JP2523272B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2523272B2 JP60179956A JP17995685A JP2523272B2 JP 2523272 B2 JP2523272 B2 JP 2523272B2 JP 60179956 A JP60179956 A JP 60179956A JP 17995685 A JP17995685 A JP 17995685A JP 2523272 B2 JP2523272 B2 JP 2523272B2
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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、磁気記録媒体に関する。さらに詳しくは、
耐久性、耐スクラッチ性等の改善のため、所定のプラズ
マ重合膜を有する磁気記録媒体に関する。
先行技術とその問題点 非磁性基板上に、γ−Fe2O3、Co被着γ−Fe2O3等の酸
化物系磁性粉と結合剤とを主体とする磁性層を形成した
磁気記録媒体が出現してすでに久しい。
また、最近では、記録密度をさらに向上する目的で、
Fe、Co、Ni、Fe−Co、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Co−
B、Fe−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co−V等の
強磁性粉と結合剤等からなる磁気記録媒体が実用化され
ている。
さらには、より高密度記録が可能であり、磁性層が薄
膜化できるものとして、金属蒸着薄膜やスパッタ薄膜等
の気相メッキ薄膜、あるいは無電解メッキ薄膜等の液相
メッキ薄膜を磁性層とする磁気記録媒体が実用化され、
脚光をあびつつある。
これらの連続薄膜型の磁気記録媒体においては、特に
磁気テープおよび磁気ディスクの用途では、摩擦係数が
小さく、円滑で安定な走行性を示すこと、耐摩耗性に優
れ、長時間にわたって安定走行を行ないうること、置か
れた環境条件に対して安定でいつでも確実な再生ができ
ること、耐久性および耐スクラッチ性のあること等が強
く求められている。
従来より、耐久性および耐スクラッチ性を改善する目
的で基板に対し、種々の前処理が行なわれてきた。
前処理としては、薬液処理、コーティング処理、コロ
ナ放電処理等がある。
しかしながら、これらの中でコロナ処理では十分な効
果が上がらない。また、薬液処理、コーティング処理で
は、処理工程が煩雑であり、しかも処理に要するコスト
が高いという問題がある。
このような実状から、本研究者らは、基板に対するプ
ラズマ処理を提案している(特願昭59−107178号等)。
プラズマ処理法は、一工程のみから成り、ドライプロ
セスであるので乾燥、廃液処理が必要でなく、バインダ
ー等の原材料を消費しないという利点がある。さらに、
プラズマ処理法は、高速での連続生産が可能であるた
め、磁気記録媒体製造工程に容易に組み込むことがで
き、その生産性を阻害しない。
このようなプラズマ処理法は、一般に、空気、酸素、
窒素、水素、ヘリウム、アルゴン等を処理ガスとして用
いる。
そして、これらプラズマ処理によれば、基板と磁性層
との接着力が向上し、耐久性が向上する。
しかしながら、磁気記録媒体の耐久性および耐スクラ
ッチ性に関する要求は厳しく、より一層の改善が要望さ
れている。
II 発明の目的 本発明の目的は、耐久性および耐スクラッチ性が格段
と向上した連続薄膜型の磁気記録媒体を提供することに
ある。
III 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成され
る。
すなわち、第1の発明は、基板上に、CとHとNとO
とを含み、Cの含有量が30〜90at%であり原子比でH/C
が1/6〜1、N/Cが1/20〜3/10、O/Cが1/20〜3/10である
膜厚5〜80Åのプラズマ重合膜を有し、 このプラズマ重合膜の上に、直接あるいは下地層を介
して、気相もしくは液相のメッキ法によって形成された
強磁性金属薄膜層を有することを特徴とする磁気記録媒
体である。
第2の発明は、プラズマ処理した基板上に、CとHと
Oとを含み、Cの含有量が30〜90at%であり原子比でH/
Cが1/6〜1、N/Cが1/20〜3/10、O/Cが1/20〜3/10である
膜厚5〜80Åのプラズマ重合膜を有し、 このプラズマ重合膜の上に、直接あるいは下地層を介
して、気相もしくは液相のメッキ法によって形成された
強磁性金属薄膜層を有することを特徴とする磁気記録媒
体である。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成を詳細に説明する。
本発明のプラズマ重合膜は、Cと、Hと、Nと、Oと
を含有する。
原料ガスとしては、通常操作性の良いことから、常温
で気体のメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタ
ン、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、アセ
チレン、メチルアセチレン、その他の飽和ないし不飽和
の炭化水素の1種以上を用いるが、必要に応じて常温で
液体の炭化水素を原料としてもよい。
このような炭化水素の1種以上にH2、O2、O3、H2O、N
2、NO、N2O、NO2などのNOX、NH3、CO、CO2等の1種以上
を加えたものを原料ガスとして用いて前記のC+H+N
+Oの組成を実現する。
さらに必要に応じて、原料にSi、B、P、S等のソー
スを微量成分として添加することもできる。
このような原料を用いて形成されるプラズマ重合膜の
膜厚は5〜80Åである。
この膜厚が80Åをこえると、成膜時の内部応力が膜中
に残留し、膜自体の強度が低下し、しかもプラズマ重合
膜自体が硬いためフレキシブルな媒体としての耐久性に
劣り、磁気記録媒体として実用に耐えない。
また、5Å未満であると、本発明の実効がなくなる。
なお、膜厚の測定は、エリプソメーター等を用いれば
よい。
このような膜厚の制御は、プラズマ重合膜形成時の反
応時間、原料ガス流量等を制御すればよい。
プラズマ重合膜は、前述の原料ガスの放電プラズマを
基板に接触させることにより重合膜を形成するものであ
る。
プラズマ重合の原理について概説すると、気体を低圧
に保ち電場を作用させると、気体中に少量存在する自由
電子は、常圧に比べ分子間距離が非常に大きいため、電
界加速を受け5〜10eVの運動エネルギー(電子温度)を
獲得する。
この加速電子が原子や分子に衝突すると、原子軌道や
分子軌道を分断し、これらを電子、イオン、中性ラジカ
ルなど、通常の状態では不安定の化学種に解離させる。
解離した電子は再び電界加速を受けて、別の原子や分
子を解離させるが、この連鎖作用で気体はたちまち高度
の電離状態となる。そしてこれはプラズマガムと呼ばれ
ている。
気体分子は電子との衝突の機会が少ないのでエネルギ
ーをあまり吸収せず、常温に近い温度に保たれている。
このように、電子の運動エネルギー(電子温度)と、
分子の熱運動(ガス温度)が分離した系は低温プラズマ
と呼ばれ、ここでは化学種が比較的原型を保ったまま重
合等の加成的化学反応を進めうる状況を創出しており、
本発明はこの状況を利用して基板上にプラズマ重合膜を
形成しようとするものである。なお低温プラズマを利用
するため、基板への熱影響を全くない。
基板表面にプラズマ重合膜を形成する装置例が第1図
に示してある。第1図は、周波数可変型の電源を用いた
プラズマ重合装置である。
第1図において、反応容器Rには、原料ガス源511ま
たは512から原料ガスがそれぞれマスフローコントロー
ラ521および22を経て供給される。ガス源511または512
から別々のガスを供給する場合は、混合器53において混
合して供給する。
原料ガスは、各々1〜250ml/分の流量範囲をとりう
る。
反応容器R内には、基板支持装置が設置され、ここで
は磁気テープ用の基板の処理を目的として、繰出しロー
ル561と巻取りロール562が示してある。
磁気記録媒体の形態に応じて様々の支持装置が使用で
き、例えば載置式の回転支持体装置も使用されうる。
基板を間に挾んで対向する電極551、552が設けられて
おり、一方の電極551は例えば周波数可変型の電源54に
接続され、他方の電極552は接地されている。
さらに、反応容器R内には、容器内を排気するための
真空系統が配備され、そしてこれは液体窒素トラップ5
7、油回転ポンプ58および真空コントローラ59を含む。
これら真空系統は反応容器内を0.01〜10Torrの真空度の
範囲に維持する。
操作においては、反応容器R内がまず10-3Torr以下に
なるまで油回転ポンプにより容器内を排気し、その後原
料ガスが所定の流量において容器内に混合状態で供給さ
れる。
このとき、反応容器内の真空は0.01〜10Torrの範囲に
管理される。
基板の移行速度ならびに原料ガスの流量が安定する
と、電源がオンにされる。こうして、移行中の基板にプ
ラズマ重合膜が形成される。
なお、キャリアガスとして、Ar,N2,He,H2などを使用
してもよい。
また、印加電流、処理時間等は通常の条件とすればよ
い。
プラズマ発生源としては、高周波数放電の他に、マイ
クロ波放電、直流放電、交流放電等いずれでも利用でき
る。
このように形成されるプラズマ重合膜は、前述したよ
うに、C+H+N+Oを含有しており、Cの含有量はプ
ラズマ重合膜中に30〜90at%である。
Cの含有量が30at%未満であると、プラズマ重合膜の
膜強度が低下し、実用に耐えない。
また、Cに加えて1種以上含有されるH、N、Oの含
有量は、水素と炭素の原子比(H/C比)が1/6〜1、窒素
と炭素の原子比(N/C比)が1/20〜3/10、酸素と炭素の
原子比(O/C比)が1/20〜3/10の範囲である。このよう
にCに加えてHとNとOとを含有させることによって耐
スクラッチ性が向上する。
なお、プラズマ重合膜中のC、H、N、Oおよびその
他の元素の含有量の分析は、SIMS(2次イオン質量分
析)等に従えばよい。SIMSを用いる場合、本発明のプラ
ズマ重合膜は5〜80Åであるので、プラズマ重合膜表面
にて、C、H、N、Oおよびその他の元素をカウントし
て算出すればよい。
あるいは、Ar等でイオンエッチングを行いながら、
C、H、N、Oおよびその他の元素のプロファイルを測
定して算出してもよい。
SIMSの測定については、表面化学基礎講座 第3巻
(1984)表面分析の基礎と応用(P70)“SIMSおよびLAM
MA"の記載に従えばよい。
このようなプラズム重合膜は、基板上、特にプラズマ
処理された基板上に形成されることが好ましい。
基板表面をプラズマ処理することによって、基板との
接着力が向上し、ひいてはこの基板とプラズマ重合膜と
の接着力が向上する。
基板表面のプラズマ処理法の原理、方法および形成条
件等は前述したプラズマ重合法のそれと基本的には、ほ
ぼ同一である。
たたし、プラズマ処理は原則として、無機ガスを処理
ガスとして用い、他方、前述したプラズマ重合法による
プラズマ重合膜の形成には原則として、有機ガス(場合
によっては無機ガスを混入させてもよい)を原料ガスと
して用いる。
本発明のプラズマ処理ガスとしては、特に制限はな
い。すなわち、H2、Ar、He、O2、N2、空気等いずれであ
ってもよい。
このような中では、O、N、Hの1種以上を含む無機
ガスを用いることが好ましい。
このような無機ガスとしては、N2、H2、NH3、O2
O3、H2O、NO、N2O、NO2などのNOX等の中から適宜選定
し、これらの単独ないし混合したものか、これらとAr、
He、Ne等とを混合したものが好適である。
さらに、プラズマ処理電源の周波数については、特に
制限はなく、直流、交流、マイクロ波等いずれであって
もよい。これらの中では、10KHz〜200KHzが特に好まし
い。
周波数10KHz〜200KHzでは、耐久性と接着強度がきわ
めて高くなる。
このように、より好ましい態様としてプラズマ処理さ
れた基板上には、前述のプラズマ重合膜が形成され、さ
らにこの重合膜上いは、直接あるいは下地層を介して、
強磁性金属薄膜層(以下、単に、磁性薄膜層という)が
形成される。
このような磁性薄膜層の組成としては、鉄、コバル
ト、ニッケルその他の強磁性金属、あるいはFe−Co、Fe
−Ni、Co−Ni、Fe−Si、Fe−Rh、Co−P、Co−B、Co−
Si、Co−V、Co−Y、Co−La、Co−Ce、Co−Pr、Co−S
m、Co−Pt、Co−Mn、Fe−Co−Ni、Co−Ni−P、Co−Ni
−B、Co−Ni−Al、Co−Ni−Na、Co−Ni−Ce、Co−Ni−
Cr、Co−Ni−Zn、Co−Ni−Cu、Co−Ni−W、Co−Ni−R
e、Co−Sm−Cu等の強磁性金属がある。
さらに、これらの磁性薄膜層の組成中にはOが含有さ
れてもよい。
このような磁性薄膜層の厚さ、0.05〜0.5μm、好ま
しくは、0.07〜0.3μmとされる。
そして、このような磁性薄膜層は、気相もしくは液相
のメッキ法によって形成される。
本発明で用いるメッキ法は、被処理物の表面を上記の
強磁性金属の薄膜で密着被覆するものである。
そして、例えば気相メッキ法としては、蒸着法、スパ
ッタ法、イオンプレーティング法、場合によっては、熱
CVD、プラズマCVD等がある。また液相メッキ法として
は、無電解メッキ、場合によっては、電解メッキ等があ
る。
本発明においては、上記のいずれの方法を用いて磁性
薄膜層を形成してもよい。
前述した気相メッキ法の中で通常、磁性薄膜層形成に
より使用される方法について以下に詳述する。
真空蒸着法は蒸発源を10-3Torr以下程度の高真空中
で、エレクトロンビーム法、抵抗加熱法等により蒸発源
を加熱して溶解、蒸発させて、その上記を例えば基板表
面に薄膜として蒸着させる方法である。この蒸発時に蒸
発粒子が得る運動エネルギーは0.1eV〜1eV程度である。
スパッタ法は作業を行う領域によって、さらにプラズ
マ法とイオンビーム法の2つに大別することができる。
プラズマ法によるスパッタ法では、Ar等の不活性ガス
雰囲気中で異常グロー放電を発生させ、Arイオンによっ
てターゲット(蒸着物質)のスパッタを行い基板に蒸着
させる。
ターゲットに数KVの直流電圧を印加する直流スパッタ
リング、数百〜数KVの高周波数電力を引火する高周波ス
パッタリングのいずれであってもよい。
また、2極から3極、4極スパッタ装置と多極化した
ほか、直行電極界を加えてプラズマ中の電子にマグネト
ロンと同様サイクロイド運動を与え、高密度プラズマを
作るとともに、印加電圧を低くし、スパッタを高能率化
したマグネトロン系スパッタリングを用いてもよい。
また、必要に応じ、Arなど純粋な不活性ガスのみを用
いる代りにO2、N2等を用いた反応性ないし化学スパッタ
リングを用いても良い。
イオンビーム法では、適当なイオン源を用いてArなど
をイオン化し、引出し、電極に印加した負高電圧によっ
て高真空側にイオンビームとして引き出し、ターゲット
表面に照射してスパッタしたターゲット物質を基板に蒸
着させる。動作圧はいずれの場合も10-2〜10-3Torr程度
とする。
また、スパッタ法における被着粒子の運動エネルギー
は約数eV〜100eVであり、例えば蒸着法のそれ(約0.1eV
〜1eV)と比べてきわめて大きい。
イオンプレーティング法は、被膜形成の前および被膜
形成中、十分な運動エネルギーをもって基板表面に蒸着
物質を射突させる原子論的被膜形成法である。
その基本機能には、射突イオンによる基板のスパッ
タ、加熱、イオン注入などの効果があり、これらが付着
力、蒸着膜の核形成、膜成長に影響を及ぼす。このイオ
ンプレーティング法は、作業を行う領域から、さらにプ
ラズマ法とイオンビーム法の2つに大別される。
プラズマ法では、直流グロー放電によって基板(負電
位)をAr+の衝撃で清浄化した後、蒸発源を加熱し蒸着
物質を蒸気化させると、プラズマ中でイオン化し、基板
を取り巻くグロー放電の陰極暗部の強い電解により加速
され、高いエネルギーをもって基板に射突し蒸着する。
直流印加方式、高周波励起方式およびその併用形と蒸発
源の各種加熱方式との組み合せなど多くの形式はいずれ
も使用でき、中空陰極プラズマ電子銃を用いるプラズマ
電子ビーム法を用いてもよい。
イオンビーム法では、スパッタ形、電子衝撃形あるい
はデュオプラズマトロンの改良形などの、イオン源で生
成した蒸着物質イオンを高真空領域に引き出し、加速電
圧を調節して基板表面の正常化と蒸着を引き続いて行
う。クラスタイオンビーム技術(蒸着と結晶成長)で
は、るつぼの噴射ノズルから高真空中に蒸着物質を噴出
させ、断熱膨張により過冷却現象を利用して102〜103
の原子が互いに緩く結合した塊状原子集団(クラスタ)
を作り、イオン化して用いる。
また、イオンプレーティングにおけるイオンの運動エ
ネルギーは、約数十eV〜5KeV程度で他のドライコーティ
ング方法、例えば蒸着法(約0.1eV〜1eV)、スパッタ法
(約数eV〜100eV)などに比べて非常に大きい。そのた
め、この方法によって形成された付着膜は、付着強度が
きわめて高い。また付着速度もきわめて大きいため、短
時間で膜形成ができる。
また、近年、新技術として開発された熱電子によって
イオン化を行うアーク放電イオンプレーティングを用い
てもよい。アーク放電イオンプレーティング法は、蒸発
源を加熱し蒸発してえられた蒸気流に対し、蒸発源近傍
の蒸気流の密度が比較的高いところで、熱電子放出源か
ら放出した熱電子を衝突させて蒸気流のイオン化を生じ
させこのイオン化された蒸気流を電波や磁場により被着
体に垂直方向に集束させて成膜するものである。
液相メッキ法としては、通常、無電解メッキを用い
る。
用いる浴組成、メッキ条件等としては公知の種々のも
のが適用可能であり、たとえば、特公昭第40−8001号、
同第49−29561号、同第55−14865号、同第54−17439
号、同第58−17824号等に記載のものは、いずれも使用
可能である。
本発明において、磁性薄膜層の組成として、Coを必須
成分とし、Co,Co+Ni,Co+O,またはCo+Ni+Oからなる
ことが好ましい。
すなわち、Co単独からなってもよく、CoとNiとからな
ってもよい。
Co+Niである場合、Co/Niの重量比は、1.5以上である
ことが好ましい。
さらに、CoまたはCo+Niに加え、Oが含まれていても
よい。Oが含まれたときには、電磁変換特性や走行耐久
性の点で、より好ましい結果をうる。
このような場合、O/Co(Niが含まれない場合)あるい
はO/(Co+Ni)の原子比は、0.5以下、特に0.15〜0.45
であることが好ましい。
一方、磁性薄膜層中には、Co,Co+Ni,Co+Oあるいは
Co+Ni+Oに加え、Crが含有されると、より一層好まし
い結果を得る。
これは、電磁変換特性が向上し、出力およびS/N比が
向上し、さらに膜強度が向上するからである。
このような場合、Cr/Co(Niが含まれない場合)ある
いはCr/(Co+Ni)の重量比は、0.001〜0.1であること
が好ましい。
なお、このような磁性薄膜層中には、さらに他の微量
成分、特に繊維金属元素、例えば、Fe,Mn,V,Zr,Nb,Ta,M
o,W,Ti,Cu,Zn等が含まれていてもよい。
このような磁性薄膜層は、通常、基体主面の法線に対
して傾斜した柱状結晶構造の粒子の集合体であることが
好ましい。これにより、電磁変換特性が向上する。
このような場合、柱状結晶構造の粒子は、基体の主面
の法線に対して、20〜60゜の範囲で傾斜していることが
好ましい。
また、各柱状結晶粒子は、通常、磁性薄膜層の厚さ方
向全域に亘る長さをもち、その短径は一般に、50〜500
Å程度とされる。
そして、Coと必要に応じ添加されるNi,Cr等は、この
柱状結晶自体を構成するものであり、Oが添加されたと
き、Oは通常、各柱状結晶素子の表面に、主として酸化
物の形で存在している。
このような磁性薄膜層は、通常、0.05〜0.5μmの厚
さに形成される。
また、磁性薄膜層は通常、単一の層として形成される
が、場合によっては中間層を介して、複数の層を積層し
て形成されていてもよい。
このような磁性薄膜層は、前述した種々の気相メッキ
法によって形成されうるが、通常、斜め蒸着法によって
形成されることが好ましい。
用いる斜め蒸着法としては、公知の斜め蒸着法を用い
ればよく、基体法線に対する入射角の最小値は、30゜以
上とすることが好ましい。
なお、蒸着条件および後処理法等は、公知の条件およ
び方法に従えばよい。この場合、有効な後処理法として
は、磁性薄膜層中へのO導入のための公知の各種処理等
がある。
なお、磁性薄膜層の表面に金属酸化物の被膜を形成す
るときには、各種酸化処理が可能である。
また、下地層を介して、上記のプラズマ重合膜上に上
述したような磁性薄膜層を設層することもできるが、こ
の場合、用いる下地層としては、アルミニウム、銅、チ
タン、クロム等の合金をイオンプレーティング等によっ
て形成したものであってもよい。
また、樹脂を塗布してもよい。この場合、樹脂層中に
微粒子を含有させることもできる。
なお、本発明の磁気記録媒体に用いられる基板の材質
としては、非磁性プラスチックであれば特に制限はない
が、通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン2,6−ナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、
ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフ
ォン、全芳香族ポリエステル、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド等
を用いる。また、その形状、寸法、厚さには制限はな
く、用途に応じたものとすればよい。
さらに、本発明の磁気記録媒体は磁性薄膜層上に、公
知の種々のトップコート層を有していてもよい。
なお、前述したようなプラズマ重合膜もトップコート
層として用いられうるものである。
また基板裏面(磁性薄膜層を設けていない面)に公知
の種々のバックコート層を設けてもよい。
V 発明の具体的作用効果 本発明によれば、より好ましい態様としてプラズマ処
理された基板上に所定の組成の膜厚5〜80Åのプラズマ
重合膜を有し、このプラズマ重合膜の上に、直接あるい
は下地層を介して気相もしくは液相のメッキ法によって
強磁性金属薄膜層を形成して磁気記録媒体が構成され
る。
そのため耐久性および耐スクラッチ性が格段と向上す
る。
この耐スクラッチ性向上の結果、低温低湿下のスチル
耐久性が大巾に向上するというメリットが生じる。
なおこのような磁気記録媒体は、各種の情報記録媒体
として多岐にわたって用いられるものである。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。
実施例1 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製
の基板を真空チャンバ中に入れ、連続搬送しながら、一
旦10-3Torrの真空に引いた後、処理ガスとしてO2、キャ
リアガスとしてArを用い、O2含有量:10%、流量:50ml/
分にてガス圧0.1Torrに保ちながら100KHzの高周波電圧
をかけてプラズマを発生させ、基板表面をプラズマ処理
した。
このように表面をプラズマ処理した基板あるいは未処
理の基板を用いて、さらに下記の条件にてプラズマ重合
膜を基板上に形成した。
これらのプラズマ重合膜の元素分析はSIMSで測定し、
また膜厚はエリプソメーターで測定した。
結果を表1、表2に示す。
このように形成されたプラズマ重合膜上に下記に示さ
れる強磁性金属薄膜層を形成した。
(強磁性金属薄膜層の形成) 磁性薄膜層1 プラズマ重合膜を設層した基板を円筒上冷却キャンの
周面に沿わせて移動させ、O2+Ar(容積比1:1)を毎分8
00ccの速さで流し、真空度を1.0×10-4Torrとしたチャ
ンバー内で、Co80、Ni20よりなる合金を溶融し、入射角
90゜〜30゜の部分のみ斜め蒸着し、膜厚0.15μmのCo−
Ni−O薄膜を形成した。
磁性薄膜層2 Co−Cr(組成Co 80wt%−Cr 20wt%)を原料として
プラズマ重合膜を形成した基板上に0.2μmの厚さにス
パッタした。
磁性薄膜層3 上記のプラズマ重合膜を形成した基板上に以下の方法
にて無電解メッキを行った。
(1)アクチベーター 蒸留水 55部 濃塩酸 30部 PN−PS(ワールドメタル社) 15部 40℃、1分間 (2)アクセレーター 蒸留水 80部 濃硫酸 20部 室温、1分間 (3)無電解メッキ浴 硫酸コバルト 0.06mol/ 硫酸ニッケル 0.04mol/ 次亜リン酸ナトリウム 0.2 mol/ ロツセル塩 0.5 mol/ ホウ酸 0.2 mol/ 硫安 0.5 mol/ NaOH アルカリ化 pH9.5 70℃、2分間 析出した薄膜の厚さを0.15μmとした。
なお、薄膜中のCo/Ni組成比は6/4であった。
得られたテープを1/2インチ巾に切断し、ビデオテー
プを得た。
これら各サンプルについて特性を測定した。
なお、特性の測定は以下のとおりである。
(1)出力低下 20℃相対湿度60%にてビデオデッキを用いて200バス
走行後の出力低下(dB)を測定した。
(2)耐スクラッチ試験 新東科学(株)製の連続引っかき強度試験機(TYPE−
HEIDON−18)により、引っかききずが入る垂直荷重を測
定した。
評価値としては、プラズマ重合膜を設けていない媒体
サンプルのひっかき垂直荷重Woに対するプラズマ重合膜
を設けた媒体サンプルのひっかき垂直荷重Wの比W/Wo
表示した。
なお、値の評価は、同一磁性層で比較する。
(3)スチル耐久時間 −10℃の環境下で、ビデオ・デッキを用い、スチル状
態で出力が初期と比較して70%低下するまでの時間を調
べた。
これらの結果から、本発明の効果が明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は直流、交流および周波数可変型電源を使用した
プラズマ処理装置の概略図である。 符号の説明 53……混合器 54……直流、交流および周波数可変型電源 57……液体窒素トラップ 58……油回転ポンプ 511,512……処理ガス源 521,522……マスフローコントローラ 561,562……繰り出しおよび巻取りロール

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、CとHとNとOとを含み、Cの
    含有量が30〜90at%であり原子比でH/Cが1/6〜1、N/C
    が1/20〜3/10、O/Cが1/20〜3/10である膜厚5〜80Åの
    プラズマ重合膜を有し、 このプラズマ重合膜の上に、直接あるいは下地層を介し
    て、気相もしくは液相のメッキ法によって形成された強
    磁性金属薄膜層を有することを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】プラズマ処理した基板上に、CとHとNと
    Oとを含み、Cの含有量が30〜90at%であり原子比でH/
    Cが1/6〜1、N/Cが1/20〜3/10、O/Cが1/20〜3/10である
    膜厚5〜80Åのプラズマ重合膜を有し、 このプラズマ重合膜の上に、直接あるいは下地層を介し
    て、気相もしくは液相のメッキ法によって形成された強
    磁性金属薄膜層を有することを特徴とする磁気記録媒
    体。
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