JP2529336B2 - 扇風機制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は動作モードの切替制御に副降圧部を用いた扇
風機制御装置に関する。

従来の技術 近年、扇風機はマイクロコンピュータを組込むことに
より、新しい種々の機能を発揮するものが利用されるよ
うになってきた。特に最近においては扇風機制御装置は
機能向上に伴い、制御部消費電力が増加する傾向にあ
る。そこで制御部電源電圧を安定に保ちつつ、待機状態
でも消費電力を少くして、前記消費電力の増加に対応す
る方法として、交流電源の降圧部と並列に副降圧部を設
け、扇風機運転時に副降圧部を導通させる方法が使用さ
れている。

以下に従来の扇風機制御装置について第２図を用いて
説明すると、主降圧部１は交流電源の整流・降圧を行
い、直流電源安定部２は主降圧部１からの電圧を安定化
している。制御部３は複数の出力端子、3a〜3dが双方向
半導体スイッチ6a〜6c,14aの制御入力端子に接続されて
おり、制御部３の制御出力信号によりファンモータなど
の交流負荷5a〜5cと補助回路14に交流電流がそれぞれ送
られる。副降圧部７は片方向半導体スイッチ7bと抵抗7c
が直列に接続されたものであって、直流電源安定部２と
交流電源とを接続するとともに、主降圧部１に並列に設
けられたものである。補助回路14は制御部３の出力端子
3dから前記半導体スイッチ14aを介して前記副降圧部７
に設けた片方向半導体スイッチ7bの制御入力端子に接続
されるとともに、抵抗14bを介して交流電源に接続され
ている。補助回路14内に配した抵抗14d,14eは制御電流
調整用抵抗である。

以上のように構成された扇風機制御装置について以下
その動作を説明する。

まず、交流電源を投入した状態では制御部３は待機状
態となり主降圧部１により直流電圧安定部２を介して制
御部３に電力が供給されている。次に操作スイッチ（図
示せず）により扇風機動作指示が制御部３に入力される
と、双方向半導体スイッチ6a〜6cに制御信号電力を供給
し、交流負荷5a〜5cに通電される。それと同時に制御部
３に内蔵された複数の表示器（図示せず）に電力を供給
し制御部３の消費電力が増加する。このとき、増加する
電力を補うために制御部３は双方向半導体スイッチ14a
をONにするように出力し、片方向半導体スイッチ7bがON
して主降圧部１と並列に接続された副降圧部７が導通
し、直流電源安定部２への入力電力を大きくして、制御
部３の負荷増加に対応している。

発明が解決しようとする課題 しかしながら上記の従来の構成では、制御部３のマイ
クロコンピュータに補助回路制御用の専用出力端子3dが
必要であり、マイクロコンピュータの使用範囲が限定さ
れるとともに、補助回路専用の双方向半導体スイッチ14
aが必要であり、部品点数が増えるという課題を有して
いた。

本発明は上記従来の課題を解決するものでマイクロコ
ンピュータの出力端子を有効に使用し、部品点数を減ら
してコストを低減した扇風機制御装置を提供することを
目的とするものである。

課題を解決するための手段 この課題を解決するために本発明の扇風機制御装置
は、交流電源を降圧して整流する主降圧部と、この主降
圧部からの電圧を安定化する直流電圧安定部と、前記主
降圧部から前記直流電圧安定部を介して電力を供給され
るとともに、操作スイッチ入力に応じて出力信号を発生
する制御部と、複数の速調端子を有する電動機とそれぞ
れの速調端子に接続して前記制御部の出力信号を伝える
双方向半導体スイッチと、前記主降圧部に並列に接続さ
れる副降圧部とを有し、前記双方向半導体の１つと前記
副降圧部に設けた片方向半導体スイッチの制御端子とを
接続し、前記副降圧部は前記制御部に対し、扇風機運転
時に増加する入力電圧を供給してなる構成を有してい
る。

作用 この構成により、電動機の通電時には双方向半導体ス
イッチの交流出力または電動機の逆起電力が片方向半導
体スイッチの制御端子に伝わり、片方向半導体スイッチ
がONすることにより、主降圧部と副降圧部が並列接続す
ることとなり、直流電圧安定部への入力電力が増加し、
制御部の負荷電流増大に対して安定状態を保つことがで
きる。

実 施 例 以下本発明の一実施例について図面を参照しながら説
明する。第１図は本発明の一実施例における扇風機制御
装置の回路図を示すものである。ここで、従来例と同じ
構成のものは、同一番号を付して説明を省略する。双方
向半導体スイッチ6a〜6cの出力端子は電動機９の速調端
子9a〜9cにそれぞれ接続され、双方向半導体スイッチ6a
〜6cのうち１つの出力端子6aと片方向半導体スイッチ7b
の制御端子7dとが接続されている。

以上のように構成された本実施例の扇風機制御装置に
ついて以下その動作を説明する。まず、操作スイッチ
（図示せず）がOFFの状態では制御回路３は待機状態で
あり、主降圧部１により電圧が下げられ、直流電圧安定
部２を介して制御部３に一定の電力が供給されている。
次に、操作スイッチの一つを選択して操作すると、制御
部３の出力端子3a〜3cの１つにより出力信号が双方向半
導体スイッチ6a〜6cの１つに伝えられ電動機９の端子9a
〜9cの１つに通電されると同時に、制御部３に設けた複
数の表示器（図示せず）が点灯し、制御部３の消費電力
が増大する。例えば待機時には制御部３の消費電力は50
mWであるが、扇風機の運転時には、さらに双方向半導体
スイッチ6aなどへの制御信号電力（25mW）と表示器用電
力（30mW）が増加し、合計105mWの電力が必要となる。
ここで、双方向半導体スイッチ6aがONしているときには
この出力が、片方向半導体スイッチ7bに伝えられる。そ
して、双方向半導体スイッチ6b,6cがONしている時には
電動機９の逆起電力が双方向半導体スイッチ6aの出力側
に発生し、この逆起電力が片方向半導体スイッチ7bの制
御端子7dに伝えられる。従って双方向半導体スイッチ6a
〜6cのいずれがONした場合でも片方向半導体スイッチ7b
がONして、副降圧部７が主降圧部１と並列に接続される
ため、直流安定部２はより多くの電力を供給することが
できる。したがって制御部３への供給電力は増加し、制
御部３の負荷電流増大に対して安定した電力供給が行わ
れる。

以上のように本実施例によれば、電動機の速調端子に
発生する逆起電力を用いることにより、制御部のマイク
ロコンピュータの出力端子と半導体スイッチを余分に使
用することなく制御部の負荷電流変動に対応することが
できる。

発明の効果 前記実施例の説明より明らかなように、本発明は扇風
機用電動機駆動用の双方向半導体スイッチの出力を用い
て副降圧部の片方向半導体スイッチを制御したことによ
り、マイクロコンピュータの出力端子を有効に使用し、
回路部品を削減してコストを低減するという効果を得る
ことができる優れた扇風機制御装置を実現できるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の扇風機制御装置の回路図、
第２図は従来の扇風機制御装置の回路図である。 １……主降圧部、２……直流電圧安定部、３……制御
部、6a〜6c……双方向半導体スイッチ、７……副降圧
部、7b……片方向半導体スイッチ、８……交流電源、９
……電動機、9a〜9c……速調端子。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】交流電源を降圧して整流する主降圧部と、
   この主降圧部からの電圧を安定化する直流電圧安定部
   と、前記主降圧部から前記直流電圧安定部を介して電力
   を供給されるとともに、操作スイッチ入力に応じて出力
   信号を発生する制御部と、複数の速調端子を有する電動
   機と、この電動機のそれぞれの速調端子に接続して前記
   制御部の出力信号を伝える双方向半導体スイッチと、前
   記主降圧部に並列に接続される副降圧部とを有し、前記
   双方向半導体スイッチの１つの出力側と前記副降圧部に
   設けた片方向半導体スイッチの制御端子とを接続し、前
   記副降圧部は前記制御部に対し、扇風機運転時に増加す
   る入力電力を供給してなる扇風機制御装置。