JP2533200Y2 - 分散供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、物品を複数の搬送経路
に分散させる分散供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、複数の計量部で計量した物品の
なかから、その計量値同士の組合せ重量が目標重量に近
くなる組合せを選定して、この組合せに選定された物品
をひとまとめにして排出させる組合せ計量装置が従来よ
り実用化されている。この種の計量装置では、組合せ精
度を高くするために、分散供給装置を用いて、複数の計
量部に目標重量のほぼ整数分の１ずつ物品を供給するよ
うにしている。

【０００３】図６は、組合せ計量装置に用いられている
従来の分散供給装置の平面図、図７は、そのＡ−Ａ線断
面図である。

【０００４】これらの図で示されるように、分散供給装
置１０は、組合せ計量装置の筐体１の上面１ａに設けら
れている。

【０００５】分散供給装置１０は、上方から落下供給さ
れる物品を、外側へ分散排出する分散フィーダ１１と、
分散フィーダ１１の周りに放射状に配置された複数の直
進フィーダ１５、１５、…、１５によって構成されてい
る。

【０００６】分散フィーダ１１は、円錐状の受け板１２
を、振動器１３によって上下に振動させ、受け板１２の
頂部１２ａに供給される物品Ｗを放射状に分散させなが
ら、受け板１２の周縁部１２ｂ側へ搬送する。

【０００７】各直進フィーダ１５は、それぞれの振動器
１６によって搬送台１７の搬送面１７ａを矢印Ｂ方向に
振動させ、分散フィーダ１１から受けた物品を両側のガ
イド部１７ｂでガイドしながら、外側へ水平に直進搬送
する。

【０００８】直進フィーダ１５から排出される物品は、
図７に示すように筐体１の側面１ｂに設けられた計量部
２、２、…、２へ供給され、計量を受ける。

【０００９】計量部２に毎回供給される物品の量は、直
進フィーダ１５の振動時間と振動強度によって決まるた
め、この種の計量装置では、その計量結果に基づいて、
直進フィーダ１５の振動時間や振動強度をフィードバッ
ク制御して、毎回の供給量を所定量に近づけるようにし
ている。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の計量装置で大きな目標重量の物品をひとまとめにしよ
うとすると、分散供給装置１０の直進フィーダ１５の振
動時間と振動強度を大幅に増加しなければならない。

【００１１】ところが、振動時間を大幅に増加させる
と、毎回の物品供給時間が長くなり、計量装置全体の計
量効率が大きく低下してしまう。また、振動強度を大幅
に増加すると、フィーダの寿命が著しく短くなり、計量
部に対する振動の影響も無視できなくなり、計量精度の
低下を招くという問題があった。

【００１２】このような制限によって、従来の分散供給
装置では、計量装置側に悪影響を与えずに、物品供給量
を大幅に変化させることは極めて困難であった。

【００１３】本考案は、この課題を解決した分散供給装
置を提供することを目的としている。

【００１４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本考案の分散供給装置は、上方に向けた傾斜面を振
動させて、前記傾斜面上部に供給された物品を、前記傾
斜面の下縁部に向けて搬送する分散フィーダと、前記分
散フィーダの前記傾斜面の下縁部から搬出される物品を
それぞれの搬送面で受けて所定方向に水平搬送する複数
の直進フィーダとからなる分散供給装置において、前記
分散フィーダに、前記傾斜面上部を支点として傾斜面の
傾斜角を制御信号に応じて可変する傾斜角可変装置を設
けている。

【００１５】

【作用】このように構成されているため、本考案の分散
供給装置では、傾斜角可変装置によって、分散フィーダ
の傾斜面の傾斜角が可変されると、傾斜面下縁部と直進
フィーダの搬送面との段差が変化し、分散フィーダから
直進フィーダへ搬出される物品の層厚が変化し、直進フ
ィーダから排出される物品の量が変化する。

【００１６】

【実施例】以下、図面に基づいて本考案の一実施例を説
明する。

【００１７】図２は、前記同様に組合せ計量装置の筐体
１上に設けられた一実施例の分散供給装置２０の平面
図、図１は、図２のＣ−Ｃ線断面図、図３は、要部の斜
視図である。

【００１８】これらの図で、分散フィーダ２１は、振動
器２２によって、振動軸２３を一定の振幅で上下に振動
させる。この分散フィーダ２１には、搬送面の傾斜角を
可変するための傾斜角可変装置が一体に構成されてい
る。

【００１９】即ち、振動軸２３の上端部には、鍔体２４
が固定されている。鍔体２４の下面側には、この鍔体２
４から斜め下方に放射状に延びた複数の傾斜棒２５の一
端２５ａが回動自在に取付けられている。

【００２０】各傾斜棒２５の中間には、支持棒２６の一
端２６ａがそれぞれ回動自在に取付けられている。振動
軸２３には、摺動管２７が摺動自在に取付けられてお
り、各支持棒２６の他端２６ｂは、この摺動管２７の外
周に回動自在に取付けられている。

【００２１】この摺動管２７の下部には、側方に延びた
水平板２８が延設されており、この水平板２８にはステ
ッピングモータ（以下、モータと記す）３０が取付けら
れている。

【００２２】モータ３０の回転軸３０ａは、所定ピッチ
のネジ山を有するネジシャフト３１の一端３１ａに連結
されている。

【００２３】摺動管２７の下方には、水平板２８と平行
で振動軸２３に固定された規制板３２が配置されてい
る。

【００２４】この規制板３２には、ネジシャフト３１に
螺合するネジ穴３３が設けられている。

【００２５】したがって、この摺動管２７は、モータ３
０が所定パルス分回転駆動されると、振動軸２３に対し
て所定距離だけ上方または下方に移動するため、各傾斜
棒２５の傾斜角も変化する。

【００２６】なお、各傾斜棒２５の上面側には、この分
散フィーダ２１の傾斜面を形成し、可撓性を有する布材
３５が張付けられている。

【００２７】この布材３５の周縁部３５ａの下方には、
それぞれ直進フィーダ１５、１５、…、１５が配置され
ている。

【００２８】各直進フィーダ１５は、その隣り合う直進
フィーダとの境が、各傾斜棒２５の延長上に位置するよ
うに並んで配置されている。

【００２９】なお、隣接する直進フィーダ１５の搬送台
１７間の隙間からは、センサ取り付け棒４１、４２が立
設されており、一方のセンサ取り付け棒４１の上端に
は、分散フィーダ２１の鍔体２４より僅かに高い位置を
通るビーム光を投光する投光器４３が取付けられてい
る。

【００３０】また、他方のセンサ取り付け棒４２の上端
には、投光器４３からのビーム光を受光する受光器４４
が取付けられている。

【００３１】投光器４３および受光器４４は、分散供給
装置２０に対する物品の供給状態を検出するためのセン
サであり、受光器４４が受光状態になると、供給コンベ
ア５０から新たな物品が供給される。

【００３２】次に、この分散供給装置２０の動作につい
て説明する。

【００３３】図４は、摺動管２７が最下部にあるときの
物品の搬送状態を示している。

【００３４】摺動管２７が最下部にあるときには、分散
フィーダ２１の各傾斜棒２５の先端２５ｂが下がり、そ
の間に張られた布材３５の周縁部３５ａと、直進フィー
ダ１５の搬送台１７の搬送面１７ａとの段差は、両者の
振動振幅の和より僅かに大きいだけで、ほとんど連続し
た状態となっている。

【００３５】このため、直進フィーダ１５からは、布材
３５の周縁部３５ａ上の物品の層厚とほぼ等しい層厚で
物品が計量部２へ排出される。

【００３６】なお、この状態での物品供給が継続して、
鍔体２４上の物品が減少すると、受光器４４が受光状態
となり、新たな物品が供給コンベア５０から供給される
ため、布材３５上の物品の層厚の大きな変動は発生しな
い。

【００３７】ここで、計量部２に対する一回毎の物品供
給量を大幅に増加させるために、モータ３０に対して、
所定極性で所定個数の制御パルス信号が入力されると、
ネジシャフト３１の回転によって、図５に示すように、
摺動管２７が所定高さまで上昇し、分散フィーダ２１の
各傾斜棒２５の他端２５ｂ側が上昇する。

【００３８】このため、布材３５の周縁部３５ａと直進
フィーダ１５の搬送台１７の搬送面１７ａとの段差が大
きくなり、直進フィーダ１５上の物品の層厚は、所定距
離だけ上昇した布材３５の周縁部３５ｂの物品層の上端
から連続する厚さに増加する。

【００３９】したがって、直進フィーダ１５から、計量
部２へ供給される物品の量は、直進フィーダ１５の振動
時間が同じであっても、図４に示した状態より大幅に増
加することになる。

【００４０】なお、上記説明は、計量部２への物品供給
量を大幅に増加させる場合であったが、計量部２の計量
結果の平均値の変動等に追従させて、摺動管２７の昇降
を自動的に行うようにしてもよい。

【００４１】また、この実施例では、ほぼ円錐状の傾斜
面で物品を分散させる分散フィーダに本考案を適用して
いたが、平板状の傾斜面から、複数の直進フィーダへ物
品を分散排出する分散フィーダにも同様に適用できる。

【００４２】また、前記実施例では、分散フィーダ２１
の傾斜面を布材３５で形成していたが、ゴム等の伸縮材
で傾斜面を形成するようにしてもよく、その傾斜角を可
変する機構についても、種々の変形が可能である。

【００４３】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の分散供給
装置は、分散フィーダの傾斜角可変装置に制御信号を送
ることによって、分散フィーダの傾斜面の傾斜角を、傾
斜面上部を支点として可変し、直進フィーダ上の物品の
層厚を大幅に増減できるようにしているため、直進フィ
ーダの振動時間や振動強度を可変しなくても、物品の供
給量を大幅に可変することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図２のＣ−Ｃ線拡大断面図である。

【図２】一実施例の平面図である。

【図３】一実施例の要部の斜視図である。

【図４】一実施例の動作を説明するための拡大断面図で
ある。

【図５】一実施例の動作を説明するための拡大断面図で
ある。

【図６】従来装置の平面図である。

【図７】図６のＡ−Ａ線断面図である。

【符号の説明】

１５ 直進フィーダ １７ 搬送台 １７ａ 搬送面 ２０ 分散供給装置 ２１ 分散フィーダ ２２ 振動器 ２３ 振動軸 ２４ 鍔体 ２５ 傾斜棒 ２６ 支持棒 ２７ 摺動管 ２８ 水平板 ３０ ステッピングモータ ３１ ネジシャフト ３２ 規制板 ３５ 布材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上方に向けた傾斜面を振動させて、前記傾
   斜面上部に供給された物品を、前記傾斜面の下縁部に向
   けて搬送する分散フィーダと、前記分散フィーダの前記
   傾斜面の下縁部から搬出される物品をそれぞれの搬送面
   で受けて所定方向に水平搬送する複数の直進フィーダと
   からなる分散供給装置において、前記分散フィーダに、
   前記傾斜面上部を支点として該傾斜面の傾斜角を制御信
   号に応じて可変する傾斜角可変装置を設けたことを特徴
   とする分散供給装置。