JP2529035B2 - 耐火性に優れた建築用大径鋼管 - Google Patents
耐火性に優れた建築用大径鋼管Info
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Description
各種構造物に用いる耐火性に優れた高強度大径鋼管に関
する。
築材として、一般構造用圧延鋼材(JIS G 310
1)、溶接構造用圧延鋼材(JIS G 3106)、
溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材(JIS G 311
4)、高耐候性圧延鋼材(JISG 3444)、一般
構造用角形鋼板(JIS G 3466)等が広く利用
されている。
居等の建造物に前記鋼材を用いる場合、火災における安
全性を確保するため十分な耐火被覆を施すことが義務づ
けられており、建築関係諸法令では火災時に鋼材温度が
350℃以上にならぬように規定している。
℃程度で耐力が常温時の60〜70%になり建造物の倒
壊を引き起こす恐れがあるため、たとえば一般構造用圧
延鋼材(JIS G 3101)に規定される形鋼を柱
材とする構造物の例では、その表面にスラグウール、ガ
ラスウール、アスベスト等を基材とする吹き付け材やフ
エルトを展着するほか、防火モルタルで***する方法及
び前記断熱材層の上に、さらに金属薄板すなわちアルミ
ニウムやステンレス薄板で保護する方法等、耐火被覆を
入念に施し火災時における熱的損傷により該鋼材が載荷
力を失うことのないようにして利用している。
が高額になり、建築コストの大巾な上昇を避けることが
できない。そこで、構築材として丸あるいは角鋼管を用
い冷却水が循環するように構成し、火災時における温度
上昇を防止し載荷力を低下させない技術が提案され、ビ
ルの建築コストの引き下げと利用空間の拡大が図られて
いる。たとえば、実公昭52−16021号公報には、
建築物の上部に水タンクを置き中空鋼管からなる柱材に
冷却水を供給する耐火構造建造物が開示されている。ま
た、特願昭63−143740号では一定量のMoとN
bを添加した鋼片を高温加熱−高温圧延することにより
600℃の高温強度が常温強度の70%以上確保できる
鋼材、並びにその製造法が示されている。
に優れた建築用大径鋼管を提供するものである。
0.04〜0.15%,Si:0.6%以下,Mn:
0.8〜2.0%,Mo:0.3〜0.7%,Al:
0.1%以下,N:0.006%以下,残部がFe及び
不可避的不純物を含む鋼片を1100℃以上1250℃
以下の温度域で加熱後、800℃以上1000℃以下の
温度で圧延を終了した鋼板を鋼管に成形し、その鋼管の
シーム溶接部の溶接金属の成分組成がMo:0.3〜
0.7%、(1)式で与えられるPcmが0.12〜
0.25%よりなる耐火性に優れた建築用大径鋼管、お
よびC:0.04〜0.15%,Si:0.6%以下,
Mn:0.8〜2.0%,Mo:0.3〜0.7%,A
l:0.1%以下,N:0.006%以下,必要に応じ
てNb:0.003〜0.045%,V:0.005〜
0.05%,Ti:0.005〜0.03%,Cr:
0.05〜0.50%,残部がFe及び不可避的不純物
を含む鋼片を1100℃以上1250℃以下の温度域で
加熱した後、800℃以上1000℃以下の温度で圧延
を終了した鋼板を鋼管に成形し、その鋼管のシーム溶接
部の溶接金属の成分組成がMo:0.3〜0.7%、
(1)式で与えられるPcmが0.12〜0.25%よ
りなる耐火性に優れた建築用大径鋼管である。
時の70%以上となる耐火性の優れた鋼材およびその製
造法を見いだしてきた。すなわち特願昭63−1437
40号では0.4〜0.7%のMoと0.005〜0.
04%のNbを含有した鋼片を1100〜1300℃に
再加熱した後、800〜1000℃で圧延を終了する耐
火鋼材およびその製造法が示されている。ただし、これ
は厚鋼板、形鋼および棒鋼を対象としたもので、鋼板を
成形後、溶接して製造する大径鋼管を対象としたもので
はない。近年、建築構造物の高層化やデザインの斬新さ
が進み、これに対応して設計の自由度が大きくなり、耐
火性能が要求される鋼管のニーズは増加している。この
ため母材と溶接部の耐火性に優れた建築用大径鋼管が必
要となっている。そこで母材および溶接部の高温強度を
確保するための適正な母材の化学成分、圧延条件および
溶接部の化学成分について検討し本発明に至った。
6)に規定する性能を満足し、かつ600℃の高温にお
いて高い耐力を維持せしめるために、母材の化学成分、
加熱・圧延条件、さらには溶接部の化学成分の限定が重
要である。
・圧延した鋼板を鋼管に成形し、その鋼管のシーム溶接
部の溶接金属中にMoを含有させ、かつ(1)式で与え
られるPcmを特定範囲内に限定することにある。
溶強化によって高温強度を増加させる。すなわちMoは
耐火性を確保するための必須元素であり、0.3%以上
のMo添加により母材の高温強度を確保することができ
る。しかしながらMo量が多すぎると溶接性が損なわ
れ、HAZ靭性も劣化するのでMo量の上限は0.7%
とする必要がある。
の限定理由について説明する。
Moの添加効果を発揮させるために必要であり、0.0
4%未満では効果が薄れるので下限を0.04%とす
る。さらにC量が多すぎると母材の靭性、溶接性、HA
Z靭性が劣化するので上限を0.15%とする。
が多くなると溶接性、HAZ靭性が劣化するため、その
上限を0.6%とする。
元素であり、その下限は0.8%である。しかしMn量
が多すぎると焼入性が増加して溶接性、HAZ靭性が劣
化するためMnの上限を2.0%とした。
るがSi及びTiによっても脱酸は行なわれるので本発
明鋼については下限は限定しない。しかしAl量が多く
なると鋼の清掃度が悪くなり、溶接部の靭性が劣化する
ので上限を0.1%とする。
まれるものであるが、N量が多くなるとHAZ靭性の劣
化や連続鋳造スラブの表面キズの発生等を助長するの
で、その上限を0.006%とする。
及びSを含有する。P,Sは高温強度に及ぼす効果が小
さいのでその量について特に限定はしないが、一般に
P,S量の少ないほど靭性や板厚方向強度の特性は向上
する。このため望ましいP,S量はそれぞれ0.02
%,0.005%以下である。
りであるが、さらに以下に述べる元素すなわちNb,
V,Ti,Crを選択的にに添加すると強度、靭性の向
上が図れる。
を形成し高温強度の向上に効果を発揮する。しかしなが
ら0.003%未満ではその効果は認められず、0.0
45%超えでは溶接性などに有害であるために0.00
3〜0.045%の範囲とする。
向上させる。しかし、0.005%未満ではその効果が
薄く、0.005%超では溶接部の靭性が劣化するため
0.005〜0.05%に限定する。
上させる。0.005%未満ではその効果は少なく、
0.03%を超えるとHAZ靭性が劣化するため0.0
05〜0.03%に限定する。
素であり、Cr量が0.05%以上で耐侯性も向上させ
るが、0.50%を超えると溶接性やHAZ靭性を劣化
させるので0.05〜0.50%に限定する。
重要である。すなわちMo添加による高温強度の増加を
図るためにはMoを再加熱時に溶体化させる必要があ
る。このため再加熱温度の下限を1100℃とする。再
加熱温度が高すぎると結晶粒が大きくなって低温靭性が
劣化するので、その上限は1250℃にしなければなら
ない。
が必須である。これは圧延中にMoの炭窒化物を析出さ
せないためであり、γ域でMoが析出すると析出サイズ
が大きくなり高温強度が著しく低下するためである。し
かしながら1000℃以上で圧延を終了した場合、母材
の靭性が劣化するので圧延終了温度の上限を1000℃
とする。圧延後の冷却は空冷、加速冷却のいずれを実施
しても本発明の特徴を損なうものではない。
し、大径鋼管を製造する際の溶接部の溶接金属の成分組
成の限定がさらに重要である。溶接部の高温強度を確保
するためには溶接金属中にMoを0.3%以上含有させ
ることが必要である。また溶接金属の靭性を確保するた
めに溶接金属中の成分組成を(1)式で示されるPcm
で0.12〜0.25%に限定する必要がある。Pcm
の下限は溶接金属中の粒界フェライトの生成を抑制し、
靭性を確保するための必要最低量である。また0.25
%超になると靭性が劣化するためにPcmを0.12〜
0.25%の範囲に限定する。
してUOE工程、ベンド工程いずれの工程で製造しても
本特徴を損なうものでない。
した後、UOE工程およびベンド工程により大径鋼管を
製造した。鋼板の引張特性はL方向に採取した全厚のJ
IS1A号試験片(GL=200mm)で、鋼管母材の
引張特性はL方向に採取した全厚のJIS1A号試験片
で調査した。また溶接部の引張特性は丸棒試験片(直径
6mm,GL=25mm)で調査した。母材の靭性はL
方向に採取したJIS4号試験片、溶接部靭性はC方向
に採取したJIS4号試験片によって調べた。
鋼を示し、鋼板の化学成分、鋼板および鋼管の製造条
件、シーム溶接部の溶接金属成分、さらに機械的性質を
示す。本発明鋼1〜6は鋼管母材と溶接部で高い高温強
度を有している。ここで50キロ級鋼である1,2,
3,5,7,8,9,10,11,12,13,14,
15,16は600℃での高温強度が24kgf/mm
2 以上、60キロ級鋼である4,6は600℃での高温
強度が30kgf/mm2 以上有することを目標として
いる。
すぎるため、高い高温強度を有するが靭性が劣化してい
る。比較鋼8では母材のMo量が少ないために高温強度
が低い。比較鋼9では加熱温度が低いためにMoが十分
固溶せず高温強度が低い。比較鋼10では加熱温度が高
すぎるために母材靭性が劣化する。比較鋼11では圧延
終了温度が低いためにMo析出物のサイズが大きくなり
高温強度が低い。比較鋼12では圧延終了温度が低いた
めに母材靭性が劣化する。比較鋼13では溶接金属中の
Mo量が少ないために高温強度が低い。比較鋼14では
溶接金属中のMo量が多すぎるために溶接部の靭性が劣
化する。比較鋼15では溶接金属のPcmが高すぎるた
めに溶接部の靭性が劣化する。比較鋼16では溶接金属
のPcmが低いために溶接部の靭性が劣化する。
鋼管は母材、溶接部とも600℃の降伏強度が高くか
つ、低降伏比を有する耐震性に優れた鋼管であり、建
築、土木分野における構造物の安全性を大きく高めるこ
とができる。
Claims (2)
- 【請求項1】C:0.04〜0.15%, Si:0.6%以下, Mn:0.8〜2.0%, Mo:0.3〜0.7%, Al:0.1%以下, N:0.006%以下, 残部がFe及び不可避的不純物を含む鋼片を1100℃
以上1250℃以下の温度域で加熱後、800℃以上1
000℃以下の温度で圧延を終了した鋼板を鋼管に成形
し、その鋼管のシーム溶接部の溶接金属の成分組成がM
o:0.3〜0.7%、下記(1)式で与えられるPc
mが0.12〜0.25%よりなる耐火性に優れた建築
用大径鋼管。 Pcm=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10+5B ……(1) (成分単位:重量%) - 【請求項2】C:0.04〜0.15%, Si:0.6%以下, Mn:0.8〜2.0%, Mo:0.3〜0.7%, Al:0.1%以下, N:0.006%以下 にさらに Nb:0.003〜0.045%, V:0.005〜0.05%, Ti:0.005〜0.03%, Cr:0.05〜0.50% のうち一種または二種以上を含有し、残部がFe及び不
可避的不純物を含む鋼片を1100℃以上1250℃以
下の温度域で加熱した後、800℃以上1000℃以下
の温度で圧延を終了した鋼板を鋼管に成形し、その鋼管
のシーム溶接部の溶接金属の成分組成がMo:0.3〜
0.7%、下記(1)式で与えられるPcmが0.12
〜0.25%よりなる耐火性に優れた建築用大径鋼管。 Pcm=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10+5B ……(1) (成分単位:重量%)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3156929A JP2529035B2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 耐火性に優れた建築用大径鋼管 |
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH059578A JPH059578A (ja) | 1993-01-19 |
JP2529035B2 true JP2529035B2 (ja) | 1996-08-28 |
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JP3156929A Expired - Fee Related JP2529035B2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 耐火性に優れた建築用大径鋼管 |
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1991
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