JP2534842Y2 - 釣り竿 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はリール脚部の前後端部を
夫々差し込み状態で固定する前後一対のフードにおける
一方を可動フードとするリールシートを設けるととも
に、前記リールシートを挟んで竿尻側と竿先側とにグリ
ップを配設し、前記可動フードに隣接する第１グリップ
を弾性材で形成するとともに、前記可動フードを螺進さ
せるネジ部を形成してある釣り竿に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、前記第１グリップの外径を前記ネ
ジ部の外径よりも大径に設定しており、可動フードのナ
ット部（ナットリング）の長さだけ不要となるネジ部を
第１グリップに至る長さで設けなくてはならなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】したがって、ネジ部分
に竿を持つ手が掛かった場合にはネジの凹凸によって手
が痛くなることがあった。また、ネジの不要部分を削除
して短くすることも考えられるが、互いに隣接する第１
グリップとネジ部とを一定間隔を開けて設置することに
なるので、その場合には、第１グリップとネジ部Ｐとの
間には、竿素材の外周面が存在するだけで、掛かった魚
を引き寄せるべく、第２グリップより第１グリップに持
ち替える際に、突出した第１グリップの端部に指が接触
して、そのグリップ端部が竿素材より剥離して捲れ上が
ることがあった。そこで、第１グリップの外径をネジ部
の外径と同一に設定すべく、第１グリップ外径を小径化
することも考えられるが、グリップの薄肉化を招くとこ
ろから、グリップを握った状態での感触低下を来すとと
もに、竿を操作する途中で第１グリップが剥離し易くな
る点を解消することはできなかった。それで、第１グリ
ップの厚みを厚く維持しながら、ネジ部との高低差を解
消しようとすると、ネジ部を大径化する必要があるが、
この場合には、ネジ部の大径化とともに二つのフードの
大型化を招来し、リールシート自体が大きくなって、竿
全体重量を重くし、持ち重りする欠点が出るおそれがあ
った。本考案の目的は、グリップとしての感触の良さを
維持しながら、剥離現象を抑え、かつ、ネジ部の長さを
必要最小限におさえ、握り易く、握っても手が痛くな
く、更に、竿として持ち重りの少ないものを提供する点
にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案による特徴構成
は、前記第１グリップの外径を前記ネジ部の外径よりも
大径に設定するとともに、前記第１グリップの外面とネ
ジ部外面とを滑らかに繋ぐべく、緩傾斜外周面を有する
シートリングを形成し、前記シートリングを前記第１グ
リップより弾性力の低い材料で形成してある点にあり、
その作用効果は次の通りである。

【０００５】

【作用】第１グリップの外径を前記ネジ部の外径よりも
大径に設定することによって、弾性力を発揮しうる充分
な厚みに設定でき、握り時の感触を良好なものにできる
とともに、剥離現象を少なくできる。しかも、シートリ
ングによって、大径である第１グリップの端部と小径で
あるネジ部との段差を実質的に解消でき、シートリング
は第１グリップとは異なる樹脂材料で形成されているも
のであるから、このシートリング自体でシッカリ第１グ
リップの端部を抑えることができ、第１グリップに握り
替える際にその第１グリップの端部に指が引っ掛かるこ
とはなく、第１グリップの剥離現象を抑えることができ
る。さらに、シートリングを緩傾斜外周面に形成してあ
るので、ネジ部径及び長さを必要最小限に抑えることが
でき、リールシート自体の構造をコンパクトなものに維
持できる。

【０００６】

【考案の効果】第１グリップとネジ部との間に緩傾斜外
周面を有する樹脂製のシートリングを設けるだけの簡単
な改造を加えるだけで、第１グリップの剥離現象を抑え
ながら、握り感触を良好なものに維持するという、複合
効果を奏することが可能になり、弾性材製のグリップを
有する釣り竿として有用なものを提供出来るに至った。

【０００７】

【実施例】図２に示すように、船用竿の元竿１に、リー
ル脚部２の前端部を差し込み装着する可動フード３と、
リール脚部２の後端部を差し込み装着する固定フード４
と、両フード３，４を連結するシートベース５を、有す
るリールシート６を形成する。固定フード４とシートベ
ース５とを一体成形すべく、竿素材の所定位置にザグリ
部を形成し、そのザグリ部に固定フード４とシートベー
ス５とをインジェクション成形する。シートベース５に
おける固定フード４の竿先側部分にネジ部７を一体成形
するとともに、このネジ部７に可動フード３を外嵌し、
その可動フード３の竿先側にナットリング８を螺着し、
ナットリング８と可動フード３とを一体移動可能に構成
してある。可動フード３の竿先側に第１グリップ９を形
成するとともに、竿尻に第２グリップ１０を形成して、
釣り状況に応じて両グリップ９，１０を使い分け可能に
構成する。両グリップ９，１０はＥＶＡを材料とする弾
性の高い発泡樹脂製のリング状部材であり、その弾性に
よって握り感覚を高めている。

【０００８】図１に示すように、ネジ部７の外径に比べ
て第１グリップ９の外径を大きくするとともに、ネジ部
７と第１グリップ９との間に、樹脂製のシートリング１
１を一体形成し、このシートリング１１の外周面を、第
１グリップ９の外面とネジ部７の外面とを滑らかに繋ぐ
ように、緩傾斜外周面に形成してある。そして、シート
リング１１のネジ部７に近い部分をネジ部７の外径と略
同様の外径に形成してあり、ナットリング８の内部に入
り込み可能に構成してあり、シートリング１１の第１グ
リップ９側端部を、第１グリップ９の端部を覆う状態で
重ね合わせ、第１グリップ９端部の剥離捲れ上がり現象
を抑制する構造を採っている。

【０００９】〔別実施例〕 可動フード３と固定フード４との位置は、可動フー
ド３を竿尻側に配置して入れ換えてもよく、それに応じ
て、可動フード３と竿尻側のグリップとの間にシートリ
ング１１を形成してもよい。 グリップ９，１０を形成する材料としては、ＥＶＡ
以外の弾性の高い樹脂材料或いは金属材料であればよ
く、触感を高める為に植毛等を施してもよい。 フード３，４をともに可動フードに形成してもよ
い。

【００１０】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にするために符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】リールシートを示す縦断側面図

【図２】釣り竿を示す全体側面図

【符号の説明】

２ リール脚部 ３ 可動フード ６ リールシート ７ ネジ部 ９ 第１グリップ １０ 第２グリップ １１ シートリング

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 リール脚部（２）の前後端部を夫々差し
   込み状態で固定する前後一対のフードにおける一方を可
   動フード（３）とするリールシート（６）を設けるとと
   もに、前記リールシート（６）を挟んで竿尻側と竿先側
   とに第１・第２グリップ（９),（１０）を配設し、前記
   可動フード（３）に隣接する第１グリップ（９）を弾性
   材で形成するとともに、前記可動フード（３）を螺進さ
   せるネジ部（７）を形成してある釣り竿であって、 前記第１グリップ（９）の外径を前記ネジ部（７）の外
   径よりも大径に設定するとともに、前記第１グリップ
   （９）の外面とネジ部（７）外面とを滑らかに繋ぐべ
   く、緩傾斜外周面を有するシートリング（１１）を形成
   し、前記シートリング（１１）を樹脂材料で形成してあ
   る釣り竿。