JP2528070Y2 - 金属積層形ガスケット - Google Patents
金属積層形ガスケットInfo
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Gasket Seals (AREA)
- Connection Of Plates (AREA)
- Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)
- Bridges Or Land Bridges (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本考案は金属積層形ガスケットに
関するものである。
関するものである。
【０００２】
【従来の技術】金属積層形ガスケットは、数枚の金属薄
板を重ね合わせて形成するものであり、密封する流体
が、高温・高圧の場合であっても、高いシール性能を発
揮することができる特徴がある。しかしながら、高圧の
流体を密封する場合には、密封する穴の周りに、シール
リングを取り付けたり、金属板を屈曲させてビードを形
成し、更に面圧調整板、表面板を積層するなど、構造が
複雑となる。その結果、金属積層形ガスケットは、軽く
することが難しく、また、生産性も悪く、他の種類のガ
スケットに比較して、一般的に高価となる。
板を重ね合わせて形成するものであり、密封する流体
が、高温・高圧の場合であっても、高いシール性能を発
揮することができる特徴がある。しかしながら、高圧の
流体を密封する場合には、密封する穴の周りに、シール
リングを取り付けたり、金属板を屈曲させてビードを形
成し、更に面圧調整板、表面板を積層するなど、構造が
複雑となる。その結果、金属積層形ガスケットは、軽く
することが難しく、また、生産性も悪く、他の種類のガ
スケットに比較して、一般的に高価となる。
【０００３】
【考案が解決しようとする課題】ところで、小形エンジ
ン用のガスケットは、重量を軽くし、且つ、低価格とす
ることが要求されるので、従来の金属積層形ガスケット
は、密封性能が優れているにも関わらず、特別の場合を
除き、小形エンジンに一般的には使用されるに至ってい
ない。
ン用のガスケットは、重量を軽くし、且つ、低価格とす
ることが要求されるので、従来の金属積層形ガスケット
は、密封性能が優れているにも関わらず、特別の場合を
除き、小形エンジンに一般的には使用されるに至ってい
ない。
【０００４】そこで、金属積層形ガスケットを軽量とす
るために、米国特許第4,834,399 号公報に記載の金属積
層形ガスケットは、ガスケットを２枚の板で構成し、シ
リンダ穴の周囲で、中側に空隙ができるように折り返し
た折返し部と、その外側に配したビードとによって密封
部を形成し、必要に応じ、金属板に柔らかいコーティン
グを施したものである。前記公報に具体的に開示された
ものとしては、前記折り返し部とビードとを同じ板に形
成したもの、折返し部をリング板に形成し、ビードを設
けた板に、前記折返し部の周囲に重なる穴を開け、互い
に積層したもの、折り返し方向と逆方向に板を突出さ
せ、折返し部とビードとを融合させたような形状とした
もの、折り返し部の中側に、ビード又はワイヤーリング
を配置したものなどが開示されている。前記の金属積層
形ガスケットは、薄型且つ軽量とすることができ、通常
の目的には高い密封性能を得ることができる。しかしな
がら、構造がやや複雑になるという問題の外に、大きな
圧力が加わる穴、例えば、高圧縮比のエンジンのシリン
ダ穴を密封する手段としては、性能が十分でなく、な
お、改善する必要がある。
るために、米国特許第4,834,399 号公報に記載の金属積
層形ガスケットは、ガスケットを２枚の板で構成し、シ
リンダ穴の周囲で、中側に空隙ができるように折り返し
た折返し部と、その外側に配したビードとによって密封
部を形成し、必要に応じ、金属板に柔らかいコーティン
グを施したものである。前記公報に具体的に開示された
ものとしては、前記折り返し部とビードとを同じ板に形
成したもの、折返し部をリング板に形成し、ビードを設
けた板に、前記折返し部の周囲に重なる穴を開け、互い
に積層したもの、折り返し方向と逆方向に板を突出さ
せ、折返し部とビードとを融合させたような形状とした
もの、折り返し部の中側に、ビード又はワイヤーリング
を配置したものなどが開示されている。前記の金属積層
形ガスケットは、薄型且つ軽量とすることができ、通常
の目的には高い密封性能を得ることができる。しかしな
がら、構造がやや複雑になるという問題の外に、大きな
圧力が加わる穴、例えば、高圧縮比のエンジンのシリン
ダ穴を密封する手段としては、性能が十分でなく、な
お、改善する必要がある。
【０００５】また別の先行技術として、米国特許第4,89
6,891 号公報及び米国特許第4,971,338 号公報には、ガ
スケットを少なくとも２枚の金属板で構成し、一方の板
に形成された小さなビードで、他方の板に形成した大き
なビードを支えるように配置した金属積層形ガスケット
が開示されている。したがって、これらのガスケット
は、比較的幅の広い密封部を形成する。しかしながら、
例えば、アルミニウム合金など比較的柔らかい部材間の
密封をする場合など、密封すべき穴の近くに余り大きな
締付け圧を加えられないガスケットには、高い締付けを
行うことができず、十分な密封性能を得ることができな
いという問題がある。
6,891 号公報及び米国特許第4,971,338 号公報には、ガ
スケットを少なくとも２枚の金属板で構成し、一方の板
に形成された小さなビードで、他方の板に形成した大き
なビードを支えるように配置した金属積層形ガスケット
が開示されている。したがって、これらのガスケット
は、比較的幅の広い密封部を形成する。しかしながら、
例えば、アルミニウム合金など比較的柔らかい部材間の
密封をする場合など、密封すべき穴の近くに余り大きな
締付け圧を加えられないガスケットには、高い締付けを
行うことができず、十分な密封性能を得ることができな
いという問題がある。
【０００６】本考案は、前記問題に着目して成されたも
のであり、密封する穴の周囲に大きな締付け圧を加える
ことができない場合に適用することができる金属積層形
ガスケットを提供することを目的としている。更に、本
考案の他の目的は、構造が簡単で、軽く、経済的に製造
でき、しかも、密封圧が狭い領域に集中せず、高い密封
性能を有する金属積層形ガスケットを提供することであ
る。
のであり、密封する穴の周囲に大きな締付け圧を加える
ことができない場合に適用することができる金属積層形
ガスケットを提供することを目的としている。更に、本
考案の他の目的は、構造が簡単で、軽く、経済的に製造
でき、しかも、密封圧が狭い領域に集中せず、高い密封
性能を有する金属積層形ガスケットを提供することであ
る。
【０００７】
【課題を解決するこめの手段】以上の目的を達成するた
めの本考案の金属積層形ガスケットの構成は、第１金属
板と第１金属板より薄い板からなる第２金属板の２枚の
積層板によって形成したガスケットであって、第１金属
板に、第１密封部と、その周囲を取り巻き、ビード高さ
よりビード幅を広くし、且つ第２金属板を積層した側と
反対側に突出させた幅広ビードとを形成し、第１密封部
は、密封する穴の周囲で第１金属板を前記幅広ビードの
突出方向と同じ方向に折り返して形成し、第２金属板
に、密封する穴の外側に配置する外周穴を開口し、且
つ、該外周穴の外側に支持部を幅広ビード内に突出させ
たビードによって形成し、前記幅広ビードと支持部とで
第２密封部を形成したたものである。
めの本考案の金属積層形ガスケットの構成は、第１金属
板と第１金属板より薄い板からなる第２金属板の２枚の
積層板によって形成したガスケットであって、第１金属
板に、第１密封部と、その周囲を取り巻き、ビード高さ
よりビード幅を広くし、且つ第２金属板を積層した側と
反対側に突出させた幅広ビードとを形成し、第１密封部
は、密封する穴の周囲で第１金属板を前記幅広ビードの
突出方向と同じ方向に折り返して形成し、第２金属板
に、密封する穴の外側に配置する外周穴を開口し、且
つ、該外周穴の外側に支持部を幅広ビード内に突出させ
たビードによって形成し、前記幅広ビードと支持部とで
第２密封部を形成したたものである。
【０００８】前記幅広ビードは、その断面形状には特に
限定はないが、緩い弧状をしたもの、頂部を平らにした
台形状のものなど、適宜選択することができる。
限定はないが、緩い弧状をしたもの、頂部を平らにした
台形状のものなど、適宜選択することができる。
【０００９】前記支持部は、第２金属板を凸状とし、幅
広ビードを下支えできればよく、例えば、山形、波形、
台形などのビード形状、段差形状などとすることができ
るが、これらの形状に限定されない。第１密封部は、折
り返した板が、重ねる側の板に接するように重ね合わせ
る。該重ね合わせは、両方の板の間に実質的に空隙をな
くして重ねソリッド状としてもよく、また、折り返した
内側に空隙を残して弾性変形可能に重ねてもよい。
広ビードを下支えできればよく、例えば、山形、波形、
台形などのビード形状、段差形状などとすることができ
るが、これらの形状に限定されない。第１密封部は、折
り返した板が、重ねる側の板に接するように重ね合わせ
る。該重ね合わせは、両方の板の間に実質的に空隙をな
くして重ねソリッド状としてもよく、また、折り返した
内側に空隙を残して弾性変形可能に重ねてもよい。
【００１０】前記各金属板にニッケルなどの耐熱・耐食
性金属や、亜鉛、鉛などの耐食性金属などをメッキした
り、各種のゴムや、シリコーン樹脂などの軟質合成樹脂
などをコーティングして使用することができる。
性金属や、亜鉛、鉛などの耐食性金属などをメッキした
り、各種のゴムや、シリコーン樹脂などの軟質合成樹脂
などをコーティングして使用することができる。
【００１１】
【作用】第１金属板を折り返して形成した第１密封部
は、密封する穴の周囲に、締付け圧を一部に集中するこ
となく分散し、局所的に高い密封圧が発生せずに高い密
封性能を発揮させると共に、その外側に設けた第２密封
部を、熱負荷や密封する流体から保護し、第２密封部の
ビードの腐食による劣化とクリープ発生を防止する。ま
た、第２密封部は、第１金属板に形成した幅広ビード
を、第２金属板に形成した支持部によって支える構造と
することにより、ビード高さよりもビード幅を広くした
幅広ビード全体に、より均等な面圧を、弾性変形によっ
て生じさせ、全体として、密封幅を広くする作用があ
る。
は、密封する穴の周囲に、締付け圧を一部に集中するこ
となく分散し、局所的に高い密封圧が発生せずに高い密
封性能を発揮させると共に、その外側に設けた第２密封
部を、熱負荷や密封する流体から保護し、第２密封部の
ビードの腐食による劣化とクリープ発生を防止する。ま
た、第２密封部は、第１金属板に形成した幅広ビード
を、第２金属板に形成した支持部によって支える構造と
することにより、ビード高さよりもビード幅を広くした
幅広ビード全体に、より均等な面圧を、弾性変形によっ
て生じさせ、全体として、密封幅を広くする作用があ
る。
【００１２】前記各金属板の厚みには限定はないが、好
ましくは、第１金属板の厚さを第２金属板より厚くす
る。このようにすると、第１密封部にガスケットの締付
け力が十分に作用し、且つ、第２密封部のビードにクリ
ープが生じることを防止できる。
ましくは、第１金属板の厚さを第２金属板より厚くす
る。このようにすると、第１密封部にガスケットの締付
け力が十分に作用し、且つ、第２密封部のビードにクリ
ープが生じることを防止できる。
【００１３】
【実施例】以下添付の図を参照して、実施例により本考
案を具体的に説明する。実施例１の金属積層形ガスケッ
ト（以下単にガスケットという）１は、図１に示すよう
に、内燃機関のシリンダヘッドガスケットであって、そ
れぞれ複数のシリンダ穴Hc、水穴Hw、オイル穴Ho及びボ
ルト穴Hbを設けており、図２に示すように、ガスケット
１は、第１金属板２と、第１金属板２より薄い板厚の第
２金属板４とによって形成されている。
案を具体的に説明する。実施例１の金属積層形ガスケッ
ト（以下単にガスケットという）１は、図１に示すよう
に、内燃機関のシリンダヘッドガスケットであって、そ
れぞれ複数のシリンダ穴Hc、水穴Hw、オイル穴Ho及びボ
ルト穴Hbを設けており、図２に示すように、ガスケット
１は、第１金属板２と、第１金属板２より薄い板厚の第
２金属板４とによって形成されている。
【００１４】そして、第１金属板２は、ガスケット１の
実質上全領域に伸びる基部６と、密封する穴であるシリ
ンダ穴Hcの周りで第１金属板２を折り返し、その折返し
片８を、基部６側の縁部10の上に折り重ね、該折り重ね
た部分にソリッド状の第１密封部12を形成している。そ
して図２に示すように、第１密封部12の外側の第１金属
板２に幅広ビード14を形成している。シリンダ穴Hcは、
第１金属板２を折り曲げた湾曲部16によって確定され
る。
実質上全領域に伸びる基部６と、密封する穴であるシリ
ンダ穴Hcの周りで第１金属板２を折り返し、その折返し
片８を、基部６側の縁部10の上に折り重ね、該折り重ね
た部分にソリッド状の第１密封部12を形成している。そ
して図２に示すように、第１密封部12の外側の第１金属
板２に幅広ビード14を形成している。シリンダ穴Hcは、
第１金属板２を折り曲げた湾曲部16によって確定され
る。
【００１５】第２金属板４は、前記第１密封部12と干渉
しない大きさの外周穴18を開口し、第１金属板２に積層
し、幅広ビード14と同じ方向に突出する支持部20を、幅
広ビード14内に形成している。したがって、支持部20が
圧縮された際の挙動は、幅広ビード14が圧縮された際
に、中間部分を支持部20が下支えをして、幅広ビード14
の幅一杯に、弾性変形による面圧を発生させる第２密封
部22を形成する。前記したように、第１金属板２は第２
金属板４より厚い板を使用しているので、ガスケット１
が圧縮された際に、両ビード14及び20は、完全には圧縮
されない。
しない大きさの外周穴18を開口し、第１金属板２に積層
し、幅広ビード14と同じ方向に突出する支持部20を、幅
広ビード14内に形成している。したがって、支持部20が
圧縮された際の挙動は、幅広ビード14が圧縮された際
に、中間部分を支持部20が下支えをして、幅広ビード14
の幅一杯に、弾性変形による面圧を発生させる第２密封
部22を形成する。前記したように、第１金属板２は第２
金属板４より厚い板を使用しているので、ガスケット１
が圧縮された際に、両ビード14及び20は、完全には圧縮
されない。
【００１６】以上説明したガスケット１を締め付ける
と、第１密封部12は、折返し片８と縁部10とが互いに接
してソリッド状をしているので、実質上圧縮されず、一
部に締付け圧が集中せず、第１密封部12全体に均等に分
散した面圧を発生させる。したがって、シリンダ穴Hcの
周囲に、局所的に高い面圧を発生することなく、シリン
ダ穴Hcの周囲を密封することができ、その外側にある第
２密封部22を、熱負荷及び密封する流体から保護するこ
とができる。
と、第１密封部12は、折返し片８と縁部10とが互いに接
してソリッド状をしているので、実質上圧縮されず、一
部に締付け圧が集中せず、第１密封部12全体に均等に分
散した面圧を発生させる。したがって、シリンダ穴Hcの
周囲に、局所的に高い面圧を発生することなく、シリン
ダ穴Hcの周囲を密封することができ、その外側にある第
２密封部22を、熱負荷及び密封する流体から保護するこ
とができる。
【００１７】また、第２密封部22にあっては、前記した
とおり、幅広ビード14の中間部分に支持部20が配置され
ているので、圧縮されると最初に凹む幅広ビード14の中
間部分を支持部20が下支えしているので、実質的に均等
にビードを圧縮することができ、幅広ビード14のビード
幅一杯に、より均等な面圧を発生させることができる。
したがって、圧痕ができ易いアルミニウム合金製内燃機
関などに対しても、優れた密封性能を発揮することがで
きる。しかも、第１金属板２より薄い第２金属板４を使
用することによって、第２密封部22は完全に圧縮される
ことがないので、クリープの発生が抑制され、シリンダ
ヘッド（図示せず）が変形し締め付け圧が変動しても、
これに追随することができ、安定した面圧を維持するこ
とができる。
とおり、幅広ビード14の中間部分に支持部20が配置され
ているので、圧縮されると最初に凹む幅広ビード14の中
間部分を支持部20が下支えしているので、実質的に均等
にビードを圧縮することができ、幅広ビード14のビード
幅一杯に、より均等な面圧を発生させることができる。
したがって、圧痕ができ易いアルミニウム合金製内燃機
関などに対しても、優れた密封性能を発揮することがで
きる。しかも、第１金属板２より薄い第２金属板４を使
用することによって、第２密封部22は完全に圧縮される
ことがないので、クリープの発生が抑制され、シリンダ
ヘッド（図示せず）が変形し締め付け圧が変動しても、
これに追随することができ、安定した面圧を維持するこ
とができる。
【００１８】図３に示す実施例２のガスケット１は、第
１密封部の折返し片８を折り返す際に湾曲部16の内側に
空隙24を残して縁部10に重ね、第１密封部12を弾性変形
可能に形成し、また、幅広ビード14を断面形状を緩く湾
曲した形状に形成した。そして、ガスケット１に締付け
圧が加わらない状態では、支持部20が幅広ビード14に接
触しないようにした外は、図２に示した実施例１のガス
ケット１と同様に形成した。
１密封部の折返し片８を折り返す際に湾曲部16の内側に
空隙24を残して縁部10に重ね、第１密封部12を弾性変形
可能に形成し、また、幅広ビード14を断面形状を緩く湾
曲した形状に形成した。そして、ガスケット１に締付け
圧が加わらない状態では、支持部20が幅広ビード14に接
触しないようにした外は、図２に示した実施例１のガス
ケット１と同様に形成した。
【００１９】図３に示したガスケット１を締め付ける
と、第１密封部12においては、実施例１の場合と同様の
面圧の外に、空隙24の弾性変形による反発力による面圧
が発生し、シリンダ穴Hcの周りをしっかり密封する。ま
た、第２密封部22においては、実施例１の場合と異な
り、ガスケット１が締め付けられると、幅広ビード14
は、緩く湾曲した部分が圧縮されて面圧を発生し、更
に、支持部20によって変形が阻止され、相乗的に面圧を
発生するので、弾性変形による高い密封性能を得ること
ができる。
と、第１密封部12においては、実施例１の場合と同様の
面圧の外に、空隙24の弾性変形による反発力による面圧
が発生し、シリンダ穴Hcの周りをしっかり密封する。ま
た、第２密封部22においては、実施例１の場合と異な
り、ガスケット１が締め付けられると、幅広ビード14
は、緩く湾曲した部分が圧縮されて面圧を発生し、更
に、支持部20によって変形が阻止され、相乗的に面圧を
発生するので、弾性変形による高い密封性能を得ること
ができる。
【００２０】以上、実施例１及び２によって説明したよ
うに、ガスケット１は、第１密封部12と第２密封部22と
に、幅広く分散した面圧を発生させることにより、局部
的な締付け圧を作用させないでも、幅広の密封部を形成
することにより、高い密封性能を、２枚の金属板２，４
によって与えることができるので、薄型、軽量で、しか
も、構造が簡単で製造を容易にすることができる。
うに、ガスケット１は、第１密封部12と第２密封部22と
に、幅広く分散した面圧を発生させることにより、局部
的な締付け圧を作用させないでも、幅広の密封部を形成
することにより、高い密封性能を、２枚の金属板２，４
によって与えることができるので、薄型、軽量で、しか
も、構造が簡単で製造を容易にすることができる。
【００２１】
【考案の効果】 以上説明したように本考案の金属積層形
ガスケットは、第１金属板と、第１金属板より薄い板厚
からなるり薄い第２金属板の２枚の金属板から成り、第
１金属板を密封する穴の周囲で折返し、実質的に弾性変
形しないか、又は、僅かに弾性変形する第１密封部を設
けることにより、分散した面圧を発生させることができ
ると共に、その外側に設けた第２密封部を、熱負荷及び
密封する流体の影響から保護し、且つ、ビードが完全に
押し潰されないようにすることができる。しかも、第２
密封部は、第１金属板に形成した幅広ビードと第２金属
板に形成したビードからなる支持部との組み合わせによ
って構成したので、幅広ビードと支持部との弾性変形に
よって幅広ビードの幅全体にわたり、より均等な面圧を
発生させることができ、しかも、ビードが完全に押し潰
されないようにしたので、高い弾性復元力が保持され、
振動で接合面が浮き上がるなどの変形があっても、各ビ
ードが追随することができるので密封性能を維持するこ
とができる。したがって、本考案は、第１密封部と、そ
の外周側に配した第２密封部との組み合わせによって密
封幅を広くすることができ、アルミニウム合金製のシリ
ンダブロックやシリンダヘッドなどのように、圧痕など
の傷が生じやすく、局部的な高い面圧を欠けることので
きない対象にも、圧痕を生じることなく、高い密封性能
を得ることができる。更に、第２密封部に高い密封性能
を得ることができるので、例えば内燃機関に使用した場
合には、第１密封部の下方に位置するシリンダライナー
を、この第１密封部が強く押圧して起こる変形を抑制し
ながら、全体として高い密封性能を得ることができる。
しかも薄型で、構造が簡単であるので、生産性を高くす
ることができ、コスト的にも有利である。
ガスケットは、第１金属板と、第１金属板より薄い板厚
からなるり薄い第２金属板の２枚の金属板から成り、第
１金属板を密封する穴の周囲で折返し、実質的に弾性変
形しないか、又は、僅かに弾性変形する第１密封部を設
けることにより、分散した面圧を発生させることができ
ると共に、その外側に設けた第２密封部を、熱負荷及び
密封する流体の影響から保護し、且つ、ビードが完全に
押し潰されないようにすることができる。しかも、第２
密封部は、第１金属板に形成した幅広ビードと第２金属
板に形成したビードからなる支持部との組み合わせによ
って構成したので、幅広ビードと支持部との弾性変形に
よって幅広ビードの幅全体にわたり、より均等な面圧を
発生させることができ、しかも、ビードが完全に押し潰
されないようにしたので、高い弾性復元力が保持され、
振動で接合面が浮き上がるなどの変形があっても、各ビ
ードが追随することができるので密封性能を維持するこ
とができる。したがって、本考案は、第１密封部と、そ
の外周側に配した第２密封部との組み合わせによって密
封幅を広くすることができ、アルミニウム合金製のシリ
ンダブロックやシリンダヘッドなどのように、圧痕など
の傷が生じやすく、局部的な高い面圧を欠けることので
きない対象にも、圧痕を生じることなく、高い密封性能
を得ることができる。更に、第２密封部に高い密封性能
を得ることができるので、例えば内燃機関に使用した場
合には、第１密封部の下方に位置するシリンダライナー
を、この第１密封部が強く押圧して起こる変形を抑制し
ながら、全体として高い密封性能を得ることができる。
しかも薄型で、構造が簡単であるので、生産性を高くす
ることができ、コスト的にも有利である。
【図１】本考案の実施例１による金属積層形ガスケット
の部分平面図である。
の部分平面図である。
【図２】図１のII−II線縦断面図である。
【図３】本考案の実施例２による金属積層形ガスケット
の、図２と同様の切断部分による縦断面図である。
の、図２と同様の切断部分による縦断面図である。
１ ガスケット（金属積層形ガスケット） ２ 第１金属板 ４ 第２金属板 ８ 折返し片 12 第１密封部 14 幅広ビード 18 外周穴 20 支持部 22 第２密封部 24 空隙 Hc シリンダ穴
（密封する穴）
（密封する穴）
Claims (4)
- 【請求項１】 第１金属板と第１金属板より蒲い板から
なる第２金属板の２枚の積層板によって形成したガスケ
ットであって、第１金属板に、第１密封部と、その周囲
を取り巻き、ビード高さよりビード幅を広くし、且つ第
２金属板を積層した側と反対側に突出させた幅広ビード
とを形成し、第１密封部は、密封する穴の周囲で第１金
属板を前記幅広ビードの突出方向と同じ方向に折り返し
て形成し、第２金属板に、密封する穴の外側に配置する
外周穴を開口し、且つ、該外周穴の外側に支持部を幅広
ビード内に突出させたビードによって形成し、前記幅広
ビードと支持部とで第２密封部を形成した金属積層形ガ
スケット。 - 【請求項２】 第１金属板の厚さを第２金属板より厚く
したことを特徴とする請求項１に記載の金属積層型ガス
ケット。 - 【請求項３】 前記折り返した板の全面が、重なる側の
板に接するように折り重ね、実質上の空隙をなくし、圧
縮の際にソリッド状の動作をするようにしたことを特徴
とする請求項１又は請求項２に記載の金属積層形ガスケ
ット。 - 【請求項４】 第１密封部の折り返した中側に空隙を形
成して折り重ねたことを特徴とする請求項１又は請求項
２に記載の金属積層形ガスケット。
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