JP2534219B2 - マイクロ波放電反応装置 - Google Patents

マイクロ波放電反応装置

Info

Publication number
JP2534219B2
JP2534219B2 JP5139134A JP13913493A JP2534219B2 JP 2534219 B2 JP2534219 B2 JP 2534219B2 JP 5139134 A JP5139134 A JP 5139134A JP 13913493 A JP13913493 A JP 13913493A JP 2534219 B2 JP2534219 B2 JP 2534219B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
microwave
cylindrical permanent
permanent magnet
plasma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5139134A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06325899A (ja
Inventor
徳芳 佐藤
哲 飯塚
行人 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ANERUBA KK
Original Assignee
ANERUBA KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ANERUBA KK filed Critical ANERUBA KK
Priority to JP5139134A priority Critical patent/JP2534219B2/ja
Publication of JPH06325899A publication Critical patent/JPH06325899A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2534219B2 publication Critical patent/JP2534219B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロ波放電反応装置
に関し、特にドライエッチング装置、プラズマCVD装
置、スパッタリング装置、表面改質装置などに応用する
のに好適なマイクロ波放電反応装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波領域の電磁波と磁場との相互
作用である電子サイクロトロン共鳴現象(ECR)を利
用したマイクロ波放電反応装置として従来から各種のも
のが提案されている。これらのマイクロ波放電反応装置
では、一般に導波管を用いてマイクロ波を放電室に導入
し、空芯コイルにより発生された磁場との間にECRを
起こさせる構造を採用している。
【0003】マイクロ波導入に寸法上の制約の少ない同
軸線路を応用した例として、例えばA.Yonesu et.al.
“Production of a large diameter uniform ECR plas
mawith a Lisitano coil. ”Jpn.J.Appl.Phys.,27(198
9) L1746 等の文献に示されるマイクロ波放電反応装置
がある。このマイクロ波反応装置は、いわゆるリジタノ
コイル型であり、マイクロ波の導入に同軸管を用い、多
数のスリットを有する円筒状の電極をマイクロ波放射用
のアンテナとして用いて大面積の処理を可能とすること
を目的とした装置である。また同様な例としては、特開
平1-159379号公報に示されるように多数のスリットを有
する平板状電極をアンテナとして用いることで、大面積
を均一に処理することが試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】半導体デバイス製造に
使用される被処理基板の寸法は近年ますます大きくな
り、直径30cm程度の大型基板の均一処理が必要とさ
れつつある。そこで、大面積基板の処理に適した放電反
応装置の開発が急務となっている。ところが、従来の各
種のECR装置にはそれぞれ下記のような未解決の課題
が存在する。
【0005】導波管によるマイクロ波導入と、空芯コイ
ルによる磁場を利用した装置に共通する問題としては、
使用する周波数領域によって導波管の大きさが決まって
いることに起因する装置設計上の制約、マイクロ波導入
用の窓の信頼性に対する不安、空芯コイルが大きいこと
による装置全体の大型化、高コスト化等があった。ま
た、この種の放電反応装置で効率よくプラズマを発生さ
せるには、マイクロ波の波長に依存した放電室の寸法上
の制約があり、また放電室全域に渡る均一性のよい磁場
の発生も困難になるため、マイクロ波放電反応装置の放
電室の寸法を単純に大きくするだけでは不均一になり、
大面積基板の均一性よい処理は困難であった。
【0006】また、前述の同軸線路を応用したいくつか
のマイクロ波放電装置においても空芯コイルによる磁場
を応用していることから、導波管型の装置と同じ理由に
よってプラズマの均一性が不十分なものであった。さら
にコイルが大型である欠点に対しては、なんら考慮され
ていなかった。
【0007】さらに本発明者らは、多数のスリットを有
する平板状の電極と永久磁石を組み合わせた、平面型E
CRと呼ぶ大面積プラズマ発生用電極を先に提案した
(特願平2-400904号)。このマイクロ波放電反応装置で
は、放射型、星型等の所定の形態を有するスリットを備
える平板状電極を設け、放電室にマイクロ波を効率よく
放射し、同時にECR条件を満足する磁場を発生させる
ための手段として同心円上に複数の円筒状磁石を設置し
た。これらの磁石の着磁方向は前記電極に垂直とし、且
つ隣合う円筒状永久磁石の着磁方向が互いに逆になるよ
うに配置した。このときの磁場強度は平板状電極のプラ
ズマが発生する面の近傍でECR条件を満たすように設
定され、この構成により、平板状電極の表面近傍のごく
狭い領域にのみにプラズマを発生させることができた。
さらに上記のマイクロ波放電反応装置における磁気回
路、すなわち永久磁石による磁場は、空芯コイルによる
それとは異なり、磁場の及ぶ範囲が平板状電極の近傍の
みに限定されるため、被処理基板を磁場のごく弱いとこ
ろに設置することで磁場の形状に依らない均一性の良好
な表面処理を行うことができた。このように、平板状電
極(スリットアンテナ)と永久磁石を用いた磁気回路と
の組み合わせを利用して大面積にわたって均一性のよい
プラズマを発生させることが可能となった。
【0008】他方、上記の平面型ECR装置において
は、ECR条件を永久磁石によって満足させているた
め、基板処理面には非常に弱い磁場しか存在せず、プラ
ズマは自由な拡散によって均一化するため、プラズマの
均一性は本質的に良好であるが、プラズマの均一性の良
好な場所はマイクロ波放射用のアンテナからある程度離
れる必要があり、基板処理面において高いプラズマ密度
を得るには大きなマイクロ波電力を投入する必要があっ
た。
【0009】本発明の目的は、先に提案した装置の磁気
回路の構成をさらに改良し、より実用性が高い平面型の
マイクロ波放電反応装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマイクロ波
放電反応装置は、内部を減圧状態に保持する機構とガス
を導入する機構を備える真空容器と、真空容器内にマイ
クロ波を導入してガスをプラズマ化するプラズマ発生機
構と、このプラズマ発生機構と所定の間隔をおいて対向
して設置される基板保持機構とを備え、前記プラズマ発
生機構は、マイクロ波を真空容器内に導入する同軸型マ
イクロ波伝送路と、マイクロ波を放射する所定の長さと
幅のスリットを少なくとも1本有する平板状電極と、平
板状電極の近傍に軸方向に磁化された複数の円筒状永久
磁石を、隣合うもの同士でその磁化方向が互いに逆にな
るように同心円的に配置してなる磁場発生手段とから構
成され、複数の円筒状永久磁石のそれぞれによる磁場強
度を所望の状態に異ならせるように構成される。
【0011】前記の構成において、好ましくは、内側の
円筒状永久磁石の磁場強度を弱くし、外側の円筒状永久
磁石の磁場強度を強くしたことを特徴とする。
【0012】前記の構成において、好ましくは、内側の
円筒状永久磁石の磁場強度を強くし、外側の円筒状永久
磁石の磁場強度を弱くしたことを特徴とする。
【0013】前記の構成において、好ましくは、中央の
円筒状永久磁石の磁場強度を相対的に弱くしたことを特
徴とする。
【0014】前記の各構成において、好ましくは、円筒
状永久磁石の軸方向の長さを変えることによってその磁
場強度を変えるようにする。
【0015】
【作用】本発明によるマイクロ波放電反応装置では、プ
ラズマを発生させるための平面状電極の近くに設置され
る磁気回路の構成を工夫することにより、プラズマの均
一性の良好な範囲を従来よりも広い状態から狭い状態ま
で自由に制御できる。またセパラトリクスの形状につい
て所望の磁場を作り出すために、例えば軸方向の長さを
適宜に調整し、目的に応じて最適化された複数の円筒状
永久磁石を設ける。このため、例えばセパラトリクスを
拡大させた磁場は、電極近傍で発生したプラズマを電極
からの距離が短い間に均一性よく拡散する。そのため処
理の均一性を保ったまま被処理基板を電極に近いところ
に設置することが可能となった。電極の近傍でセパラト
リクスを狭くした磁場は、基板の処理に高密度プラズマ
を利用できるので、処理速度の速い表面処理を行うこと
が可能である。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0017】図1は、本発明に係るマイクロ波放電反応
装置の内部構造を示す要部断面図、図2は平板状電極の
一例を示す正面図、図3は磁場すなわち磁力線の分布状
態を示す図である。
【0018】図1において1は真空容器である。真空容
器1の形状は任意であり、真空容器1の内部には気密性
を有する基板処理空間が形成される。真空容器1の内部
にはプラズマ発生機構2、基板保持機構3が設置され
る。基板保持機構3は絶縁体4を用いて真空容器1に固
定される。真空容器1には、さらに、プラズマの生成に
用いられるガスを導入するガス供給機構と、真空容器内
を所要の減圧状態にする排気機構とを備える。ガス供給
機構と排気機構は一般的によく知られているのでその図
示を省略する。
【0019】プラズマ発生機構2の要部は、平板状電極
5と、磁気回路6と、磁気回路6を固定するための裏板
7によって構成される。平板状電極5は、真空容器1内
で電場を形成し磁気回路6による磁場との相互作用でプ
ラズマ放電を発生させる機能を有し、金属等の導電性物
質で形成される板材である。磁気回路6は軸方向に磁化
された例えば3つの円筒状(またはリング状)の永久磁
石8からなる。3つの永久磁石8はそれぞれ径が異な
り、平板状電極5のマイクロ波供給点(中心点)を中心
として同心円の位置に配置され、裏板7に固定される。
裏板7は導電性の板材であって接地電位に保持される。
各永久磁石8は、円筒の端面にNまたはSの極性が形成
される。そして、3つの永久磁石の極性の配置は、隣合
うもの同士で互いに逆になるように設定される。例え
ば、裏板7に接触する永久磁石8の端面において、最も
径の小さい内側の永久磁石の極性がS、中間の径の永久
磁石の極性がN、最も径の大きい外側の永久磁石の極性
がSとして配置される。かかる配置に従えば、中間位置
に存在する永久磁石の端面からその内側およびその外側
の永久磁石のそれぞれの端面に向かって磁力線が形成さ
れる。このため、平板状電極5の表面には比較的に表面
に近い空間でほぼ垂直の磁力線の分布が形成される。
【0020】円筒形状の各永久磁石8の軸方向の長さに
ついては適当に決めることができ、この実施例では、例
えば最内側と最外側の永久磁石の長さが中間位置の永久
磁石の長さよりも長く、ほぼ2倍になるように設計され
る。図1に示された例で明らかなように、最内側と最外
側の永久磁石は、軸方向の長さについて中間位置の永久
磁石を2つ分の長さで設けることにより、軸方向の長さ
を2倍にしている。従って、最内側と最外側の永久磁石
によって形成される磁場強度は、中間位置の永久磁石の
磁場強度の2倍になっている。
【0021】各永久磁石8の厚みや永久磁石間の間隔
は、適用されるマイクロ波放電反応装置の大きさに応じ
て、またはその他の条件を考慮して実験的にそのつど定
められる。平板状電極5と裏板7の間には必要な寸法の
隙間が設けられる。この寸法も実験的に決められる。当
該隙間は、平板状電極7の表面に一定の強さの磁場を発
生させる必要上あまり大きくすることはできず、反対に
あまり小さくすると、マイクロ波の伝播に支障をきた
す。そこで通常1〜10mm程度に設定される。
【0022】平板状電極5の正面形状の一例を図2に示
す。9は平板状電極5の前面空間に電場を形成するアン
テナとして設けられたスリットである。スリット9は複
数形成される。スリット9には種々の形状が考えられる
が、本発明によるプラズマ均一性の向上の効果はスリッ
トの形状に依存しない。スリット形状は主としてマイク
ロ波電力の利用効率に影響するものであるため、ここで
はスリット形状には言及しないものとする。設定された
条件の下で平板状電極5の中心点10にマイクロ波電力
が供給されると、スリット9の上には定在波が形成され
る。この定在波による電場は、磁気回路6による磁場と
相互に作用し合い、プラズマを生成することができる条
件を作る。
【0023】上記のプラズマ発生機構2に対しマイクロ
波を供給するための手段は同軸線路(同軸管)である。
この同軸線路は、外部導体11と、内部導体12と、真
空封止をするための同軸窓13と、真空容器1の外部に
配置されマイクロ波電源からマイクロ波電力を導くため
の矩形導波管14と、この矩形導波管14と前記同軸線
路を接続する同軸導波管変換器15とによって構成され
る。外部導体11は裏板7に接続され、内部導体12は
平板状電極5に接続される。
【0024】上記のマイクロ波放電反応装置で基板処理
を行うためには、まず真空容器1内を排気ポート16か
ら、図示しない排気機構(真空ポンプで構成される)を
用いて所定の圧力まで排気した後、図示しないガス供給
機構を用いて放電反応装置で用いるガスを所定の圧力ま
で導入する。
【0025】基板保持機構3は基板ホルダ17を含み、
例えば基板ホルダ17は固定軸18によって真空容器1
の内部に設置される。固定軸18は、真空容器1の上壁
に絶縁体4を介して取り付けられる。絶縁体4は真空封
止の機能を有し、かつ基板保持機構3を浮遊電位とす
る。基板ホルダ17と固定軸18の内部には、基板を冷
却または加熱するための機構を設けることもできる。真
空容器1内で実施されるプロセスの内容に応じて、図示
しない電源を用いて基板ホルダ17に直流または高周波
等のバイアス電圧を印加することもできる。処理される
基板19は、基板ホルダ17の上に配置される。基板1
9の処理面は、プラズマ発生機構2の平板状電極5の正
面に対向している。マイクロ波電源から平板状電極5に
マイクロ波電力を供給することでスリット9上の定在波
による電場、および磁気回路6による磁場の相互作用
で、平板状電極5と基板ホルダ17の間にプラズマが生
成され、基板19の表面に所定の放電反応を起こすこと
ができる。このときに、磁気回路6で形成される磁場の
強度が、平板状電極5の表面よりも基板19側の箇所に
おいて、平板状電極5に供給されるマイクロ波の周波数
に対して電子サイクロトロン共鳴(ECR)の条件を満
たしていれば、プラズマ発生効率を非常に高いものとす
ることができる。なお基板19を搬入または搬出する機
構の図示は省略している。
【0026】なお図1に示された構成は概念的なもので
あり、具体的な同軸線路の結合構造や磁気回路の取付け
構造によって作用が等価な任意の構造を採用することが
できる。
【0027】最近の半導体製造に用いられるマイクロ波
放電反応装置では、低いガス圧力において高密度かつ均
一性のよいプラズマを発生させ、被処理基板の表面処理
を行う必要がある。かかる処理には、前記構成を有する
本発明のマイクロ波放電反応装置が適している。それ
は、本発明による磁気回路6が、均一性の特に優れたプ
ラズマの生成に適しているためである。
【0028】ここで本発明者らの研究により判明した磁
気回路の構成とプラズマ均一性との関連について簡単に
述べる。本発明者らは、プラズマの均一性を決定する要
因を研究した結果、 S.Iizuka et.al. “ Production
of large diameter uniformplasma for material proc
essing”Proc. 9th.Symp.plasma Processing (1992)32
7. に示されるように、プラズマの拡散状態は非常に弱
い磁場によっても影響を受けることを見い出した。例え
ば前記磁気回路6において3つの円筒状永久磁石8のそ
れぞれの軸方向の長さがすべて同じである場合におい
て、この磁気回路によって形成される磁力線分布では、
外側に位置する2つの円筒状永久磁石(中央と最外側の
永久磁石)で形成される磁力線と内側に位置する2つの
円筒状永久磁石(中央と最内側の永久磁石)で形成され
る磁力線との間に形成される境界面(セパラトリクスと
いう)の位置と、プラズマ浮遊電位の極小値の位置とが
対応しており、かつ、プラズマ密度の均一性はこの浮遊
電位極小部にとりかこまれた内側で良好であることが判
明した。この知見に基づいて、プラズマ密度の均一性が
良好である部分を大きくするには、磁力線の境界面すな
わちセパラトリクスが外側に広がるように磁気回路を構
成することが有効であることが結論された。そこで本発
明では、上記実験結果に鑑み、磁気回路の構成を工夫す
ることにより、プラズマ均一性の良好な平面ECR型マ
イクロ波放電反応装置を提案するもので、その1つの実
施例として前述の構成が提案される。
【0029】次に磁気回路6の構造決定方法について述
べる。発明者らの研究結果によるとプラズマの均一性を
決定する最も重要な要因は、前記したように磁力線の境
界部すなわちセパラトリクスの形状である。セパラトリ
クスがなるべく外側に向くように磁気回路を設計すれ
ば、電極に近い部分、すなわちプラズマ密度の大きい部
分で広い範囲に均一性のよいプラズマの発生が可能であ
る。
【0030】前記実施例で説明した磁気回路6は最適設
計の一例である。ここでは説明の便宜上、磁気回路6を
構成する円筒状永久磁石を、内側から1列目、2列目、
3列目と呼ぶことにする。図3には図1に示した磁気回
路6によって発生する磁力線20を計算により求めた結
果を示す。図3において21は平板状電極5を概念的に
表しているものとする。同一の軸方向長さを有する従来
の3つの円筒状永久磁石を用いた場合に発生する磁力線
の形状の計算結果によれば、セパラトリクスは磁気回路
の2列目と3列目の間から比較的垂直に近い形で立ち上
がり、電極から離れた位置で外側に発散する。これに対
して、磁気回路6によれば、図3に示すようにセパラト
リクス22は外側に向って大きく広がるという特徴を有
する。このセパラトリクスの形状に対応してプラズマ特
性の測定結果も均一性の良好な部分が大きく広がってお
り、マイクロ波放電反応装置として良好な特性を有する
ことが明らかとなる。
【0031】さらに本発明による磁気回路の設計によれ
ば、プラズマの発散の制御にも使用可能である。図4に
は3列目の永久磁石の軸方向の長さを1列目および2列
目の長さに比較して2倍とした場合の磁気回路の第2実
施例を示す。図5には図4に示す磁気回路6によって発
生する磁力線を示す。この実施例においてはセパラトリ
クス22は、平板状電極5から離れる方向に向かって一
旦せばまってから広がる傾向を示しており、プラズマ均
一性の良好な範囲もこれに対応していることがわかる。
またこの実施例例においては、プラズマの均一性の良好
な範囲は狭いが、中心軸上の密度は前記実施例よりも大
きく、プラズマの発散が抑制されているためにプラズマ
損失の小さいことを示している。
【0032】前記実施例で明らかなように、本発明によ
れば従来より広い範囲に均一性の良好なプラズマを発生
すること可能となった。磁気回路の構成を決定する有力
な方法として磁力線の計算が挙げられる。この計算は、
例えば有限要素法などによって簡単に実行することがで
きる。計算結果と、実際のプラズマの密度分布とがよく
一致することは、本発明らの実験結果から明らかである
が、実験的に結果を確信するには、例えばラングミュア
プローブ等の方法が有効である。
【0033】上記のごとく、磁気回路の構造を工夫する
ことによりプラズマの均一性の良好な範囲を広げること
が可能となり、容易に大面積基板の処理を達成でき、マ
イクロ波放電反応装置として利用すれば、従来よりも格
段に優れた結果を得ることができる。また使用目的に応
じて磁気回路の構成を変化させることで、より狭い範囲
により高速の処理を施すことも可能であり、表面処理装
置としての応用の可能性が広くなる。
【0034】前記各実施例では、円筒状永久磁石の軸方
向の長さを変えることで各永久磁石の磁場強度を変える
ように構成したが、磁石の磁化の程度や材質を変えるこ
とで磁場強度を変えることもできる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、マイクロ波放電反応室である真空容器に、所定の
形態を有したスリットを備える平板状電極とこの電極に
対して上記スリットの長さ方向と同一方向の磁場を発生
する磁気回路を備える電極装置において、前記磁気回路
は複数の円筒状永久磁石を同心円的に配置して形成し、
かつ各永久磁石の磁場強度を必要に応じて適宜に変更
し、磁場に形成されるセパラトリクスを望ましい形状に
なるように形成したため、プラズマ密度の均一性の範囲
を拡大すること、または目的に応じてプラズマ密度の均
一性の範囲を縮小して密度を高め処理速度を向上するこ
とができる。プラズマ密度を拡大することにより大面積
基板の処理を実現することができる。またマイクロ波放
電反応装置を簡単な構成で小型かつ安価に製作すること
ができ、実用性の高い装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマイクロ波放電反応装置の内部構
造を示す縦断面図である。
【図2】平板状電極の正面図である。
【図3】第1実施例の磁気回路による磁力線分布状態を
示す図である。
【図4】磁気回路の第2実施例を示す断面図である。
【図5】第2実施例の磁気回路による磁力線分布状態を
示す図である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 プラズマ発生機構 3 基板保持機構 5 平板状電極 6 磁気回路 7 裏板 8 永久磁石 9 スリット 11 外部導体 12 内部導体 14 導波管 15 同軸導波管変換器 16 排気ポート 17 基板ホルダ 19 基板 20 磁力線 22 セパラトリクス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯塚 哲 宮城県仙台市太白区郡山6丁目5−10− 201 (72)発明者 中川 行人 東京都府中市四谷5丁目8番1号 日電 アネルバ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−182785(JP,A) 特開 平5−345990(JP,A) 特開 平6−13198(JP,A) 特開 平6−57457(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を減圧状態に保持する機構とガスを
    導入する機構を備える真空容器と、この真空容器内にマ
    イクロ波を導入して前記ガスをプラズマ化するプラズマ
    発生機構と、このプラズマ発生機構と所定の間隔をおい
    て対向して設置される基板保持機構とを備えるマイクロ
    波放電反応装置において、 前記プラズマ発生機構は、前記マイクロ波を前記真空容
    器内に導入する同軸型伝送路と、前記マイクロ波を放射
    する所定の長さと幅のスリットを少なくとも1本有する
    平板状電極と、前記平板状電極の近傍に軸方向に磁化さ
    れた複数の円筒状永久磁石を、隣合うもの同士でその磁
    化方向が互いに逆になるように同心円的に配置してなる
    磁場発生手段とから構成され、前記複数の円筒状永久磁
    石のそれぞれによる磁場強度を異ならせることを特徴と
    するマイクロ波放電反応装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマイクロ波放電反応装置
    において、内側の前記円筒状永久磁石の磁場強度を弱く
    し、外側の前記円筒状永久磁石の磁場強度を強くしたこ
    とを特徴とするマイクロ波放電反応装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のマイクロ波放電反応装置
    において、内側の前記円筒状永久磁石の磁場強度を強く
    し、外側の前記円筒状永久磁石の磁場強度を弱くしたこ
    とを特徴とするマイクロ波放電反応装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のマイクロ波放電反応装置
    において、中央の前記円筒状永久磁石の磁場強度を相対
    的に弱くしたことを特徴とするマイクロ波放電反応装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のマ
    イクロ波放電反応装置において、前記円筒状永久磁石の
    軸方向の長さを変えることによってその磁場強度を変え
    るようにしたことを特徴とするマイクロ波放電反応装
    置。
JP5139134A 1993-05-17 1993-05-17 マイクロ波放電反応装置 Expired - Fee Related JP2534219B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5139134A JP2534219B2 (ja) 1993-05-17 1993-05-17 マイクロ波放電反応装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5139134A JP2534219B2 (ja) 1993-05-17 1993-05-17 マイクロ波放電反応装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06325899A JPH06325899A (ja) 1994-11-25
JP2534219B2 true JP2534219B2 (ja) 1996-09-11

Family

ID=15238334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5139134A Expired - Fee Related JP2534219B2 (ja) 1993-05-17 1993-05-17 マイクロ波放電反応装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2534219B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4678905B2 (ja) 1999-12-20 2011-04-27 徳芳 佐藤 プラズマ処理装置
TW554420B (en) 2001-08-06 2003-09-21 Anelva Corp Surface processing device
JP4527431B2 (ja) 2004-04-08 2010-08-18 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置
JP5836144B2 (ja) * 2012-01-31 2015-12-24 東京エレクトロン株式会社 マイクロ波放射機構および表面波プラズマ処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06325899A (ja) 1994-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5401351A (en) Radio frequency electron cyclotron resonance plasma etching apparatus
KR101349195B1 (ko) 코어 커버를 구비한 유도 결합 플라즈마 반응기
US6439154B2 (en) Plasma processing apparatus for semiconductors
KR101496841B1 (ko) 혼합형 플라즈마 반응기
JP3254069B2 (ja) プラズマ装置
JP2010166011A (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ生成装置
JP2534219B2 (ja) マイクロ波放電反応装置
JP2000357683A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JPH09102400A (ja) マイクロ波プラズマを使用するプロセス装置
JP2965169B2 (ja) マイクロ波放電反応装置及び電極装置
KR100772452B1 (ko) 다중 무선 주파수 안테나를 갖는 유도 결합 플라즈마반응기
US20030127191A1 (en) Plasma generation apparatus
JP3088504B2 (ja) マイクロ波放電反応装置
JP2013128085A (ja) プラズマ処理装置及びガス供給部品
JP3334761B2 (ja) マイクロ波放電反応装置
JPH0719674B2 (ja) マイクロ波放電反応装置の電極装置
JPH08203881A (ja) 表面処理装置
JPH10144497A (ja) プラズマ発生装置
JPH06120169A (ja) プラズマ生成装置
JP3208995B2 (ja) プラズマ処理方法及び装置
JP2779997B2 (ja) プラズマ処理装置
KR101281191B1 (ko) 유도 결합 플라즈마 반응기
JPH0578849A (ja) 有磁場マイクロ波プラズマ処理装置
JP2001332541A (ja) プラズマプロセス装置
JP3949405B2 (ja) プラズマ処理方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080627

Year of fee payment: 12

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080627

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080627

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090627

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090627

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100627

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100627

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees