JP2529298Y2 - 小魚類の自動煮釜 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は小魚類の連続煮沸装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】小魚類の連続煮沸装置としては、公告実
案昭５６−３９４７１号がある。この方法は、煮沸槽内
を隔壁にて仕切、煮沸槽内に一定方向の循環流路を形成
し、循環流路の上方に、被煮沸物の投入装置を設け、投
入された被煮沸物が循環流路を経て、メッシュベルトコ
ンベアにて被煮沸物を外部へ取り出し、循環液媒をポン
プ装置により再循環させる方法で、加熱方法として、隔
壁に間熱パイプを設け、隔壁を熱交換器としている。こ
の方法では、間熱パイプと隔壁部が接続され、更に煮沸
槽の底部に固着されているため、間熱パイプの温度変化
による膨張・収縮により、隔壁に亀裂が生じ易く、煮沸
槽の寿命が短かった。

【０００３】また、間熱パイプ並びに熱交換部が流路の
側面にあるため、流路内の被煮沸物の流速が早い場合、
被煮沸物の中央部分の温度が充分上昇せず、煮ムラが生
じることがあった。また、蒸気を直接流路に放出させた
場合、急激な温度変化と蒸気による衝撃で、被煮沸物が
傷むことがある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案の課題は上記の
述べた問題点である寿命が短い点を解消し、流路の加熱
を均一にできる加熱管を備えた自動煮沸装置を供給する
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本考案では流路の中央部もしくは中央部より下方
部に加熱管を設け、加熱管の構造を２重構造とし、内側
の管に複数個の小孔を設け、外側管の煮沸槽面に複数個
の小孔を設ける。内側の管に直接蒸気を通じ、その小孔
より噴出させ、外側管並びに外側管の内側にある液媒を
加熱させる。

【０００６】

【作用】加熱管を２重構造とすることで、更に内側管と
外側管の間に存する液媒を内側管内でからの伝熱と内側
管の小孔から噴出する蒸気とで加熱させ、外側管の外面
の温度を抑える。加熱管内で加熱された液媒は、管内圧
の上昇と共に外側管の小孔から排出され、排出による減
圧により流路の液媒が加熱管に導かれ、加熱管内で加熱
される。この工程により、液媒の一部は外側管の小孔を
通じて加熱管外と加熱管内を循環し、伝熱管より放出さ
れた液媒は煮沸槽の底部にあたり、加熱管の熱による伝
熱対流と共に、流路の液媒面への対流を形成し、流路全
体の温度を均一にすると共に、流路底部に存する被煮沸
物を上部に持ち上げ、流路内の被煮沸物の攪拌作用をも
たらす。

【０００７】

【実施例】本考案の一実施例を図面を用いて説明する。
図１は、本考案の一実施例の平面図である。図１に示す
ように、煮沸釜(１)は、複数枚の隔壁(３)を設け、複数
列の直線状の流路(２)を形成し、流路と流路と間に半円
状の壁を設け、ジグザグ状の流路を形成し、その流路の
一端にポンプ装置からの放出口(５)を設け、他方の一端
を被煮沸物の取り出し用コンベアへの導入部(１３)とす
る。ポンプ装置放出口(５)の存する流路に、被煮沸物の
投入装置を設ける。取り出し用コンベアの導入部(１３)
には、取り出しコンベア(６)を設置するスペースを設
け、更にポンプ装置導入口(１４)を設け、循環液媒はポ
ンプ装置(５)により、ポンプ装置導入口(１４)から、ポ
ンプ装置放出口(１５)へと搬送され、循環路を形成す
る。

【０００８】図２並びに図３に示すように、流路の中央
部もしくは中央部より下部に、加熱管(４)を設け、それ
ぞれの加熱管(４)は蒸気流量調整弁(７)を介して、蒸気
管(８)と接続する。加熱管は図４に示すように、外側管
部(９)と内側管部(１０)とから形成され、内側管部(１
０)は蒸気配管に接続されている。外側管部(９)の煮沸
槽底部方向に、複数個の外側管孔(１１)を設け、更に、
内側管部に複数個の外側管孔(１２)を設ける。図５並び
に図６は流路内での伝熱管(４)の周りの液媒の対流の発
生具合を示した図である。図５は、内側管の小孔を外側
管と同方向に設けた場合の説明図で、対流具合は左右対
象に形成される。図６は、内側管孔(１２)の位置を隔壁
側に設けた場合の液媒の対流具合の説明図である。内側
管孔(１２)の位置並びに外側管の小孔の位置を流路の位
置により適宜設けることにより、流路の曲がりの部で、
曲がり方向の推進力を得れる。

【０００９】

【考案の効果】本考案の実施により、流路の中央部に存
する２重管により、蒸気が直接被煮沸物にあたること無
く、伝熱管の下部の存する小孔よりの加熱された液媒の
放出と伝熱管による加熱により生じる液媒の対流によ
り、流路内の被煮沸物が適当に攪拌され、更に温度均一
になり、煮ムレの少ない煮沸物ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例の平面図

【図２】 図２のＡ−Ａ断面図

【図３】 流路内の加熱管の側面図

【図４】 加熱管の縦断面図

【図５】 加熱管の横断面図その１

【図６】 加熱管の横断面図その２

【符号の説明】

１ 煮沸槽 ２ 流路 ３ 隔壁 ４ 加熱管 ５ ポンプ装置 ６ 取り出しコンベア ７ 蒸気供給調整弁 ８ 蒸気管 ９ 加熱外管 １０ 加熱内管 １１ 加熱外管孔 １２ 加熱内管孔 １３ 取り出しコンベア導入部 １４ ポンプ取り入れ口 １５ ポンプ装置放出口

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】煮沸槽内を複数の直線状の隔壁と湾曲した
   隔壁とにより、複数列の流路によるジグザク状の流路を
   形成し、ジグザク状流路の一端にポンプ装置からの導入
   口、更に他の一端に被煮物搬出用コンベアへの放出口を
   有し、被煮沸物搬出用コンベアへの放出口から、搬出用
   コンベア、更にポンプ装置の導入口、ポンプ装置、ポン
   プ装置搬出口へと循環経路を形成している小魚類の自動
   煮沸装置において、各流路の中央部もしくは中央部より
   下部側に、蒸気供給調整弁を介して蒸気配管と接続され
   ている内側管に複数個の小孔を設け、その外側に煮沸槽
   底部側もしくは側面側に複数個の小孔を設けた外側管と
   による２重管を設けたことを特徴とする小魚類の自動煮
   沸装置。