JP2524759B2 - 発酵乳の製造方法 - Google Patents

発酵乳の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酵母を主体とする芳醇な発酵風味を有し、保
存性の良好な発酵乳の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
牛乳、脱脂乳、馬乳などの乳原料を用い、これに乳酸
菌及び/又は酵母を加えた発酵乳は古くから人類の歴史
とともに存在し、飲用に供されてきたといえる。それら
の中で酵母が乳酸菌と共用されているものとして代表的
なものは中央アジア、コーカサス地方を中心とした東欧
諸国で普及しているケフイア、クミスなどを挙げること
ができる。これらのものはアルコールが0.5〜3%含ま
れているのが特徴とされる。
発酵乳の製造に酵母が乳酸菌と併用される目的として
は、上記のケフイア、クミスなどにみられるようにアル
コール発酵を目的とする他に、酵母発酵による良好な芳
香性風味を製品に付与することにあるといえる。しか
し、酵母発酵が過多となると、多量のアルコールと炭酸
ガスを生成し、そのため発酵乳中の蛋白質が分離、沈殿
を生じたりすることがみられる。
酵母発酵が乳酸菌との共生において、良好な芳香を有
する発酵乳製品の製造方法として特公昭49−11432号公
報が挙げられる。このものは発酵終了後、発酵乳に砂糖
の添加(約1:1)をした後、殺菌を行なうところのいわ
ゆる殺菌濃厚発酵乳に関するものである。
ホエー又はオエーパウダーを用いた発酵製品について
も古くから用いられてきているが、ホエー特有のフレー
バーがあり、発酵製品として好ましいものとは言えな
い。その風味改良法として特開昭60−137281号公報があ
り、直接蒸気滅菌工程において脱臭する方法が記述され
ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は発酵乳の製造において、発酵酵母による芳醇
な風味を有し、従来の殺菌濃厚発酵乳にみられるよう
な、加糖、並びに殺菌を行なわずに、定温下において長
期保存性の良い製品を提供するということにより、問題
点を解決したものである。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者等は上記の問題を解決するために、種々研究
を重ねた結果、本発明を完成にするに到つた。
すなわち、本発明は、まず乳性原料からカゼイン及び
/又は乳清蛋白を除いたものを原料とし、これに酵母又
は酵母並びに乳酸菌を加えて発酵させ、良好な風味を発
生させた後、加熱−殺菌あるいは除菌をし、必要に応じ
て過をし、一次酵母発酵液を得る。このものを、予め
殺菌、冷却しておいた乳性原料と混合後のpHが5.5以上
となるように適宜の割合で混合し、通常通り乳酸菌スタ
ーターを添加し、二次発酵を行なうか又は一次発酵液に
予め乳酸菌スターターで二次発酵させた乳性原料を適宜
の割合で混合することを特徴とする発酵乳の製造方法で
ある。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の発酵乳を製造するにあたり、まず、酵母発酵
(以下一次発酵と称する)液を調製する。この原料とし
ては、乳性原料からカゼイン及び/又は乳清蛋白を除い
たものが用いられる。乳性原料とは牛乳、脱脂乳、濃縮
乳、又は限外過濃縮乳、粉乳などである。これらから
カゼイン及び/又は乳清蛋白を除いたものとしては、ホ
エー(主としてスイートホエー、レンネツトホエー)、
ホエーパウダー、限外過液(パーミエイト)などが用
いられ、固形分としては3〜20%になるように調製した
ものが用いられる。なお、必要に応じてシヨ糖、ブドウ
糖などの等質を添加する。
このホエー調製液を通常のプレート式殺菌機などで加
熱殺菌を行なつた後、次に挙げるような酵母/又は酵母
及び乳酸菌スターターを加え、酵母発酵を主とした一次
発酵を行なう。
酵母としては、カンジダ・シユウドトロピカリス(Ca
ndida pseudotropicalis)、クルイベロマイセス・ラク
チス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・
フラギリス(Kluy.fragilis)などの乳糖発酵性酵母又
はトルロプシス・ホルミイ(Torulopsis holmii)、サ
ツカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces ceevicia
e)などの乳糖非発酵性酵母などが用いられる。この乳
糖非発酵性酵母を用いる場合には、原料に予めシヨ糖、
ブドウ糖などの発酵可能な糖源を1〜10%添加した法が
良い。
乳酸菌とては、ストレプトコツカス・カクチス(Stre
ptococcus lctis)、ストレプトコツカス・クレモリス
(Streptococcus cremoris)、ロイコノストツク・クレ
モリス(Leuconostoc cremoris)、ロイコノストツク・
デキストラニカム(Leuconostoc dextranicum)、ラク
トバチルス・ヒルガルデイ(Lactobacillus hilgardi
i)などが用いられる。
一次発酵は酵母発酵を主とするものであり、上に挙げ
た酵母の中から適切なものが選ばれ、また乳酸菌と併用
で使用してもよい。発酵の条件としては、使用する酵
母、乳酸菌種によつて多少異なるが通常15〜30℃で12〜
72時間の発酵を行ない、必要に応じて8〜15℃で6〜48
時間熟成を加え、アルコール1%前後、乳酸酸度0.4〜
0.8%、pHとして5.5〜3.5の芳醇な風味を有した一次発
酵液を調製する。
一次発酵終了後、出来るだけ低い温度条件下、例えば
60〜80℃で15秒〜30分間で殺菌を行ない芳香成分をでき
るだけ残存させ、酵母、乳酸菌のみを殺菌する。この場
合、密閉下のプレート型瞬間殺菌機の使用が好ましい。
また除菌する場合は、大粒の沈殿物をろ過あるいは遠心
分離した後、除菌フイルターなどを用いて行なう。
従来、発酵乳に酵母を乳酸菌と併用したものとして
は、前記した殺菌濃厚発酵乳があり、これは保存性を高
めカードの凝集分離を防ぐためにpHを低くし、さらに多
量の糖を加えた後、加熱殺菌を行なつており、これらは
いずれも濃厚タイプであり、飲用にあたつては稀釈して
供されるものである。
また、乳酸菌と酵母を併用して製造した発酵乳も市販
されてきているが、酵母が生きた状態で製品中に存在す
るために、保存中にガスの発生による容器の膨張や発酵
過多によるオフフレーバー発生などの問題があり、保存
性を著しく短くしていた。
また、通常の乳性原料を用いた発酵液を加熱殺菌する
場合、カゼイン蛋白質が堅いカードとなつて析出するた
め、殺菌に先立つて、前記のようにpHを低くし大量の加
糖が必須とされていた。また、除菌フイルターを用いた
場合は、蛋白質カードが障害となり不可能であつた。本
発明はカゼイン及び又は乳清蛋白を除いた原料を用いる
ことから、加熱によつてカード(カゼインの凝固)発生
という障害を無視した殺菌処理やフイルター除菌処理が
可能である。すなわち、通常の加熱条件、工程で低酸
度、低糖度での殺菌やフイルターによる除菌が可能であ
り、酵母発酵を主とした一次発酵乳の芳醇なフレーバー
をほとんど損なうことなく殺菌あるいは除菌した一次発
酵液を得る。
また、上記したようにホエーには独特のフレーバーが
あり、発酵製品として好ましくなく、その対応策が検討
されてきているが、本発明では酵母発酵させた後、加熱
殺菌することによつて、このオフフレーバーが消失して
いることが見出された。このメカニズムについての詳細
は不明であるが、発酵によつて生じた炭酸ガス、又はア
ルコールが発酵中又は加熱殺菌工程によつて喪失する
際、一緒に消失するものとみられる。
二次発酵はまつたく通常の乳酸発酵と同様である。す
なわち、乳性原料に必要に応じて砂糖、ブドウ糖などの
糖原料、寒天などの安定剤が加えられ、二次発酵原料液
が調製される。このものは無脂乳固形分として通常は5
〜15%であり、目的とする最終製品によつて、その他の
添加物とともに配合を決定すればよい。
この調製液は通常の殺菌、例えば80〜95℃で10〜30分
の加熱殺菌を行なつた後、5〜10℃に冷却する。
次に、この調製液と前記一次発酵液とを混合後のpHが
5.5以上になるように、適宜の割合で混合する。このこ
とは下記に記述するように一次発酵液の酸によるカゼイ
ン凝固を防ぐことによる。また、一次発酵液の風味の強
弱によつて混合比率を変動させることもできる。
二液を混合して得た調製液に対し、通常の発酵乳に用
いられる乳酸菌をスターターとして添加する。乳酸菌種
としては、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacil
lus bulgaricus)、ラクトバチルス・アシドフイルム
(Lact.acidophilus)、ストレプトコツカス・ラクチス
(Streptococcus lactis)、ストレプトコツカス・サー
モフイラス(Str.thermophilus)などのホモ乳酸菌が用
いられる。
二次発酵の条件は、使用する乳酸菌種によつて異なる
が20℃〜45℃、4〜48時間発酵させることにより、乳酸
酸度として0.7〜1.2%前後の発酵乳が得られる。得られ
た発酵乳はこのままでも製品にできるが、必要に応じて
ペクチンなどの安定剤を添加し、均質化して液状化し製
品とすることもできる。
また、一次発酵液に、予め乳酸菌スターターで二次発
酵させた乳性原料を適宜の割合で混合する方法による場
合も、乳酸菌スターター及び二次発酵の条件は同様であ
る。この場合、両者の風味のバランスと固形分量などを
考慮し、適宜の割合で混合する、混合後、ホモミキサー
などでよく撹拌し、必要に応じて、ペクチンなどの安定
剤を加えて均質化してもよい。これらのものは一次発酵
液から由来する芳香な酵母発酵風味を有し、二次発酵に
よつて生ずるさわやかな乳酸酸味とマツチしたコクのあ
る発酵乳である。
また、得られた発酵乳はホモ乳酸菌のみが活性状態で
残存していることから、従来の酵母混合使用発酵乳に比
較して、保存性は著しく良好といえる。
以下、実験例により詳細に説明する。
実験例としては本発明による発酵乳と従来の乳酸菌の
み並びに乳酸菌と酵母を併用した発酵乳を試製し、風味
並びに保存性を比較した。
実験例1<一次発酵液に調製液を混合した後で二次発酵
させる場合> ホエーパウダー8%溶液を調製し、殺菌後クルイベロ
マイセス・フラギリス(Kluy.fragillus)を加え30℃で
20時間発酵させた後、75℃5分の殺菌を行なつた。一
方、12%脱粉還元乳に砂糖8%、ゼラチン0.3%を添
加、混合、調整し、殺菌をした後、その8部と酵母発酵
液2部とを混合し、乳酸菌スターターとして、ストレプ
トコツカス・ラクチス(Str.lactis)とストレプトコツ
カス・サーモフイラス(Str.thermophilus)1:1の混合
カルチヤーを接種し、撹拌、混合し、100ml透明びんに
分注し、シール封冠した後、20℃20時間の発酵を行な
い、酸度0.72%の固形状発酵乳を得た。
一方、比較対照のものとしては、11%還元脱脂乳に砂
糖8%、ゼラチン0.3%を添加、調製し、殺菌後乳酸菌
のみのものはストレプトコツカス・ラクチス(Streptoc
occus lactis)、ストレプトコツカス・サーモフイラス
(Streptococcus thermophilus)1:1スターターを使用
した。乳酸菌と酵母との併用については同じく砂糖、ゼ
ラチンを添加した還元脱脂乳液を調製し、殺菌後、上記
乳酸菌スターターの他にクルイベロマイセス・フラギリ
ス(Kluy.fragillus)スターターを4:1の割合で添加
し、撹拌、混合した後、本発明品と同様、100ml透明び
んに分注し、シール封冠した後、20℃で20時間の発酵を
行なつた。
得られた各発酵乳を10℃の冷蔵庫内に14日間保存を行
ない、風味、外観、酸度の変化をチエツクした。その結
果を第1表に示す。
第1表に示した結果から明らかなように、本発明品は
風味に優れ、保存性にも優れていることが確認できた。
実験例2<一次発酵液に二次発酵させた乳性原料を混合
する場合> ホエーパウダー8%溶液を調製し、殺菌後クルイベロ
マイセス・フラギリス(Kluy.fragillus)を加え30℃で
20時間発酵させた後、75℃5分の殺菌を行ない、一次発
酵液を得た。一方、10%脱粉還元乳に砂糖8%を添加、
混合し、殺菌、冷却後、乳酸菌スターターとして、ラク
トバチルス・ブルガリクス(L.blugaricus)とストレプ
トコツカス・サーモフイラス(Str. thermophilus)1:1
の混合カルチヤーを2%の割合で添加し、40℃5時間発
酵させ二次発酵液を得た。次に一次発酵液にHMペクチン
を1.5%濃度に溶解させた後、その2部と二次発酵液8
部とを混合し、ホモミキサーにかけた後、150kg/cm2
均質化して、酸度0.85%の液状発酵乳を得た。
これを無菌的に100ml透明びんに分注し、シール封冠
した。一方、比較対照のものとしては、10%還元脱脂乳
に砂糖8%を添加し、殺菌、冷却後乳酸菌のみのものは
ラクトバチルス・ブルガリクス(L.blugaricus)、スト
レプトコツカス・サーモフイラス(Str. thermophilu
s)1:1のスターターを2%に添加し、酵母を併用したも
のは上記スターターに対してクルイベロマイセス・フラ
ギリス(Kluy.fragillus)スターターを4:1の割合で混
合したスターターを2%に添加し、40℃5時間発酵させ
た。これらの発酵液8部に1.5%HMペクチン水溶液2部
を加え、ホモミキサーで混合した後、100ml透明びんに
無菌的に分注した。
得られた各発酵乳を10℃の冷蔵庫内に14日間保存し、
風味、外観、酸度の変化をチエツクした。その結果を第
2表に示す。
第2表に示した結果から明らかなように、本発明品は
他の比較品よりも、風味及び外観が良好であり、保存性
に優れていることが確認された。
なお、本発明の発酵乳は、液状のもの、流動状のもの
から固形状のもの、あるいは、無糖のもの、加糖のもの
など広く一般の発酵乳の製造に利用できるものである。
次に、一次発酵液に調製乳原料を混合した後、二次発
酵させる発酵乳の製造において、一次発酵液(酵母発酵
液)調製に、酵母と乳酸菌を併用した場合にはpHの低下
が著るしくみられる。そのため、二次発酵原料の乳酸原
料と混合する場合、両液の混合に制約がみられ、混合後
のpHが5.5以上であることが必要とされた。これについ
ての実験例を下記に示す。一次発酵の原料として5%還
元ホエー液を調製し、殺菌後、乳培地で活性化させてお
いたハンセン社のケフイアグレインを原料に対し、5%
添加し、21℃20時間発酵させた。発酵後の酸度は0.51
%、pHは3.72であつた。この一次発酵液と、予め殺菌
し、10℃に冷却しておいた12%還元脱脂乳と種々の比率
で撹拌しながら混合し、性状を調べた。その結果を第3
表に示す。
混合比率1:2の場合、PHが5.48となり、少量のカゼイ
ンの凝集がみられ、1:1にした場合は明らかなカードの
生成がみられた。このことから混合後のpHが5.5以上と
なるように一次発酵液と乳性原料を混合することが必要
であることがわかる。
一次発酵液に二次発酵させた乳性原料を混合する発酵
乳の製造においては、発酵によりカゼインがゲル化した
後に混合するので、pHを5.5以上にする必要はない。
〔発明の効果〕
本発明によれば、乳性原料からカゼイン又は/及び乳
清蛋白を除いたものを原料とし、主として酵母発酵によ
つて得られた芳醇な風味のみを乳酸発酵乳に利用して製
造することにより、乳酸によるさわやかな酸味に芳醇な
風味を加味し、しかも保存性のすぐれた発酵乳が提供さ
れるものであり、本発明は有用な発明である。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれにより限
定されるものではない。
実施例1 生ホエー(ゴーダチーズホエー)10を80℃10秒のプ
レート殺菌を行なつた後、25℃に冷却し、活性化をさせ
ておいたクルイベロマイセス・フラギリスIFO−0541ス
ターター500mlを加え、25℃で20時間発酵させた。発酵
終了後75℃5秒で殺菌を行ない10℃に冷却した。
上記発酵終了と併行して、脱脂粉乳360gを温湯25に
添加、撹拌、溶解して12%還元乳を調製した。次に95℃
30分間の加熱殺菌を行なつた後、10℃に冷却し先の酵母
発酵液と混合、pH6.4の二次発酵用原液を得た。これ
に、策に活性化させておいたハンセン社(デンマーク)
製のハンセン・ヨーグルトカルチヤー1を加え、200m
lびんに充填をし、打栓後40℃6時間の乳酸発酵を行な
つた。発酵終了時の乳酸酸度は0.85%であり酵母発酵由
来の芳醇な風味が残つており、良好なものであつた。
実施例2 ホエーパウダー1kgを温水9に溶解した後80℃10秒
の瞬間殺菌を行ない、活性化させておいたマイルス社
(アメリカ)製のケフイアカルチヤー500mlを加え25℃
で20時間発酵させ、10℃で24時間熟成させた。発酵並び
に熟成終了後75℃で10秒の殺菌を行ない、10℃に冷却し
た。
上記発酵終了に先立つて、脱脂粉乳4kg、砂糖3kgを湯
水20に加え、加熱溶解した後、別に加熱溶解させてお
いた5%寒天溶液1、10%ゼラチン溶液800mlを加
え、95℃30分間の殺菌を行ない、40℃に冷却した後、先
の酵母発酵液と混合し、pH5.8の二次発酵原料とした。
これに先に活性化させておいた、ストレプトコツカス・
ラクチス(IFO 0541)スターター1を加え、100ml容
ヨーグルト紙容器に充填、シールした後25℃12時間の発
酵を行なつた。発酵終了後の乳酸酸度は0.73%であり芳
醇な風味と酸味のマツチした良好なものであつた。なお
本試作品を10℃で10日間保存したが、外観上の変化もな
く、風味の変化も少なく、保存性は良好であつた。
実施例3 生ホエー25kgを限外ろ過し、21kgのろ過液を得た後、
これにシヨ糖を1kg加えて溶解させ、80℃10秒のプレー
ト殺菌を行なつた。これを30℃に冷却した後、サツカロ
ミセス・セレビシエRIFY1001スターター600mlを加え、3
0℃で12時間発酵させた。発酵終了後、6000r.p.mの遠心
分離で沈殿物を取り除き、上清を滅菌した除菌したフイ
ルターに通して無菌化した一次発酵液を得た。
上記一次発酵と並行して、生乳58kgに脱脂粉乳2kgを
加え、撹拌、溶解した後、95℃10分間の殺菌を行なつ
た。更に40℃に冷却後、ハンセン社(デンマーク)製の
ヨーグルトカルチヤーを1.2kgを加え、40℃4時間30分
発酵させて、10℃に冷却し二次発酵液を得た。
次に一次発酵液20kgにHMペクチン240gを溶解させ、二
次発酵液60kgと混合し、ホモミキサーで撹拌後150kg/cm
2で均質化し、液状化して酸度0.82の製品を得た。これ
を200mlびんに充填し、シール密閉して完成品とした。
本品は、ヨーグルト風味に酵母発酵由来の芳醇な風味が
加わつた独特の発酵乳であつた。10℃に2週間保存して
も、酸度が1.02に上昇しただけで、安定な製品であつ
た。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳性原料からカゼイン及び/又は乳清蛋白
    を除いたものを原料とし、これに酵母単独又は酵及び乳
    酸菌を加えて一次発酵させ良好な風味を生じせしめた
    後、殺菌あるいは除菌し、必要ならば過をして得た一
    次発酵液に予め殺菌、冷却した乳性原料の、混合後のpH
    が5.5以上となるように適宜の割合で混合し、乳酸菌ス
    ターターを添加して、二次発酵を行なうか又は一次発酵
    液に予め乳酸菌スターターで二次発酵させた乳性原料を
    適宜の割合で混合することを特徴とする発酵乳の製造方
    法。
  2. 【請求項2】乳性原料として牛乳、脱脂乳、濃縮乳、限
    外過濃縮乳などを用いた特許請求の範囲第1項記載の
    発酵乳の製造方法。
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