JP2528944B2 - 化成処理性ならびに耐食性に優れたZn系合金電気めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

化成処理性ならびに耐食性に優れたZn系合金電気めっき鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はZn系合金電気めっき鋼板の製造方法に係り、
特にめっき面の化成処理性と耐食性を改善する方法に関
するものである。
<従来の技術> Zn系電気めっき鋼板は、素材の材質を劣化させること
なく高耐食性が実現できるため、自動車,家電,建材な
ど、従来冷延鋼板が使用されていた幅広い分野に用途が
拡大されつつある。
特に、近年、耐食性向上を目的としてZn−Ni,Zn−Fe
などのZn系合金電気めっき鋼板が開発され、自動車車体
への適用が盛んに行なわれ、生産が著しく増加してい
る。
しかし、現在、Zn系合金電気めっき鋼板上に、りん酸
塩化化成処理時に生成するりん酸塩結晶はhopeite{Zn3
(PO4・4H2O}で、このhopeiteは冷延鋼板上に生成
するphosphophyllite{Zn2・Fe(PO4・4H2O}に比
較して塗料の密着性が劣るために、その使用部位は車体
内面に主体で、車体外側に用いることには問題があっ
た。
そこで例えばZn−Niめっき面に対して緻密な結晶を持
った塗膜密着性の良好な化成皮膜を形成させる方法とし
て、所定付着量のZn−Niめっきをした後、めっき浴中に
無通電浸漬する方法が特開昭62−294198号公報に開示さ
れており、また本出願人は昭和62年特許願第221955号
(特開平1−65289号)として出願している。この方法
は、Zn系合金電気めっき時にめっき表層に生成した水酸
化亜鉛、酸化亜鉛などの被膜を無通電の条件下、酸溶解
する方法であり、酸溶解時の浸漬液としてめっき液を共
用するため設備的にZn系合金電気めっき設備のセルの増
設のみでよく設備的に簡易であり、無電解浸漬時に溶解
した亜鉛は、なんらの処理を必要とせずに、電気めっき
における亜鉛源として再度有効に利用でき、さらに電気
めっきにおけるめっき液の好適pHと水酸化亜鉛、酸化亜
鉛などの被膜の酸溶解の好適pHの範囲が同じためpH調節
がめっき液のpH調節のみ行えばよく、制御が簡易に行え
るという長所を有する。
しかしながらこれらの方法は、化成処理性が改善でき
ても耐食性が劣化するという問題があった。
この理由は次のように考えられる。すなわち合金めっ
きをする場合には、亜鉛電極を使用すると亜鉛電極が溶
解し、めっき浴組成のバランスが保てなくなるので、一
般的には鉛系の不溶性電極が用いられ、めっき析出量に
見合う金属成分は、系外から補給して所定合金含有量お
よび所定付着量の電気めっきを行うが、この場合電極主
成分である鉛が極くわずかめっき浴中に溶出する。そこ
で所定付着量のZn−Niめっきをした後、めっき液を用い
て無通電の条件下で浸漬を行うと、めっき表層の亜鉛は
酸溶解するが、めっき液中に鉛イオンが存在すると、そ
の量が微量であってもめっき表面に置換析出する。この
ため鉛と亜鉛の間でガルバニック電池を形成し、Zn−Ni
めっき本来の耐食性能を得ることができない。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、化成処理
性と耐食性の優れたZn系合金電気めっき鋼板の製造方法
を提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段> 本発明は鋼板に鉛系の不溶性電極を用いてZn系合金電
気めっきを施した後、pHが0.5以上、2.5以下の前記Zn系
合金電気めっき液中に無電解浸漬し、めっき表層の亜鉛
を酸溶解した後、水洗し、さらに、Na,K,Li,Mg,Al,Ca,B
e,Baのりん酸塩、硫酸塩あるいはオキシ酸塩の少なくと
も1種を0.1モル/以上含有するpHが4以上の電解液
中で陽極電解処理を施し、前記無電解浸漬時にめっき表
面に置換析出した鉛を除去することを特徴とする化成処
理性ならびに耐食性に優れたZn系合金電気めっき鋼板の
製造方法である。
<作 用> 本発明におけるZn系合金電気めっき鋼板とは、Znを主
体とするZn系合金めっき鋼板を広く含むものである。例
えば、Zn−Ni系,Zn−Mn系,Zn−Cr系,Zn−Fe系合金めっ
き、さらにはこれらにP,Co,Cr,Sn,Sb,V,Fe,Ti,Ni,Mn,A
s,BiAl,Pb,Si,Tlおよびそれらの酸化物、炭化物、窒化
物等のうち1種または2種以上を故意に添加あるいは不
可避的に混入したもの等、あらゆるZn系合金または複合
めっき皮膜を硫酸浴,塩化物浴あるいはそれらの混合浴
などの酸性の液でめっきしたものである。
通常、Zn系合金めっき鋼板を工業的に製造するには、
電解脱脂,水洗,酸洗,水洗等の前処理を行った後、所
定の組成の電解液を用い、数個ないし十数個のセルから
なるめっき浴で順次陰極処理を行い、所定の合金含有量
および付着量の電気めっきを行う。
本発明においては、所定合金含有量および所定付着量
の電気めっきを行った後、まず前記と同一の(または同
様の)めっき液中に無電解浸漬することにより、めっき
表層の亜鉛を酸溶解した後、水洗し、さらにその後、陽
極電解処理を行い、前記無電解浸漬時にめっき表面に置
換析出した鉛を除去するものである。そして陽極電解処
理を終ったあと、めっき鋼板は水洗,乾燥され製品とさ
れる。
本発明における陽極電解処理前に行う無電解浸漬液の
pHは0.5以上、2.5以下が、浸漬時間は3秒以上20秒以下
とするのが望ましい。その理由は、pHが0.5未満ではめ
っき層が溶解過多になり、めっき目付量が低下するため
経済的に不利である。また、pHが2.5を超えると、溶解
力が低下するため浸漬時間を長く必要とし、生産能力の
低下をきたすため得策ではない。
浸漬時間は3秒以上、20秒以下が望ましい。浸漬時間
を20秒を超えて長くすることは生産性の低下をきたすた
め得策ではなく、またかえって化成処理性の低下をきた
す。また、3秒未満では化成処理性の改善効果が少な
い。
陽極処理は、電流密度を1A/dm2以上とするのが望まし
い。1A/dm2未満ではめっき表層に置換析出した鉛の除去
が十分になされず、耐食性の改善効果が少なく、また、
工程上長い時間が必要となり、経済的ではない。電流密
度の上限は特に限定する必要はないが、電解電圧の上昇
による電力ロスを考慮すると150A/dm2以下が好ましい。
電気量は5クーロン/dm2以上でめっき表面に置換析出
した鉛の除去が可能であり、5クーロン/dm2未満では充
分な効果が得られない。電気量の上限はないが、電気量
が増大すると、金属溶解によりめっき目付量の低下が起
り、経済的でなく、500クーロン/dm2以下が好ましい。
電解液のpHは特に限定する必要はないが、4以上が好
ましい。pH4未満では、めっき層の化学溶解が著しく増
加して、めっき目付量の低下が起り、経済的でない。
電解液としてはpH4以上の電解液であれば、通常に陽
極電解液として用いられるものなら何でもよく、どのよ
うな成分を含んでもよいが、Na,K,Li,Mg,Al,Ca,Be,Baな
どのりん酸塩,硫酸塩あるいはオキシ酸塩の少なくとも
1種を主成分として含むものが好ましく、りん酸,硫
酸,オキシ酸または水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを
調整するのが望ましい。この理由は、上記金属イオンの
析出電位は水素還元電位より高いため、水溶液の電解は
上記金属の析出が起らない。このため浴中の金属イオン
濃度の維持や陰極のメンテナンスが容易であるととも
に、陽極上で生成する酸と陰極上で生成するアルカリと
が当量関係でバランスし、浴pHの維持にとっても好適で
あるからである。
電解液の主剤の成分濃度は、りん酸塩水溶液を用いる
場合は全りん酸濃度として0.1モル/以上とするのが
好ましい。また、硫酸塩又はオキシ酸塩を主剤とする水
溶液を用いる場合も電解液の濃度は、それぞれ主剤とす
る全硫酸濃度又は全オキシ酸濃度として0.1モル/以
上とするのが好ましい。この理由は、電解液の成分濃度
が0.1モル/未満ではめっき表面に置換析出したPbを
除去する効果が小さくなるためである。また、上限はり
ん酸塩,硫酸塩、あるいはオキシ酸塩の溶解度以下が望
ましい。
<実施例> 次に本発明を実施例に基づいて説明する。
板厚0.7mmのSPCC相当の冷延鋼板を使用し、めっきし
た。なお、電極としては鉛系の不溶性電極を用い、めっ
き浴組成,めっき条件は以下の通りである。
(1) Zn−Ni浴組成 NiSO4・6H2O 250g/ ZnSO4・7H2O 130g/ Na2SO4 40g/ Pb 0〜0.01g/ (2) pH 1.6 (3) 浴温 60℃ (4) 電流密度 50A/dm2 (5) めっき時間 15sec (6) めっき目付量 20g/m2 (7) Ni含有率 12% めっき後ただちに水洗を行い、板表面が濡れたまま引
き続き第1表に示すように無電解浸漬処理し、その後水
洗した後、陽極電解処理を行い、その後、水洗乾燥し
た。なお、浸漬に用いた浴は前記めっき浴とし、pH調整
は硫酸および水酸化ナトリウムで行った。
なお電解処理後の表面の鉛付着量は、グロー放電発光
分光法により表層より500Åまでの積算強度として分析
した。
耐食性の評価は、塩水噴霧試験で行ない、目視判定で
下記の通りである。
○……300時間後の赤錆発錆率が5%未満 △……300時間後の赤錆発錆率が5〜10%未満 ×……300時間後の赤錆発錆率が10%以上 化成処理性は、日本ペイント製のりん酸塩処理液グラ
ノジンSD2500(Dip方式)を用いて化成処理を行なっ
た。化成処理性の評価は、外観を目視測定し、化成結晶
については、SEM(Scanning Elecron Microscope)を用
いて観察し、下記の通りである。
○……外観は均一でむらはなく、結晶も均一で緻密 △……外観は一部にむらがあり、結晶がやや不均一 ×……外観は全面にむらがあり、結晶も不均一 <発明の効果> 以上詳述したように、本発明の製造方法によれば、耐
食性を劣化させることなく、化成処理性に優れたZn系合
金電気めっき鋼板が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高崎 勇 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通2番88号 川崎製鉄株式会社阪神製造所内 (56)参考文献 特開 昭58−210194(JP,A) 特開 昭58−45382(JP,A) 特開 昭63−266100(JP,A) 特公 昭56−1400(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板に鉛系の不溶性電極を用いてZn系合金
    電気めっきを施した後、pHが0.5以上、2.5以下の前記Zn
    系合金電気めっき液中に無電解浸漬し、めっき表層の亜
    鉛を酸溶解した後、水洗し、さらに、Na,K,Li,Mg,Al,C
    a,Be,Baのりん酸塩、硫酸塩あるいはオキシ酸塩の少な
    くとも1種を0.1モル/以上含有するpHが4以上の電
    解液中で陽極電解処理を施し、前記無電解浸漬時にめっ
    き表面に置換析出した鉛を除去することを特徴とする化
    成処理性ならびに耐食性に優れたZn系合金電気めっき鋼
    板の製造方法。
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