JP2525869Y2

JP2525869Y2 - 磁気テープカセット用収納ケース

Info

Publication number: JP2525869Y2
Application number: JP335291U
Authority: JP
Inventors: 清夫森田
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1991-01-10
Filing date: 1991-01-10
Publication date: 1997-02-12
Anticipated expiration: 2006-01-10
Also published as: JPH0497082U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は磁気テープカセット用収
納ケースに関し、特にオーディオ用磁気テープカセット
を保管する際に用いられる磁気テープカセット用収納ケ
ースの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】オーデイオ等に用いられる磁気テープカ
セットは、通常その保管時（不使用時）において、プラ
スチックからなる磁気テープカセット用収納ケース（以
下、単に「カセット用収納ケース」という）に収納され
る。

【０００３】前記カセット用収納ケースは、前記磁気テ
ープカセット（以下「カセット」という）が記録再生装
置に装填された際に磁気ヘッド等が挿入されるカセット
前方開口部を備え、且つ該前方開口部を横切るように装
架された磁気テープを有しているので、該前方開口部か
ら塵あいがカセット内に侵入するのを防止すると共に、
該前方開口部に位置している前記磁気テープの保護及び
カセット全体を保護する目的で用いられている。

【０００４】図６に従来のカセット用収納ケースの基本
的な構造を示す。カセット用収納ケース３１はカセット
２０の前方開口部が挿入されるポケット３４を備えた蓋
部３２と、カセット２０のシャフト挿入孔２２に入り込
む一対の回転防止突起７を備えたケーシング部３５から
なっている。そして、前記カセット用収納ケース３１は
前記ケーシング部３５の左右内側に突設された支軸とポ
ケット３４の端部側壁に透設された孔とが嵌合されるこ
とにより、前記ケーシング部３５と前記蓋部３２とが扉
の如く開閉できる。

【０００５】カセット用収納ケース３１は前記カセツト
２０の表裏面に対向する壁部３３、３６の間隔が、前記
カセット２０の前方開口部を形成するカセット厚み増大
部２１の厚さと対応する間隔を有して構成されている。
このため、前記カセツト用収納ケース３１は厚さｌ
₁が、前記カセツト厚み増大部２１を除くカセット厚み
ｌ₂に比べてかなり大きく構成されている。従って、前
記カセット用収納ケース３１は、前記カセット２０を裸
のまま保管する場合に比べてかなり大きな保管スペース
を必要とする。

【０００６】このため、一般ユーザーが前記カセット２
０を限られたスペース内に保管しようとする場合、例え
ば、自動車のコンソールボックス内に出来るだけ多く保
管しようとする場合、前記カセツト用収納ケース３１に
収容しないことがある。しかし、前記カセツト２０を前
記カセット用収納ケース３１に収容しないで保管する
と、塵あいがカセット内に侵入し易くなって、磁気テー
プの記録再生特性の低下を助長したり、落下等による衝
撃を直接受けて破損する等の問題があった。

【０００７】上記のような問題を解消すべく、本出願人
は、先に薄型のカセット用収納ケースをいくつか提案し
た（実開昭６０−１６３２７９号、実開昭６３−５２７
８２号公報）。

【０００８】この薄型のカセット用収納ケースは、カセ
ットをこれまでのものとは逆向きに収納して前記カセッ
ト厚み増大部をカセット用収納ケースの開放側に位置さ
せると共に、該カセット厚み増大部を受容する凹部をケ
ース上下壁面に形成した構造である。

【０００９】即ち、例えば既述の実開昭６３−５２７８
２号公報に記載された改良型のカセット用収納ケースに
ついて説明すると、このカセット用収納ケース１１は、
ポケット１４を有する蓋部１２と、ケーシング部１５と
が従来のカセット用収納ケースと同様に枢着されてお
り、前記蓋部１２及び前記ケーシング部１５のカセット
表裏面と広域的に対向する壁部１３、１６の開放側に
は、図５に示すようにカセット厚み増大部２１を受容す
る凹部１８、１８が形成されている。

【００１０】前記凹部１８、１８は互いに向い合うよう
にケース内側に形成され、前記カセット厚み増大部２１
を受容する深さ並びに形状に構成されている。

【００１１】これにより、前記カセット用収納ケース１
１は前記凹部１８、１８を除いた前記壁部１３と前記壁
部１６との間隔を、前記カセット厚み増大部２１以外の
厚さｌ２よりも極僅かだけ大きい間隔に構成することが
でき、従前のケースに比べてかなり薄手にすることがで
きる。従って、それ以前に比べて保管スペースの削減と
共に、携帯用としての使い勝手が大きく改善された。

【００１２】しかし、本願考案者の検討によると、更に
改良すべき課題を有していることが明かになった。

【００１３】

【考案が解決しようとする課題】すなわち、例えば、ク
ラシック音楽等の長い音楽である場合や、多数の音楽を
一つのアルバムとしてまとめたい場合においては、一つ
にカセットでは収録時間が不足することがある。そこで
２つ以上のカセットに分けて収録し、１組として保存す
る場合には、別々の収納ケースであると整理保管という
点から望ましくない。

【００１４】従って、一般ユーザーは１組のテープがば
らばらにならないように管理する必要があり、非常に不
便であった。例えば語学の学習用テープ等は学習プログ
ラムに沿って管理しなければならず、特別の管理ボック
スを使用しているのが実状である。

【００１５】このように、従来は複数、すなわち２個以
上のカセツトを同時に収納するカセツト収納ケースにつ
いては保管性が考慮されておらず、複数のカセットを収
納し得るうえに薄型になされたカセット収納ケース等は
その技術的思想さえもなかった。

【００１６】本考案は上述のような実状に鑑みて成され
たものであり、その目的は複数のカセツトを収納すると
共に、全体が薄型で保管の容易な収納ケースを提供する
ことにある。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本考案に係る前記目的
は、磁気テープカセットの端部を収容するためのポケッ
トを有する蓋部材と回転防止突起を有するケーシング部
とが回転自在に枢着されたカセット用収納ケースにおい
て、前記ポケットを画成する小壁部に第１の磁気テープ
カセットの厚み増大部を受容するための第１凹部を形成
すると共に、前記小壁部に対面する大壁部に前記第１凹
部とは離れた位置に、第２の磁気テープカセットの厚み
増大部を受容する第２凹部を形成し、少なくとも前記第
２の磁気テープカセットの前後位置を位置決めする手段
をケース内面に設け、２個の前記磁気テープカセットを
ハブ孔をほぼ一致させるように前後逆さに重ねた状態で
収容するように構成したことを特徴とするカセット用収
納ケースによって達成することができる。

【００１８】即ち、本考案のカセット収納ケースは、磁
気テープカセットを収納する際に、２つのカセットを前
後逆向きに重ね合わせるように収納できる構成である。
そして、その収納の際に、一方のカセットの厚み増大部
をポケットの第１凹部に受容させ、他方のカセットの厚
み増大部をポケットとは反対側の第２凹部に形成した第
２の凹部に受容させる。この結果、２個のカセットの厚
み増大部が交互にずれた位置で重なるように積層され、
しかも各厚み増大部がそれぞれ凹部に受容されるので、
カセットを２個重ねるように収納してもケース自体が薄
型ケースとなり、カセットの収納スペースを小さくする
ことができる。

【００１９】

【実施態様】以下、図１から図３を参照して本考案の第
１実施態様を説明する。なお、図１はカセット用収納ケ
ースの斜視図、図２はカセット収納状態を示す斜視図、
図３は要部の断面図である。

【００２０】カセット用収納ケース１は、２個のカセッ
ト２０の後端部と前端部、換言すれば厚み増大部２１と
を積層状態で同時に挿入し得るスペースに形成されたポ
ケット４を備えた蓋部２と、積層された前記カセツト２
０のシャフト挿入孔２２に入り込む１対の回転防止突起
４２を備えたケーシング部３から成っている。なお、回
転防止突起４２は、ケーシング部３を構成する壁部８に
形成されている。

【００２１】そして、前記カセット用収納ケース１は前
記ケーシング部３のカセット前後方向側壁９の内側に突
設された支軸１７を前記ポケット４の端部側壁に透設さ
れた孔に嵌合することにより、前記ケーシング部３と前
記蓋部２とをケース長手方向に扉の如く開閉できる。

【００２２】更に、前記蓋部の壁部６の先端部には、第
２の磁気テープカセット２０ｂ（図２参照）のカセツト
厚み増大部２１を受容する大きさの凹部５ａ（第２凹
部）が形成されている。一方、ポケット４を形成するた
めの枠壁を構成する小壁部４３の内壁面、換言すれば大
壁部６に対向する面には第１の磁気テープカセット２０
ａのカセット厚み増大部２１を受容する大きさの凹部５
ｂ（第１凹部）が形成されている。前記両凹部５ａ、５
ｂは２つの前記磁気テープカセット２０ａ、２０ｂを前
後逆にして積層状態で受容する場合に、各カセット厚み
増大部２１を互いに逆向きに受容するためのものであ
り、前述のように前記凹部５ａが第２凹部に相当し、前
記凹部５ｂが第１凹部に相当する。

【００２３】また、ポケット４内で大壁部６及びこの大
壁部６と直交する垂直壁部４４との角部には、一対のリ
ブ４５が形成されている。前記リブ４５は、第２の前記
磁気テープカセット２０ｂの位置決め手段であり、２つ
の前記磁気テープカセットカセット２０ａ、２０ｂを積
層した際に、それぞれのシャフト挿入孔２２を連通状態
になすためのものである。また、前記ケーシング３側に
もリブ４６が設けられており、カセットのケース内への
収まりを良くするように構成されている。

【００２４】即ち、シャフト挿入孔２２は、前記磁気テ
ープカセッット２０ａ、２０ｂの前後方向（幅方向）の
中心線上に形成されているのではなく、少し後端側に偏
寄している。このため、２つの前記磁気テープカセット
２０ａ、２０ｂの外郭が完全に一致するように積層した
のでは、シャフト挿入孔２２は一致した位置に対応せ
ず、ケース内の片側に形成された前記回転防止突起４２
をそのまま挿通させることができない。そこで、シャフ
ト挿入孔２２を連通させるための位置合わせ部材として
前記リブ４５を設けた。

【００２５】そして、前記両磁気テープカセット２０
ａ、２０ｂをケースに収納する場合は、例えば前記第１
のカセット２０ａ、即ち図２に示す上側のカセットのカ
セット厚み増大部２１を前記リブ４５に当接しないよう
にポケット４内に挿入し、次に前記第１のカセット２０
ａと前記大壁部６との間に、前記第２のカセット２０ｂ
を、該カセット２０ａとは逆さに挿入する。このような
手順にて収納することにより、前記凹部５ｂが図示のよ
うに前記小壁部４３の端縁まで延ばされていなくとも、
該凹部５ｂに容易に前記第１のカセット２０ａのカセッ
ト厚み増大部２１を収めることができる。

【００２６】上述の収納手順とは逆または２個同時の収
納を行うことが出来る。先ず逆の場合は、前記第２のカ
セット２０ｂのカセットの厚み増大部２１を前記凹部５
ａに受容させる。この状態では、下側の前記第２のカセ
ット２０ａの上側面とポケット４を構成する小壁部４３
の内側面との間に、前記第１のカセット２０ａの厚み増
大部２１を挿入するための間隙が形成されない。この場
合は、小壁部４３は適当な弾性を利用して、上側の第１
の磁気テープカセット２０ａを前記ポケット４内に挿入
することができる。２個重ねて同時に挿入するときも同
様である。しかし、前記ポケット４の弾性変形を利用す
るような形態は望ましくないので、前記第１の磁気テー
プカセット２０ａのカセット厚み増大部２１を受容する
前記凹部５ｂの凹みを前記小壁部４３の縁部まで形成す
れば、カセット挿入は何ら抵抗感なく挿入することがで
きる。

【００２７】そして、図２に示すように、前記カセット
用収納ケース１の蓋部２内に２個の前記磁気テープカセ
ット２０ａ、２０ｂが積層状態で収納され、蓋部３を閉
じることにより、前記回転防止突起４２が前記各シャフ
ト挿通孔２２を挿通し、収納が完了する。

【００２８】図３は収納状態を示す要部の断面図であ
り、前記リブ４５により前記両カセット２０ａ、２０ｂ
のシャフト挿通孔２２が一致した状態ならびに、前記回
転防止突起４３が連通した挿通孔２２を同時に挿通して
いる態様が示されている。

【００２９】ここで、前記収納ケース１の大きさについ
ての一例を説明すると、ケース１の長さＬ₁は従来の収
納ケースに比較してリブ４５の寸法分約5.8 ｍｍだけ長
くなった。しかし、厚さＬ₂はカセットを前後逆に収納
すべく凹部５ａ、５ｂを離して形成により、従来のケー
ス２個分の厚さに対し、約６ｍｍ小になすことができ
る。前記収納ケース１の体積は、カセット２個入りであ
るにも関わらず、従来のカセット１個入り体積の約１．
５３倍である。即ち、カセット１個入りケースの体積に
対し、約５３％程度増しで２個の前記カセット２０ａ、
２０ｂを収納することができる。このため、２個のカセ
ットの保管スペースが小になり、しかも関連する前記カ
セット２０ａ、２０ｂをひとまとめにして保管し得るの
で、保管が容易になる。また、前記収納ケース１を開け
て前記両カセット２０ａ、２０ｂを取り出す際は、両カ
セットが言わば段違いになっているので、取り出し作業
が容易になる、等の効果もある。

【００３０】なお、前記実施態様では、前記リブ４５を
設けて２個のカセット２０のシャフト挿通孔２２が完全
に連通状態になるように構成している。この構成であれ
ば、従来の前記回転防止突起４２の構造はその高さを高
くするだけで従来のものとほぼ同じにできる。しかし、
本考案は前記構成に限定されるものではない。即ち、前
記リブ４５の代わりにケース壁面をケース内方に断差部
を形成するように構成してもよい。

【００３１】また、本考案は前記リブ４５のカセット前
後方向の突出高さを小さくすれば、２個の前記カセット
２０ａ、２０ｂの外郭が一致するように積層することも
できる。この場合は、シャフト挿通孔２２の開口部分は
図４に実線で示すような偏平形状になり、完全ではない
が連通する部分がある。従って、回転防止突起をその連
通する部分に合わせて適宜偏平形状に形成すれば、図４
に実線で示した開口部分を挿通させることができ、従来
同様のリールの回転防止を行うことができる。両カセッ
トの前後位置を完全に一致させる場合、前記リブ４５は
不要になり、本考案による前記カセット用収納ケース１
の全体形状うち最も小型になすことができる。

【００３２】

【考案の効果】以上に説明したように、本考案に係るカ
セット用収納ケースは、２つのカセットを前後逆に重ね
合わせて、一方のカセットの厚み増大部をポケットの小
壁部に形成した凹部に、他方のカセットの厚み増大部を
蓋部の先端側に形成した凹部に受容するように構成した
ものである。従って、１つのカセット収納ケース内に複
数のカセットを積層、即ち重ねて収容することができる
だけでなく、記録時間の長いものであってもまとめて保
管し得るようになり、関連するカセットを個々に保管す
る場合に比較して使い勝手が向上する。また、複数のカ
セットの厚み増大部を受容する凹部が形成されているの
で、カセット用収納ケース全体の厚みを小になすことが
でき、保管体積が少なくて済む、等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施態様を示すカセット用収納ケー
スの斜視図である、

【図２】本考案によるカセット収納状態を示す斜視図で
ある。

【図３】本考案おけるカセット収納状態を示す要部の断
面図である。

【図４】本考案の他の実施態様を示すカセット積層状態
の平面図である。

【図５】従来のカセット用収納ケースの一例を示す斜視
図である。

【図６】従来のカセット用収納ケースの他の例を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１カセット用収納ケース２蓋部３ケーシング部４ポケット５ａ、５ｂ凹部６、８壁部２０カセット２１厚み増大部２２挿入孔４２回転防止突起４５、４６リブ

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】磁気テープカセットの端部を収容するため
のポケットを有する蓋部材と回転防止突起を有するケー
シング部とが回転自在に枢着された磁気テープカセット
用収納ケースにおいて、前記ポケットを画成する小壁部
に第１の磁気テープカセットの厚み増大部を受容するた
めの第１凹部を形成すると共に、前記小壁部に対面する
大壁部に前記第１凹部とは離れた位置に、第２の磁気テ
ープカセットの厚み増大部を受容する第２凹部を形成
し、少なくとも前記第２の磁気テープカセットの前後位
置を位置決めする手段をケース内面に設け、２個の前記
磁気テープカセットをハブ孔をほぼ一致させるように前
後逆さに重ねた状態で収容するように構成したことを特
徴とする磁気テープカセット用収納ケース。