタンロー
ラ５およびピンチローラ６とサーマルヘッド３の間に位
置し、記録紙１の裏面からインクシート２側に向かって
記録紙１を圧接し、この圧接力がインクシート２と記録
紙１の引き剥し力よりも大きくなるように設定したガイ
ド部材10を設けることにより、 インクシート２と記録紙１の引き剥し力が記録紙１に
作用しても、常に記録紙１はガイド部材10に圧接された
状態を維持し、記録紙１の搬送経路が変わらず、記録紙
１を安定して搬送することができる。

なお、この実施例においてインクシートガイド９の位
置は、第１図のような位置としたが、記録紙１とインク
シート２が引き剥される位置としてもよい。

発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、記録紙搬送手
段とサーマルヘッドとの間に位置し、記録紙の少なくと
も一部を記録紙の裏面からインクシート側に向かって記
録紙を圧接し、この圧接力がインクシートと記録紙の引
き剥し力よりも大きくなるように設定したガイド部材を
設けることにより、インクシートと記録紙の引き剥し力
が記録紙に作用しても、常に記録紙はガイド部材に圧接
された状態を維持し、記録紙の搬送経路が変わらず、記
録紙を安定して搬送することができる。

したがってドットずれを軽減でき、優れた品質の記録
画像を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例におけるカラー熱転写記録装
置の基本構成図、第２図は同装置におけるインクシート
の概略斜視図、第３図は従来のカラー熱転写記録装置の
基本構成図、第４図は同従来装置のインクシートガイド
部での記録紙の変形図である。 １……記録紙、２……インクシート、３……サーマルヘ
ッド、４……プラテンローラ、５……キャプスタンロー
ラ、６……ピンチローラ、10……ガイド部材。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プラテンローラに記録紙とインクシートを
   介して圧接するサーマルヘッドと、前記サーマルヘッド
   と異なる位置で、前記記録紙を往復搬送する記録紙搬送
   手段と、前記サーマルヘッドと前記記録紙搬送手段との
   間に位置し、前記記録紙に当接して前記サーマルヘッド
   と前記記録紙搬送手段との間の記録紙走行経路を形成す
   るとともに前記記録紙が圧接されるガイド部材とを備
   え、前記ガイド部材への圧接部で前記記録紙の搬送方向
   を前記インクシートが引き剥がれる方向に変化させるこ
   とにより前記インクシートを前記記録紙から引き剥が
   し、少なくとも前記記録紙と前記インクシートが引き剥
   がされる位置における前記記録紙と前記ガイド部材との
   圧接力は前記インクシートと前記記録紙の引き剥がし力
   よりも大きいことを特徴とするカラー熱転写記録装置。