JP2526773B2 - 冷媒循環式発電システムにおける電力制御装置 - Google Patents

冷媒循環式発電システムにおける電力制御装置

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JP2526773B2
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  • Control Of Fluid Pressure (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷媒循環式発電システ
ムにおける電力制御装置に関し、より特定的には、高温
熱源と低温熱源との間の熱落差に基づくエネルギーを電
気エネルギーとして取り出す冷媒循環式発電システムに
おける発電電力を制御するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ガス会社では、天然ガスを液化
した状態で液化天然ガス(以下、LNGと記す。)専用
タンカーで輸入し、海岸に面して立地されたLNGタン
クに貯留するようにしている。そして、需要に応じて、
LNGタンクから取り出したLNGを海水の熱を利用し
て気化し、13A都市ガスを供給するようにしている。
ここで、LNGを気化する場合、低温熱源としてのLN
G(−162℃)と高温熱源としての海水(10℃〜3
0℃)との間に熱落差がある。したがって、熱落差に基
づく熱エネルギーを熱交換器で取り出せれば、熱エネル
ギーで発電を行うことができ、所内の電力需要の一部を
まかなうことができ省エネルギーになる。このため、所
内に冷媒循環式発電システムが設けられている。
【0003】図4は、従来の冷媒循環式発電システムお
よびその電力制御装置の構成を示すブロック図である。
この冷媒循環式発電システムは、第1の熱交換器として
の冷媒凝縮器2、第2の熱交換器としての冷媒蒸発器
4、冷媒循環手段としての冷媒ポンプ16、タービン6
および発電機8等を備える。
【0004】冷媒凝縮器2および冷媒蒸発器4には、冷
媒、例えばフロンがそれぞれ貯留されている。冷媒凝縮
器2内の上部にはパイプ3が付設されており、冷媒蒸発
器4内の下部にはパイプ5が付設されている。冷媒凝縮
器2のパイプ3には、LNGが還流される。パイプ3付
近では、気化したフロンすなわちフロンガスとLNGと
の間で熱交換が行われる。その結果、フロンガスが液化
し、冷媒凝縮器2内のの下部に液体フロンが貯留され
る。このように、冷媒凝縮器2の内部では、フロンが順
次液化されるので、冷媒凝縮器2の上部のフロンガスの
圧力は、低くなる。冷媒凝縮器2内に貯留された液体フ
ロンは、冷媒ポンプ16および液面制御弁18を介して
冷媒蒸発器4内に送られる。冷媒蒸発器4内に送られた
液体フロンは、冷媒蒸発器4内においてその上部からシ
ャワー状にして下部に落下される。
【0005】冷媒蒸発器4内の下部には、液体フロンが
貯留されている。冷媒蒸発器4のパイプ5には、海水が
還流される。パイプ5付近では、液体フロンと海水との
間で熱交換が行われる。その結果、液体フロンは気化
し、冷媒蒸発器4の上部にフロンガスが貯留される。こ
のように、冷媒蒸発器4の内部では液体フロンが順次気
化されるので、冷媒蒸発器4内のフロンガスの圧力は、
高くなる。
【0006】冷媒蒸発器4から冷媒凝縮器2にフロンガ
スが戻る経路上には、タービン6が設けられている。
タービン6は、フロンガスに蓄積されたLNGと海水と
の間の熱落差に基づく圧力エネルギーを機械的な回転エ
ネルギーに変換する。発電機8は、タービン6の回転エ
ネルギーを電気エネルギーに変換する。発電機8の発電
電力を所内の電気機器に給電することによって、所内の
電力需要に対応することができる。
【0007】なお、フロンは、冷媒凝縮器2から冷媒ポ
ンプ16を介して冷媒蒸発器4へ、また冷媒蒸発器4か
らタービン6を介して冷媒凝縮器2へと閉鎖された循環
系内で循環するので、フロンが逃げることなく一定量に
保持される。したがって、海水とLNGとの熱落差に基
づく圧力エネルギーがフロンに有効に蓄積される。
【0008】冷媒蒸発器4に関連して液面制御装置22
が設けられている。液面制御装置22は、冷媒蒸発器4
内の液体フロンの液面を監視し、冷媒蒸発器4のフロン
の液面レベルが一定になるように液面制御弁18の開度
を制御する。したがって、冷媒蒸発器4内のパイプ5が
液体フロンの液面の上部に露出することがない。また、
冷媒蒸発器4内で液体フロンの液面のレベルが一定に保
たれると、循環系全体ではフロンの全量が一定であるの
で、冷媒凝縮器2内の液体フロンの液面のレベルも一定
に保たれる。したがって、冷媒凝縮器2内のパイプ3が
液体フロンに浸漬することがない。これによって、海水
とLNGとの熱落差に基づく圧力エネルギーをフロンに
有効に蓄積することができる。
【0009】ところで、LNGの供給量は、都市ガスの
供給の変動にともなって変動する。また、海水の温度も
夏と冬や昼と夜等の時期によっても変動する。これらの
変動に応じて、フロンに蓄積される圧力エネルギーが変
動し、結果として発電機8の発電電力が変動する。しか
し、発電機8は安全性の見地から定格電力以下で運転さ
せなければならない。また、所内の電力需要も時期によ
って変動する。このため、発電電力が所内の電力需要を
下回る場合が生じる。この場合には、不足分を電力会社
からの買電でまかなう必要がある。しかし、発電電力が
変動して所内の電力需要を上回る場合には、買電側に余
剰分の発電電力が逆流しないように考慮する必要があ
る。したがって、発電機8を常に定格電力以下で運転さ
せ、かつ、買電側に発電電力が逆流しないようにするた
め、発電機8の発電電力を監視し、発電電力が設定値を
越えると発電電力をほぼ設定値まで下げるように電力を
制御する必要がある。このため、従来の冷媒循環式発電
システムでは、次のような電力制御装置が設けられてい
た。
【0010】従来の電力制御装置は、タービン入口弁1
02、ローセレクタ104、バイパス弁106、電力制
御器108および圧力制御器110,112等を備え
る。タービン入口弁102は、タービン6の冷媒導入口
114に設けられ、タービン6に流入するフロンガスの
量を調整する。冷媒蒸発器4および冷媒凝縮器2間に
は、バイパス経路116が設けられる。バイパス経路1
16は、冷媒蒸発器4から冷媒凝縮器2にフロンガスを
バイパスするためのものである。バイパス経路116上
には、バイパス弁106が設けられる。バイパス弁10
6は、冷媒蒸発器4から冷媒凝縮器2にバイパスされる
フロンガスの量を調整する。ここで、バイパス弁106
は、制御容量が大であるため、大型かつ大重量である。
したがって、バイパス弁106は、動作が緩慢で、か
つ、分解能が低い。これに対し、タービン入口弁102
は、制御容量が小さいため、小型かつ軽量であり、動作
が迅速でかつ分解能が高い。すなわち、タービン入口弁
102は、制御信号入力に対して相対的に応答速度が速
く、開度の急峻な変更が可能である。一方、バイパス弁
106は、制御信号入力に対して相対的に応答速度が遅
く、開度の急峻な変更ができない。
【0011】図示しない中央制御装置から予め定められ
た電力設定値が電力制御器108に送られている。電力
制御器108は、発電機8の発電電力を監視する。そし
て、発電電力が電力設定値を越えると、発電機8の発電
電力と予め定められた電力設定値との差が小さくなるよ
うに、タービン入口弁102の開度を制御する制御信号
をローセレクタ104に送る。
【0012】圧力制御器110,112は、圧力設定部
118,120をそれぞれ備えている。この圧力設定部
118,120には、予め定められた圧力値が設定され
ている。例えば、圧力設定部118の圧力設定値は、
0.2kg/cm2 であり、圧力設定部120の圧力設
定値は、0.33kg/cm2 である。圧力制御器11
0は、冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力を監視し、冷
媒凝縮器2内のフロンガスの圧力が圧力設定値0.2k
g/cm2 以上の場合には、バイパス弁106を閉じた
状態に維持する。冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力が
圧力設定値0.2kg/cm2 未満になった場合には、
バイパス弁106を開き、フロンガスの圧力が圧力設定
値と一致するようにバイパス弁106の開度を調整す
る。一方、圧力制御器112は、冷媒凝縮器2内のフロ
ンガスの圧力を監視し、冷媒凝縮器2内のフロンガスの
圧力が圧力設定値0.33kg/cm2 以上の場合に
は、タービン入口弁102の開度を下げ、圧力設定値
0.33kg/cm2 と一致するようにタービン入口弁
102の開度を制御する制御信号をローセレクタ104
に送る。冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力が圧力設定
値0.33kg/cm2 未満の場合には、タービン入口
弁102の開度を上げ、圧力設定値0.33kg/cm
2 と一致するようにタービン入口弁102の開度を制御
する制御信号をローセレクタ104に送る。
【0013】ローセレクタ104は、電力制御器108
からの制御信号と圧力制御器112からの制御信号とを
比較し、タービン入口弁102の開度を小さくする方の
制御信号を選択する。したがって、タービン入口弁10
2は、電力制御器108と圧力制御器112とのいずれ
か一方の制御にしたがって、その開度が調整されること
になる。
【0014】ここで、発電電力が電力設定値未満の場
合、例えば発電機8の定格電力が3000kWで発電電
力の設定値が2200kWでこのときの発電機8の発電
電力が2000kWの場合を想定する。このような場合
には、海水とLNGとの熱落差による熱エネルギーをほ
ぼ100%発電電力として回収する必要がある。したが
って、圧力エネルギーが冷媒蒸発器4から冷媒凝縮器2
に無駄に逃げないように、バイパス弁106を閉じてお
く必要がある。
【0015】電力制御器108は、発電電力が電力設定
値2200kW未満の2000kWであるので、100
%の電力回収を行うため、タービン入口弁102の開度
を100%にする制御信号をローセレクタ104に送
る。一方、圧力制御器112は、圧力設定値が0.33
kW/cm2 であるので、冷媒凝縮器2のフロンガスの
圧力が0.33kg/cm2 になるように、タービン入
口弁102の開度を例えば42%にする制御信号をロー
セレクタ104に送る。ローセレクタ104は、電力制
御器108の制御信号の指示開度が100%で、圧力制
御器112からの制御信号の指示開度が42%であるの
で、指示開度の低い方の圧力制御器112からの制御信
号をタービン入口弁102に送る。その結果、バイパス
弁106の開度が42%に調整され、冷媒凝縮器2内の
フロンガスの圧力は0.33kg/cm2 に保たれる。
【0016】一方、圧力制御器110は、冷媒凝縮器2
内のフロンガスの圧力が圧力設定値0.2kg/cm2
より高い0.33kg/cm2 であるので、バイパス弁
106を閉じたままにする。したがって、冷媒蒸発器4
内のフロンガスがタービン6にのみ送られ、海水とLN
Gとの熱落差による熱エネルギーをほぼ100%発電電
力として回収することができる。
【0017】次に、発電電力が電力設定値を越えた場合
を想定する。この場合、電力設定値が一定で海水温の上
昇等により発電電力が電力設定値を越えるときと、電力
設定値を強制的に下げた結果、発電電力が電力設定値を
越えるときとがある。しかし、電力制御装置の性能のテ
ストとしては同じであり、電力設定値を強制的に下げて
テストする方が、容易に行える。したがって、発電中に
発電電力の設定値を強制的に下げ、発電を停止すること
によって、電力制御装置の性能のテストを行うことにす
る。この場合、電力設定値を急に2200kWから0に
落とすと、冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力が急減
し、冷媒凝縮器2に負担がかかるため好ましくない。し
たがって、冷媒凝縮器2に負担がかからない程度に電力
設定値を徐々に下げる必要がある。図5は、電力制御装
置の制御成績の結果を示す図である。このテストでは、
電力設定値を図5のラインL1に示すように5分程度時
間をかけて元の電力設定値から徐々に200kW程度ま
で低下させ、また、電力設定値を5分程度200kW一
定に保持してから遮断器を切るようにする。
【0018】電力設定値が徐々に低下するにつれて、電
力制御器108は、ローセレクタ104に送る制御信号
の指示開度を100%から徐々に下げる。制御信号の指
示開度が42%未満になると、電力制御器108からの
制御信号の指示開度の方が圧力制御器112からの制御
信号の指示開度より低くなる。したがって、ローセレク
タ104は、圧力制御器112に代え、電力制御器10
8からの制御信号を選択する。これによって、タービン
入口弁102の開度は、図5のラインL2に示すよう
に、42%から徐々に下がる。
【0019】タービン入口弁102の開度が下がるにし
たがって、タービン6に導入されるフロンガスの量が減
少するので、発電機8の発電電力が図5のラインL3に
示すように低下する。また、冷媒凝縮器2内のフロンガ
スの圧力が図5のラインL4に示すように低下する。と
ころで、圧力制御器112は、冷媒凝縮器2内のフロン
ガスの圧力が低下するにしたがって、圧力を圧力設定値
0.33kg/cm2に一致させるためタービン入口弁
102の開度を42%以上にするようローセレクタ10
4に制御信号を送る。しかし、圧力制御器112の制御
信号の指示開度より、電力制御器108の制御信号の指
示開度の方がより低くなる。したがって、ローセレクタ
104は、電力制御器108の制御信号を選択し、ター
ビン入口弁102の開度の制御を電力制御器108に任
せる。これによって、発電電力が低下する。
【0020】冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力が圧力
制御器110の圧力設定値0.2kg/cm2 未満にな
ると、圧力制御器110は、冷媒凝縮器2内のフロンガ
スの圧力が0.2kg/cm2 になるように制御信号を
バイパス弁106に送る。これによって、バイパス弁1
06の開度は、図5のラインL5に示すように0%から
徐々に上昇する。したがって、冷媒蒸発器4内のフロン
ガスが発電のためにエネルギーを使うことなくバイパス
経路116のバイパス弁106を介して冷媒凝縮器2に
戻るので、発電機8の発電電力が低下する。このように
して、電力制御が行われ、発電電力が200kWにまで
低下され、5分程度時間が経過してから遮断器が切られ
ていた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電力制
御装置では、圧力制御器110の圧力設定値と圧力制御
器112の圧力設定値とが異なる値に選ばれており、圧
力制御器110でバイパス弁106を制御し、圧力制御
器112および電力制御器108でタービン入口弁10
2を制御するようにしていたので、次のような問題が生
じていた。
【0022】まず、第1に発電機8の発電電力を低下さ
せる場合、タービン入口弁102は、圧力制御装置11
2から切り離されて、電力制御器108の制御下に入
る。そのため、冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力が
0.33kg/cm2 から0.2kg/cm2 に低下し
て圧力制御器112が作動するまでの間は、冷媒凝縮器
2内のフロンガスの圧力は電力制御装置108によるタ
ービン入口弁102の開度制御のみに依存することにな
る。このとき、電力制御器108はタービン入口弁10
2の開度を下げ続けているため、冷媒凝縮器2内のフロ
ンガスの圧力が0.33kg/cm2 から0.2kg/
cm2 まで急激に低下し、システム全体に悪影響を与え
るという問題があった。また、冷媒凝縮器2内のフロン
ガスの圧力の急激な低下に起因して、冷媒蒸発器4内の
フロンガスと冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力差が増
大する。この圧力差の増大は、タービン6の回転エネル
ギーが増大する方向すなわち、発電機8の発電電力が増
大する方向に働く。したがって、タービン入口弁102
の開度が下がっても、発電機8の発電電力がそれほど低
下しないという問題もあった。
【0023】第2に、電力制御器108でタービン入口
弁12の開度を下げ、冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧
力が0.2kg/cm2 未満になると、圧力制御器11
0の制御でバイパス弁14の開度を上げ、それによって
バイパス弁106から冷媒凝縮器2内へ流入するフロン
ガスが増大させて冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力を
0.2kg/cm2 未満にならないようにしている。し
かし、発電電力を電力設定値に一致させるためにタービ
ン入口弁102の開度が速く低下するにもかかわらず、
バイパス弁106の応答速度が遅いのに起因してバイパ
ス弁14の開度をすばやく上げることができない。その
ため、冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力は、すぐには
0.2kg/cm2 に安定せず、一時的に0.2kg/
cm2 以下に低下する。その結果大気圧によって冷媒凝
縮器2が破壊するおそれがあるという問題があった。ま
た、冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力の変動に起因し
て、液体フロンの液面の変動、発電電力の変動等のプロ
セス変動が生じるという問題もあった。
【0024】上記のように、従来の電力制御装置では、
圧力制御も電力制御も十分に働かず、冷媒凝縮器2内の
フロンガスの圧力変動を防止することができないため安
定的に発電電力を低下させることができず、プロセスの
変動が生じるという問題があった。
【0025】ところで、圧力制御器110の圧力設定部
118の圧力設定値を圧力制御器112の圧力設定部1
20と同じ圧力設定値0.33kg/cm2 にし、発電
電力の低下中冷媒凝縮器2のフロンガスの圧力を一定に
することも考えられる。しかし、発電電力が電力設定値
未満の場合に、冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力が圧
力設定値から低下すると、圧力制御器110が冷媒凝縮
器2内のフロンガスの圧力を圧力設定値にしようとして
バイパス弁106を開いて制御する。このため、バイパ
ス弁106が頻繁に開いてしまうことになり、エネルギ
ーの回収効率が悪化するという別の問題が生じる。
【0026】本発明は、上述の技術的課題を解決し、圧
力変動を生じることなく発電電力を安定的に低下させる
ことができる冷媒循環式発電システムにおける電力制御
装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上述の技術的課題を解決
するために、本発明は以下の構成をとる。請求項1の冷
媒循環式発電システムにおける電力制御装置は、気化し
た冷媒と低温熱源とを熱交換させることにより気化した
冷媒を液化するための第1の熱交換器と、液化した冷媒
と高温熱源とを熱交換させることにより液化した冷媒を
気化するための第2の熱交換器と、第1および第2の熱
交換器間で冷媒を循環させることにより閉鎖された冷媒
の循環系を構成するための冷媒循環手段と、冷媒循環手
段における第2の熱交換器から第1の熱交換器に気化し
た冷媒が戻る経路上に設けられ、この気化した冷媒に蓄
積された低温熱源と高温熱源との間の熱落差に基づく圧
力エネルギーを機械的な回転エネルギーに変換するため
のタービンと、タービンの回転エネルギーを電気エネル
ギーに変換するための発電機とを備える冷媒循環式発電
システムにおいて、発電機の発電電力を制御するための
装置であって、タービンの冷媒導入口に設けられ、この
タービンに導入される気化した冷媒の量を調整するため
のタービン入口弁、第2の熱交換器と第1の熱交換器と
の間に設けられ、第2の熱交換器から第1の熱交換器に
気化した冷媒をバイパスするためのバイパス経路、バイ
パス経路上に設けられ、第2の熱交換器から第1の熱交
換器にバイパスされる気化した冷媒の量を調整するため
のバイパス弁、発電機の発電電力を監視し、この監視さ
れた発電電力が予め定められた設定値を越えたときに、
発電機の発電電力と予め定められた設定値との差が小さ
くなるように、バイパス弁の開度を制御するためのバイ
パス弁制御手段、および第1の熱交換器内の気化した冷
媒の圧力を監視し、この気化した冷媒の圧力が予め定め
られた設定値と一致するようにタービン入口弁の開度を
制御するためのタービン入口弁制御手段を備えることを
特徴とする。
【0028】請求項2の冷媒循環式発電システムにおけ
る電力制御装置は、請求項1のものにおいて、タービン
入口弁は、相対的に応答速度が速い弁によって構成さ
れ、バイパス弁は、相対的に応答速度が遅い弁によって
構成されていることを特徴とする。
【0029】請求項3の冷媒循環式発電システムにおけ
る電力制御装置は、請求項1または2のものにおいて、
バイパス弁制御手段は、発電機の発電電力と予め定めら
れた設定値との差が所定値以下になったことに応答し
て、バイパス弁の開度制御を停止するための不感帯を有
していることを特徴とする。
【0030】
【作用】請求項1の冷媒循環式発電システムにおける電
力制御装置においては、バイパス弁制御手段は、発電機
の発電電力を監視し、発電電力が予め定められた設定値
を越えたときに、発電機の発電電力と予め定められた設
定値との差が小さくなるように、バイパス弁の開度を制
御する。一方、タービン入口弁制御手段は、第1の熱交
換器内の気化した冷媒の圧力を常時監視し、この気化し
た冷媒の圧力が予め定められた設定値と一致するように
タービン入口弁の開度を制御する。したがって、発電機
の発電電力を低下させるためにバイパス弁が開かれて
も、すぐにタービン入口弁制御手段によってタービン入
口弁の開度が適正な値に調整されるため、第1の熱交換
器内の気化した冷媒の圧力が常に一定に保たれる。
【0031】請求項2の冷媒循環式発電システムにおけ
る電力制御装置においては、発電機の発電電力を低下さ
せるときに、相対的に応答速度の遅いバイパス弁の開度
の上昇に対して相対的に応答速度の速いタービン入口弁
の開度の低下がすばやく追随するため、第1の熱交換器
内の気化した冷媒の圧力がより一層安定化する。
【0032】請求項3の冷媒循環式発電システムにおけ
る電力制御装置においては、発電機の発電電力と設定値
との偏差が不感帯に入ったときは、バイパス弁の開度制
御が一時的に停止される。これによって、圧力制御と電
力制御との間の相互干渉によるプロセスの変動が抑制さ
れ、第1の熱交換器内の気化した冷媒の圧力がさらに安
定化する。
【0033】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明の一実施例の電力制御装置および
それが適用された冷媒循環式発電システムの構成を示す
ブロック図である。なお、図1の実施例において、図4
の従来の装置と対応する部分には同一の参照符を付し、
その詳細な説明を省略する。この実施例の電力制御装置
は、タービン入口弁12、バイパス弁14、ハイセレク
タ10、電力制御器40および圧力制御器42,44等
を備える。
【0034】タービン入口弁12は、タービン6の冷媒
導入口46に設けられ、タービン6に導入される気化し
た冷媒の量を調整する。冷媒蒸発器4および冷媒凝縮器
2間には、バイパス経路48が設けられる。バイパス経
路48は、冷媒蒸発器4から冷媒凝縮器2にフロンガス
をバイパスするためのものである。バイパス経路48上
には、バイパス弁14が設けられる。バイパス弁14
は、冷媒蒸発器4から冷媒凝縮器2にバイパスされるフ
ロンガスの量を調整する。バイパス弁14には、ハイセ
レクタ10が設けられる。ここで、バイパス弁14は、
制御容量が大であるため、大型かつ大重量である。した
がって、バイパス弁14は、動作が緩慢で、かつ、分解
能が低い。これに対し、タービン入口弁12は、制御容
量が小さいため、小型かつ軽量であり、動作が迅速でか
つ分解能が高い。すなわち、タービン入口弁12は、制
御信号入力に対して相対的に応答速度が速く、開度の急
峻な変更が可能である。一方、バイパス弁14は、制御
信号入力に対して相対的に応答速度が遅く、開度の急峻
な変更ができない。
【0035】図示しない中央制御装置から予め定められ
た電力設定値が電力制御器40に送られている。図2
は、電力制御器40のより詳細な構成を示すブロック図
である。電力制御器40は、減算器60、電力検出器6
1,比較器62およびPID制御部64を備える。電力
検出器61は、発電機8の発電電力を検出している。電
力検出器61の検出信号は、減算器60の一方の入力に
与えられる。減算器60の他方の入力には、中央制御装
置から予め定められた電力設定値が与えられる。減算器
60は、電力設定値と発電電力の差を求め、この差を比
較器62の一方の入力に与える。比較器62の他方の入
力には、不感帯の範囲として例えば150kW程度を示
す一定の信号が与えられる。比較器62は、減算器60
からの信号が不感帯を越えていると、不感帯を越える部
分の信号をPID制御部64に送る。減算器60からの
信号が不感帯未満のときには、減算器60からの信号の
変化分を0にしてPID制御部64に送る。PID制御
部64は、比較器62からの信号の比例部分、積分部分
および微分部分を演算し、その結果を制御信号としてハ
イセレクタ10に送る。したがって、電力制御器40
は、発電電力が設定値を越え、さらに不感帯を越える
と、発電機8の発電電力と予め定められた電力設定値と
の差が小さくなるように、バイパス弁14の開度を制御
する制御信号をハイセレクタ10に送る。
【0036】圧力制御器42,44は、圧力設定部5
0,52をそれぞれ備えている。この圧力設定部50,
52には、予め定められた圧力値が設定されている。例
えば、圧力設定部50の圧力設定値は、0.2kg/c
2 であり、圧力設定部52の圧力設定値は、0.33
kg/cm2 である。圧力制御器42は、冷媒凝縮器2
内のフロンガスの圧力を監視し、フロンガスの圧力が圧
力設定値0.2kg/cm2 以上の場合には、バイパス
弁14を閉じた状態に維持する制御信号をハイセレクタ
10に送る。圧力設定値0.2kg/cm2 未満になっ
た場合には、バイパス弁14を開いて冷媒凝縮器2内の
フロンガスの圧力が圧力設定値0.2kg/cm2 と一
致するようにバイパス弁14の開度を調整する制御信号
をハイセレクタ10におくる。一方、圧力制御器44
は、冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力を監視し、フロ
ンガスの圧力が圧力設定値0.33kg/cm2 以上の
場合には、タービン入口弁12の開度を下げて冷媒凝縮
器2内のフロンガスの圧力が圧力設定値0.33kg/
cm2 と一致するように、制御信号をタービン入口弁1
2に送る。冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力が圧力設
定値0.33kg/cm2 未満の場合には、タービン入
口弁12の開度を上げて圧力設定値0.33kg/cm
2 と一致するように、制御信号をタービン入口弁12に
送る。
【0037】ハイセレクタ10は、電力制御器40から
の制御信号と圧力制御器42からの制御信号とを比較
し、バイパス弁14の開度を大きくする方の制御信号を
選択する。したがって、バイパス弁14は、電力制御器
40と圧力制御器42のいずれか一方の制御信号にした
がって、その開度が調整されることになる。
【0038】ここで、発電電力が設定値未満の場合、例
えば発電機8の定格電力が3000kWで発電電力の設
定値が2500kWでこのときの発電機8の発電電力が
ほぼ2400kWの場合を想定する。このような場合に
は、海水とLNGとの熱落差による熱エネルギーをほぼ
100%発電電力として回収する必要がある。したがっ
て、圧力エネルギーが冷媒蒸発器4から冷媒凝縮器2に
無駄に逃げないように、バイパス弁14を閉じておく必
要がある。
【0039】圧力制御器44は、圧力設定部52の圧力
設定値が0.33kg/cm2 であるので、冷媒凝縮器
2内の圧力が0.33kg/cm2 になるように、ター
ビン入口弁12の開度を例えば39%にする制御信号を
タービン入口弁12に送る。したがって、冷媒凝縮器2
内のフロンガスの圧力は、ほぼ一定の0.33kg/c
2 に保たれる。
【0040】電力制御器40は、発電電力が設定値25
00kW未満の2400kWであるので、エネルギーの
回収効率をほぼ100%に維持しながら発電電力を20
00kWから2100kWに近づけるため、バイパス弁
14の開度を0%にする制御信号をハイセレクタ10に
送る。一方、圧力制御器42は、圧力設定部50の圧力
設定値が0.2kW/cm2 で、冷媒凝縮器2内のフロ
ンガスの圧力が圧力設定値0.2kW/cm2 以上の
0.33kg/cm2 であるので、バイパス弁14の開
度を0%にする制御信号をハイセレクタ10に送る。ハ
イセレクタ10は、電力制御器40の制御信号の指示開
度が0%で、圧力制御器44からの制御信号の指示開度
が0%で同じであるので、電力制御器40または圧力制
御器42からの制御信号をバイパス弁14に送る。した
がって、バイパス弁14の開度は0%、すなわちバイパ
ス弁14は閉じたままに保たれる。したがって、冷媒蒸
発器4内のフロンガスがタービン6にのみ送られ、海水
とLNGとの熱落差による熱エネルギーをほぼ100%
発電電力として回収することができる。
【0041】次に、発電電力が電力設定値を越えた場合
を想定する。ここでも、従来の場合と同様に、電力設定
値を強制的に下げて電力制御装置の性能テストを行うこ
ととする。図3は電力制御装置の制御成績の結果を示す
図である。このテストでも、電力設定値を従来と同様に
図3のラインL1に示すように5分程度時間をかけて元
の設定値から徐々に400kW程度まで低下させ、ま
た、設定値を5分程度400kW一定に保持してから遮
断器を切るようにする。
【0042】電力設定値が徐々に低下するにつれて、電
力制御器40は、ハイセレクタ10に送る制御信号の指
示開度を0%から徐々に上げる。電力制御器40からの
制御信号の指示開度が0%から上昇すると、電力制御器
40からの制御信号の指示開度の方が圧力制御器42か
らの制御信号の指示開度0%より高くなる。したがっ
て、ハイセレクタ10は、電力制御器40からの制御信
号を選択する。これによって、バイパス弁14の開度
は、図3のラインL5に示すように、0%から徐々に上
昇する。なお、バイパス弁14は、全閉状態から開く状
態に移行するのに少し時間がかかる。
【0043】バイパス弁14の開度が上がると、冷媒蒸
発器4内のフロンガスがバイパス経路48を介して冷媒
凝縮器2内に戻る。このため、冷媒凝縮器2のフロンガ
スの圧力が0.33kg/cm2 から少し上昇する(図
3のラインL4参照)。しかし、圧力制御器44は、冷
媒凝縮器2内のフロンガスの圧力が0.33kg/cm
2 から上昇すると、この上昇を検出し、冷媒凝縮器2内
のフロンガスの圧力が0.33kg/cm2 になるよう
に、タービン入口弁12の開度を下げるよう制御信号を
送る。したがって、タービン入口弁12の開度は、図3
のラインL2に示すように、39%から低下する。ター
ビン入口弁12の開度が低下すると、冷媒蒸発器4内か
らタービン6を介して冷媒凝縮器2内に戻るフロンガス
の量が低下する。したがって、バイパス弁14内から冷
媒凝縮器2内に戻るフロンガスの増加量と、タービン入
口弁12の開度の減少による冷媒凝縮器2内に戻るフロ
ンガスの減少量とがほぼ等しくなるので、図3のライン
L4に示すように、冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力
をほぼ一定の0.33kg/cm2 に保つことができ
る。また、タービン入口弁12の方がバイパス弁14よ
り応答速度が速いので、バイパス弁14の開度の変化に
応じてすばやくタービン入口弁12の開度を変更でき、
冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力を一定の0.33k
g/cm2 に保つことができる。
【0044】一方、タービン入口弁12の開度が39%
から低下すると、冷媒蒸発器4内からタービン6に流入
するフロンガスの量が低下する。したがって、発電機8
の発電電力は、図3のラインL3に示すように、タービ
ン入口弁12の開度が低下するにしたがって、安定的に
低下する。
【0045】ここで、電力制御器40は、不感帯を備え
ている。したがって、発電電力と電力設定値の差が不感
帯の範囲に入ると、この差が不感帯の範囲内にある間バ
イパス弁14の開度をその開度に保持するようハイセレ
クタ10に制御信号を送る。このため、バイパス弁14
の開度の増加は、ラインL5に示すように少し、階段状
になる。バイパス弁14の開度の増加が階段状になる
と、バイパス経路48から冷媒凝縮器2内に戻るフロン
ガスの量が階段状に増加する。圧力制御器44は、この
階段状に増加する分減少させるようタービン入口弁12
を制御する。したがって、タービン入口弁12の開度
は、図3のラインL2に示すように階段状に減少する。
タービン入口弁12の開度が階段状に減少すると、冷媒
蒸発器4からタービン6に流入するフロンガスの量が階
段状に減少する。したがって、発電機8の発電電力は、
図3のラインL3に示すように、階段状に減少する。
【0046】ところで、不感帯のためバイパス弁14の
開度が階段状に上昇するため、バイパス経路48を介し
て冷媒凝縮器2内に戻るフロンガスの増加の変化が一時
停止されることになる。この期間中に冷媒凝縮器2内の
フロンガスの圧力が0.33kg/cm2 になるように
タービン入口弁12の開度が下げられるので、冷媒凝縮
器2内の圧力は、0.33kg/cm2 の一定に保たれ
る。また、タービン入口弁12の方がバイパス弁14よ
り応答速度が速いので、冷媒凝縮器2内の圧力を容易に
0.33kg/cm2 の一定に保つことができる。すな
わち、発電機8の発電電力と電力設定値との偏差が不感
帯に入ったときは、バイパス弁14の開度制御が一時的
に停止される。これによって、圧力制御と電力制御との
間の相互干渉によるプロセスの変動が抑制され、冷媒凝
縮器2内のフロンガスの圧力がさらに安定化し、発電電
力を安定的に低下させることができる。電力設定値が4
00kWになり発電電力が500kW程度にまで低下さ
れ、5分程度経過すると、遮断器が切られる。なお、電
力設定値より発電電力の方が高いのは、不感帯のためで
ある。
【0047】したがって、冷媒凝縮器2の圧力を0.3
3kg/cm2 の一定に保ち、プロセス変動を生じるこ
となく、安定的に発電電力を低下させることができる。
【0048】なお、上述の実施例では、電力設定値が4
00kWになり発電電力が500kW程度にまで低下
し、5分程度経過すると、遮断器を切るようにしたが、
遮断器を切らずに電力設定値を400kWからこれ以上
の電力設定値に上げるようにしてもよく、電力設定値が
2500kWから400kWに低下させている過程で、
電力設定値を上昇させるようにしてもよい。このような
場合においても、冷媒凝縮器2内のフロンガスの圧力を
一定に保ちつつ、発電電力を安定的に制御することがで
きる。また、高温熱源を海水として実施するようにした
が、地熱発電における水蒸気等の他の高温熱源で実施す
るようにしてもよい。また、低温熱源をLNGとして実
施するようにしたが、液化メタン、水等の他の低温熱源
で実施するようにしてもよい。さらに、冷媒をフロンと
して実施するようにしたが、プロパン、水等の他の冷媒
で実施するようにしてもよい。また、電力制御器40に
おいて、減算器60の出力を比較器62に与えるように
したが、減算器60の出力をPID制御部64に直接与
え、不感帯をなくすようにして実施するようにしてもよ
い。さらに、圧力設定部50,52の設定値や、不感帯
の幅は他の値で実施するようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】請求項1の冷媒循環式発電システムにお
ける電力制御装置は、バイパス弁制御手段が、発電機の
発電電力を監視し、発電電力が予め定められた設定値を
越えたときに、発電機の発電電力と予め定められた設定
値との差が小さくなるように、バイパス弁の開度を制御
し、かつ、タービン入口弁制御手段が、第1の熱交換器
内の気化した冷媒の圧力を常時監視し、この気化した冷
媒の圧力が予め定められた設定値と一致するようにター
ビン入口弁の開度を制御するので、発電機の発電電力を
低下させるためにバイパス弁が開かれても、すぐにター
ビン入口弁制御手段によってタービン入口弁の開度が適
正な値に調整されるため、第1の熱交換器内の気化した
冷媒の圧力が常に一定に保たれ、電力を安定的に低下さ
せることができる。
【0050】請求項2の冷媒循環式発電システムにおけ
る電力制御装置においては、発電機の発電電力を低下さ
せるときに、圧力制御手段が相対的に応答速度の速いタ
ービン入口弁の開度を制御するので、バイパス弁の開度
の上昇に対してタービン入口弁の開度の低下がすばやく
追随し、第1の熱交換器内の気化した冷媒の圧力がより
一層安定化し、電力をより一層安定的に低下させること
ができる。
【0051】請求項3の冷媒循環式発電システムにおけ
る電力制御装置においては、発電機の発電電力と設定値
との偏差が不感帯に入ったときは、バイパス弁の開度制
御が一時的に停止されので、圧力制御と電力制御との間
の相互干渉によるプロセスの変動が抑制され、第1の熱
交換器内の気化した冷媒の圧力がさらに安定化し、電力
をさらに安定的に低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の冷媒循環式発電システムに
おける電力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す電力制御器40のより詳細な構成を
示すブロック図である。
【図3】電力設定値を強制的に下げた場合の図1の電力
制御装置による制御成績の結果を示すグラフである。
【図4】従来の冷媒循環式発電システムにおける電力制
御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】電力設定値を強制的に下げた場合の図4の電力
制御装置による制御成績の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
2…冷媒凝縮器 4…冷媒蒸発器 6…タービン 8…発電機 12…タービン入口弁 14…バイパス弁 40…電力制御器 44…圧力制御器 48…バイパス経路 …経路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気化した冷媒と低温熱源とを熱交換させ
    ることにより気化した冷媒を液化するための第1の熱交
    換器と、液化した冷媒と高温熱源とを熱交換させること
    により液化した冷媒を気化するための第2の熱交換器
    と、前記第1および第2の熱交換器間で冷媒を循環させ
    ることにより閉鎖された冷媒の循環系を構成するための
    冷媒循環手段と、前記冷媒循環手段における前記第2の
    熱交換器から前記第1の熱交換器に気化した冷媒が戻る
    経路上に設けられ、当該気化した冷媒に蓄積された前記
    低温熱源と前記高温熱源との間の熱落差に基づく圧力エ
    ネルギーを機械的な回転エネルギーに変換するためのタ
    ービンと、前記タービンの回転エネルギーを電気エネル
    ギーに変換するための発電機とを備える冷媒循環式発電
    システムにおいて、前記発電機の発電電力を制御するた
    めの装置であって、 前記タービンの冷媒導入口に設けられ、当該タービンに
    導入される気化した冷媒の量を調整するためのタービン
    入口弁、 前記第2の熱交換器と前記第1の熱交換器との間に設け
    られ、前記第2の熱交換器から前記第1の熱交換器に気
    化した冷媒をバイパスするためのバイパス経路、 前記バイパス経路上に設けられ、前記第2の熱交換器か
    ら前記第1の熱交換器にバイパスされる気化した冷媒の
    量を調整するためのバイパス弁、 前記発電機の発電電力を監視し、当該監視された発電電
    力が予め定められた設定値を越えたときに、前記発電機
    の発電電力と予め定められた設定値との差が小さくなる
    ように、前記バイパス弁の開度を制御するためのバイパ
    ス弁制御手段、および前記第1の熱交換器内の気化した
    冷媒の圧力を監視し、当該気化した冷媒の圧力が予め定
    められた設定値と一致するように前記タービン入口弁の
    開度を制御するためのタービン入口弁制御手段を備え
    る、冷媒循環式発電システムにおける電力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記タービン入口弁は、相対的に応答速
    度が速い弁によって構成され、 前記バイパス弁は、相対的に応答速度が遅い弁によって
    構成されている、請求項1に記載の冷媒循環式発電シス
    テムにおける電力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記バイパス弁制御手段は、前記発電機
    の発電電力と予め定められた設定値との差が所定値以下
    になったことに応答して、前記バイパス弁の開度制御を
    停止するための不感帯を有している、請求項1または請
    求項2に記載の冷媒循環式発電システムにおける電力制
    御装置。
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