JP2526536B2 - 熱転写記録用シ―ト - Google Patents

熱転写記録用シ―ト

Info

Publication number
JP2526536B2
JP2526536B2 JP3202651A JP20265191A JP2526536B2 JP 2526536 B2 JP2526536 B2 JP 2526536B2 JP 3202651 A JP3202651 A JP 3202651A JP 20265191 A JP20265191 A JP 20265191A JP 2526536 B2 JP2526536 B2 JP 2526536B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
sheet
pigment
recording sheet
thermal transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3202651A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0899474A (ja
Inventor
裕 小島
博 上田
幸雄 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP3202651A priority Critical patent/JP2526536B2/ja
Publication of JPH0899474A publication Critical patent/JPH0899474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2526536B2 publication Critical patent/JP2526536B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写記録用シートに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラープリンタの需要が広がって
きている。とりわけノンインパクト記録方式の一種であ
る熱転写記録、特に溶融型熱転写記録は、簡便な装置で
信頼性が高く、比較的高解像度の画像が得られ、またカ
ラー記録が可能であること、ドットプリンタ等のインパ
クトプリンタに比較し極めて静粛でありオフィスで使い
やすいことなどから高い評価を受けていた。一方熱転写
プリンタにおいても印字速度の高速化が望まれ、印字抜
け、解像度、印字品質の向上の要求が高まってきてい
る。
【0003】更に最近では対応するインクシートの改良
も進み、低平滑な普通紙にも十分印字可能な状態となっ
ている。しかし、カラー記録に対する一層の品質改善要
求に対しては、従来の表面性の粗い普通紙では均一なイ
ンクの転写が行なわれがたく、印字かすれ、ドット抜
け、記録むらなどが生じ、高精細、高速記録には適さな
い。
【0004】これらを改良する目的で、塗工紙タイプの
熱転写受像紙の提案も既に幾つかなされてきている。例
えば、特公昭59−16950号公報では水溶性結着剤
と顔料とからなる塗工層を設けた受像紙が提案されてい
る。また特開昭59−182787号公報では、非板状
形無機顔料を主体とする塗工層の光沢度20%以上の受
像紙が、また特開昭60−192690号公報ではアラ
ゴナイト系軽質炭酸カルシウムと合成高分子ラテックス
をバインダーとした受像紙が提案されている。これら従
来の塗工紙タイプの熱転写記録用受像紙の基本的な考え
方は、熱溶融性インクの均一な転写を図るため、受像紙
表面をいかに滑らかにしかつ光沢を高めて表面の均一性
を得るかであった。
【0005】一方これら熱転写記録では、高価格な消耗
品であるインクシートの色材の利用効率を高めるため、
インクシートの材料や構造、記録方法において様々な工
夫がなされてきている。例えば記録方法の改善として
は、同一インクシートで多数回使用が可能なように、イ
ンクシートの色材を含有する部分が多孔質樹脂型あるい
は石垣構造など特別な構造を有するものがみられ、また
記録シートに対しインクシートの順方向あるいは逆方向
の相対速度を小さくする方法などがみられる。後者の方
法では、従来の熱転写記録用紙、すなわち表面平滑性の
高い非塗工の普通紙タイプのものや高精細記録やカラー
記録用に改良された塗工紙タイプのものでは、(1) イン
クの均一な転写性が得られない、また尾引きや地汚れが
発生するなど記録特性の低下がみられる、更に(2) イン
クシートと記録シートと貼付きやずれなどの走行安定性
が悪化するなどの欠点がみられる。
【0006】インクシートと記録シートの走行安定性を
得るには、すでに記録層に公知の滑剤を添加する方法が
あり、他に特開昭61−244589号公報にみられる
ようにポリアルキレンシリコーンコポリマーを含有させ
る方法などがある、その他目的が異なるが様々な滑剤を
添加する技術としては特開昭61−177289号公報
にみられるようなものがある。しかしながらこれらの方
法では上述の記録特性や走行安定性を十分に満足させる
ことはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクシー
トと記録シートが相対速度を有する熱転写記録におい
て、記録濃度が高く、尾引きや地汚れがほとんどなく、
印字むらのない均一な転写性を有し、インクシートと記
録シートとのは貼り付きがない走行安定性の優れた熱転
写記録用受像シートを提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】熱転写記録において、熱
転写インクが満足すべき状態で転写されるための記録シ
ートが必要とする一般的な条件は次のようである。
【0009】第一に、インクが均一にかつ高速で転写さ
れるには、記録シートの表面は、一般にマクロ的には滑
らかで平滑性の高いものでなければならない。
【0010】第二に、均一に且つ確実に転写されるに
は、インクと記録シートの結合力をPa、インクとその
支持体(ベースシート)との結合力をPbとした場合、
Pa>Pbという条件が必要である。Pbはインクとイ
ンクの支持体により決定され、Paはインクと記録シー
トで決定される。記録の高速化とともに、記録インクは
非常に短い時間での記録シートに転移定着が要求される
ようになり、熱転写記録においては、インクの切れを向
上する目的で比較的粘性が高くかつ凝集力が強いインク
が使用されるようになってきている。これらの物理的条
件に対し、印字特性からみた熱転写記録における課題
は、ドット再現性の問題であり、それらを並べてみる
と、(1) Pa<Pbの場合や記録シートの凹凸が大きい
た場合に生じるドットが全く転写されないドット抜けの
問題、(2) Pa=Pbの場合に起こる転写されたドット
の一部が欠けるドット欠けの問題、(3) ドット周囲の滑
らかさが欠け凹凸に転写されるという問題がある。
【0011】これらの点を考慮しながら、本発明では主
としてインクシートと記録シートが相対速度を有する熱
転写記録場合について検討を行なった。インクシートと
記録シートが相対速度を有する熱転写記録方法は、主と
してインクシートの節約使用を試みる目的であり、具体
的には両者をそれぞれ同じ方向あるいは逆方向に走行さ
せ、インクシートの送り量を記録シートの1/n(nは
1より大)とするものである。このような相対速度を有
する場合は、両者の間には常に摩擦力が生ずるため、印
字においてこれまでとは考えられない程度のインクによ
る尾引きや地汚れが発生する。インクシートと記録シー
トとの間に生じる摩擦力は、次のように考えられる。 F=(1−r)f1 +r・f2 f1 :記録シート表面とインクシートのインク表面との
摩擦力 f2 :記録シートに転写されたインク表面とインクシー
トに残されたインク表面との摩擦力 r:インクが転写された比率
【0012】この摩擦力の発生が尾引きや地汚れの発生
の要因になるものと思われ、摩擦力Fをできるだけ小さ
くすればそれらの大きな対策になり得る。f2 は専らイ
ンクの構成材料に起因するものであり印字特性を考慮し
ながらできるだけf2 の小さいものを選択する必要があ
る。一方f1 を小さくするには、既に述べたように公知
の滑剤を添加する方法や、記録シート表面の平滑性を高
める手段がある。しかしながら記録シート表面に全体的
(マクロ的)に滑性を与えてしまうとインクの定着性に
寄与するPaが低下してしまい、印字むら、印字濃度低
下、印字抜け等が生ずる。すなわちインクシートと記録
シートが相対速度を有する場合は、Paを低下させない
でf1 を小さくする方法によって尾引きや地汚れのない
かつ印字特性の優れたものが得られることとなる。
【0013】更に相対速度を有するインクシートと記録
シートとの貼り付きの問題を検討してみる。記録方式の
違いにより異なるが通常熱転写プリンタでは印字速度を
早めるため印字部の比率(ベタ比率)によって印字速度
を変えて対応するような形をとっている。貼り付きは多
くの場合、ベタ比率が高く、速度変化が生ずるときに起
きている。貼り付きが生じると、画質においては細線切
れやベタ部の印字抜けの問題、貼りついたインクシート
と記録シートとの剥離音(”鳴き”)が生じる、さらに
はインクシートや記録シートの走行トラブルなどの問題
が起きる。貼り付きの現象はスティック−スリップ現象
(Stick-Slip Motion )としてとらえることができる。
すなわちインクシートと記録シートとの相対速度がある
一定の速度以下で、インクシートと記録シートとの接触
面積が大きくなるような状態、あるいは大きな速度変化
が生じることにより急激に摩擦力が大きくなるような時
に、貼り付きが発生するものと推定される。従って貼り
付きを防止するためには、インクの凝集力や熱溶融粘度
などのインク特性だけでなく、記録紙表面の平坦性・凹
凸形状、その表面とインクとの親和性、インク吸収性、
インク捕獲性などの表面特性が大きく関わっていること
を見いだした。
【0014】以上のことから、上述の課題を解決するた
めに記録シート表面に必要とされる条件は、互いに相反
する条件を含んでいるため、これらの条件を同時に満足
するのは困難であった。
【0015】本発明者らは、これらの条件を実現する方
法に付いて鋭意検討を重ねた結果、熱転写記録用シート
の記録面の状態が重要であることを見いだした。即ち、
記録面はパルプ繊維と顔料が混在して露呈しており、パ
ルプ繊維の露呈率は面積比率で20%以下であり、かつ
記録面のプリントサーフ表面粗さ計による表面粗さが
2.5〜5μmの範囲になければならない。このような
記録面の状態は、支持体上に少なくとも顔料と水性接着
剤とかなる塗料を塗布あるいは含浸して記録層を設けた
塗工紙タイプの熱転写記録用シートの場合は、記録層を
顔料固形分で5g/m2 以下、好ましくは0.5〜5g
/m2 塗工し、必要に応じて平滑化処理することによっ
て、また、普通紙タイプ、即ち顔料とパルプ繊維を主成
分とする紙料を抄紙して作成する熱転写記録用シートの
場合は、主として顔料の種類とパルプ繊維に対する配合
量及び脱水速度などの抄紙条件を調整して抄紙した後、
必要に応じて平滑化処理することによって得ることがで
きる。
【0016】本発明では記録層表面にパルプ繊維と顔料
が混在して存在することが重要なポイントの1つであ
り、その存在状態は、顔料が繊維間の空隙を埋めかつパ
ルプ繊維の表面の大部分を顔料が均一に薄く覆っている
状態でなければならない。
【0017】シート表面での顔料の露出割合を測定する
手段には様々な方法がある。例えば(1) 記録シートを断
面方向にできるだけ薄く分割し最も最上層のシートを灰
化し顔料分を測定し算出する方法、(2) 走査型電子顕微
鏡(SEM)を用いて記録シート表面の反射電子像を得
て顔料部分と繊維部分とに分けてその面積割合を算出す
る方法、(3) 同じくSEMを用いて顔料に該当する元素
の特性X線像をマッピングにより作成し画像解析装置な
どにより顔料の記録シート表面での面積割合を算出する
方法などがある。本発明では(2) による方法で、すなわ
ちある一定面積での記録層表面の反射電子像からパルプ
繊維部分の面積Fmm2 と顔料部分の面積Pmm2 を測定
し、そのパルプ繊維の露呈面積比率f=100×F/
(F+P)を求めた。
【0018】パルプ繊維を主とする支持体上に顔料を塗
工ないしは含浸する方法において用いる顔料は、焼成カ
オリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、合
成シリカ、合成珪酸塩、炭酸マグネシウムが好ましい、
これらの顔料の中でもより印字特性に優れたものは、平
均粒径が1ー20μmの範囲のある程度多孔性(比表面
積が大きい)を有するものであって、上述顔料の中で
は、合成シリカ、軽質炭酸カルシウム、合成珪酸塩、炭
酸マグネシウムが好ましい。特に、板状あるいは球状の
塩基性炭酸マグネシウムが好適である。これらの顔料に
対し、本発明の印字特性を変えない範囲で他の顔料も適
宜加えることができる。それらの例としては、焼成カオ
リン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、合成
シリカ、合成珪酸塩、クレイ、カオリン、酸性白土、タ
ルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウ
ム、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、サチンホワイ
ト、有機樹脂顔料等である。
【0019】ここで用いられるパルプ繊維としては、木
材繊維を中心とする植物のパルプ繊維、古紙などから再
生するパルプ繊維であり、これらのパルプ繊維に合成パ
ルプ繊維、合成繊維、無機繊維等を一部併用することも
できる。支持体としての繊維シートは、上記パルプ繊維
を主体とした上質紙・中質紙などの非塗工紙、故紙等を
利用した再生紙など、酸性・中性のいずれのものも使用
することができる。なおパルプ繊維支持体には本発明の
目的を損なわない程度に他の顔料、添加剤等が含有する
ことは可能である。
【0020】顔料を支持体場上に塗布含浸するための使
用する塗料に用いる水性接着剤は、特に限定するもので
はなく合成高分子ラテックスでも水溶性高分子接着剤で
もよい。本発明の塗料における顔料と水性接着剤との固
形分重量比は、40/60〜95/5が好ましく、更に
好ましい範囲は50/50〜90/10である。合成高
分子ラテックスとしては、スチレン−ブタジエン共重合
体、変性スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート−
ブタジエン共重合体、クロロプレンラテックス、アクリ
ル酸エステル及びメタアクリル酸エステルの重合体又は
共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−
マレイン酸エステル共重合体、アクリル−酢酸ビニル共
重合体、酢酸ビニル重合体などを例示することができ
る。また水溶性高分子接着剤としては、澱粉、カチオン
変性澱粉、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセ
ルロースやカルボキシメチルセルロース等のセルロース
誘導体、ポリアクリルアミド類、ポリビニルピリジン、
ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、カゼ
イン、ゼラチン、アルギン酸ソーダ、ポリスチレンスル
ホン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、澱粉−アクリロ
ニトリルグラフトポリマー加水分解物、スルホン化キチ
ン、カルボキシル化キチン及びキトサンとそれらの誘導
体等を例示することができる。
【0021】本発明の塗料には、他の様々な添加剤を必
要に応じて加えることが可能である。塗工適性改善を目
的とするものとしては、分散剤、増粘剤、離型剤、界面
活性剤、粘度調節剤、凝集剤、レベリング剤、耐水化剤
などがある。更に記録特性改善や記録紙の搬送性改善の
ために、滑剤や帯電防止剤などを加える。
【0022】また本発明の塗料の塗布あるいは含浸方法
としては、サイズプレス、エアーナイフコーター、ロー
ルコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテ
ンコーター、スプレー法等が挙げられる。
【0023】本願発明にあっては、塗工層は5g/m2
以下の微塗工でかつパルプ繊維露呈率が20%以下であ
ることが必須条件である。しかし、一般に、顔料と接着
剤を含む塗料を上質紙などの繊維性支持体の上に塗布し
た場合、顔料固形分でその塗布量が5g/m2 以下であ
ると、例えば紙パ技協誌第24巻第6号(1970年 6月)
303〜312頁にも示されているように、かなりの繊
維が露呈してしまうことが知られている。その比率が2
0%を越えると、すなわちパルプ繊維を中心とした表面
であれば貼り付き及び走行性はやや良好となるが、印字
濃度の低下、転写むらなどの画質の低下が生じる。記録
シート表面のパルプ繊維の露呈率を単に下げるだけなら
塗料の塗布量を大きくすればよいが、そうすると、印字
濃度がアップするなど画質は向上するが、貼り付き、鳴
き、走行トラブルなどの問題が生ずる。従って、本願発
明の目的を達成するには、塗料を顔料固形分で5g/m
2以下に塗布して、なおかつ記録シート表面のパルプ繊
維露呈率が20%以下とし、支持体の表面を均一にしか
も薄く、大部分の繊維が露呈することない表面記録層が
得られるように塗布する。
【0024】本発明の目的を達成する別な手段として
は、パルプ繊維と顔料を混合して抄紙する方法がある。
用いるパルプ繊維や顔料は、塗工方式で用いるものと同
様のものが使用でき、また同様に本発明の目的に沿う範
囲で他の顔料、添加剤も加えることができる。
【0025】また、本願発明の他の重要なポイントは、
記録シート表面の表面粗さを一定の条件にしなければな
らない。粗さの調整は、使用する顔料の種類と量、及び
平滑化処理により行なう。平滑化処理は通常カレンダー
処理であり、グロスカレンダーあるいはスーパーカレン
ダーおよびそれらの併用である。
【0026】紙の表面粗さあるいは平滑性を測定する試
験器としてはBekk(ベック)、王研式平滑度試験器、Wi
lliams Gurley Hill S.P.S、Sheffield 、Bendsen 、Pr
int-surf(プリントサーフ)など数多くの方法がある
が、それぞれ一長一短があり各々の目的にあわせて採用
されている。熱転写記録においては、記録シートはサー
マルヘッドによりある一定加圧条件で押さえつけられる
こと、またインクシートと記録シートとの密着性の問
題、インクの転写効率による印字特性への影響、インク
シート及び記録シートの搬送性などが問題となる。特に
記録シートとインクシートが相対速度を有する熱転写記
録においては、記録シート表面でのミクロな単位での平
坦性がそれぞれに大きな影響を与えているため、加圧条
件下でのミクロな表面粗さを的確に捉える必要がある。
上述の各機器の中ではプリントサーフ表面粗さ計のエア
ーフローイング幅(0.051mm)が最も小さく、一定
の加圧条件で測定するものでありまたバッキングも選択
できるなどの点で、前述の条件を満たすものである。本
発明の記録シートのプリントサーフ表面粗さ計による表
面粗さは1〜7μmが好ましくより好ましくは2.5〜
5μmである。この表面粗さが大きすぎると表面にある
インク定着性が悪化しベタ印字部の印字むら、印字抜け
などが生じ易くなり、全体としても不均一な画像とな
る、また貼り付きも生じ安くなるので好ましくない。一
方表面粗さが小さすぎると、尾引きや地汚れが発生しや
すくなる。好ましい表面粗さは、熱転写プリンタの種類
などにより異なり、本発明の記録シートの平滑化処理の
最適値は、上記表面粗さの範囲で他の性質を大きく変え
ることなくプリンタに合わせる必要がある。
【0027】
【作用】熱転写記録用シートが、顔料と繊維を抄紙して
なるか、顔料を固形分で5g/m2 以下の塗工層を有す
るものであるとき、記録用シートの記録面が、パルプ繊
維と顔料が混在しており、該記録面でのパルプ繊維の露
呈率が面積比率で20%以下であり、かつ該記録面のプ
リントサーフ表面粗さ計による表面粗さが2.5〜5μ
mであることを特徴とすることによって、インクシート
と記録シートが相対速度を有する熱転写記録において、
記録濃度が高く、尾引きや地汚れがほとんどなく、印字
むらのない均一な転写性を有し、インクシートと記録シ
ートとのは貼り付きがない走行安定性の優れた熱転写記
録用シートが得られたが、その理由は十分明かではない
がおおよそ次のようなことであろうと考えられる。
【0028】前期条件を満足した記録シートの記録面
は、顔料がパルプ繊維間空隙を埋めまた繊維表面の大部
分をを均一にかつ薄く被覆している状態である。このた
め記録面では紙層のマクロな凹凸は十分残っている状態
である。場合によっては、繊維がランダムに現れている
という特殊な表面状態を形成している。この表面状態に
よってマクロ的にはインクシートと記録シートとの間に
生じている摩擦力Fが分散緩和され、尾引きや字汚れの
少ない画像がえられるとともに、貼り付きによる印字抜
けや鳴き、走行トラブルなどがほとんどないものがえら
れる。一方摩擦力の分散緩和によって印字むらや印字濃
度低下が予想されるが、繊維間に充填ないしは繊維表面
を被覆している顔料によって構成されているミクロ的な
細孔が数多く存在することにより、熱溶融インクの吸収
性や捕獲性に優れ、印字ドットの均一な形成性に優れか
つ記録濃度が高いものが得られるものと思われる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。尚、以下の実施例において部及び%は断わらない
限り固形分重量部及び固形分重量%を示す。
【0030】[実施例1]水に分散剤として濃度40%
のアクリル酸ソーダ2部を加え、その水溶液に顔料とし
て板状の塩基性炭酸マグネシウム(平均凝集粒子径:
4.2μm、吸油量:160ml/100g)100部を
加えて撹拌分散した。次にバインダーとして50%濃度
のスチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン(Tg:
−12℃)10部と、更に10%濃度のポリビニルアル
コール(鹸化度:約99%、平均重合度:1700)3
0部をそれぞれ撹拌しながら加えて全体として固形分1
5%分散液を調製して塗布液とした。この塗布液を、メ
イヤーバーにて66g/m2 の上質紙の上に片面2.5
g/m2 (顔料固形分)塗布、乾燥した。更にこのシー
トをテストスーパーカレンダーにより塗工層表面の平滑
化処理を行い、パルプ繊維の露呈率5.6%、プリント
サーフ表面粗さ3.4μmの実施例1の記録シートを得
た。
【0031】[実施例2]水に分散剤として濃度40%
のアクリル酸ソーダ2部を加え、その水溶液に顔料とし
て合成珪酸アルミ塩(平均一次粒径0.025μm、B
ET比表面積135m2 /g)50部及び板状の塩基性
炭酸マグネシウム(平均凝集粒子径:5.6μm、吸油
量:140ml/100g)50部を固形分濃度25%で
分散し、次にバインダーとして濃度10%のポリビニル
アルコール(鹸化度:約99%、平均重合度:170
0)10部、55%濃度のエチレン酢酸ビニール樹脂
(MFT:0℃、粘度:1000C.P./25℃)20部
をそれぞれ撹拌しながら加えて全体として固形分17%
分散液を調製して塗布液とした。この塗布液を、メイヤ
ーバーにて66g/m2 の上質紙の上に片面3.2g/
2 (固形分)塗布、乾燥したのち、平滑化処理をし
て、パルプ繊維露呈率10.5%、プリントサーフ表面
粗さ3.2μmの実施例2の記録シートを得た。
【0032】[比較例1〜3] 適宜分散剤を加えた水溶液に対して、実施例2の塩基性
炭酸マグネシウムに代えて焼成カオリン(粒径2μm以
下90%、真比重2.7、見かけ比重0.251g/cm
3 )、軽質微粒炭酸カルシウム(柱状アラゴナイト系、
平均粒径2μm)、カオリン(粒径2μm以下92%、
真比重2,58、見かけ比重(0.822g/cm3
をそれぞれ用いた以外は実施例と同様にして塗料を調
製し、塗布乾燥後平滑化処理して、それぞれ比較例1、
2、3の記録シートを得た。各顔料の固形分塗布量、表
面粗さ、繊維露呈率は表−1に示すとおりである。
【0033】[比較例4、5]実施例1、2のそれぞれ
の塗料の塗布量を、8.9g/m2 、6.6g/m2
した以外は実施例1、2と同様にして比較例4、5の記
録シートを得た。顔料の固形分塗布量、表面粗さ、繊維
露呈率は表−1に示すとおりである。
【0034】実施例1、2及び比較例1〜4の各記録シ
ートの評価は、次のような方法で行ない、結果を表1に
示した。 (1)記録濃度 記録シートとインクシートの相対速度が5/1である熱
転写プリンタを用いて、単色(ブラック)による記録を
行い、ベタ記録部での記録濃度をマクベス濃度計で測定
した。 (2)尾引き ベタ印字部と白紙部の記録シートの流れ方向側の境界線
において及び文字部においてそれぞれインクの尾引きが
どの程度発生しているかを目視で判定した。B以上を合
格とした。 A:尾引きは境界部及び文字部のいずれもほとんどなく
良好である。 B:尾引きは境界部でややみられ文字部でもみられる。 C:尾引きは境界部及び文字部のいずれもでもおおくみ
られる。 (3)印字むら 上記プリンタにてベタ記録部の記録むら及び細線のドッ
ト抜けの状態を目視で評価した。B以上を合格とした。 A:ドット抜け、むらともほとんどなく、画質は良好で
ある。 B:ドット抜け、むらが若干見られ、やや画質が低下し
ている。 C:ドット抜け、むらが多く見られ、画質が悪い。 (4)貼り付き 上記プリンタにて一定の画像を出力させた時の貼り付き
状態を評価する。B以上を合格とした。 A:印字部の印字抜けもなく走行安定性に優れる。 B:印字部の印字抜けがやや見られる。 C:印字部の印字抜けが多くみられ鳴きが生じている。 D:印字部の印字抜けだけでなく記録シートの走行不良
が生じている。 (5)表面粗さ パーカープリントサーフ表面粗さ計Model PPS
78(H.E.MESSMER社製)により、クランプ
圧10Kgf/cm2 、ハードバッキングを用いて表面粗さを
測定した。 (6)記録紙表面でのパルプ繊維と顔料の比率測定 走査型電子顕微鏡(JSM840A、日本電子 (株)
製)を用いて記録シート表面の反射電子像(倍率200
倍)を得て顔料部分と繊維部分とに分けてその画像から
画像解析装置(IBASシステム、カールツァイス社
製)を用いて各シートの記録層表面でのパルプ繊維の露
呈率(面積比率%=繊維面積/(繊維+顔料面積)を求
めた。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1、2及び比較例1〜5は、パルプ
繊維支持体上に少なくとも顔料と水性接着剤からなる塗
料を含浸、塗布、または吹き付ける方法の例である。評
価を示した表−1をみると、適正な塗布量で、繊維露呈
率が面積比で20%以下であり、プリントサーフ表面粗
さ計による表面粗さが2.5〜5μmにあるものはきわ
めて優秀な成績で本願発明の目的を達成した記録シート
が得られているのに対し、本発明以外にあるものすなわ
ち、プリントサーフ表面粗さ、繊維の露呈率、塗布量が
本願発明で規定する範囲外にあるものは、印字適性と走
行安定性のどちらかあるいは双方がに欠け、本願発明の
目的を達成できないことを示している。
【0037】[実施例3、比較例6] 原料パルプとしてフリーネス(C.S.F )250mlのLB
KP100部を使用し、顔料として板状の塩基性炭酸マ
グネシウム(平均凝集粒子径:5.6μm、吸油量:1
40ml/100g)を35部加え、更にサイズ剤として
アルキルケテンダイマー(カチオン性、pH3.0、粘度
30C.P.S.)0.5部、歩留まり向上剤(ポリアクリル
アミドカチオン変性物、濃度0.5%で590C.P.S.)
0.03部添加・混合して、原料スラリーを得て、長網
抄紙機により抄紙して坪量66g/m2 のシートを得
た。更にこのシートをテストスーパーカレンダーにより
表面の平滑化処理を行いプリントサーフ表面粗さ計によ
る表面粗さが3.4μm、繊維露呈率16.2%の実施
の記録シートを得た。また平滑化処理の程度を変え
て、プリントサーフ表面粗さ計による表面粗さ2.3μ
m、繊維露呈率15.6%の比較例6の記録シートを得
た。
【0038】[比較例7]原料パルプとしてフリーネス
(C.S.F )400mlのLBKP100部を使用し、顔料
としてカオリン(カオリナイト属、球形凝集体、平均一
次粒子径0.1μ、比重2.2)を30部加え、更にサ
イズ剤として強化ロジンサイズ剤(コロパールCS、星
光化学工業 (株) 製)0.15部、硫酸バンド1部を添
加して抄紙機により抄紙して坪量66g/m2 のシート
を得、平滑化処理して表面粗さ2.3μm,繊維露呈率
35.5%の比較例7の記録シートを得た。
【0039】[比較例8]実施例3の原料パルプをフリ
ーネス400mlのLBKPに、また顔料である塩基性炭
酸マグネシウムの配合部数を20部に変更した以外は実
施例3と同様にして比較例8の記録シートを得た。
【0040】
【表2】
【0041】実施例3、比較例6〜8はあらかじめパル
プ繊維と顔料を混合したスラリーを調成したものを抄紙
機にて上記比率でパルプ繊維と顔料が露呈するように抄
き上げる方法によって得られる記録シートの例である
が、表−2の結果が示すように本発明の顔料を用いたも
のは優れた記録特性が得られている、又好ましい顔料で
ある塩基性炭酸マグネシウムを用いても繊維露呈率が2
0%を越えるものは印字特性が悪化している。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、記録面がパルプ繊
維と顔料とからなり、該記録面におけるパルプ繊維の露
呈率が面積比率で20%以下であり、かつ該記録面のプ
リントサーフ表面粗さ計による表面粗さが2.5〜5μ
mとし、記録面を記録層として塗工で得る場合はその顔
料の塗布量を固形分で0.5〜5g/m2 とした記録シ
ートとすることによって、熱転写記録において、記録濃
度が高く、しかも尾引きや地汚れがほとんどなく、印字
むらのない均一な転写性を有し、貼付きによる印字抜け
や鳴きがない優れた熱転写記録用受像シートが得られ
た。
【0043】更に本発明の記録シートは、インクシート
と記録シートが相対速度を有する熱転写記録法に優れた
特性を示すだけでなく、多数回使用が可能なインクシー
トに対しても汚れや尾引きの少ない優れた熱転写記録が
得られるといった効果がある。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプ繊維を主とする支持体上に、少な
    くとも顔料と水性接着剤を含有した塗料を顔料固形分で
    0.5〜5g/m2 (平米)含浸または塗布して設けた
    記録層を有する記録シートにおいて、該記録層表面はパ
    ルプ繊維と顔料が混在しており、パルプ繊維の露呈率が
    面積比率で20%以下であり、かつ該記録層表面のプリ
    ントサーフ表面粗さ計による表面粗さが2.5〜5μm
    であることを特徴とする熱転写記録用シート。
  2. 【請求項2】 顔料と水性接着剤との固形分重量比が5
    0/50〜90/10であることを特徴とする請求項1
    記載の熱転写記録シート。
  3. 【請求項3】 少なくともパルプ繊維と顔料を混合した
    原料を抄紙してなる記録シートにおいて、該記録層表面
    がパルプ繊維と顔料が混在してなり、該記録層表面のパ
    ルプ繊維の露呈率が面積比率で20%以下であり、かつ
    該記録層表面のプリントサーフ表面粗さ計による表面粗
    さが2.5〜5μmであることを特徴とする熱転写記録
    用シート。
  4. 【請求項4】 顔料が炭酸マグネシウムであることを特
    徴とする請求項1〜3記載の熱転写記録シート。
JP3202651A 1991-03-01 1991-08-13 熱転写記録用シ―ト Expired - Fee Related JP2526536B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3202651A JP2526536B2 (ja) 1991-03-01 1991-08-13 熱転写記録用シ―ト

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-36411 1991-03-01
JP3641191 1991-03-01
JP3202651A JP2526536B2 (ja) 1991-03-01 1991-08-13 熱転写記録用シ―ト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0899474A JPH0899474A (ja) 1996-04-16
JP2526536B2 true JP2526536B2 (ja) 1996-08-21

Family

ID=26375454

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3202651A Expired - Fee Related JP2526536B2 (ja) 1991-03-01 1991-08-13 熱転写記録用シ―ト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2526536B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003103943A (ja) * 2001-10-01 2003-04-09 Daio Paper Corp 被転写シート

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0899474A (ja) 1996-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5405678A (en) Ink jet recording sheet
JP2010228392A (ja) インクジェット記録媒体
JPS60219084A (ja) インクジエツト用記録媒体
JP5323809B2 (ja) インクジェット記録媒体
EP0291315A2 (en) Heat-sensitive recording paper
JP3871475B2 (ja) インクジェット記録シート及びその製造方法
GB2112154A (en) Heat-sensitive recording sheets
JP2526536B2 (ja) 熱転写記録用シ―ト
JP5414097B2 (ja) インクジェット記録媒体
JP2011213009A (ja) インクジェット記録媒体
JP3206130B2 (ja) 水性インクジェット記録用紙
JPH0338376A (ja) インクジェット記録用シート
JP3047611B2 (ja) キャスト紙用塗工液組成物
JP2003103943A (ja) 被転写シート
JPH1029368A (ja) 記録用シート
JP5167045B2 (ja) インクジェット用記録紙
JP2004332171A (ja) 印刷用塗工紙およびその製造方法
JP4050572B2 (ja) 湿式電子写真用記録シート
JP5330786B2 (ja) インクジェット用記録紙
JPH04219293A (ja) 熱転写記録用シート
JP3872253B2 (ja) 孔版印刷用受像シート
JP2001030631A (ja) 感熱記録紙用支持体
JP5489558B2 (ja) インクジェット記録媒体の製造方法
JP2002293008A (ja) インクジェット記録シート及びその製造方法
JP2011212954A (ja) インクジェット記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees