JP2533550Y2 - 流量制御弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、圧力補償付の流量制御弁に関する。

〔従来の技術〕

本出願人は先に、第４図に示す流量制御弁を出願し
た。

つまり、弁本体１の弁孔２内に摺動自在に嵌挿され、
かつ流量制御用の主ポート３と低圧ポート４とを断通す
る主スプール５に、切欠溝６とシート７とを形成すると
共に、この主スプール５をバネ８でシート７がシート座
９に圧着する方向に付勢し、さらに主スプール５をバネ
力に抗してシート７とシート座９を離隔し、かつ主ポー
ト３を切欠溝６を通して低圧ポート４に開口する位置に
押す力を付与する受圧室10を形成して、その受圧室10に
供給するパイロット圧力によって主ポート３より低圧ポ
ート４に流れる流量を制御するようにしてある。

〔考案が解決しようとする課題〕

かかる流量制御弁であると、主ポート３より切欠溝６
を通って低圧ポート４に流れる圧油によって主スプール
５は主ポート３と低圧ポート４を閉じる方向のフローフ
ォースを受けると共に、そのフローフオースの大きさは
流量×流速に比例する。

このために、パイロット圧力が低く主スプール５を左
方に押す力が小さい状態で大きなフローフオースが発生
すると主スプール５は右方に移動して主ポート３と低圧
ポート４を閉じてしまうことがあるので、受圧室10に供
給するパイロット圧力をフローフオースを考慮して大き
くする必要があり、それだけパイロット油圧源の能力を
大きくする必要があって好ましくない。

また、主ポート３に入力する圧油の圧力と低圧ポート
４との圧力の差が大きい時と小さい時では圧油が主ポー
ト３から低圧ポート４へ流れる時の通路の切欠溝６の開
口面積が同一であっても、主ポート３と低圧ポート４の
圧力差の違いにより流速が異なるので、主スプール５に
作用するフローフオースの大きさは圧力差が大きい時に
は大きく、圧力差が小さい時には小さくなる。

このために、建設機械の作業機用油圧回路に設けた場
合等には負荷変動によって主ポート３の圧力と低圧ポー
ト４との圧力差が大きく変化して高差圧時に主スプール
５が主ポート３と低圧ポート４を閉じる方向に移動し流
量制御の精度が悪くなる。

そこで、本考案は主ポートと低圧ポートとの圧力差が
高くなって主スプールに作用するフローフオースが大き
くなっても主スプールが主ポートと低圧ポートを閉じる
方向に移動しないようにした精度の良い流量制御弁を提
供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

主ポート３と低圧ポート４を連通・遮断する主スプー
ル５に、常時主ポート３に開口した切欠溝６とこの切欠
溝６より低圧ポート４寄りに位置するシート７を形成す
ると共に、この主スプール５をバネ８で、シート７がシ
ート座９に圧着する第１の方向に付勢し、かつ受圧室10
内のパイロット圧力で前記バネ８のバネ力に抗してシー
ト７とシート座９を離隔して主ポート３を切欠溝６で低
圧ポート４に開口する第２の方向に移動するように構成
し、前記主スプール５におけるシート７より低圧ポート
４寄り位置にプレート11を、シート７の外周面より外方
に突出し、かつシート７がシート座９に圧着した状態で
プレート11がシート座９と離隔し、主ポート３より低圧
ポート４に流れる圧油が当該プレート11に衝突して前記
主スプール５に前記第２の方向の力を付与するように設
けた流量制御弁。

これにより、主スプール５をパイロット圧力で第２の
方向に移動して主ポート３の圧油を切欠溝６を経て低圧
ポート４に流通させる際に、その圧油がプレート11に衝
突して主スプール５に第２の方向の力が付与されるの
で、前記圧油の流れによって主スプール５に作用する第
１の方向のフローフオースを打ち消すことができる。

〔実施例〕

第１図に示すように、主スプール５とシート７より低
圧ポート４側に円板状のプレート11をボルト12で取付け
てあり、該プレート11はシート座９の径及びシート７の
径より大径となってシート７とシート座９との間より流
出した圧油がプレート11に衝突するようにしてある。

このようであるから、主ポート３より低圧ポート４に
流れる圧油の一部はプレート11に衝突して主スプール５
に左向の押し力、つまりフローフオースと逆向きの押し
力を与えるので、フローフオースによって主スプール５
が右方、つまり主ポート３と低圧ポート４を閉じる方向
に移動することが軽減されてパイロット圧力を小さくで
きると共に、主スプール５に作用する左向の押し力はプ
レート11に作用する圧力に比例して大きくなるので、主
ポート３の圧力が高くなってフローフオースが大きくな
ると左向の押し力も大きくなってフローフオースを相殺
できる。

また、第２図に示すように主スプール５のシート７の
端面にネジ部13を一体形成し、このネジ部13にプレート
11の孔11aを嵌合してナット14で締付けても良いし、第
３図（ａ），（ｂ），（ｃ）に示すようにプレート11を
主スプール５に一体的に形成しても良い。

〔考案の効果〕

主スプール５をパイロット圧力で第２の方向に移動し
て主ポート３の圧油を切欠溝６を経て低圧ポート４に流
通させる際に、その圧油がプレート11に衝突して主スプ
ール５に第２の方向の力が付与されるので、前記圧油の
流れによって主スプール５に作用する第１の方向のフロ
ーフオースを打ち消すことができる。

したがって、フローフオースによって主スプール５が
主ポート３と低圧ポート４を遮断する方向に押されるこ
とが低減し、受圧室10内のパイロット圧を低く設定でき
ると共に、主ポート３の圧力が高圧となっても主スプー
ル５がフローフオースによって主ポート３と低圧ポート
４を遮断する方向に押されることが低減して流量制御の
精度が良くすることが出来る。

また、プレート７はシート７の外周面より外方に突出
しているから、シート７とシート座９との間の全周から
流出した圧油がプレート７に衝突し主スプール５に作用
する第２の方向の力が全周均等となり、主スプール５を
こじることがないから主スプール５がスムーズに移動す
る。

また、主スプール５にプレート11を設けただけであ
り、構造が簡単となるし、特殊な加工も不要となる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の第１、第２実施例の断面図、
第３図（ａ），（ｂ），（ｃ）は他の実施例の断面図、
第４図は従来例の断面図である。 ３は主ポート、４は低圧ポート、５は主スプール、６は
切欠溝、７はシート、８はバネ、９はシート座、10は受
圧室、11はプレート。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】主ポート３と低圧ポート４を連通・遮断す
   る主スプール５に、常時主ポート３に開口した切欠溝６
   とこの切欠溝６より低圧ポート４寄りに位置するシート
   ７を形成すると共に、この主スプール５をバネ８で、シ
   ート７がシート座９に圧着する第１の方向に付勢し、か
   つ受圧室10内のパイロット圧力で前記バネ８のバネ力に
   抗してシート７とシート座９を離隔して主ポート３を切
   欠溝６で低圧ポート４に開口する第２の方向に移動する
   ように構成し、前記主スプール５におけるシート７より
   低圧ポート４寄り位置にプレート11を、シート７の外周
   面より外方に突出し、かつシート７がシート座９に圧着
   した状態でプレート11がシート座９と離隔し、主ポート
   ３より低圧ポート４に流れる圧油が当該プレート11に衝
   突して前記主スプール５に前記第２の方向の力を付与す
   るように設けたことを特徴とする流量制御弁。