JP2529615B2 - 新規なスチレン系樹脂及びその製造方法 - Google Patents

新規なスチレン系樹脂及びその製造方法

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JP2529615B2
JP2529615B2 JP2068229A JP6822990A JP2529615B2 JP 2529615 B2 JP2529615 B2 JP 2529615B2 JP 2068229 A JP2068229 A JP 2068229A JP 6822990 A JP6822990 A JP 6822990A JP 2529615 B2 JP2529615 B2 JP 2529615B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規なスチレン系樹脂及びその製造方法に関
するものである。
さらに詳しくは、本発明は、特定割合からなるスチレ
ン系構造単位と特定の構造式で示される長鎖のアルキル
鎖をもつ構造単位とからなり、スチレン系単量体、スチ
レン系二量体、スチレン系三量体及び重合溶媒の含有量
をある量以下に制限することにより、引張り応力−歪み
試験において降伏点と破断点を有することを特徴とす
る、強度の優れたスチレン系樹脂に関するものである。
また、本発明は、上記のスチレン系樹脂を生産性良く
製造する方法に関するものである。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) スチレン系樹脂は、透明性、成形性、剛性に優れた樹
脂であるところから、以前から家庭用品、電気製品等の
成形材料として広く用いられてきた。最近、原材料の高
騰から他の高品位樹脂を比較的コストの安い樹脂へ切り
替える方向にあり、スチレン系樹脂に対する需要は一層
増大の傾向にある。これとともに、利用分野を拡大する
ため、及び製品の生産性を高めるために、スチレン系樹
脂の強度、成形性の改良の要望が高まっている。
これまで、強度の高いスチレン系樹脂を得るには、平
均分子量を大きくすれば良いことは公知の事実である。
しかし、平均分子量を大きくすることにより、成形性の
低下は免れえない。
また、成形性を補うために可塑剤の使用も公知の方法
であるが、可塑剤を添加することにより、耐熱性、剛性
が低下し、強度も低下する。製品の生産性を高めるため
に、高速成形が望まれている分野もあり、分子量を高め
ること、及び可塑剤の使用による強度向上、成形性向上
だけでは対応できない。
一方、大型成形品用途のように、耐熱性、剛性よりも
成形性、強度がより強く要求される分野もある。可塑剤
を用いるのが常識であるが、従来のスチレン系樹脂に可
塑剤を添加すると強度低下が大きく、市場の要求を必ず
しも満足するものではなかった。可塑剤を添加し強度低
下を招いても、市場要求を満足させうる強度の高い成形
性の優れたスチレン系樹脂が求められている。
食品包装用途でスチレン系樹脂を発泡成形した成形体
が多く使用されているが、熱成形時、成形幅の広いスチ
レン系樹脂、即ち伸びの良いスチレン系樹脂が求められ
ている。
特公昭62−61231号公報では、スチレン系樹脂の強度
向上のために、低分子量重合体成分の含有量を極力減少
させることが有効であることが示されている。また、多
官能の低温分解型有機過酸化物を用いて、高分子量成分
を製造し、含有させる方法が示されている特開昭60−83
04号公報、特開昭60−13805号公報では、多官能の低温
分解型有機過酸化物を用いて強度の優れたスチレン系樹
脂を製造する方法が記載されている。
しかし、これらの方法では、若干の強度向上は期待で
きるものの、スチレン系樹脂本来の脆性破壊挙動が変わ
るまでには至っていない。
すなわち、引張り応力−歪み試験において、第1図パ
ターンBで示されるように、引張り応力に対して伸びは
直線的に変化し、降伏点を示さず破断に至る。分子量を
大きくしていってもこのパターンは変わらない。
このようなパターンである限り、耐衝撃強度の改良と
いっても微々たるものである。
例えば、強度の目安である引張り応力−歪み曲線下の
面積値は大きく変わらず数%程度しか変化しない。
多官能の低温分解型有機過酸化物を用いても、適性な
方法を用い、適性なスチレン系樹脂を製造しない限り、
スチレン系樹脂の著しい強度向上は期待できない。
また、特開昭60−8304号公報、特開昭60−13805号公
報に記載の方法では、重合温度が低いこと、最終重合率
が低いために、未反応のスチレン系単量体が回収系で高
温に曝される結果、スチレン系二量体、スチレン系三量
体が多量に生成する。又、分子量2万以下の低分子量重
合体が多量に生成し、その結果、引張り応力−歪み試験
において、降伏点を占めさず破断に到り、高い強度向上
は認められない。
特開昭60−152517号公報に記載の方法でもスチレンと
α−メチルスチレンの共重合反応に多官能性の低温分解
型有機過酸化物を使用しているが、前述の公報と同じよ
うな重合条件を採用している結果、期待したほどの改良
効果は得られていない。
このように、従来のスチレン系樹脂はいろいろ改良が
施されているが、脆性破壊挙動が変化するまでには至っ
ていない。
このパターンを変化させる方法として、ゴム質重合体
を導入することは公知の事実である。いわゆる耐衝撃性
ポリスチレンである。しかし、かかる樹脂は不透明であ
り、スチレン系樹脂の第一の特徴である透明性を損な
う。
また、強度、流動性改良のためにスチレン系単量体と
共重合可能な第二の単量体を導入する方法が公知であ
る。例えば、アクリロニトリルを導入したAS樹脂、ブチ
ルアクリレートを導入したBAS樹脂等である。これらの
樹脂は当初の目的を達成しているが、スチレン系樹脂の
特徴の一部を失っている。すなわち、AS樹脂は流動性が
著しく悪くなり、色調も悪化する。また、BAS樹脂は耐
熱性が著しく低下する。
そして、第二の単量体を導入した共重合体樹脂の特徴
として、スチレン系樹脂と混合した時に、透明性を損な
うという欠点を有している。それ故、スチレン系樹脂と
同じ条件では使用できない。
(課題を解決するための手段) 本発明者らはかかる現状を鑑み、鋭意検討を重ねた結
果、適性な方法を用いて特定量の長鎖のアルキル鎖をス
チレン系ポリマー中に導入し、かつスチレン系樹脂中の
スチレン系単量体、スチレン系二量体、スチレン系三量
体及び重合溶媒の総量をある量以下に抑えることによ
り、著しく向上させ従来の脆性破壊挙動とは異なる引張
り応力−歪み試験において降伏点と破断点を有する強度
の優れた新規なスチレン系樹脂が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は: 一般式; (式中、l、nは1〜20の整数で、mは0又は1〜5の
整数で、R1、R2、R3、R4は夫々水素又は炭素数1〜5の
アルキル基、シクロヘキシル基、あるいはフェニル基で
ある。) (式中、R1は水素又はメチル基であり、R2は水素又は炭
素数1〜5のアルキル基である)で示される構成単位か
らなり、その構成単位比SA/SB=0.006〜0.00001、重量
平均分子量が20万以上60万以下、スチレン系単量体、ス
チレン系二量体、スチレン系三量体及び重合溶媒の総量
が0.8重量%以下である、新規なスチレン系樹脂を提供
するものである。また、 スチレン系単量体を塊状重合又は溶液重合してスチ
レン系樹脂を製造する方法において、一般式; (式中、l、nは1〜20の整数で、mは0又は1〜5の
整数で、R1、R2、R3、R4は水素又は炭素数1〜5のアル
キル基、シクロヘキシル基、あるいはフェニル基であ
る) で示される繰り返し単位を少なくとも3個含む低温分解
型有機過酸化物を、スチレン系単量体100重量部当た
り、活性酸素量換算で0.00015重量部〜0.10重量部の割
合で添加し、重合温度85℃〜125℃でスチレン系単量体
の転化率が少なくとも15重量%になる迄重合した後、後
段の重合において、170℃以下で重合を進め、反応溶液
中のスチレン系樹脂濃度が70重量%以上になるまで重合
を進めることによりスチレン系樹脂を得る、スチレン系
樹脂の製造方法を提供するものである。
さらに、 後段の重合において、反応系に供給され
る全スチレン系単量体100重量部当たり活性酸素量換算
で0.0002〜0.006重量部の10時間半減期を示す温度が80
℃〜140℃である有機過酸化物を1ケ所以上で添加し、1
70℃を越えない温度で重合を進め、反応溶液中のスチレ
ン系樹脂濃度が70重量%以上になるまで重合を進め、ス
チレン系樹脂を得る、スチレン系樹脂の製造方法も使用
可能である。
また、 前記スチレン系樹脂100重量部当たり8重
量部以下の可塑剤を含有させた、成形性、強度の優れた
スチレン系樹脂をも提供するものである。
そして、 前記のスチレン系樹脂と前記のスチ
レン系樹脂との混合物を成形してなる、強度の優れたス
チレン系樹脂成形体をも提供するものである。
本発明のスチレン系単量体としては、スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルスチレン、p−メチルスチレン
等が使用できる。これらスチレン系単量体単独、または
混合して使用することもできる。
さらに、本発明のスチレン系単量体と共に、他のビニ
ル系単量体、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸など
を併用してもよい。
本発明のスチレン系樹脂の重量平均分子量は、成形品
の形状、使用目的等を考慮して、20万〜60万の領域で、
より好ましくは20万〜50万の領域で設定される。
重量平均分子量が20万未満であると、構成単位(A)
を導入しても強度の向上が少なく、又、スチレン系樹脂
の製造時、分子量調整が困難であるために、好ましくな
い。分子量が60万を越える場合は、スチレン系樹脂の生
産性及び成形性が著しく悪くなり、実用的でない。
構成単位比SA/SBの値は0.006〜0.00001の範囲である
必要がある。より好ましくは0.003〜0.00003の範囲であ
る。
構成単位比SA/SBの値が0.00001未満の時は、強度向
上の効果が発現しない。また、0.006を越える場合は、
剛性、耐熱性が低下する。又、構成単位(A)を導入す
るために用いる重合開始剤が高価であるために、スチレ
ン系樹脂のコストアップにつながり好ましくない。
スチレン系単量体、スチレン系二量体、スチレン系三
量体及び重合溶媒の総量は0.8重量%以下であることが
必要である。より好ましくは0.75重量%以下である。
これらの総量が0.8重量%を越える場合は、引張り応
力−歪み試験に於いて、降伏点を示さず破断に至り、強
度向上が認められない。また、スチレン系単量体、重合
溶媒の総量は0.2重量%以下が好ましい。より好ましく
0.1重量%以下である。これらの総量が0.2重量%を越え
ると、スチレン系樹脂の耐熱性が低下し、又、成形時、
モールド・スエット等の不良減少を招くので好ましくな
い。又、食品衛生上の観点からも好ましくない。
スチレン系樹脂の分子量分布は特に限定されるもので
はないが、分子量2万以下のスチレン系樹脂含有量は5
重量%以下であることが好ましい。より好ましくは3重
量%以下である。分子量2万以下のスチレン系樹脂含有
量が5重量%を越える場合は、長鎖のアルキル鎖を導入
しても引張り応力−歪み試験に於いて降伏点を示さず破
断に至り易い。分子量200万以上のスチレン系樹脂含有
量は0.1重量%以上であることが好ましい。より好まし
くは0.2重量%以上である。0.1重量%未満の場合は強度
向上度合いが小さい。
スチレン系樹脂の分子量分布の値は特に限定されるも
のではないが、スチレン系樹脂の製造方法の容易性及び
成形時の成形性等の観点から3.5以下が好ましい。
スチレン系樹脂100重量部当たり、8重量部以下の可
塑剤が添加出来る。より好ましくは6重量%以下であ
る。可塑剤の量が8重量部を越えると、耐熱性が著しく
低下し好ましくない。又、成形時、モールド・デポジッ
ト、モールド・スエット等の不良減少を招き好ましくな
い。
本発明で言う可塑剤は、ミネラル・オイル、流動パラ
フィン、C8〜C22の高級脂肪酸、C4〜C22の高級脂肪酸の
金属塩(カルシウム、マグネシウム、亜鉛等)、エチレ
ンビス脂肪酸(C16、C18)アミド、ステアリルアルコー
ル等の高級脂肪酸アルコール、アジピン酸やセバシン酸
のジブチルまたはジオクチルエステル、高級脂肪酸(C8
〜C22)のモノ−、ジ−、トリグリセリド、水添ヒマシ
油、水添牛脂、ジメチルポリシロキサン等である。
本発明において、構成単位(A)としては、例えば次
に示す構造のものが挙げられる。
あるいは、上記構造式の構成単位を二つ以上ランダム
に有していても良い。
又、構成単位(B)としては、例えば次に示す構造の
ものが挙げられる。
本発明の方法においては、先ず第一段階の重合工程を
特定の低温分解型有機過酸化物からなる重合開始剤の存
在下で行う必要がある。この低温分解型有機過酸化物
は、前記一般式(C)で示される繰り返し単位を少なく
とも3個、好ましくは5〜30個含有するものである。こ
のような有機過酸化物としては、例えば、次に示す繰り
返し単位を有するものが挙げられる。
上記構造の構造単位二つ以上がランダムに結合した低
温分解型有機過酸化物も使用出来る。また、本発明に於
いては、これら繰り返し単位を有する有機過酸化物を単
独又は二つ以上混合して使用することも出来る。
これらの有機過酸化物は特公昭63−32089号公報、特
開昭59−176320号公報、特開昭59−93725号公報に記載
されている方法に準じて合成できる。
これらの有機過酸化物の10時間半減期を示す分解温度
は、これをラジカルに対して比較的不活性な溶剤、例え
ばトルエン、ベンゼンに0.1モル/Lの濃度で溶解し、こ
の溶液を窒素置換したガラス管中に密封し、恒温槽に浸
し、特開昭60−13805号公報の記載の方法に従って求め
ることができる。
本発明の方法においては、この有機過酸化物の10時間
半減期温度が40℃〜90℃のものを用いることが好まし
い。40℃未満のものは、貯蔵上及び取り扱い上爆発等の
危険が伴うし、また90℃を越えるものは重合に長時間を
要し、生産性の著しい低下をもたらし好ましくない。
本発明では、低温分解型有機過酸化物をスチレン系単
量体100重量部当たり活性酸素量換算で0.00015〜0.10重
量部の割合で使用するのが好ましい。より好ましくは0.
0006〜0.05重量部である。ここに言う活性酸素量とは、
有機過酸化物中に存在する過酸化結合中の活性酸素(−
O−)の量を意味する。
本発明の方法における重合は、通常のスチレン系樹脂
の重合に用いられる塊状重合、溶液重合に従い、原料単
量体に重合開始剤及び所望に応じて溶媒その他必要な添
加物を加えた混合物を反応機に供給し、必要に応じて加
圧、減圧しながら加熱することによって行うことが出来
る。
本発明の第一段階の重合は、このようにして温度85℃
〜125℃において、スチレン系単量体の転化率が少なく
とも15重量%になるまで重合を行うことが必要である。
より好ましくは、85℃〜120℃において、スチレン系単
量体の転化率が少なくとも20重量%になるまで行う。
この段階で、スチレン系樹脂連鎖中に前記一般式
(C)で示される繰り返し単位を含有するスチレン系樹
脂が得られる。又、超高分子量スチレン系樹脂を含有す
る反応溶液が生成する。
この前段での重合は、スチレン系単量体の転化率が少
なくとも15重量%以上迄重合する。より好ましくは20重
量%以上まで重合する。15重量%未満では、スチレン系
樹脂連鎖中に過酸化物結合を有するスチレン系樹脂生成
量が少なく、前記一般式(A)で示される長鎖のアルキ
ル鎖の含有量が非常に少なくなり好ましくない。また、
超高分子量スチレン系樹脂の生成量が不十分となる。結
果として高強度な樹脂が得られない。低温分解型有機過
酸化物のスチレン系単量体100重量部当たりの量が活性
酸素量換算で0.10重量部を越えると、反応の制御が困難
になる。また、超高分子量スチレン系樹脂の生成量が不
十分になり、結果的に強度の向上度合いが小さくなる。
また、高価な開始剤であることから、スチレン系樹脂の
コストアップを招き好ましくない。
一方、0.00015重量部未満では、前記一般式(A)で
示される長鎖のアルキル鎖の含有量が不十分となり、強
度の優れたスチレン系樹脂が得られない。また、重合に
要する時間が長くなり、生産性の低下を招き好ましくな
い。
他方、重合温度が85℃より低い場合は、超高分子量ス
チレン系樹脂の生成には有利であるが、反応速度が著し
く遅くなり、生産性の低下を招き好ましくない。
また、130℃を越える温度では、超高分子量スチレン
系樹脂の生成量が極端に少なくなり、低温分解型の重合
開始剤が一挙に分解し、スチレン系樹脂連鎖中に前記一
般式(C)で示される過酸化物結合を有するアルキル鎖
の含有量が著しく少なくなり、結果として構成単位
(A)の含有量が不十分となり、強度の優れたスチレン
系樹脂が得られない。
このようにして前段の重合が行われた後、さらに反応
溶液中のポリマー濃度が40重量%以上迄重合を進めるの
が好ましい。より好ましくは40重量%〜55重量%の範囲
になるまで重合を進めるのがよい。この時の重合温度は
特に限定されるものではないが、100℃〜140℃の範囲が
好ましい。この時、スチレン系単量体あるいは別の反応
機で重合した重合溶液を加えて重合してもよい。また、
重合開始剤を添加して重合することもできる。
後段での重合温度は製造すべきスチレン系樹脂の分子
量によって決まるが、いかなる分子量のスチレン系樹脂
であれ、170℃以下で重合する必要がある。より好まし
くは160℃以下で重合する。170℃を越えた温度で重合す
ると、スチレン系二量体、スチレン系三量体が多量に生
成し、かつ低分子量スチレン系樹脂が多量に生成し本発
明の効果が発現しない。目標の分子量が重合温度のみで
調整出来ない場合は、添加する重合開始剤量、重合溶媒
量あるいは分子量調整剤量等で制御する必要がある。
より好ましくは重合温度は130℃〜160℃である。130
℃以下では、前段の重合で生成したスチレン系樹脂連鎖
中に存在する長鎖のアルキル鎖を含む過酸化物結合が分
解せず、回収系で分解し、結果として長高分子量スチレ
ン系樹脂の生成量が少なくなり、また、スチレン系樹脂
連鎖中に前記一般式(A)で示される長鎖のアルキル鎖
の導入量が減少するので好ましくない。
最終反応機出口の重合溶液中のスチレン系樹脂濃度
は、70重量%以上、好ましくは75重量%以上まで重合す
る必要がある。スチレン系樹脂濃度が70重量%未満の
時、反応溶液が高温に曝される回収系でスチレン系二量
体、スチレン系三量体が多量に生成し、又、低分子量ス
チレン系樹脂が多量に生成する。又、前記一般式(A)
で示される繰り返し単位が十分な量スチレン系樹脂連鎖
中は入らず、結果として本発明でいう引張り応力−歪み
試験において、降伏点と破断点を有するスチレン系樹脂
は得られない。
後段で重合を行う際、重合開始剤を重合の最初、又は
途中で少なくとも1ケ所以上添加して重合を進めること
が好ましい。
重合開始剤の量は、反応系に供給される全スチレン系
単量体100重量部当たり活性酸素量換算で0.0002〜0.006
重量部の範囲である。より好ましくは0.0005〜0.005重
量部の範囲である。添加する重合開始剤の量が0.0002重
量部未満の時は、特に高分子量スチレン系樹脂を製造す
る時は、生産性の低下が大きく好ましくない。また、0.
006重量部を越える時は、低分子量スチレン系樹脂体が
多量に生成し、強度低下を招く。又、重合開始剤濃度が
高いために、重合反応を制御するのが困難になり好まし
くない。
重合開始剤の添加方法としては、重合開始剤単独又は
スチレン系単量体あるいは重合溶媒等に溶解して添加し
てもよい。
重合開始剤の種類としては、10時間半減期の温度が80
℃〜140℃の範囲の有機過酸化物が好ましい。このよう
な有機過酸化物の代表的なものとしては、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)オクタン、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、4,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)吉草酸n−ブチルのような
パーオキシケタール類;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン−3のようなジアルキルパ
ーオキシド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブ
チルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレ
ート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネートのようなパーオキシエステル類;メチルエチル
ケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシドの
ようなケトンパーオキシド類;ジイソプロピルベンゼン
ヒドロパーオキシド、p−メタンヒドロパーオキシドの
ようなピドロパーオキシド類を挙げることが出来る。
80℃未満の10時間半減期温度を有する重合開始剤で
は、短時間で分解反応が生じ、局部的にラジカル濃度が
高くなり低分子量スチレン系樹脂を生成し好ましくな
い。また、140℃を越える10時間半減期温度を有する重
合開始剤では、反応機内で完全には消費されず、高温に
曝される回収工程まで残り、回収工程で低分子量スチレ
ン系樹脂を生成したり、分子鎖切断を生じさせ品質の低
下を招くので好ましくない。
最終反応機を出た重合溶液は、通常のスチレン系樹脂
の塊状又は溶液重合法において使用されている回収工程
に送られ、脱揮発され、ペレット化される。
本発明の重合は回分重合法、連続重合法いずれの方法
でもできる。重合に用いられる反応機の種類は特に限定
されるものではない。特に回分重合方法の場合は十分な
撹拌動力さえ有していればどのような反応機でもよい。
連続重合方法の場合、次のような反応機を用いるのが
好ましい。
前段重合反応機としては公知の反応機、例えば完全混
合型反応機、管型反応機等が使用できる。また、複数の
反応機を並列又は直列に並べて使用することも可能であ
る。
後段重合反応機としては押し出し流れに近い流量パタ
ーンを与える反応機が好ましい。このような反応機とし
ては、空間部を有する横型二軸反応機、静的混合器を内
蔵した反応機、撹拌式塔型反応機が使用できる。あるい
はこれらの反応機を組み合わせて使用することも出来
る。特に静的混合器を内蔵した反応機又は横型二軸反応
機を最終反応機として使用することが好ましい。このよ
うな反応機として日立製作所製HTR、スルーザー社製SM
R、SMXを内蔵する反応機が使用出来る。完全混合特性に
近い流動パターンを与える反応機を使用すると、スチレ
ン系単量体の転化率が高くなるに連れて、混合特性、除
熱能力が悪くなり、重合反応を制御するのが困難とな
り、結果として低分子量スチレン系樹脂を多く生成する
ので好ましくない。
また、連続重合方法で製造する場合に、後段で重合開
始剤を添加するとき、重合溶液と重合開始剤溶液を混合
するに当たり、混合機として静的混合器を用いることが
好ましい。静的混合器としては、ケニックス式スタティ
ックミキサー、スルーザー式スタティックミキサーが使
用できる。動的混合機、例えば撹拌羽根式完全混合機で
は、撹拌によるセン断応力によって局部的に過熱状態に
なり、低分子量スチレン系樹脂を生成したり、分子鎖切
断が生じ、品質低下につながり好ましくない。
横型二軸反応機の途中に開始剤を添加する場合は、反
応機自身の混合特性が優れている故、重合開始剤溶液を
反応溶液表面に滴下するだけでよい。
均一混合時間も特に限定されるものではないが、30分
以内で均一混合することが好ましい。より好ましくは15
分以内である。均一混合に長時間かけることは、高濃度
の重合開始剤が長時間局在化することになり、低分子量
スチレン系樹脂を生成し、本発明の効果が発現せず強度
低下を招くので好ましくない。
回収装置も特に限定されるものではない。一般にスチ
レン系樹脂の製造に使用されているものが使用出来る。
熱交換器としては、シェルアンドチューブ型、静的混
合器を内蔵した二重管型が好ましい。これら熱交換器は
回収装置の外部又は内部に取り付けることが出来る。
回収装置はフォーリング・ストランド型が好適に使用
出来る。回収装置は一段あるいは多段で使用することが
出来る。
熱交換器の運転条件も特に限定されるものではない
が、滞留時間は15分以内、より好ましくは10分以内で処
理するのがよい。滞留時間が長いと、スチレン系二量
体、スチレン系三量体、低分子量スチレン系樹脂が生成
し易くなり、強度向上が期待出来にくい。
回収装置でのスチレン系樹脂処理温度は製造するスチ
レン系樹脂の分子量によって変わるが、200℃〜260℃、
より好ましくは200℃〜250℃で取り扱うのがよい。260
℃を越える場合は、スチレン系二量体、スチレン系三量
体、低分子量スチレン系樹脂が生成し好ましくない。ま
た、分子鎖切断を招き品質低下をもたらすので好ましく
ない。200℃以下の場合は、未反応スチレン系単量体、
重合溶媒の除去が困難になるので好ましくない。また、
スチレン系単量体、重合溶媒の除去効率を高めるために
一般的に用いられている方法、すなわち水、炭酸ガス等
を添加する方法も用いることが出来る。
その他の回収装置として、一軸、あるいは二軸多段ベ
ント付き押出機も使用できる。操作条件として、品質低
下を招かない条件を設定する必要がある。
重合溶媒としては特に限定されるものではないが、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン等が好適に使用出来
る。
未反応スチレン系単量体及び/又は溶媒を回収する前
又は後の任意の段階で、スチレン系樹脂に慣用されてい
る添加剤、例えば酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤等
を配合することもできる。
本発明のスチレン系樹脂は、酸化防止剤として、ヒン
ダートーフェノール類、ヒンダードビスフェノール類、
ヒンダードトリスフェノール類等、例えば、2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノール、ステアリル−β−
(3,5−ジ−t−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
等;リン系化合物、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト、4,4′−ブチリデン−ビ
ス−(3−メチル−6−t−ブチル−フェニル−ジ−ト
リデジル)ホスファイト等が添加出来る。
また、本発明のスチレン系樹脂と他のスチレン系樹脂
を混合して使用することも可能である。
本発明のスチレン系樹脂は、一般に熱可塑性樹脂の成
形に用いられている公知の方法、例えば、射出成形、真
空成形、押出成形、圧縮成形等の成形方法によって、各
種成形体に成形されることが出来る。
また、フィルム、二軸延伸フィルム、シート、発泡シ
ート、発泡ビーズ等に成形された後、所望の成形体に成
形されることが出来る。
また、得られたスチレン系樹脂成形体、特に、フィル
ム、シート、発泡体等の表面特性を改良するために、帯
電防止剤、シリコーン等の滑剤を表面に塗布してもよ
い。
成形体の形状については特に制限はないが、例えばVT
Rカセットテープケースの窓、オーディオ用のカセット
テープのハーフ、ケース、窓、複写機の用紙収納箱、用
紙収納箱カバー、コピー用紙受け、飲料カップ、金魚
鉢、鳥篭、事務機器用収納トレー、フロッピーディスク
収納ケース、コンパクトディスクケース、玩具類、食
器、コップ、ボールペン、食器収納ケース、医療用シャ
ーレ、食品収納発泡トレー等に好適に用いることが出来
る。
なお、本発明では; スチレン系樹脂の重量平均分子量はGPC測定法によ
り、東洋曹達工業(株)製GPC(HLC−802A)、同社製GP
C用カラム(TSK−GEL−GMH6を二本使用)を用いて測定
する。
各分子量領域のスチレン系樹脂の含有量は面積比に
より計算される。
スチレン系単量体、スチレン系二量体、スチレン系
三量体、重合溶媒はガスクロマトグラフィーを用いて測
定する。
スチレン系単量体の転化率、反応溶液中のスチレン
系樹脂濃度は、一定量の反応溶液を精秤後、200℃、5mm
Hgの真空下で30分乾燥後、残ったスチレン系樹脂の量を
精秤して求める。
構成単位比SA/SBの値の定量は以下の方法により行
う。
スチレン系樹脂を10倍量のメチルエチルケトンに溶解
後、同量のメタノールをゆっくり添加しながら、スチレ
ン系樹脂を析出させる。析出したスチレン系樹脂を200
℃、5mmHgの減圧下で30分乾燥させる。乾燥したスチレ
ン系樹脂を用いて、日本電子(株)製のJNM−GX400 FT
−NMRを用いて、13Cを測定する。以下に記す測定条件で
測定、計算を行う。
パルス幅=9.2μs;45゜パルス データーポイント=32768 繰り返し時間=2.0秒 ADコンバーター=16ビット 積算回数=30,000〜100,000回 サンプル濃度=20Wt% 溶媒=1,1,2,2−テトラクロロエタン−(d2) サンプル管=10mm 測定温度=120℃ 長鎖のアルキル鎖のメチレン基の炭素に由来するピー
クが29.4ppmに現れる。
一方、構成単位(B)のメチン基、メチレン基に由来
するピークが39〜50ppmに現れる。
構成単位(B)に由来する39ppm〜50ppmに現れるピー
クの全面積の値をSBとする。構成単位(A)に由来す
る29.4ppmに現れるピークの面積の値をSAとする。これ
らからSA/SBの値を計算して求める。
以下、実施例で本発明を具体的に説明する。本発明は
これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例における物性試験法を以下に記す。
(イ) メルトフローレート: ISO R1133に準ずる。
(ロ) ビカット軟化点: ASTM D1525に準ずる。
(ハ) 引張り強度: 成形温度=220℃、 射出圧力=SSP+5kg/cm2で試験片を成形し、23℃の恒
温室に24時間放置後、ASTM D638に準じる。
(ニ) 引張り応力−歪み曲線のパターン: 引張り強度測定時のチャートより判定。
(ホ) 引張り応力−歪み曲線下の面積: 島津製作所製オートグラフAG−5000Aを用いて、ASTM
D638の方法に準じて測定し、付属のコンピューター処
理装置で計算する。
(ヘ) 繰り返し衝撃強度: 成形温度=220℃、 成形圧力=SSP+5kg/cm2、金型温度=60℃ の条件で5cm×8.8cm×2mmの試験片を射出成形し、6.35
R、150gのミサイルを約10cmの高さから試験片の中心に
落下させ、クラック発生迄の回数を求める。
なお、高さは重量平均分子量32万の従来のポリスチレ
ン(旭化成(株)製スタイロン693)を標準サンプルと
して、繰り返し衝撃強度の値が58〜60になるように高さ
を微調整する。
(ト) 飲料カップのゲート部ダート衝撃強度: 成形した飲料カップから、ゲート部が中心になるよう
にして、2cm×2cmの正方形の試験片を切りだし、この試
験片を固定し、40gのミサイルを落下させ、50%破壊が
生じる高さを求め、衝撃強度を求める。
(チ)飲料カップの口部圧縮強度: 引張り試験機を用いて、飲料カップの口部を50mm/分
の速度で押し曲げる。口部の破壊時の応力を求める。
(実施例) (実施例−1) 添付の第4図に記載した装置により、ポリスチレンの
重合を行った。
前段重合反応機−1、2、、は完全混合型反応機
であり、容量は各々30で、5〜25の範囲で反応溶
液容量を変化させることが出来る。
後段重合反応機−1、−2、、は静的混合器を内
蔵した管型重合反応機であり、容量は各々20である。
重合溶液と重合開始剤を混合するために、後段重合反応
機−1の入口、後段重合反応機−2の入口に各々静的混
合器−1、−2を設置した。その容量は各々1であ
る。前段重合反応機−1、−2、後段重合反応機−2、
及び回収系の出口にギアポンプ−1〜5を設置した。
また、後段重合反応機−2の出口にギアポンプの供給側
に添加剤を供給するポンプ−5、配管を設置した。
スチレン99.85重量部と 式 で示される 繰り返し単位7個を含む低温分解型有機過酸化物(10時
間半減期温度64.4℃、活性酸素量0.04g/1g)0.15重量部
とからなる原料溶液を4.547Kg/hrの流量で前段重合反応
機−1、へ連続的に供給し、反応機内での滞留時間が
5時間になるよう液量を制御し、105℃の温度で重合す
る。
スチレン85.034重量部、エチルベンゼン14.941重量
部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン(10時間半減期温度91℃、活性酸素量8.62%)0.025
重量部からなる原料溶液を4.551Kg/hrの流量で前段重合
反応機−2、へ連続的に供給し、反応機内での滞留時
間が5時間になるよう液量を制御し、120℃の温度で重
合する。前段反応機−1、でのスチレンの転化率は28
重量%であり、前段重合反応機−2、での重合溶液中
のスチレン樹脂濃度は48重量%である。
前段重合反応機−1、2、〜から出た重合溶液は
混合され、静的混合器、−1〜2に導かれる。混合さ
れた重合溶液に1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサンの1重量%エチルベンゼン溶液を90g/hrの
流量で連続的に供給する。静的混合器で均一に混合され
た重合溶液は後段重合反応機−1、へ供給される。後
段重合反応機−1、では130℃の温度で重合する。後
段重合反応機−2、では155℃の温度で重合する。後
段重合反応機−2、を出た重合溶液中のスチレン樹脂
濃度は76重量%である。
後段重合反応機−2、を出た重合溶液は予熱器に
導かれる。予熱器は静的混合器を内蔵しており、容量
は約0.8である。予熱器で240℃迄加熱された後、24
0℃に保温された回収装置に導かれ、10mmHgの真空下
で脱揮され、ペレット化される。
重合開始後48時間目から製品を採取し、物性を評価す
る。物性評価結果を(表−2)に示す。
(実施例−2) 前段重合反応機−1、への供給量が2.273Kg/hr、滞
留時間が6時間である以外、実施例−1と同様な条件で
前段の重合を行った。前段重合反応機−1、でのスチ
レンの転化率は31重量%であった。静的混合器−1、−
2、−1〜2の入り口に1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)シクロヘキサンの1重量%エチルベンゼン溶液
を各々40g/hrの流量で連続的に供給する。後段重合反応
機−1、では135℃、後段重合反応機−2、では155
℃の温度で重合する。後段重合反応機−2、を出た重
合溶液中のスチレン樹脂濃度は81重量%である。
実施例−1と同様な条件で操作し、重合溶液からスチ
レン樹脂を得、物性を評価する。その結果を(表−2)
に示す。
(実施例−3) 前段重合反応機−1、−2、〜への原料溶液の供
給量が実施例−2の場合の半分であり、静的混合器への
重合開始剤の添加を行わない以外、実施例−2と同様な
条件で操作し、スチレン樹脂を得る。この時、前段重合
反応機−1でのスチレンの転化率は31重量%であり、後
段重合反応機−2、を出た重量溶液中のスチレン樹脂
濃度は76重量%である。物性評価結果を(表−2)に示
す。
(実施例−4) スチレン99.956重量部と 式 で示される 繰り返し単位7個を含む低温分解型有機過酸化物(10時
間半減期温度64.4℃、活性酸素量0.04g/1g)0.044重量
部からなる原料溶液を2.271Kg/hrの流量で前段重合反応
機−1、へ連続的に供給し、反応機内での滞留時間が
8時間になるよう液量を制御し、105℃の温度で重合す
る以外、実施例−1と同様な条件で前段の重合を行う。
前段重合反応機−1、でのスチレンの転化率は22重
量%である。
後段の重合に於いて、後段重合反応機−1、の重合
温度が130℃以外、実施例−2と同様な条件で重合を行
う。後段重合反応機−2、を出た重合溶液中のスチレ
ン樹脂濃度は77重量%である。実施例−1と同様な条件
で操作し、重合溶液からスチレン樹脂を得る。
物性評価結果を(表−2)に示す。
(実施例−5) 後段重合反応機−2、を出た重合溶液に、スチレン
二量体、スチレン三量体混合物の50重量%エチルベンゼ
ン溶液を25g/hrの流量で連続的に供給する以外、実施例
−4と同様の条件で操作し、スチレン樹脂を得る。物性
評価結果を(表−2)に示す。
スチレン二量体、スチレン三量体混合物は後段重合反
応機−2、を出た重合溶液にメタノールを加え、析出
したポリマーを除いた溶液から蒸留分離、精製したもの
を用いた。
(実施例−6) 前段重合反応機−1、に供給する低温分解型有機過
酸化物が、次式で示される繰り返し単位(繰り返し単位
が7であり、10時間半減期温度65℃、活性酸素量0.04g/
1g)である以外、実施例−2と同様の操作でスチレン樹
脂を得る。
物性評価結果を(表−2)に示す。前段重合反応機−
1、でのスチレンの転化率は31重量%である。後段重
合反応機−2、を出た重合溶液中のスチレン樹脂濃度
は81重量%である。
(実施例−7) 前段重合反応機−1、に供給する低温分解型有機過
酸化物が次式で示される繰り返し単位(繰り返し単位が
7であり、10時間半減期温度64℃、活性酸素量0.04g/1
g)である以外、実施例−2と同様の操作でスチレン樹
脂を得る。
その物性測定結果を(表−2)に示す。前段重合反応
機−1、でのスチレンの転化率は30重量%である。後
段重合反応機−2、を出た重合溶液中のスチレン樹脂
濃度は80重量%である。
が93/7の割合でランダムに結合した繰り返し単位。
(実施例−8) スチレン99.85重量部と式 で示される繰り返し単位7個を含む低温分解型有機過酸
化物(10時間半減期温度64.4℃、活性酸素量0.04g/1g)
0.15重量部からなる原料溶液を2.273Kg/hrの流量で前段
重合反応機−1、へ連続的に供給し、反応機内での滞
留時間が8時間になるよう液量を制御し100℃の温度で
重合する。
スチレン95.13重量部、エチルベンゼン4.84重量部、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(1
0時間半減期温度91℃、活性酸素量8.62%)0.022重量部
からなる原料溶液を4.541Kg/hrの流量で前段重合反応機
−2、へ連続的に供給し、反応機内での滞留時間が5
時間になるよう液量を制御し、115℃の温度で重合す
る。前段反応機−1、でのスチレンの転化率は24重量
%であり、前段重合反応機−2での重合溶液中のスチレ
ン樹脂濃度は47重量%である。
重合溶液は後段重合機、に導かれる。静的混合器
−1、−2、−1〜2へ1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)シクロヘキサンの1重量%エチルベンゼン溶液
を各々40g/hrの流量で連続的に供給する。後段重合反応
機−1、では130℃の温度で重合する。後段重合反応
機−2、では140℃の温度で重合する。後段重合反応
機−2、を出た重合溶液中のスチレン樹脂濃度は78重
量%である。予熱器で250℃まで過熱された後、250℃
に保温された回収装置に導かれ、10mmHgの真空下で脱
揮され、ペレット化される。
その物性測定結果を(表−2)に示す。
(実施例−9) 静的混合器−1、−2、−1〜2に供給する重合開
始剤溶液の流量が各々50g/hrであり、前段重合反応機−
2、での重合温度が120℃、後段重合反応機−2、
での重合温度が135℃である以外、実施例−8と同様の
条件で操作し、スチレン樹脂を得る。
前段重合反応機−2、での重合溶液中のスチレン樹
脂濃度は52重量%であり、後段重合反応機−2、を出
た重合溶液中のスチレン樹脂濃度は82重量%である。
その物性評価結果を(表−2)に示す。
(比較例−1) 後段の重合に於いて、静的混合器−1、−2、−1
〜2に重合開始剤溶液を添加せず、後段重合反応機−
1、の重合温度が130℃、後段重合反応機−2、の
重合温度が150℃である以外、実施例−2と同様な条件
で操作し、スチレン樹脂を得る。
後段重合反応機−2、を出た重合溶液中のスチレン
樹脂濃度は63重量%である。
その物性評価結果を(表−2)に示す。
(比較例−2) 後段重合反応機−2、を出た重合溶液に、スチレン
二量体、三量体混合物の50重量%エチルベンゼン溶液を
40g/hrの流量で連続的に供給する以外、実施例−5と同
様の条件で操作し、スチレン樹脂を得る。
その物性評価結果を(表−2)に示す。
(比較例−3) 後段重合反応機−2、を出た重合溶液に、スチレン
二量体、三量体混合物の50重量%エチルベンゼン溶液を
65g/hrの流量で連続的に供給する以外、実施例−5と同
様の条件で操作し、スチレン樹脂を得る。
その物性評価結果を(表−2)に示す。
(比較例−4) 後段重合反応機−2、を出た重合溶液に、スチレン
二量体、三量体混合物の50重量%エチルベンゼン溶液を
80g/hrの流量で連続的に供給する以外、実施例−5と同
様の条件で操作し、スチレン樹脂を得る。
その物性評価結果を(表−2)に示す。
(比較例−5) スチレン86.57重量部、エチルベンゼン13.40重量部、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(1
0時間半減期温度91℃、活性酸素量8.62%)0.030重量部
からなる原料溶液を3.581Kg/Hrの流量で前段重合反応機
−1、前段重合反応機−2、、へ連続的に供給し、
反応機内での滞留時間が各々5時間になるよう液量を制
御し、115℃の温度で重合する。前段反応機−1、−
2、、での重合溶液中のスチレン樹脂濃度は44重量
%である。
重合溶液は後段重合機に導かれる。静的混合器−1、
−2、−1〜2へ1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサンの1重量%エチルベンゼン溶液を各
々40g/hrの流量で連続的に供給する。後段重合反応機−
1、では130℃の温度で重合する。後段重合反応機−
2、では155℃の温度で重合する。後段重合反応機を
出た重合溶液中のスチレン樹脂濃度は78重量%である。
予熱器で240℃まで加熱された後、240℃に保温された
回収装置に導かれ、10mmHgの真空下で脱揮され、ペレ
ット化される。
その物性測定結果を(表−2)に示す。
(比較例−6) スチレン99.85重量部と 式 で示される繰り返し単位7個を含む低温分解型有機過酸
化物(10時間半減期温度64.4℃、活性酸素量0.04g/1g)
0.15重量部からなる原料溶液を2.273Kg/hrの流量で前段
重量反応機−1、へ連続的に供給し、反応機内での滞
留時間が8時間になるよう液量を制御し、100℃の温度
で重合する。
スチレン89.984重量部、エチルベンゼン10.00重量
部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン(10時間半減期温度91℃、活性酸素量8.62%)0.020
重量部からなる原料溶液を4.501Kg/hrの流量で前段重合
反応機−2、へ連続的に供給し、反応機内での滞留時
間が5時間になるよう液量を制御し、120℃の温度で重
合する。前段反応機−1、でのスチレンの転化率は24
重量%であり、前段重合反応機−2、での重合溶液中
のスチレン樹脂濃度は51重量%である。
前段重合反応機−1、2、〜から出た重合溶液は
混合され、静的混合器に導かれる。混合された重合溶液
に1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
の1重量%エチルベンゼン溶液を40g/hrの流量で連続的
に供給する。静的混合器で均一に混合された重合溶液は
後段重合反応機−1、で供給される。後段重合反応機
−1、では130℃の温度で重合する。後段重合反応機
−2、では180℃の温度で重合する。
後段重合反応機−2、を出た重合溶液中のスチレン
樹脂濃度は82重量%である。
実施例−1と同様の条件で回収装置、を操作し、ス
チレン系樹脂を得る。
その物性評価結果を(表−2)に示す。
(比較例−7) スチレン99.85重量部と 式 で示される 繰り返し単位7個を含む低温分解型有機過酸化物(10時
間半減期温度64.4℃、活性酸素量0.04g/1g)0.006重量
部からなる原料溶液を2.271Kg/hrの流量で前段重量反応
機−1、へ連続的に供給し、反応機内での滞留時間が
10時間になるよう液量を制御し、107℃の温度で重合す
る。
スチレン86.034重量部、エチルベンゼン13.941重量
部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン0.025重量部からなる原料溶液を4.551Kg/hrの流量で
前段重合反応機−2、へ連続的に供給し、反応機内で
の滞留時間が5時間になるよう液量を制御し、118℃の
温度で重合する。前段反応機−1、でのスチレンの転
化率は21重量%であり、前段重合反応機−2、での重
合溶液中のスチレン樹脂濃度は51重量%である。
後段の重合に於いて、後段重合反応機−1、の温度
が135℃、後段重合反応機−2、の温度が150℃である
以外、比較例−5と同様の条件で操作し、スチレン樹脂
を得る。
後段重合反応機−2、を出た重合溶液中のスチレン
樹脂濃度は75重量%である。
その物性評価結果を(表−2)に示す。
(比較例−8) スチレン94.43重量部、エチルベンゼン5.55重量部、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(1
0時間半減期温度91℃、活性酸素量8.62%)0.020重量部
からなる原料溶液を3.601Kg/Hrの流量で前段重合反応機
−1、前段重合反応機−2、、へ連続的に供給し、
反応機内での滞留時間が各々6時間になるよう液量を制
御し、105℃の温度で重合する。前段反応機−1、−
2、〜での重合溶液中のスチレン樹脂濃度は43重量
%である。
重合溶液は後段重合機に導かれる。静的混合器−1、
−2、−1〜2へ1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサンの1重量%エチルベンゼン溶液を各
々40g/hrの流量で連続的に供給する。後段重合反応機−
1、では130℃の温度で重合する。後段重合反応機−
2、では140℃の温度で重合する。後段重合反応機を
出た重合溶液中のスチレン樹脂濃度は76重量%である。
予熱器で250℃まで加熱された後、250℃に保温された
回収装置に導かれ、10mmHgの真空下で脱揮され、ペレ
ット化される。
その物性測定結果を(表−2)に示す。
(比較例−9) 前段重合反応機−2、の温度が115℃であり、後段
重合に於いて、重合開始剤溶液を添加せず、後段重合反
応機−2、の重合温度が145℃である以外、実施例−
9と同様の条件で操作しスチレン樹脂を得る。
前段重合反応機−2、でのスチレン転化率は24重量
%であり、前段重合反応機−2、での重合溶液中のス
チレン樹脂濃度は47重量%である。後段重合反応機−
2、を出た重合溶液中のスチレン樹脂濃度は62重量%
である。
その物性評価結果を(表−2)に示す。
低分子量物質(スチレン、スチレン二量体、スチレン
三量体、重合溶媒)の量と応力−歪み曲線下の面積値の
関係を第2図に示す。この図から、本発明の特定の長鎖
のアルキル鎖を有し、低分子量物質含有量が0.8重量%
以下であるスチレン樹脂は、低分子量物質含有量が0.8
重量%を越えるか、あるいは、長鎖のアルキル鎖を含ま
ないが、量が少ない場合に比し、試験片を破壊するに必
要なエネルギー(応力−歪み曲線下の面積値)が高い値
を有していることがわかる。
また、(表−2)から、繰り返し衝撃強度も、特定の
長鎖のアルキル鎖を含み、かつ低分子量物質含有量が0.
8重量%以下のスチレン樹脂では高いことが判る。
さらに、強度以外の物性、流動性、剛性は変わらない
ことも(表−2)から判る。
本発明のスチレン樹脂は、従来のスチレン樹脂に比
べ、流動性、剛性等は変わらず、強度のみ著しく向上し
たものである。
本発明のスチレン樹脂は、本発明の重合方法を用いる
ことにより最適に製造されることが(表−1)より判
る。
後段での重合温度が180℃の場合(表−1、比較例−
6)は、低分子量物質が多量に生成し、又、低分子量ス
チレン樹脂が多量に生成し、本発明のスチレン樹脂は得
られない。
また、最終反応機を出た反応溶液中のスチレン樹脂濃
度が68重量%未満の場合(表−1、比較例−1、9)
も、低分子量物質が多量に生成することが判る。
後段での重合において、重合開始剤を用いなくても本
発明のスチレン系樹脂は得られるが、重合開始剤を適量
用いることにより、より生産性良く本発明のスチレン樹
脂が得られることが判る。
(実施例−10) 後段重合反応機を出た重合溶液にミネラル・オイル
(スルイルPS−260)を120g/hrの流量で連続的に供給す
る以外、実施例−6と同様な条件で操作し、スチレン樹
脂を得る。
その物性評価結果を(表−3)に示す。
(実施例−11) ミネラル・オイル供給量が250g/hrである以外、実施
例−10と同様な条件で操作し、スチレン系樹脂を得る。
その物性評価結果を(表−3)に示す。
(実施例−12) ミネラル・オイル供給量が350g/hrである以外、実施
例−10と同様な条件で操作し、スチレン系樹脂を得る。
その物性評価結果を(表−3)に示す。
(比較例−10) 後段重合反応機を出た重合溶液にミネラル・オイル
(スルイルPS−260)を130g/hrの流量で連続的に供給す
る以外、実施例−8と同様な条件で操作し、スチレン樹
脂を得る。
その物性評価結果を(表−3)に示す。
(比較例−11) ミネラル・オイル供給量が250g/hrである以外、比較
例−10と同様な条件で操作し、スチレン系樹脂を得る。
その物性評価結果を(表−3)に示す。
(比較例−12) ミネラル・オイル供給量が350g/hrである以外、比較
例−10と同様な条件で操作し、スチレン系樹脂を得る。
その物性評価結果を(表−3)に示す。
流動性と繰り返し衝撃強度の関係を第3図に示す。
本発明の特定の長鎖のアルキル鎖を含み、かつ低分子
量物含有量が0.8重量%以下のスチレン樹脂は、ミネラ
ル・オイルを添加するにつれて強度は低下するが、流動
性−強度バランスは比較例のスチレン樹脂よりも著しく
改良されていることが判る。ミネラル・オイル添加によ
る耐熱性の変化は比較例のスチレン樹脂と同じ割合であ
る。
(実施例−13) 射出成形機ネオマット350/120BX(住友重機械工業
(株)製)を用いて、シリンダー温度250℃、射出圧力9
0Kg/cm2、金型温度45℃の条件で実施例−2で得たスチ
レン樹脂を射出成形し、飲料カップを成形する。
その飲料カップのゲート部の衝撃強度を検討した結果
を(表−4)に示す。
(実施例−14) 実施例−3で得たスチレン樹脂を用いて実施例−13と
同様の実験を行う。その結果を(表−4)に示す。
(比較例−13) 比較例−1で得たスチレン樹脂を用いて実施例−13と
同様の実験を行う。その結果を(表−4)に示す。
(比較例−14) 比較例−2で得たスチレン樹脂を用いて実施例−13と
同様の実験を行う。その結果を(表−4)に示す。
(実施例−15) 射出成形機サイキャップ480/150(住友重機械工業
(株)製)を用いて、シリンダー温度260℃、射出圧力1
00Kg/cm2、金型温度45℃の条件で実施例−6で得たスチ
レン樹脂を射出成形し、飲料カップを成形する。
その飲料カップの口部の強度を検討し、その結果を
(表−5)に示す。
(実施例−16) 実施例−7で得たスチレン樹脂を用いて実施例−15と
同様の実験を行う。その結果を(表−5)に示す。
(比較例−15) 比較例−8で得たスチレン樹脂を用いて実施例−15と
同様の実験を行う。その結果を(表−5)に示す。
(比較例−16) 比較例−9で得たスチレン樹脂を用いて実施例−15と
同様の実験を行う。その結果を(表−5)に示す。
本発明の特定の長鎖のアルキル鎖を有し、かつ低分子
量物質含有量が0.8重量%以下のスチレン系樹脂を用い
ることにより、成形品の強度、特に飲料カップなどの容
器のゲート部の衝撃強度、口部の強度が優れているな
ど、成形品の実用的強度が優れている。
(発明の効果) 以上のとおり、本発明のスチレン系樹脂は、特定割合
のスチレン系構造単位と特定の構造式で示される長鎖ア
ルキル鎖をもつ構造単位とからなり、しかも、低分子量
物質の含有量を一定値以下の少量に制限させたので、ス
チレン系樹脂自体が本来保有する流動性、剛性等の特性
を変わらずに、優れた脆性破壊挙動、高度の繰り返し衝
撃強度などて示される、強度のみ著しく向上した新規な
スチレン系樹脂を提供する。
また、本発明のスチレン系樹脂の製造に当たり、多官
能低温分解型有機過酸化物を重合開始剤として用い、か
つ該有機過酸化物の添加量、重合温度などの重合条件を
コントロールし、段階的に重合反応を進めることによ
り、新規かつ有用なスチレン系樹脂を最適に製造するこ
とができる。
また、本発明の新規なスチレン系樹脂は、上述のよう
な優れた特性を有するので、成形品の強度を要する用
途、例えばとくに飲料カップなどの容器のゲート、口部
など実用強度の要求される用途に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本願実施例、比較例の応力−歪み曲線を示す
パターン図である。 第2図は、低分子量物質の量と応力−歪み曲線下の面積
値の関係図である。 第3図は、本願実施例、比較例の繰り返し衝撃強度と流
動性の関係図である。 第4図は、本願実施例、比較例を行った装置図である。 ……前段重合反応機−1(完全混合型反応機) ……前段重合反応機−2(完全混合型反応機) ……後段重合反応機−1(静的混合器内蔵) ……後段重合反応機−2(静的混合器内蔵) ……脱揮槽 −1、−2……原料溶液フィードポンプ −3、−4……重合開始剤溶液フィドーポンプ −5……添加剤溶液フィードポンプ −1、−2、−3……重合溶液移送ポンプ −4……溶融樹脂移送ポンプ −1、−2……静的混合器 ……予熱器(静的混合器内蔵) ……真空ライン ……溶融樹脂移送ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平1 −166969 (32)優先日 平1(1989)6月30日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1 −198032 (32)優先日 平1(1989)8月1日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1 −242298 (32)優先日 平1(1989)9月20日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1 −242299 (32)優先日 平1(1989)9月20日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式; (式中、l、nは1〜20の整数で、mは0又は1〜5の
    整数で、R1、R2、R3、R4は夫々水素又は炭素数1〜5の
    アルキル基、シクロヘキシル基、あるいはフェニル基で
    ある。) (式中、R1は水素又はメチル基であり、R2は水素又は炭
    素数1〜5のアルキル基である) で示される構成単位からなり、その構成単位比SA/SB=
    0.006〜0.00001、重量平均分子量が20万以上60万以下、
    スチレン系単量体、スチレン系二量体、スチレン系三量
    体及び重合溶媒の総量が0.8重量%以下であることを特
    徴とする、新規なスチレン系樹脂。
  2. 【請求項2】スチレン系単量体を塊状重合又は溶液重合
    して請求項(1)記載のスチレン系樹脂を製造する方法
    において、一般式; (式中、l、nは1〜20の整数で、mは0又は1〜5の
    整数で、R1、R2、R3、R4は水素又は炭素数1〜5のアル
    キル基、シクロヘキシル基、あるいはフェニル基であ
    る) で示される繰り返し単位を少なくとも3個含む低温分解
    型有機過酸化物を、スチレン系単量体100重量部当た
    り、活性酸素量換算で0.00015重量部〜0.10重量部の割
    合で添加し、重合温度85℃〜125℃でスチレン系単量体
    の転化率が少なくとも15重量%になる迄重合した後、後
    段の重合において、170℃以下で重合を進め、反応溶液
    中のスチレン系樹脂濃度が70重量%以上になるまで重合
    を進めることを特徴とするスチレン系樹脂の製造方法。
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