JP2526346B2 - 移動体方位測定方法及び装置 - Google Patents

移動体方位測定方法及び装置

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JP2526346B2
JP2526346B2 JP4142017A JP14201792A JP2526346B2 JP 2526346 B2 JP2526346 B2 JP 2526346B2 JP 4142017 A JP4142017 A JP 4142017A JP 14201792 A JP14201792 A JP 14201792A JP 2526346 B2 JP2526346 B2 JP 2526346B2
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久雄 尾野
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ユピテル工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地磁気を検出すること
により移動体の方位を検出する移動体方位測定方法及び
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の地磁気を利用した移動体の方位測
定装置としては、例えば特公平1−26001号公報等
に示されたものなどがある。この種の装置は、一般に移
動体の進行方向と直交するように第1の磁気検出コイル
を配置し、その進行方向と平行に第2の磁気検出コイル
を配置する。そして、それら両コイルで地磁気を検出
し、検出した磁力の大きさに対応する所定の電圧V1 ,
V2 を出力するようになっている。
【0003】今、本発明の説明で用いた図1(B)に示
すように東をX軸の正方向、北をY軸の正方向とし、移
動体Mが原点Oを中心とする円周上を周回した時の中心
Oと移動体Mを結ぶ線と、X軸との成す角を方位角θと
すると、 tan θ=V2 /V1 となる。よって、東方向から測定した移動体Mの方位角
θは、 θ=tan -1(V2 /V1 ) となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の方位測
定装置では、少なくとも2つの磁気検出コイルを必要と
し、しかも、両磁気検出コイルの出力に基づいて方位角
を算出していたため、以下に示す問題を有している。
【0005】すなわち、2個の磁気検出コイルを用いる
ことから、装置が大型化し、しかも、2個の磁気検出コ
イルを正確に直交状態で配置しなければならず、その組
立てが煩雑となる。さらに、移動体が一定速度で周回移
動した場合の各磁気検出コイルの出力波形は、サインカ
ーブとなるため、その極大値と極小値付近の変化量が少
なくなり、当該領域における検出精度(分解能)が低く
なる。そして、両磁気検出コイルが直交していることか
ら両出力波形は90度の位相差を生じ、結局90度間隔
で上記検出精度の低い領域が生じることになる。その結
果、90度間隔で上記したθを求める式における変数で
あるV1 ,V2 のいずれか一方が低精度となるため、結
局算出されたθの測定精度も低くなると言う問題を生じ
る。
【0006】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、一つの磁気検出手段
からの出力データに基づいて移動体の方位検出を可能と
し、測定精度の向上を図ることのできる移動体方位測定
方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る移動体方位測定方法では、地磁気の
水平成分を検出する磁気検出手段を移動体に装着し、事
前に移動体を旋回させる事で、その磁気検出手段により
得られた極大と極小のデータを記憶させておき、1つの
磁気検出手段からの出力データに対応する1または2個
の方位候補を前記の極大と極小のデータを用いた演算に
よって特定し、その方位候補が2個ある場合には、その
出力データの変位が以前のデータに比べて増加基調にあ
るか減少基調にあるかを判断し、その判断結果に基づい
ていずれか一方を特定するようにした。
【0008】また、上記方法を実施するために適した方
位測定装置としては、移動体に装着した地磁気の水平成
分を検出する磁気検出手段と、事前に移動体を旋回させ
た時の前記磁気検出手段の出力の極大値と極小値を記憶
する手段と、前記磁気検出手段から出力される出力デー
タ及び前記の極大値と極小値から前記移動体の方位角を
算出する演算手段と、前記磁気検出手段から出力された
以前の出力データを記憶する手段と、その以前の出力デ
ータと前記磁気検出手段から出力された最新の出力デー
タとを比較し、その最新の出力データの変位が以前のデ
ータに比べて増加基調にあるか減少基調にあるかを判断
する増減判断手段と、その増減判断手段の判定結果と、
前記最新の出力データに基づいて真の方位角を決定する
判定手段とを備えた。
【0009】また好ましくは、前記磁気検出手段を複数
異なる角度で設け、前記移動体の移動に伴う前記出力デ
ータの変化量の大きな磁気検出手段を選択する手段を設
け、その磁気検出手段からの出力データに基づいて前記
移動体の方位を測定することである。
【0010】さらに好ましくは、前記磁気検出手段を複
数異なる角度で設け、複数の磁気検出手段から得られる
出力データの大小並びに各々のデータの変位の増減状況
から前記移動体の移動方向が右回りか左回りかを決定す
る手段を備えることである。
【0011】また、本発明の装置が充分な記憶容量を有
する場合には、前記の極大値と極小値以外にも、各磁気
検出手段の値と、演算された角度、及び増減状況や回転
方向データを対比させた表形式データとして記憶させ
て、データを取り込む毎の演算を減らすことも可能であ
る。
【0012】
【作用】極大値及び極小値の特異点を除いて、一つの磁
気検出手段の出力値及び事前の移動体の旋回時の極大値
と極小値による演算結果からは、移動体の方位の候補と
なる2つの方位角が抽出される。そして、出力値の変動
状況、すなわち、増加しているのか減少しているのかを
判断し、上記抽出した2つの方位角の位置の正しい一方
を選択する。
【0013】また、地磁気に対する移動体の進行方向の
角度に応じて磁気検出手段の測定精度も変化し、極大値
や極小値付近では精度が悪化する。そこで、磁気検出手
段を複数設けた場合には、個々の検出手段の極大値と極
小値から測定精度の高い磁気検出手段を決定し、その決
定された磁気検出手段の出力値に対して上記の処理を行
うことにより、高測定精度で、方位測定が行われる。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る移動体方位測定方法及び
装置の好適な実施例を添付図面を参照にして詳述する。
【0015】まず、図1,図2をもとにして本発明の基
本的な概念並びに原理・構成について説明する。図示す
るごとく、例えば移動体Mの中心に磁気センサ10を設
置する。この磁気センサ10は、本例では1個の磁気検
出コイル11を有しており、この磁気検出コイル11の
向きは、移動体Mの進行方向と直交するように配置して
いる。そして、この磁気検出コイル11で地磁気を検出
するが、その出力値は、地磁気に対する磁気検出コイル
11の向き、すなわち、移動体Mの方位によって変動す
る。
【0016】すなわち、図1(B)に示すように、仮想
円を描き、図中0度の位置を東、90度の位置を北、1
80度の位置を西、270度の位置を南とする。そし
て、移動体Mが、その仮想円上を反時計方向(左回転方
向)に周回移動した時の磁気検出コイル11の出力は以
下のようになる。まず、移動体Mが0度の位置(東に位
置している)にいる時、移動体Mは北を向いており、磁
気検出コイル11の向きと地磁気の向きとが直交するた
め、出力は0となる。次いで、移動体Mの移動にともな
い、その移動体Mが90度(北)の位置に来た時には、
磁気検出コイル11の向きと地磁気の向きとが一致する
ため、その出力は極大値となる。同様に、180度
(西)の位置では出力は0となり、270度(南)の位
置では出力は極小値となる。そして、各間の位置におけ
る出力の変化は、図2(A)に示すように、サインカー
ブとなる。
【0017】したがって、上記出力値を検出することに
より、方位角θ、すなわち、移動体Mの方位を知ること
ができる。しかし、図2から明らかなように、ある出力
値が検出されると、極大値及び極小値の特異点を除いて
それに対応する方位角θが2つ存在するため、そのまま
では移動体Mがどの位置に位置しているかが不定とな
る。そこで本発明では、上記2つの方位角θ1 ,θ2 が
極大値または極小値を挟んで両側に位置することに着目
し、出力値が増加基調にあるか減少基調にあるかを検出
し、いずれか1つを決定するようにしている。すなわ
ち、図示する例では、出力値が増加基調にあれば、移動
体Mは方位角θ1 に位置することになり、減少基調にあ
れば方位角θ2 に位置することになる。そして、この増
減方向の検出は、例えば、前回検出した出力値を記憶し
ておき、その前回データと今回検出された出力値との差
をとることにより容易に検出することができる。これに
より、一つの磁気検出コイル11からの出力に基づいて
移動体Mの方位を検出することができる。
【0018】また、図2(B)に示すように、最大値付
近の80度〜90度における増加(変化)量Δh1 は、
中間の35度〜45度における増加(変化)量Δh2 に
比較して少ない。したがって、検出精度が低くなる。そ
こで、好ましくは、上記磁気検出コイル11と任意の角
度で交差する他の磁気検出コイルを1個以上設置し、磁
気検出コイル11の検出精度の落ちる領域では、他の磁
気検出コイルからの出力値データを用いて移動体Mの方
位の測定をすることである。
【0019】例として、両磁気検出コイルが直交状態の
交差配置となったとすると、図1(B)中ハッチングで
示す領域では磁気検出コイル11の検出精度より新たに
設置した他の磁気検出コイルの検出精度の方が高くな
る。したがって、移動体Mがどの領域に位置しているか
を判断し、検出精度の高い磁気検出コイルの出力値に基
づいて移動体Mの方位測定を行う。
【0020】図3は、上記した測定方法を実施するため
の測定装置の第1実施例を示している。本例では、前者
の1つの磁気検出コイルを用いたものについての適用例
である。同図に示すように、地磁気の水平成分を検出す
る磁気センサ10は、一つの磁気検出コイル11と、こ
の磁気検出コイル11を励振するドライブコイル12を
有している。そして、このドライブコイル12に周波数
fの交流信号を生成する発振器14の発振出力が供給さ
れるようになっている。
【0021】また、磁気検出コイル11の検出出力は、
増幅器15を介して位相検波器16に入力される。位相
検波器16には、発振器14の発振出力を逓倍し、周波
数2fの周波数の交流信号に変換する逓倍器17の出力
信号が入力されるようになっており、この逓倍器17の
出力信号に基づいて位相検波器16では増幅器15より
入力される磁気センサ10の検出出力が位相検波され、
その出力信号は制御回路20に入力されるようになって
いる。そして、上記磁気検出コイル11,ドライブコイ
ル12,発振器14,増幅器15,位相検波器16並び
に逓倍器17にて、1つの磁気検出手段が構成されてい
る。
【0022】制御回路20は、位相検波器16から与え
られた信号及び記憶部22からの極大と極小データに基
づいて移動体の方位角等を算出する演算回路21と、そ
の演算回路21の出力データを記憶する記憶部22と、
その記憶部22に過去に格納されたデータと演算回路2
1から出力される最新のデータとの異同並びに大小を比
較する比較部23と、その比較部23の出力と前記演算
回路21の出力データから移動体の方位を判定する判定
回路24とを備えている。ここで移動体Mの磁気検出コ
イルから、地磁気上の東方向へ伸ばした線を基準線とし
て測定した移動体Mの方位角θは、事前の1周超の旋回
時に得られたデータの極大値をLmax ,極小値をLmin
,さらに測定時の磁気検出コイルの出力値をLとする
と、
【0023】
【数1】 θ=sin -1{2L−(Lmax +Lmin )/(Lmax −Lmin )}…(1) で与えられる。
【0024】尚、事前のデータは1周超(360°超)
が望ましいが、充分なデータ精度とデータ解析が得られ
れば、上記式から半周超(180°超)でも極大値,極
小値の算出は可能と考えられる。
【0025】演算回路21では、位相検波器16から送
られた出力値をA/D変換する。例えば8ビットのA/
D変換器を備えているとすると、極大値となる方位角θ
=90度のときの位相検波器16の出力レベルを+12
8とし、極小値となるθ=270度における出力レベル
を−128とする。そして、この変換された出力値デー
タに基づいてその出力値データに対応する方位角θを算
出できるようになっている。そして、上記出力値データ
並びに必要に応じて方位角θを所定の箇所に送るように
なっている。
【0026】記憶部22は、事前に得られた極大値と極
小値データ,及びその両値と出力値データから得られた
方位角θと実際の方位の関係を格納した方位基準データ
部と、演算回路21により求められた前回の出力値デー
タを記憶する前回データ記憶部とを有している。
【0027】比較部23は、演算回路21から与えられ
た最新の出力値データと、記憶部22の前回データ記憶
部に格納された前回の出力値データとを比較し、両者が
同一か否かの判断、並びに異なる場合には両者の差を求
め、最新の出力値データが増加基調にあるのか減少基調
にあるかの判断を行い、その判断結果を方位判定回路2
4に送るようになっている。さらに、最新の出力値デー
タを一時記憶するためのバッファメモリを備えており、
そのバッファメモリに格納された最新の出力値データに
基づいて上記処理がなされる。そして、上記判断がなさ
れたなら、必要に応じてバッファメモリに格納された最
新の出力値データを記憶部22の前回データ記憶部に送
り、次回の比較処理に備えるようになっている。
【0028】方位判定回路24は、演算回路21から送
られて来た最新の方位角データと、記憶部22から送ら
れて来た方位角信号に対する方位基準データと、比較部
23から送られて来た判断信号とに基づいて、移動体M
の現在の方位角θを決定するようになっている。
【0029】次ぎに、上記した装置を用いて本発明に係
る方位角測定方法の一実施例について説明する。まず、
方位角の測定に先立ち、記憶部22の極大値/極小値デ
ータ部に格納する出力値データを求めるためにキャリブ
レーションを行う。
【0030】すなわち、図4に示すように、まず、移動
体Mが左回りをするか右回りを選択する(S101)。
この選択としては、選択スイッチ等を設けそれを手動に
てセレクトするようにしても良く、或いは、移動体Mの
ハンドルの操舵角(回転方向)等を検出することによ
り、自動的に検出するようにしても良い。
【0031】次いで、選択した方向(例えば左方向)に
少なくとも一周回る。この周回移動は極大値と極小値を
得るのみで良いので定速度で行う必要はなく任意速度で
良い(S102)。そして、演算回路21にてその移動
時に得られる時事刻々と変化する出力値データを検出
し、その正の最大値を極大値とし、負の最大値を極小値
として、記憶部22の極大値/極小値データ部に記憶さ
せる(S103)。また、方位角θの算出は、前記式
(1)にて上述したごとく極大値が90度、極小値が2
70度、負から正に変わる零出力の時が0度で、正から
負に変わる零出力の時が180度となり、前記の方位基
準データと対比させる事で、容易に求めることができる
ので、次ぎに説明する方位測定のために、このキャリブ
レーションを終了し、移動体Mを停止した時の出力値デ
ータを記憶部22の前回データ記憶部に初期値として格
納しておくのが好ましい。
【0032】このようにして、出力値データの極大値と
極小値が求められたなら、実際の方位測定に移る。すな
わち、図5に示すように、まず、上記と同様に右回りを
するか左回りをするかを選択(仮に左回りを選択したと
して以下説明する)し、最新の出力値データ(今回デー
タ)を算出する(S201,202)。
【0033】そして、比較部23にてその出力値データ
と記憶部22に格納していた前回の出力値データ(前回
データ)とが等しいか否かを判断し、等しい場合には移
動体Mは前回の出力値データを検出した時から移動して
いないことを意味するため、ステップ202に戻り、再
度最新の出力値データを求める。また、両データが異な
る場合には、移動体Mが移動したことを意味するため、
次ぎのステップに移る(S203)。
【0034】すなわち、両データの差を取ることによ
り、今回データが前回データより大きいか否かを判断す
る(S204)。そして、大きい場合には、増加基調に
あるため、方位基準データを読み込み、今回データに対
応する方位角のうち0〜90度或いは270〜360度
の範囲内にあるものを現在の方位角θと判定し、それを
出力表示する(S205,206)。また、逆に小さい
場合には、減少基調にあるため、方位基準データを読み
込み、今回データに対応する方位角のうち90〜270
度の範囲内にあるものを現在の方位角θと判定し、それ
に基づいて移動体Mの方位を出力表示する(S207,
S205)。そして、比較部23のバッファメモリに格
納された今回データを記憶部22の前回データ記憶部に
書き込む(S208)。以後、上記処理を繰り返すこと
により、最新の移動体Mの方位を測定し、表示すること
が可能となる。
【0035】なお、表示する際にラッチ等を設けること
により、方位角θに関する新たなデータが入力されない
限り、前回の値を保持(表示)するようにすれば、たと
えステップ203にて両データが等しく、ステップ20
4以降の方位判定処理に移行しない場合であっても、移
動体Mの現在の方位が表示される。また、移動体Mが右
回りに移動する場合には、増減の方向が上記と逆になる
ため、上記した各分岐における判断を逆に行えば良い。
【0036】図6は、本発明に係る方位測定装置の第2
実施例を示している。本例では、上記第1実施例で説明
した磁気検出コイルを2個用い、1個の磁気検出コイル
では測定精度の低下する極大値及び極小値近辺を、他の
角度で取付けた別の磁気検出コイルを使用したデータ処
理システムに切り替えてやる事で測定精度の向上を図っ
ている。同図に示すように、基本的には上記した第1実
施例と同様の構成を採っているため、同一符合を付し説
明を省略する。本例では、上記第1実施例における磁気
検出コイル11(以下、これを「第1コイル」と称す)
と、直交するようにして他の磁気検出コイル11a(以
下、これを「第2コイル」と称す)を設けている。そし
て、第2コイル11aの出力にも、第1コイル11と同
様に、増幅器15a並びに位相検波器16aを接続し、
その位相検波器16aの出力を演算回路21に入力して
いる。すなわち、第1コイル11に関連する装置が一の
磁気検出手段を構成し、第2コイル11aに関連する装
置が他の磁気検出手段を構成する。
【0037】また、制御回路20aを構成する各部も基
本的には上記第1実施例におけるものと同様の機能を有
しているが、本例では、第1,第2コイル11,11a
の出力値データを適宜切り替えながら最適な出力値デー
タを用いることから、以下に示す機能を付加している。
【0038】すなわち、演算回路21aは、第1コイル
11並びに第2コイル11aの出力値データに対してそ
れぞれ独立に上記したデータ処理を行うとともに、両コ
イルの出力データの極大値と極小値の中点を0とした絶
対値か、両コイルの出力データの和と差を、データ選択
用に出力するようになっている。
【0039】また、記憶部22aにおいても、第1,第
2コイル11,11aのそれぞれに対して方位基準デー
タ部並びに前回データ記憶部を備えており、さらに、右
回り/左回りを判定するための両コイル11,11aの
値と変位の正負関係等のデータ,又、必要に応じ両コイ
ルの出力の和と差の正負関係のデータが格納されてい
る。
【0040】さらに、演算回路21aから出力される今
回データから移動体Mが領域I,IIに位置しているか或
いは領域III ,IVに位置しているかを判断し、高精度の
磁気検出手段を選択する選択部25a並びに、その今回
データと記憶部22aに格納された前回データから移動
体が右回り/左回りのいずれであるかを決定する決定部
26aを備えている。
【0041】次ぎに、上記した実施例に基づいて、本発
明に係る方位測定方法の他の実施例について説明する
と、この例でも上記した例と同様に、キャリブレーショ
ンを行う。すなわち、図7に示すように、所定方向に一
周超回り、その時の第1コイル11並びに第2コイル1
1aのそれぞれに対する出力値の極大値と極小値を得
て、そのデータを記憶部22aに格納する。これにより
キャリブレーションが終了する。
【0042】この時の各コイルの出力値の変化に着目す
ると、図8に示すようになっている。すなわち、ある方
位における第1コイル11と第2コイル11aの出力
は、右回りと左回りにかかわらず同一になるが、第1実
施例で説明した増加基調か減少基調かに着目すると、旋
回方向が逆の右回りと左回りでは、増加基調と減少基調
はまったく逆になる。
【0043】言い換えれば、図8において、右回りと左
回りの旋回を、同一円周上で、一定速度で行ったとする
と、「右回りの第1コイル11と第2コイル11aの出
力サインカーブ」上を、逆方向からトレースしたのが
「左回りの第1コイル11と第2コイル11aの出力サ
インカーブ」と言う事になる。
【0044】更に図9,図10によって説明を加えれ
ば、移動体が右方向に旋回中であるか、左方向に旋回中
であるかの判断が、第1コイル11と第2コイル11a
の出力の増加基調か減少基調かで、データ更新毎に連続
して判断していく事が可能になることがわかる。
【0045】従って、第1実施例では、磁気検出コイル
の出力により候補にあがった2方向を、1方向に特定す
る為のみに、磁気検出コイルの出力の増加基調か減少基
調かを用いたが、第2実施例では、上記に加えて、磁気
検出コイルの出力の増加基調か減少基調かが、右方向の
旋回と左方向の旋回で全く逆になる事を用いて、移動体
の旋回方向を特定できる。
【0046】これにより、第1実施例では旋回方向の違
いによるデータ判断基準の違いが出る事から、事前に設
定が必要だった右旋回か左旋回かを、第2実施例では逆
にその違いを利用して旋回方向を特定できるようにし
た。
【0047】このようにして、第1,第2コイル11,
11aの出力の極大値と極小値、及び、旋回方向の判定
基準データが求められたなら、実際の方位測定に移る。
すなわち、図11に示すように、最初に読み込んだデー
タを、キャリブレーション終了時の極大値/極小値と停
止位置のデータか、直前の方位測定におけるデータと比
較する事で、右回りか左回りかの旋回方向を判定し、次
に第1コイル11からの出力値データと第2コイル11
aからの出力値データに対して、それぞれ平行処理を行
い、出力値データに基づく方位角θを求める。この方位
角θを求める具体的な処理手順は、図5に示すステップ
202〜205,207を用いる。また、上記した図5
に示す処理では、予め移動体Mの移動方向が右回りか左
回りを設定するようになっているが、本例では、第1,
第2コイル11,11aの出力値データを利用して、上
記した判定原理に基づいて右回りか左回りかをデータ更
新毎に決定し、その決定データに基づいて上記した並列
処理を行うようになっている。
【0048】次いで、移動体Mの存在位置が、領域I,
IIにあるか否かを判断し、領域I,IIにある場合には、
検出精度の高い第1コイル11に基づく判定結果を用い
る。また、上記領域以外、すなわち、領域III ,IVに位
置する場合には、検出精度の高い第2コイル11aに基
づく判定結果を用いる。その領域判定方法としては、本
例のように両コイルが直交する場合なら、図8に示すよ
うに、極大値と極小値の中点を0とした絶対値での各コ
イルの出力データにしきい値を設け、その値を超えない
データを採用することで判定でき、別な方法としては、
各コイルの出力データの和と差で判定できる。そして、
その様にして決定された方位角θに基づいて、移動体M
の方位を出力表示する。
【0049】尚、右回り/左回りの判定を、方位判定処
理を行う都度行うようにした場合には、係る右・左の判
定の際に現在の移動体Mの存在領域を検出するため、第
1,第2コイル11,11aのいずれが高精度なのかを
検出できるため、その高精度のコイルの出力値データに
ついてのみ判定ステップに移行し、他のコイルの出力値
データに基づく判定処理を行なわないようにしてもよ
い。その他の構成並びに作用は上記した第1実施例と同
様であるため、その説明を省略する。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る移動体方位
測定方法及び装置では、一つの磁気検出手段に基づくデ
ータから移動体の方位を測定することができるため、装
置の簡略化等を図ることができる。また、磁気検出手段
を複数設置した場合には、検出精度の高い磁気検出手段
を用いて方位測定をすることができるため、測定精度の
向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本概念を説明するための図である。
【図2】磁気検出手段の方位角に対する出力値データの
関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る方位測定装置の第1実施例を示す
ブロック図である。
【図4】その作用を説明するためのフローチャート図で
ある。
【図5】その作用を説明するためのフローチャート図で
ある。
【図6】本発明に係る方位測定装置の第2実施例を示す
ブロック図である。
【図7】移動体の回転方向を判定するための原理を説明
するための図である。
【図8】移動体の回転方向を判定するための原理を説明
するための図である。
【図9】その作用を説明するためのタイミングチャート
図である。
【図10】その作用を説明するためのタイミングチャー
ト図である。
【図11】その作用を説明するためのフローチャート図
である。
【符号の説明】
11,11a 磁気検出コイル(磁気検出手段) 20,20a 制御部 21,21a 演算回路 22,22a 記憶部 23,23a 比較部 24,24a 方位判定回路 25a 選択部(変化量の大きな磁気検出手段を選択す
る手段) 26a 決定部(移動方向が右回りか左回りかを決定す
る手段)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地磁気の水平成分を検出する磁気検出手
    段を移動体に装着し、事前に移動体を旋回させる事で、
    その磁気検出手段により得られた極大と極小のデータを
    記憶させておき、1つの磁気検出手段からの出力データ
    に対応する1または2個の方位候補を前記極大と極小の
    データを用いた演算によって特定し、その方位候補が2
    個ある場合には、その出力データの変位が以前のデータ
    に比べて増加基調にあるか減少基調にあるかを判断し、
    その判断に基づいていずれか一方を特定することにより
    方位を検出する移動体方位測定方法。
  2. 【請求項2】 移動体に装着した地磁気の水平成分を検
    出する磁気検出手段と、 事前に移動体を旋回させた時の前記磁気検出手段の出力
    の極大値と極小値を記憶する手段と、 前記磁気検出手段から出力される出力データ及び前記の
    極大値と極小値から前記移動体の方位角を算出する演算
    手段と、 前記磁気検出手段から出力された以前の出力データを記
    憶する手段と、 その以前の出力データと前記磁気検出手段から出力され
    た最新の出力データとを比較し、その最新の出力データ
    の変位が以前のデータに比べて増加基調にあるか減少基
    調にあるかを判断する増減判断手段と、 その増減判断手段の判定結果と、前記最新の出力データ
    に基づいて真の方位角を決定する判定手段とを備えた移
    動体方位測定装置。
  3. 【請求項3】 前記磁気検出手段を複数異なる角度で設
    け、各々の磁気検出手段の極大値と極小値から前記移動
    体の移動に伴う前記出力データの変化量の大きな磁気検
    出手段を選択する手段を設け、その磁気検出手段からの
    出力データに基づいて前記移動体の方位を測定するよう
    にした請求項2に記載の移動体方位測定装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気検出手段を複数異なる角度で設
    け、複数の磁気検出手段から得られる出力データの大小
    並びに各々のデータの変位の増減状況から前記移動体の
    移動方向が右回りか左回りかを決定する手段を備えた請
    求項2または3に記載の移動体方位測定装置。
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