JP2534630B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents

エンジンの吸気装置

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JP2534630B2
JP2534630B2 JP61098866A JP9886686A JP2534630B2 JP 2534630 B2 JP2534630 B2 JP 2534630B2 JP 61098866 A JP61098866 A JP 61098866A JP 9886686 A JP9886686 A JP 9886686A JP 2534630 B2 JP2534630 B2 JP 2534630B2
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博之 小田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエンジンの吸気装置、特に吸気通路が、エン
ジンの低負荷領域から高負荷領域に至る全領域で吸気を
燃焼室に供給する1次吸気通路と、高負荷領域において
のみ吸気を供給する2次吸気通路とで構成されているエ
ンジンの吸気装置に関する。
(従来の技術) エンジンの吸気装置として、例えば特開昭60−101224
号公報に示されているように、吸気通路を通路断面積の
小さい1次吸気通路と通路断面積の大きい2次吸気通路
とで構成すると共に、2次吸気通路にエンジンの低負荷
時には閉じ且つ高負荷時には開く制御弁を備えたものが
ある。これは、吸入空気量の少ないエンジンの低負荷時
に通路断面積の小さい1次吸気通路のみから吸気を燃焼
室に供給することにより、該吸気の流速を高め或いは燃
焼室内該吸気によるスワールを形成して、燃料の気化霧
化や該燃料の着火後における火炎の伝播を促進し、これ
により低負荷時の燃焼性を向上させると共に、高出力が
要求されるエンジンの高負荷時には、上記1次、2次吸
気通路の両者から吸気を供給することにより所望の吸気
充填量を確保し得るようしたものである。
一方、エンジンの吸気装置には燃焼室への燃料供給手
段として燃料噴射弁が設置されることがあるが、該噴射
弁の燃料噴射時期に関しては、各気筒の作動サイクルに
無関係に噴射する方式と、例えば特開昭57−108428号公
報に示されているように、各気筒毎に燃料噴射弁を備え
て当該気筒の例えば吸気行程終了時に燃料を噴射する方
式(タイムドインジェクション方式)とがあり、後者の
方式によれば、各気筒への燃料供給状態が均一化される
利点がある。
更に、近年においては、エンジンの燃費性能や排気性
能を一層向上させるため、上記の如き吸気方式及び燃料
供給方式の採用に加えて、稀薄燃焼化の試みが行われて
いてる。これは、燃焼室内における混合気を成層化させ
て、該燃焼室上部における点火プラグの周辺に比較的リ
ッチ(燃料の濃度が大きい状態)な混合気を遍在させる
ことにより、良好な着火性を確保しながら混合気全体と
しての空燃比をリターン(燃料の濃度が小さい状態)化
させることを目的とするものである。これによれば、燃
費が低減され且つ排気中の有害成分の含有量が減少され
ることになるが、この稀薄燃焼化に際しては、点火プラ
グによる着火時にその周辺に燃料を遍在させておく必要
上、燃料噴射方式として上記のタイムドインジェクショ
ン方式が用いられることになる。
(発明が解決しようとする問題点) 然して、稀薄燃焼化を図るべくタイムドインジェクシ
ョン方式を採用して混合気を成層化させようとした場
合、燃料噴射弁を燃焼室に対してどのような位置関係で
設置するのが最適であるかが問題となる。つまり、従来
においては、上記特開昭57−108428号公報に図示されて
いるように、燃料噴射弁は吸気マニホルドに設置されて
おり、この場合、吸気行程の所定の時期に燃料噴射弁か
ら燃料を噴射しても、燃料噴霧はシリンダヘッドに設け
られた吸気ポート内を通り抜けなければならないので、
その間に該燃料噴霧が吸気ポートの内壁面等に衝突して
拡散され、或いは該壁面に付着することになる。そのた
め、燃焼室内への燃料供給時期や供給状態が不安定とな
って該燃焼室内で混合気を良好に成層化することが困難
となり、その結果、稀薄燃焼化が十分に達成されないの
である。
尚、上記特開昭60−101224号公報に示されているよう
に、吸気通路が1次吸気通路と2次吸気通路とで構成さ
れている場合にも、燃料噴射弁は吸気マニホルドに設置
されるが、この場合、該噴射弁は2次吸気通路における
制御弁の下流側に設置されており、上記と同様に混合気
の成層化及び稀薄燃焼化を図ることが困難となる。
また、特に低負荷時、この2次吸気通路における制御
弁の下流側においては制御弁が閉じられるため吸気の流
れはほとんどないところとなっており、燃料噴射弁によ
り燃料を噴射しても非常に該燃料の霧化状態が悪くなる
恐れがある。
(問題点を解決するための手段) 本発明はエンジンの吸気装置、特に吸気通路が1次吸
気通路と2次吸気通路とで構成された吸気装置におい
て、燃料噴射弁の設置位置に改善を加えることによっ
て、燃料室内における混合気の成層化を良好に行わせる
ことを目的とするものであり、この目的達成のため次の
ように構成したことを特徴とする。
即ち、本発明に係るエンジンの吸気装置は、吸気通路
を1次吸気通路と2次吸気通路とで構成すると共に、2
次吸気通路にエンジンの低負荷時には該通路を閉じ且つ
高負荷時には該通路を開く制御弁を備えた構成におい
て、上記1次吸気通路の2次吸気通路への合流部近傍
に、噴口部を燃焼室方向へ指向させて燃料噴射弁を設置
すると共に、当該気筒における吸気行程の後半に燃料が
噴射されるように、上記燃料噴射弁に対する燃料噴射時
期を設定したことを特徴とする。
(作用) 上記の構成によれば、燃料噴射弁が1次吸気通路の2
次吸気通路への合流部、即ちシリンダヘッドにおける吸
気ポートの燃焼室への開口部近傍に、噴口部を燃焼室方
向へ指向させて設置されているので、燃料噴射弁から吸
気行程の後半に噴射された燃料噴霧は、余り拡散するこ
となく、また吸気ポートの内壁面等に付着することな
く、空間的及び時間的に集中して燃焼室の上部に導入さ
れることになる。したがって、燃焼室上部に位置する点
火プラグの周辺に燃料がリッチな状態で偏在することに
なって、該燃焼室内における混合気の成層化が確実且つ
速やかに実現されることになり、これに伴って混合気全
体の空燃比をリーン化しても、良好な着火性が得られる
ことになる。
特に本発明によれば、前述したように、当該気筒にお
ける吸気行程の後半に燃料が噴射されるようになってい
るので、吸気行程の前半に燃焼室に吸入された吸気によ
る比較的激しい上下運動が収まってから、燃料噴射弁か
ら噴射された燃料が燃焼室の上部に導入されることにな
る、これによって混合気が安定して成層化されることに
なる。しかも、吸気弁の傘部により燃料噴霧の下方への
拡散が阻止されることから、混合気がより安定して成層
化されることになる。
また、上記のように、燃料噴射弁を燃焼室に近接させ
て配設することにより、上記噴射弁からの燃料を燃焼室
に到達させ得る時間及び距離が短縮されることになり、
燃料の気化量ないし気化率が低下することになるが、1
次吸気通路の2次吸気通路への合流部近傍に燃料噴射弁
を設置したことにより、特に燃料の霧化気化が要求され
る低負荷時においても、制御弁の閉作動により流速の速
い1次吸気通路の吸気流により噴射燃料の霧化気化が改
善される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基いて説明する。
先ず、第1〜3図に示す第1実施例について説明する
と、エンジン1はシリンダブロック2に形成されたシリ
ンダボア2aと、該ボア2a内に嵌挿されたピストン3の上
面と、シリンダブロック2の上方に取付けられたシリン
ダヘッド4の下面とで構成された燃焼室5を有すると共
に、上記シリンダヘッド4には、その一方の側面4aから
燃焼室5に通じる吸気ポート6と、他方の側面4bから燃
焼室5に通じる排気ポート7とが設けられている。これ
らのポート6,7は、この実施例の場合、燃焼室5側が夫
々二又状に分岐されて、第1、第2吸気ポート61,62
び第1、第2排気ポート71,72とされており、第2図に
示すようにこれらの4個のポート61,62,71,72がシリン
ダヘッド4の下面における燃焼室構成面4cに四角形状に
配置されて開口されている。
そして、シリンダヘッド4には、これら各ポート61,6
2,71,72の燃焼室5への開口部に夫々装着されたバルブ
シート8,8,9,9に対して密接離反して、これらの開口部
を夫々開閉する第1、第2の吸気弁101,102及び第1、
第2排気弁111,112が備えられていると共に、該シリン
ダヘッド4の上部にはこれらの弁101,102,111,112を開
閉駆動する動弁機構12が配備されている。この動弁機構
12は、シリンダヘッド4の上部中央にシリンダ列方向に
配設されて図示しないクラントシャフトにより回転駆動
されるカム軸13と、ロッカアーム軸14、15に夫々揺動自
在に支持された各2個の吸気弁用ロッカアーム16,16及
び排気弁用ロッカアーム17,17とで構成されている。そ
して、吸気弁用ロッカアーム16,16は、一端が上記カム
軸13に設けられた2個の吸気カム13a,13aに、他端が上
記第1、第2吸気弁101,102のステム上端に夫々対設さ
れ、また排気弁用ロッカアーム17,17は、一端がカム軸1
3に設けられた2個の排気カム13b,13bに、他端が上記第
1、第2排気弁111,112のステム上端に夫々対設され
て、カム軸13の回転によりこれらの吸気弁101,102及び
排気弁111,112がバルブスプリング18,18,19,19に抗して
夫々所定の時期に開動されるようになっている。
また、シリンダヘッド4には、排気ポート7側の側部
上方から上記燃焼室構成面4cの中央部に通じるプラグ挿
入孔4dが設けられていると共に、該孔4dに点火プラグ20
が装着され、その先端の着火部20aが上記燃焼室構成面4
cにおける各ポート61,62,71,72の開口部に囲まれた位置
から燃焼室5内へ突出されている。
一方、上記シリンダヘッド4の両側面4a,4bには吸気
マニホルド21及び排気マニホルド22が夫々接続され、吸
気マニホルド21の内部通路21aと上記吸気ポート6(第
1,第2吸気ポート61,62)とで構成されて吸気を燃焼室
5に供給する吸気通路23と、排気マニホルド22の内部通
路22aと上記排気ポート7(第1,第2排気ポート71,72
とで構成されて燃焼室5内で発生する排気ガスを外部に
導く排気通路24とが設けられている。そして、上記吸気
通路23の下方には、吸気マニホルド21の内部通路21aか
ら分岐されてシリンダヘッド4の第1吸気ポート61にお
ける燃焼室5への開口部直上流位置に合流する通路断面
積の小さい通路が設けられ、この通路がエンジン1の低
負荷領域から高負荷領域に至る全領域で吸気を燃焼室5
に供給する1次吸気通路25とされている。また、上記吸
気マニホルド21の内部通路21aにおける1次吸気通路25
の分岐部の直下流側には、当該エンジン1の低負荷時に
閉じ且つ高負荷時に開く制御弁26が設置されて、上記吸
気通路23における該制御弁26より下流側がエンジン1の
高負荷時にのみ吸気を燃焼室5に供給する2次吸気通路
27とされている。ここで、上記1次吸気通路25は、吸気
マニホルド21の内部通路21aの通路下壁部から分岐して
吸気ポート6における燃焼室5への開口部直上流位置に
開口しているために、2次吸気通路27からの吸気流に対
して1次吸気通路25からの吸気流は、エンジンの出力軸
方向から見て、水平速度成分を多く有するようになって
いる。
然して、このエンジン1においては、燃焼室5に燃料
を噴射供給する燃料噴射弁28がシリンダヘッド4の吸気
ポート6側の側部下方に装着されている。即ち、シリン
ダヘッド4における上記1次吸気通路25の側方には該1
次吸気通路25の2次吸気通路27への合流部近傍に開口す
る燃料噴射弁取付孔4eが形成されて、該孔4eに燃料噴射
弁28が装着されている。その場合に、この燃料噴射弁28
は、その中心軸がエンジン出力軸方向から見て、上記1
次吸気通路25での吸気流方向と、略同一方向となるよう
に設置されている。また、該噴射弁28は、先端の噴口部
28aが上記合流部近傍に開口する取付孔4eの開口部4e′
から点火プラグ20の着火部20aが突出する燃焼室5の上
部中央を臨むように装着されている。尚、この燃料噴射
弁28は、第3図に斜線部で示すように当該気筒における
吸気行程の後半に燃料を噴射するように噴射時期が制御
されるようになっている。
次に、この実施例の作用を説明する。
先ず、エンジン1の低負荷時においては、2次吸気通
路27における制御弁26が閉じているので、第1、第2吸
気弁101,102が開く吸気行程時に、吸気は1次吸気通路2
5のみから第1吸気ポート61の開口部を通って燃焼室5
に供給されることになる。その場合に、該1次吸気通路
25は通路断面積が小さいので、吸気量が少ない低負荷時
であるにも拘らず、吸気は流速が高められて勢い良く燃
焼室5に供給されると共に、該1次吸気通路25は、二又
状に分岐された第1、第2吸気ポート61,62の一方(第
1吸気ポート61)に沿って設けられて、第2図に明らか
なように燃焼室5に対して略接線方向に開口されてお
り、従って該通路25からの吸気により燃焼室5内に第2
図に示す方向のスワールAが形成されることになる。ま
た、エンジン1の高負荷時には上記制御弁26が開くの
で、吸気は上記1次吸気通路25と2次吸気通路27の両者
から第1,第2吸気ポート61,62を通って燃焼室5に供給
されることになり、従って所望の出力を得るのに必要な
多量の吸気が燃焼室5に供給されることになる。
そして、いずれの場合にも、吸気行程の後半には燃料
噴射弁28から燃料が噴射されて燃焼室5内に混合気が生
成されると共に、圧縮行程から膨張行程への移行時には
点火プラグ20が点火され、これにより上記混合気が着火
されて燃焼が行われることになる。
然して、上記燃料噴射弁28は、上記1次吸気通路25の
2次吸気通路27への合流部の近傍に先端の噴口部28aが
位置されていると共に、該噴口部28aが燃焼室5の上部
中央を指向しているので、吸気弁101,102が開いている
吸気行程の後半に該噴射弁28から燃料が噴射されると、
第2図に示すように燃料噴霧Bはポート内壁面等に付着
することなく、第1吸気ポート61の開口部におけるバル
ブシート8と第1吸気弁101との間を通って燃焼室5の
上部中央、即ち点火プラグ20における着火部20aの周辺
に至近距離から集中的に噴射供給されることになる。そ
のため、燃料噴霧が点火プラグ20の着火部周辺にリッチ
な状態で遍在することになって、燃焼室5内で混合気が
良好に成層化されることになる。これにより、吸気量に
対して燃料噴射量を相対的に少なくしても、上記点火プ
ラグ20による混合気の着火が良好に行われ、これに伴っ
て混合気全体としての空燃比をリーン化させることが可
能となる。そして、このようにして混合気が着火される
と、特にエンジン1の低負荷時には、燃焼室5内に形成
されているスワールにより火炎が該燃焼室5内の全領域
に速かに伝播され、低負荷時における燃焼状態が改善さ
れることになる。
尚、第2図に示すように燃料噴射弁28から噴射される
燃料噴霧Bは燃焼室5の中央部を指向するのでスワール
Aと交差することになり、その交差の際に燃料の微粒化
ないし霧化が促進されると共に、該噴霧BがスワールA
と共に燃焼室5の周辺部を旋回することが防止されて、
該室5の中央部における点火プラグ20の着火部近傍に集
中的に分布されることにより、混合気の成層化ないし着
火性が一層向上されることになる。また、エンジン1の
高負荷時においては、第1,第2吸気ポート61,62の両者
から燃焼室5内に夫々供給される吸気が逆方向に旋回し
て該室5の中央部ないし排気ポート71,72側の側部寄り
の位置で激しく衝突することになるが、その衝突してい
る吸気中へ燃料が噴射されるので、高負荷時においても
該燃料の微粒化ないし霧化が促進されることになる。
また、燃料噴射弁28は、1次吸気通路25の側方から挿
入され且つ、エンジン出力軸方向から見て1次吸気通路
25と燃料噴射弁28の中心軸とが同一方向となるように設
置されているので、該噴射弁28からの噴射燃料自体の水
平速度成分が大きく、また、1次吸気通路25からの吸気
流も水平速度成分が大きいこともあり、該噴射燃料は、
燃焼室5の上方、即ち点火プラグ20の着火部まわりに遍
在しやすくなることからも、上記混合気の成層化が向上
されることになる。
特に、この実施例においては、吸気行程の後半に燃料
が噴射されるので、吸気行程の前半に燃焼室5に吸入さ
れた吸気による比較的激しい上下運動が収まってから、
燃料噴射弁28から噴射された燃料が燃焼室5の上部に導
入されることになり、これによって混合気が安定して成
層化されることになる。しかも、吸気弁101のリフト量
が減少した該弁101の傘部とバルブシート8との間の間
隙が狭くなって来た時に燃料が噴射されるので、吸気弁
101の傘部により燃料噴霧の下方への拡散が阻止される
ことになって、混合気がより安定して成層化されること
になる。また、一部の燃料はバルブシート8における点
火プラグ20側の高温となっている箇所に接することによ
り気化が促進されることになり、このようにして混合気
の空燃比をリーン化させながら、良好な着火性ないし燃
焼性が得られることになる。
次に本発明の他の実施例について説明する。
第4〜6図に示す第2実施例は、燃焼室内における混
合気の成層化を一層促進させるようにしたもので、この
実施例においても、吸気通路はエンジンの低負荷領域か
ら高負荷領域に至る全領域で吸気を燃焼室5′に供給す
る1次吸気通路25′と、制御弁26′が備えられてエンジ
ンの高負荷時のみ吸気を燃焼室5′に供給する2次吸気
路27′とで構成されており、また燃料噴射弁28′がシリ
ンダヘッド4′における上記1次吸気通路25′の側方に
おいて、先端の噴口部28a′が該1次吸気通路25′にお
ける2次吸気通路27′との合流部近傍から上記燃焼室
5′の上部中央を指向するように配置されている。そし
て、特にこの実施例においては、第6図に示すように上
記燃料噴射28′における噴口部28a′の先端面に開設さ
れた噴口28b′が上下方向に偏平な形状とされている。
この実施例によれば、燃噴噴射弁28′から噴射される
燃料噴霧B′は、第5図に示すように水平方向には一定
の角度で拡散されるが、第4図に示すように上下方向に
はほとんど拡散されないことになる。従って、吸気弁1
0′が開いている吸気行程中の所定時期に該燃料噴射弁2
8′から燃料が噴射されると、該燃料は燃焼室5′の中
央部における最上層部に上下方向に極めて狭い幅で集中
的に供給されることになり、これにより該燃焼室5′内
において混合気が一層確実に成層化されることになる。
また、この実施例によれば、燃料噴霧B′が吸気弁10′
の傘部とバルブシート8′との間を通過する際にこれら
に付着することを少なくすることができ、燃料の供給を
時間的にも集中させることができるようになる。これに
より、良好な着火性を維持しながら空燃比のリーン化を
一層促進することが可能となる。
ところで、以上の第1、第2実施例においては、燃料
噴射弁28、28′から噴射された燃料噴霧B、B′の一部
が燃焼室5、5′の上部中央を通り過ぎて該燃焼室5、
5′の反対側の側部まで達し、これが点火プラグ20、2
0′の先端部周辺における燃料噴霧ないし混合気のリッ
チ化を阻害する一因となる。
そこで、第7図に示す第3実施例においては、燃焼室
5″の上部中央における点火プラグ20″の着火部20a″
が突出する部位の反燃料噴射弁側に、シリンダヘッド
4″の下面から下方に突出する壁部4f″を設け、燃料噴
射弁28″から噴射された燃料噴霧B″のうちの点火プラ
グ20″の着火部周辺を通り過ぎようとしたものをこの壁
部4f″で捕集するように構成されている。従って、この
実施例によれば、燃料噴射28″から噴射された燃料の大
部分もしくは殆んど全部が点火プラグ20″の着火部周辺
に集中されて、該着火部周辺が極めてリッチな状態とな
り、これにより着火性が一層良好となって、混合気全体
としての空燃比を更にリーン化することが可能となる。
また、第8図に示す第4実施例は、点火プラグ20が
燃焼室5の中心部から偏位した位置に配置されている
場合に、燃料噴霧を該点火プラグ20の着火部周辺に集
中的に供給するようにしたもので、この実施例において
も、燃料噴射弁28は燃料噴霧Bをスワールと交差さ
せる等の必要上、燃焼室5の上部中央を指向するよう
に配置されている。そして、吸気弁10が開いている状
態で燃料噴射弁28から燃料が噴射された時に、燃料噴
霧Bが上記吸気弁10の傘部に衝突して進行方向が点
火プラグ20の着火部20aに向けて屈折されるよう
に、上記吸気弁10の傘部における燃料噴霧Bが衝突
する部位の角度等が設定されている。従って、この実施
例によれば、点火プラグ20が燃焼室5の偏心位置に
配置されているにも拘わらず、該プラグ20の着火部周
辺に燃料がリッチな状態で供給されることになる。
更に、第9、10図に示す第5、第6実施例は、混合気
の成層化を図って稀薄燃焼を可能にしたエンジンにおい
て、燃料の気化霧化性を改善して燃焼性を向上させるよ
うにしたものである。つまり、上記のように燃料噴射弁
を1次吸気通路における2次吸気通路への合流部近傍に
配置して、燃焼室の上部中央に向けて至近距離から燃料
を噴射するようにした場合、混合気の成層化ないし点火
プラグ周辺のリッチ化は効果的に行われる反面、噴射距
離が短いため燃料の気化霧化性が悪化するのである。
第9図に示す第5実施例は、この問題に対処するため
にアシストエアを用いるようにしたもので、該実施例に
係る吸気装置においては、吸気通路が燃焼室51にエンジ
ンの全負荷領域で吸気を供給する1次吸気通路52と、制
御弁(図示せず)が備えられてエンジンの高負荷時のみ
燃焼室51に吸気を供給する2次吸気通路53とで構成さ
れ、且つ上記1次吸気通路52における2次吸気通路53へ
の合流部近傍に噴口部54aを燃焼室方向に指向させて燃
料噴射弁54が配置された構成において、少なくとも燃料
噴射弁54からの燃料噴射時にアシストエアを噴射供給す
るアシストエア供給装置が備えられている。このアシス
トエア供給装置は、燃料噴射弁54の先端の噴口部54aの
周囲に嵌合され且つ周面における上記噴口部54aの直前
方位置に複数のエア噴霧寓55a…55aが設けられたアシス
トエア供給プラグ55と、当該エンジンの吸気通路56にお
けるエアフローメータ57の下流側で且つスロットルバル
ブ58の上流側の位置から分岐されて上記プラグ55のエア
供給口55a…55aに通じるアシストエア供給通路59と、該
通路59上に設置されたエアポンプ60とで構成されてい
る。
この実施例によれば、上記エアポンプ60により上記吸
気通路56からアシストエア供給通路59に吸入されたエア
が、加圧された上でアシストエア供給プラグ55のエア噴
霧口55a…55aから燃料噴射弁54の噴口部54aの直前方位
置にアシストエアとして噴射供給されることにより、該
噴射弁54から燃料が噴射された時に、燃料とアシストエ
アとが互いに混合しながら燃焼室51に供給されることに
なり、これにより該燃料の気化霧化が促進されることに
なる。
尚、アシストエアは吸気通路56におけるエアフローメ
ータ57の下流側から吸入されるので、燃焼室51に供給さ
れるエア量としてアシストエアを含んだトータルのエア
量がエアフローメータ57により計量されることになり、
従って、この計量値に基づく空燃比の制御に誤差が生じ
ることがない。また、アシストエアは、通例は、吸気通
路内におけるスロットルバル上流側の圧力(大気圧)と
燃料噴射弁前方の圧力(吸気負圧)との圧力差によっ
て、吸気行程時に自動的に供給されるのであるが、当該
エンジンのように稀薄燃焼化を図ったエンジンにおいて
は、一般にスロットルバルブの開度が大きい状態(吸気
負圧が小さい状態)で運転されるため上記圧力差が小さ
くなる。そこで、この実施例においては、アシストエア
供給通路59上にエアポンプ60を備えて、アシストエアを
積極的に供給するように図られているのである。
また、第10図に示す第6実施例は、混合気を成層化さ
せるようにしたエンジンにおける燃料の気化霧化性の悪
化に対処するために、燃老噴射弁として2流体(燃料と
エア)インジェクタを用いるようにしたものであって、
この実施例においては、1次吸気通路52′における2次
吸気通路53′への合流部近傍に設置された燃料噴射弁5
4′に、メタリングユニット61′から燃料とエアとが所
定の割合で混合された状態で加圧供給されるようになっ
ている。上記メタリングユニット61′には、燃料タンク
62′から導かれた燃料供給通路63′がフィルタ64′、燃
料ポンプ65′及び調圧弁66′を介して接続されていると
共に、吸気通路56′におけるエアフローメータ57′とス
ロットバルブ58′との間から導かれたエア供給通路59′
が、エアポンプ60′、調圧弁67′及びアキュムレータ6
8′を介して接続されている。そして、このメタリング
ユニット61′を制御して燃焼室51′に供給される燃料と
エアの比率を設定するコントローラ71′が備えられてい
ると共に、このコントローラ71′に、排気通路72′に設
置されて排気ガス中の酸素濃度から燃焼室51′に供給さ
れている混合気の空燃比を検出する空燃比センサ73′か
らの空燃比信号(フィードバック信号)aと、上記エア
フローメータ57′からのエア流量信号bとが入力される
ようになっている。尚、第10図中、69′はメタリングユ
ニット61′から燃料タンク62′に余剰の燃料を戻すリタ
ーン通路である。
従って、この実施例によれば、コントローラ71′とメ
タリングユニット61′によって空燃比の制御が行われる
ことになると共に、該メタリングユニット61′で夫々計
量された燃料とエアとが混合された状態で燃料噴射弁5
4′から燃焼室51′に噴射されることになり、従って上
記第5実施例におけるアシストエアを加圧供給する場合
と同様に、燃料の気化霧化が促進されることになる。
(発明の効果) 以上のように本発明によれば、吸気通路が1次吸気通
路と2次吸気通路とで構成されているエンジンの吸気装
置において、上記1次吸気通路における2次吸気への合
流部近傍に、噴口部を燃焼室側に指向させて燃料噴射弁
を設置するようにしたから、燃料噴射弁から吸気工程の
後半に噴射された燃料噴霧は、流速の速い1次吸気通路
からの吸気流により気化霧化されて燃焼室の上部に集中
的に供給されることになる。このため、燃焼室の上部に
位置する点火プラグの着火部周辺に燃料がリッチな状態
で偏在することになって混合気が効果的に成層化される
ことになる。
特に本発明によれば、前述したように、吸気行程の後
半に燃料が噴射されるようになっているので、吸気行程
の前半に燃焼室に吸入された吸気による比較的激しい上
下運動が収まってから、燃料噴射弁から噴射された燃料
が燃焼室の上部に導入されることになり、これによって
燃焼室の上部における混合気が安定して成層化されるこ
とになる。しかも、吸気弁の傘部により燃料噴霧の下方
への拡散が阻止されることから、燃焼室の上部における
混合気がより安定して成層化されることになる。
これにより、良好な着火性を確保しながら混合気全体
としての空燃比のリーン化ないし希薄燃焼化が達成され
ることになり、その結果、燃費性能や排気性能が効果的
に改善されることになる。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は本発明の第1実施例を示すもので、第1図
はエンジンにおける燃焼室周辺を示すシリンダヘッドの
縦断面図、第2図は第1図II−II線に従って見たシリン
ダヘッドの底面図、第3図は燃料噴射時期を示すグラフ
である。第4〜6図は第2実施例を示すもので、第4図
はシリンダヘッドの要部縦断面図、第5図は第4図V−
V線に従って見たシリンダヘッドの要部横断底面図、第
6図は燃料噴射弁における噴口の形状を示す単体正面図
である。第7図は第3実施例を示すシリンダヘッドの要
部縦断面図、第8図は第4実施例を示すシリンダヘッド
の底面図、第9図は第5実施例を示すシリンダヘッドの
要部横断底面図、第10図は第6実施例を示す燃料及びエ
アの制御システム図である。 5,5′,5″,5,51,51′……燃焼室、 25,25′,52,52′……1次吸気通路、 26,26′,26″,26……制御弁、 27,27′,27″,27,53,53′……2次吸気通路、 28,28′,28″,28,54,54′……燃料噴射弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 69/00 360 F02M 69/00 360C (72)発明者 内田 浩康 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−150516(JP,A) 特開 昭60−101224(JP,A) 実開 昭61−53567(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気通路を1次吸気通路と2次吸気通路と
    で構成すると共に2次吸気通路に該通路を開閉する制御
    弁を備え、エンジンの低負荷時には上記1次吸気通路の
    みから、高負荷時には上記制御弁の開動により1次吸気
    通路と2次吸気通路との両通路から吸気を燃焼室に供給
    するようにしたエンジンの吸気装置であって、上記1次
    吸気通路の2次吸気通路への合流部近傍に、噴口部を燃
    焼室方向へ指向させて燃料噴射弁が設置されていると共
    に、当該気筒における吸気行程の後半に燃料が噴射され
    るように、上記燃料噴射弁に対する燃料噴射時期が設定
    されていることを特徴とするエンジンの吸気装置。
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