JP2532485Y2

JP2532485Y2 - 冷媒圧縮機

Info

Publication number: JP2532485Y2
Application number: JP1990099433U
Authority: JP
Inventors: 浩史中島; 正良原; 隆士石垣
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1990-09-20
Filing date: 1990-09-20
Publication date: 1997-04-16
Anticipated expiration: 2005-09-20
Also published as: JPH0457683U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、例えばスクロール圧縮機などの冷媒圧縮
機、特に潤滑油が貯溜された油溜めを覆うための仕切板
の構造に関するものである。

〔従来の技術〕

この考案は冷媒圧縮機について適用されるものである
が、以下スクロール圧縮機に適用した場合について説明
する。

第４図は例えば実開平１−158577号公報に示された従
来のスクロール圧縮機の構成を示す断面図である。図に
おいて、（１）は固定スクロール、（２）は揺動スクロ
ール、（３）は吸入口（吸入室）、（４）は吐出ボー
ト、（５）は圧縮室、（６）は主軸、（７）は吸込口
（7a）を有し、主軸（６）下端と所定空隙をもって主軸
（６）下端部を覆うように装着されたオイル・キャッ
プ、（８），（９）は軸受フレーム、（10）はモータロ
ータ、（11）はモータ・ステータ、（12）はシェルで２
分割されており、（12a）はロアーシェル、（12b）はア
ッパーシェル、（13）はオルダム継手、（15）はシェル
（12）底部に設けた油溜め、（16）は吸入管、（17）は
吐出管、（18）は主軸（６）に偏心して設けられた揺動
スクロール軸（2b）と回動自在に嵌入された揺動軸受、
（19）は主軸（６）上部の大径部（6a）を支承する第１
の主軸受、（20）は主軸（６）下部の小径部（6b）を支
承する第２の主軸受、（21）は揺動スクロール（２）の
下面の軸方向から支承する第１のスラスト軸受、（22）
は主軸（６）の大径部（6a）と小径部（6b）間の段部
（6c）を軸方向から支承する第２のスラスト軸受、（2
3）は主軸（６）下端に開口部（23a）を有し、主軸
（６）内にその軸心より偏心して設けられた給油孔で、
各軸受（18），（20）部へ連通している。（24）は主軸
（６）内に設けられたガス抜き穴、（25），（26）は油
経路用の返油孔、（27），（28）は吸入ガス経路用の連
通孔、（30）は油溜めの上方を覆う仕切板である。そし
て、この仕切板（30）の下方にはロアシェル（12a）の
側壁を貫通し溶接等で固着された油面計（31）が第５図
に示すように設けられている。

ここで、仕切板（30）の取付方法について、第５図で
説明する。仕切板（30）は、主軸（６）の下端部を貫通
させる貫通穴（30a）を有し、外周側は上面へ突出して
筒状に形成された外縁部（30b）において、図に示すよ
うにシェル（12）の内周面に圧入等により固定される。

また、仕切板（30）の貫通穴（30a）と外縁部（30b）
の間には、返油穴（30d）が１個以上設けられることも
ある。

ここで、揺動スクロール（２）は、固定スクロール
（１）とかみ合わされた状態で揺動スクロール軸（2b）
が揺動軸受（18）を介して主軸（６）に係合され、前記
揺動軸受（18）及び軸受フレーム（８）に配設された第
１のスラスト軸受（21）によって支承されている。更
に、主軸（６）はいんろうなどで互いに結合された軸受
フレーム（８），（９）内に配設された第１の主軸受
（19）、第２の主軸受（20）、第２のスラスト軸受（2
1）によって支承されている。また、オルダム継手（1
3）は揺動スクロール（２）と軸受フレーム（８）との
間に配設され、揺動スクロール（２）の自転を防止し、
公転運動のみを行なわせるように構成されている。この
ような状態で、固定スクロール（１）は軸受フレーム
（８），（９）とともにボルトなどにより共締めされ
る。また、モータ・ロータ（10）は主軸（６）に、モー
タステータ（11）は、軸受フレーム（９）に、圧入，焼
嵌めまたはねじ止めなどによって固定されている。更
に、オイル・キャップ（７）は、主軸（６）に圧入，焼
嵌めなどによって固定されている。このようにして組立
てられた機構部は固定及び揺動スクロール（１），
（２）を上部にモータ・ロータ及びステータ（10），
（11）を下部にしてロアーシェル（12a）内に仕入，焼
嵌め等により収容固定されている。

次にこのように構成されたスクロール圧縮機の動作に
ついて説明する。モータ・ロータ（10）が回転すると、
主軸（６）及びオルダム継手（13）を介して揺動スクロ
ール（２）が公転運動を始め、第１図で説明した作動原
理により圧縮が開始する。この時、冷媒ガスは吸入管
（16）よりシェル（12）内に吸入され実線矢印に示すよ
うに軸受フレーム（９）とモータ・ステータ（11）との
間の連通孔（27）、モータ・ロータ（10）とモータ・ス
テータ（11）との間のエアギャップなどを通過してモー
タを冷却した後、シェル（12）と軸受フレーム（８），
（９）との間の連通孔（28）を通って固定スクロール
（１）に設けた吸入口（３）より圧縮室（５）へ取り込
まれ圧縮される。圧縮されたガスは、吐出ポート（４）
を経て吐出管（17）より圧縮機外へ排出される。また、
潤滑油は、油溜め（15）より破線矢印で示すように主軸
（６）に配設されたオイル・キャップ（７）及び給油孔
（23）による遠心ポンプ作用によりオイル・キャップ
（７）の吸込口（7a）及び給油孔（23）を通して各軸受
（18），（20）を給油し、さらに軸受（18）からは軸受
（21），（19），（22）に給油される。潤滑に使用され
た油は、主に軸受フレーム（８），（９）に設けられた
返油孔（25），（26）を通って仕切板（30）の上面にた
まる。ここで、油は返油穴（30d）及び貫通孔（30a）よ
り油溜め（15）へ戻される。また、主軸（６）に設けら
れたガス抜き穴（24）は作動時、オイル・キャップ
（７）内のガスを迅速に軸外へ排出し、ポンプ効率を高
めるものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の冷媒圧縮機は上記のように構成されているの
で、仕切板（30）をロアシェル（12a）内に圧入する場
合、油面計（31）を取り付ける際のロアシェル（12a）
への穴加工や溶接が原因で発生する変形およびスパッタ
が邪魔となり、固定する位置まで仕切板（30）を挿入す
ることができず、上部に配設されるモータ・ステータ
（11）に接触するという問題点があった。また、この問
題点を解消するために、油面計（31）を仕切板（30）を
固定する位置と干渉しない位置まで下方にずらすと必要
油量が確保できなくなるので、シェル（12）の外径を大
にするか高さを大にしなければならず、大形化するとい
う等の問題点があった。

この考案は以上のような問題点を解消するためになさ
れたもので、大形化せずとも固定する位置に仕切板を容
易に挿入でき、必要油量が十分に確保できる冷媒圧縮機
を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案に係る冷媒圧縮機は、シェルの内径より所定
の値だけ外周の径が小に形成された円板状部と、この円
板状部の外周から上方に突出し上端の径が円板状部の外
周の径より大で且つシェルの内径より小に形成された第
１の筒状外縁部と、この第１の筒状外縁部よりさらに上
方に突出し径方向外側に向って徐々に径を大に且つ最上
端の径が少なくともシェルの内径より大に形成された第
２の筒状外縁部とで仕切板を構成したものである。

〔作用〕

この考案に係る冷媒圧縮機の仕切板は容易にシェル内
に挿入され、油面計を下方にずらす必要がなくなる。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例におけるスクロール圧縮機
を図について説明する。第１図はスクロール圧縮機の考
案の要部を示す一部破断々面図、第２図（ａ）（ｂ）は
第１図における仕切板の構成をそれぞれ示し、（ａ）は
一部破断正面図、（ｂ）は側断面図である。図におい
て、（41）は中央部に主軸（６）が貫通する貫通孔（41
a）を有しシェル（12）の内径より所定の値だけ外周の
径が小に形成された円板状部、（42）はこの円板状部
（41）の外周から上方に突出し上端の径が円板状部（4
1）の外周の径より大で且つシェル（12）の内径より小
に、すなわち、図に示すようにθ₁の角度でテーパ状に
形成された第１の筒状外縁部、（43）はこの第１の筒状
外縁部（42）よりさらに上方に突出し径方向外側に向っ
て徐々に径を大に且つ最上端の径が少なくともシェル
（12）の内径より大にすなわち、図に示すようにθ₂の
角度でテーパ状に形成された第２の筒状外縁部であり、
これら円板状部（41）、第１の筒状外縁部（42）および
第２の筒状外縁部（43）で仕切板（40）は構成されてい
る。

この考案の一実施例に適用される仕切板（40）は上記
のように構成されているので、ロアシェル（12b）に圧
入すると、第２の筒状外縁部（43）のテーパ部分が弾性
変形あるいは塑性変形して固定される。また、テーパを
有するために圧入しやすくなっており組立性も向上す
る。又、第１の筒状外縁部（42）がθ₁の角度で形成さ
れているので、仕切板（40）をロアシェル（12b）に挿
入する時は、まず、加工変形、溶接変形のない所まで第
２の筒状外縁部（43）を挿入し、変形箇所は第１の筒状
外縁部（42）で逃がすことができるため、仕切板（40）
本来の機能を果す円板状部（41）を規定の位置に固定で
きる。尚、第２図（ａ）に示すように仕切板（40）の外
縁に凹部（40a）を設けておけば、第１の筒状外縁部（4
2）とロアシェル（12b）の内壁との間に形成される窪み
（44）にガスが溜って適正油面を検知できないというこ
ともなく、油面位置が安定するという利点も得られる。

尚、第３図はこの考案の他の実施例におけるスクロー
ル圧縮機に適用される仕切板（50）の構成を示す断面図
で、図から明らかなように、円板状部（51）および第２
の筒状外縁部（53）は第２図における一実施例のものと
同様であるが、第１の筒状外縁部（52）は筒部（52a）
と平板部（52b）で形成されており、加工変形、溶接変
形を逃げるという点ではさらに有利となる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によればシェルに溶接等によ
り固定された油面計を備え、シェルの内径より所定の値
だけ外周の径が小に形成された円板状部と、この円板状
部の外周から上方に突出し上端の径が円板状部の外周の
径より大で且つ上記シェルの内径より小に形成された第
１の筒状外縁部と、この第１の筒状外縁部よりさらに上
方に突出し径方向外側に向って徐々に径を大に且つ最上
端の径が少なくともシェルの内径より大に形成された第
２の筒状外縁部とで仕切板を構成し、上記第２の筒状外
縁部を上記油面計の取付け位置より上方位置のシェルに
圧入固定し、上記第１の筒状外縁部を上記油面計の取付
け位置と高さ方向で重なる位置に配置したので、仕切板
をシェル内に圧入する場合、油面計をシェルの所定の位
置に取付けても、油面計を取付ける際の穴加工や溶接に
よる変形等のない所まで第２の筒状外縁部を挿入し、変
形箇所は第１の筒状外縁部で逃がすことができるため、
仕切板本来の機能を果たす円板状部をシェル内の規定の
位置に容易に固定でき、かつ、シェルを大形化せずに必
要油量が十分に確保できる冷媒圧縮機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例におけるスクロール圧縮機
の要部を示す一部破断々面図、第２図（ａ）（ｂ）は第
１図におけるスクロール圧縮機の要部を構成する仕切板
をそれぞれ示す一部破断正面図および側断面図、第３図
はこの考案の他の実施例に適用される仕切板を示す断面
図、第４図は従来のスクロール圧縮機の構成を示す断面
図、第５図は第４図におけるスクロール圧縮機の仕切板
部の取付状態を示す断面図である。図において、（40）は仕切板、（41）は円板状部、（4
2）は第１の筒状外縁部、（43）は第２の筒状外縁部で
ある。尚、各図中同一符号は同一または相当部を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献実開平１−158577（ＪＰ，Ｕ) 実開昭63−136278（ＪＰ，Ｕ) 実開昭58−113895（ＪＰ，Ｕ)

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】シェル内に収納される圧縮機構部と、上記
シェルの底部に形成され上記圧縮機構部を潤滑するため
の油を貯溜する油溜めと、この油溜めを覆い外縁部が上
記シェルの内壁面に圧入により固定された仕切板と、上
記シェルの側壁を貫通し上記油溜め内の油を検知する溶
接等によりシェルに固定された油面計とを備えた冷媒圧
縮機において、上記仕切板は、上記シェルの内径より所
定の値だけ外周の径が小に形成された円板状部と、この
円板状部の外周から上方に突出し上端の径が上記円板状
部の外周の径より大で且つ上記シェルの内径より小に形
成された第１の筒状外縁部と、この第１の筒状外縁部よ
りさらに上方に突出し径方向外側に向って徐々に径を大
に且つ最上端の径が少なくとも上記シェルの内径より大
に形成された第２の筒状外縁部とで構成し、上記第２の
筒状外縁部を上記油面計の取付け位置より上方位置のシ
ェルに圧入固定し、上記第１の筒状外縁部を上記油面計
の取付け位置と高さ方向で重なる位置に配置したことを
特徴とする冷媒圧縮機。