JP2531577Y2

JP2531577Y2 - 横形成型機の可動側金型固定装置

Info

Publication number: JP2531577Y2
Application number: JP40631090U
Authority: JP
Inventors: 務白川; 雅弘石川
Original assignee: Kosmek KK
Current assignee: Kosmek KK
Priority date: 1990-12-28
Filing date: 1990-12-28
Publication date: 1997-04-02
Anticipated expiration: 2005-12-28
Also published as: JPH0494411U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、横形射出成型機などの
横形成型機の可動側盤面に可動側金型を固定する装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の横形成型機の可動側金型固定装
置には、従来では、固定側金型を固定側盤面に固定する
技術(実公昭６２−４１７８２号公報参照)を利用したも
のがある。これは、可動側盤面の金型取付け面部分の周
囲部分に油圧クランプ等の金型固定手段を設け、その金
型取付け面部分の下側に金型ズレ下がり防止用の受止め
板を配置し、その受止め板を複数のボルトによって可動
側盤面に固定可能に構成したものである。そして、可動
側盤面に可動側金型を取り付けるときには、まず、その
可動側金型に受止め板を下側から押上げ接当させ、次い
で、その押上げ位置で複数のボルトを締付操作して受止
め板を可動側盤面に固定するのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記の従来構造では、
油圧クランプ等の金型固定手段の押圧固定力が何らかの
原因で低下した場合であっても、その可動側金型がズレ
下がるのを受止め板によって阻止できる点で優れるが、
次の問題がある。上記の受止め板を可動側盤面に位置決
め固定するにあたり、受止め板を可動側金型へ押上げる
操作とボルトの締付け操作との２つの操作を作業員の手
作業によって行う必要があるので、その作業能率が低
い。また、受止め板の高さ調節を手作業で行うので、そ
の調節精度が低くならざるを得ない。このため、金型固
定手段の押圧力の低下によって可動側金型がわずかにズ
レ下がって金型の成型精度を低下させるおそれがあっ
た。本考案は、可動側金型を固定する作業の能率を高め
ること、及び、金型の成型精度を良好に保つことを目的
とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記目的を達
成するために、可動側金型の固定装置を次のように構成
したことを特徴としている。例えば、図１から図３、又
は図４に示すように、横形成型機１の可動側盤面２の金
型取付け面部分３の周囲部分に金型固定手段４を設ける
とともに、その金型取付け面部分３の下側に金型受止め
手段５を設けた、横形成型機の可動側金型固定装置にお
いて、上記の金型受止め手段５は、上記の成型機１の固
定側部分に固定される基枠６と、その基枠６に上下移動
自在に支持される昇降作動具７と、その昇降作動具７を
上向きに押圧する押上げ手段８と、同上の昇降作動具７
を押上げ位置に油圧固定する油圧ロック手段９とを備え
ることを特徴とするものである。

【０００５】なお、上記の押上げ手段８としては、図１
から図３に示す空圧シリンダや、図４に示す押し上げバ
ネ４１などが考えられる。また、油圧ロック手段９とし
ては、図１から図３又は図４に示すように、ハウジング
２９(３７)内に設けた摩擦接触筒３０をロック用油圧作
動室３３の油圧力によって昇降作動具７に摩擦固定する
構成が好ましい。さらに、金型固定手段４は、油圧クラ
ンプや空圧クランプで構成することが好ましいが、締結
ボルトを手動操作するものであってもよい。

【０００６】

【作用】本考案によれば、横形成型機への金型の取付け
は、例えば図１から図３に示すように、次の手順でなさ
れる。横形成型機１への金型の搬入に先立って、金型固
定手段４をアンクランプ操作し、油圧ロック手段９をロ
ック解除操作するとともに、押上げ手段８を下降操作し
て昇降作動具７を下側に退避させておく。まず、可動側
金型Ａと固定側金型Ｂとからなる金型セットをクレーン
によって金型置き場から成型機１の上側空間へ移送し、
その金型セットを可動側盤面２と固定側盤面１２との間
の空間へ吊り降ろす。上記の金型セットのうちの固定側
金型Ｂを公知の方法によって固定側盤面１２に位置決め
固定して、この状態で固定側盤面１２へ向けて可動側盤
面２を進出させ、その金型セットを型締めする。

【０００７】次いで、押上げ手段８を上昇操作して昇降
作動具７を可動側金型Ａの下面に押し上げ接当させる。
引き続いて、油圧ロック手段９をロック操作して、昇降
作動具７を上記の押し上げ接当位置で成型機１の固定側
に油圧固定する。そして、上記の各操作を終えた後、金
型固定手段４をクランプ操作して、可動側盤面２の金型
取付け面部分３に可動側金型Ａを押圧固定するのであ
る。

【０００８】可動側盤面２への可動側金型Ａの取付け
は、上記のように、押上げ手段８の上昇操作と油圧ロッ
ク手段９のロック操作とによってなされ、これら各操作
は容易に自動化できるので、可動側盤面２に対する可動
側金型Ａの取り付けが従来の手作業に比べて格段に容易
になる。従って、可動側金型Ａを可動側盤面２に固定す
る作業の全体の能率が高まる。また、押上げ手段８を操
作することによって昇降作動具７の押上げ接当高さを自
動的に調節できるので、その高さ調節の精度を良好に保
てる。従って、金型固定手段４の押圧力が何らかの原因
で低下した場合であっても可動側金型のズレ下りを確実
に防止でき、金型の成型精度を長期間にわたって良好な
状態に保てる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面で説明する。図
１から図３は一実施例を示している。図２は、横形成型
機である射出成型機１の平面図を示している。その射出
成型機１のフレーム本体１１に、可動側盤面２と固定側
盤面１２とが左右に配置される。これら両盤面２・１２
間の金型装着空間に、可動側金型Ａと固定側金型Ｂとか
らなる金型セットが上側からクレーンで装着される。上
記の可動側盤面２は、左右へ延びる４本のガイドロッド
１３に案内されて左右方向へ進退可能になっている。

【００１０】図１は、上記図２のI−I線矢視図を示して
いる。前記の可動側盤面２の金型取付け面部分３の周囲
部分に、４台の油圧クランプ(金型固定手段)４が設けら
れる。各油圧クランプ４は、それぞれ４本のボルト１５
によって可動側盤面２に固定されている。クランプ用圧
油給排路１７から油圧クランプ４へ圧油を供給すると、
クランプ具１６が可動側金型Ａの中央側へ向けて進出し
て金型Ａの外縁部分を押圧固定する。これに対して、油
圧クランプ４から圧油を排出すると、クランプ具１６が
外側へ退避して、金型Ａのクランプ状態が解除されるの
である。

【００１１】上記の金型取付け面部分３の下側に金型受
止め手段５を設けられる。この金型受止め手段５は、上
記の可動側盤面２に固定される筒状の基枠６を備える。
その基枠６に、押上げ手段である空圧シリンダ８の空圧
ピストン１９が上下方向へ気密摺動自在に挿入される。
その空圧ピストン１９の下側に空圧作動室２０が形成さ
れ、上側に復帰バネ２１が装着される。上記の空圧ピス
トン１９から上向きに突出させたピストンロッド２２に
昇降作動具７が固定される。上記の空圧作動室２０には
圧縮空気給排路２３が連通されている。

【００１２】上記の昇降作動具７は、可動側金型Ａの下
面に接当する作動具本体２６と、その作動具本体２６の
両端部から下向きに突出させたロック用ロッド２７・２
７とからなる。各ロック用ロッド２７を油圧固定する油
圧ロック手段９は、可動側盤面２に固定されており、次
のように構成される。

【００１３】図３の縦断面図に示すように、筒状のハウ
ジング２９内に摩擦接触筒３０が上下のガスケット３１
・３２を介して油密状に固定される。その摩擦接触筒３
０とハウジング２９との間に、環状のロック用油圧作動
室３３が形成される。前記の昇降作動具７のロッド２７
は摩擦接触筒３０内に挿通されている。そして、油圧作
動室３３に圧油を供給すると、摩擦接触筒３０の内周壁
部分が内径側へ膨出してロッド２７の外周面に押圧接当
し、ロッド２７の昇降移動を阻止する。これに対して、
その油圧作動室３３から圧油を排出すると、摩擦接触筒
３０の内周壁部分が外径側へ復帰し、ロッド２７の昇降
移動を許容するのである。

【００１４】図４は、上記実施例の変形例を示してい
る。この場合、ハウジング３７からなる基台６を射出成
型機のフレーム本体１１に固定してある。また、昇降作
動具７を、サポートロッド３８と、そのロッド３８の上
部にネジ止め固定されて可動側金型Ａ下面に接当する受
け具３９とで構成してある。上記ハウジング３７内に摩
擦接触筒３０が固定され、その摩擦接触筒３０内にサポ
ートロッド３８を上側から挿通してある。

【００１５】上記ハウジング３７の底壁とロッド３８内
の調節ネジ４２との間に、押上げ手段である押上げバネ
４１を装着してある。なお、サポートロッド３８の下側
空間４３は、呼吸孔４４に装着したフィルタ４５を介し
て大気側へ連通される。符号４６は、押えバネである。

【００１６】

【考案の効果】本考案は、上記のように構成され作用す
ることから次の効果を奏する。可動側盤面への可動側金
型の取付けは、押上げ手段の上昇操作と油圧ロック手段
のロック操作とによってなされ、これら各操作は容易に
自動化できるうえ遠隔操作も可能なので、可動側盤面に
対する可動側金型の取り付け作業が従来の手作業に比べ
て格段に容易になる。従って、可動側金型を固定する作
業の全体の能率が高まる。しかも、上記の押上げ手段の
操作によって昇降作動具の押上げ接当高さを自動的に調
節できるので、その調節精度が高い。このため、金型固
定手段の押圧力が低下した場合であっても可動側金型の
ズレ下りを確実に防止でき、金型の成型精度を長期間に
わたって良好な状態に保てる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示し、横形射出成型機の可
動側盤面の立面図であって、図２のI−I線矢視図であ
る。

【図２】同上の射出成型機の平面図である。

【図３】図１中の要部詳細図であって、油圧ロック手段
の縦断面図である。

【図４】変形例を示す縦断面図であって、図１に相当す
る部分図である。

【符号の説明】

１…横形成型機(射出成型機)、２…可動側盤面、３…金
型取付け面部分、４…金型固定手段(油圧クランプ)、５
…金型受止め手段、６…基枠、７…昇降作動具、８…押
上げ手段(空圧シリンダ)、９…油圧ロック手段。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】横形成型機(１)の可動側盤面(２)の金型
取付け面部分(３)の周囲部分に金型固定手段(４)を設け
るとともに、その金型取付け面部分(３)の下側に金型受
止め手段(５)を設けた、横形成型機の可動側金型固定装
置において、上記の金型受止め手段(５)は、上記の成型
機(１)の固定側部分に固定される基枠(６)と、その基枠
(６)に上下移動自在に支持される昇降作動具(７)と、そ
の昇降作動具(７)を上向きに押圧する押上げ手段(８)
と、同上の昇降作動具(７)を押上げ位置に油圧固定する
油圧ロック手段(９)とを備える、ことを特徴とする横形
成型機の可動側金型固定装置。