JP2520083B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP2520083B2 JP5222131A JP22213193A JP2520083B2 JP 2520083 B2 JP2520083 B2 JP 2520083B2 JP 5222131 A JP5222131 A JP 5222131A JP 22213193 A JP22213193 A JP 22213193A JP 2520083 B2 JP2520083 B2 JP 2520083B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の製造方
法に関する。さらに詳しくは、耐久性改善のための磁気
記録媒体用ベースフィルムの、所定のプラズマ処理に関
する。
【0002】
【従来の技術】非磁性支持体上に、γ−Fe23 、γ
−Fe24 、Co含有γ−Fe23 等の酸化物系磁
性粉と結合剤とを主体とする磁性層を形成した磁気記録
媒体が出現してすでに久しい。
【0003】また、最近では、記録密度をさらに向上す
る目的で、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Co−N
i、Fe−Co−Ni、Fe−Co−B、Fe−Co−
Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al 、Fe−Co−V
等の強磁性粉と結合剤等から成る磁気記録媒体、さらに
は金属蒸着薄膜やスパッタ薄膜を磁性層とする磁気記録
媒体が実用化され、脚光をあびつつある。
【0004】これらの磁気記録媒体においては、特に磁
気テープおよび磁気ディスクの用途では、摩擦係数が小
さく、円滑で安定な走行性を示すこと、耐摩耗性に優
れ、長時間にわたって安定走行を行ないうること、置か
れた環境条件に対して安定でいつでも確実な再生ができ
ること、耐久性のあること等が強く求められる。
【0005】従来より、耐久性を改善する目的で、種々
のベースフィルムに対する前処理が行なわれてきた。
【0006】前処理としては、薬液処理、コーティング
処理、コロナ放電処理等がある。
【0007】薬液処理法としては、酸、アルカリ処理が
ある。もっとも効果的な薬液処理方法としては、クロム
酸処理液のような強酸/強酸剤の薬液を用いて表面を酸
化させ、カルボニル基やカルボキシル基を導入して表面
をエッチングするものがある。
【0008】しかしながら、薬液処理方法においては、
フィルム表面の洗浄、乾燥が必要のみならず、廃液処理
に多大な投資を必要とすることが欠点である。特に、ク
ロム酸処理は、廃液が公害規制の対象となるので、今日
では利用が少なくなってきている。
【0009】フィルムのコーティング法においては、ア
ンダーコートに含まれるバインダー系と磁性層との相互
作用が必要である。
【0010】すなわち、磁性層の組成の変更があれば、
それに最適なアンダーコーティング組成の選択が必要で
ある。コーティング法においては、このようなソフト技
術が必要のみならず、塗布、乾燥のプロセスを準備する
ことを必要とし、また、コーティング原材料を消費する
ため製品のコストアップが避けられない。
【0011】コロナ放電処理は、ドライプロセスである
ため、洗浄、乾燥や廃液処理のプロセスを必要としない
ことが有利である。
【0012】このコロナ処理は、古くから行なわれてお
り、接着性、ぬれ特性、印刷性の改善効果がある。
【0013】しかし、コロナ処理では、今後ますます要
求が厳しくなる高性能な磁気記録媒体の特性を満足でき
ないという問題がある。
【0014】その他の方法としては、火炎処理があるが
寸法安定性の要求が厳しく磁気記録媒体には利用できな
い。
【0015】このような実状からベースフィルムに対す
るプラズマ処理の提案がなされている。
【0016】プラズマ処理法は、一工程のみから成り、
ドライプロセスであるので乾燥、廃液処理が必要でな
く、バインダー等の原材料を消費しないという利点があ
る。さらに、プラズマ処理法は、高速での連続生産が可
能であるため、磁気記録媒体製造工程に容易に組み込む
ことができ、その生産性を阻害しない。
【0017】ベースフィルムに対するプラズマ処理とし
ては、例えば、特公昭57−42889号には、空気、
酸素、窒素、水素、ヘリウム、アルゴン等を処理ガスと
して、ラジオ波あるいはマイクロ波の周波数のプラズマ
で処理する技術が開示されている。
【0018】また、特開昭58−77030号には、酸
素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、あるいは窒素を処理
ガスとして、商用周波数にて所定の印加電流でプラズマ
処理する技術が開示されている。
【0019】これらプラズマ処理によれば、磁性層との
接着力が向上し、耐久性が向上する。
【0020】しかし、接着強度および耐久性の点では未
だ不十分である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐久
性と磁性層の接着強度とが格段と向上した、プラズマ処
理を施したベースフィルムを用いた磁気記録媒体の製造
方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(4)の本発明により達成される。 (1)酸素を含む無機ガスを処理ガスとし、10KHz 〜
200KHz の周波数でベースフィルムをプラズマ処理
し、ベースフィルム表面にカルボニル基とエーテル基と
を新たに生成させた後、ベースフィルム上に、直接ある
いは下地層を介して金属薄膜型の磁性層を形成する磁気
記録媒体の製造方法。 (2)無機ガス中の酸素含有量が5〜100at% である
上記(1)の磁気記録媒体の製造方法。 (3)前記金属薄膜が、鉄、コバルトおよびニッケルま
たはそれらの合金を含み、真空蒸着、イオンプレーティ
ング、スパッタリングまたはメッキ法にて形成したもの
である上記(1)または(2)の磁気記録媒体の製造方
法。 (4)前記ベースフィルムが、ポリエステルである上記
(1)ないし(3)のいずれかの磁気記録媒体の製造方
法。
【0023】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0024】本発明の製造方法による磁気記録媒体に用
いられるベースフィルム材質としては、非磁性プラスチ
ックであれば特に制限はないが、通常は、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル等を用いる。また、そ
の形状、寸法、厚さには制限はなく、用途に応じたもの
とすればよい。
【0025】このようなベースフィルムの少なくとも磁
性層形成面には、プラズマ処理が施される。
【0026】プラズマ処理法は、処理ガスとして無機ガ
スを用い、このガスの放電プラズマをベースフィルムに
接触させることによりベースフィルム表面をプラズマ処
理するものである。
【0027】原理について概説すると、気体を低圧に保
ち電場を作用させると、気体中に少量存在する自由電子
は、常圧に比べ分子距離が非常に大きいため、電界加速
を受け5〜10eVの運動エネルギー(電子温度)を獲得
する。
【0028】この加速電子が原子や分子に衝突すると、
原子軌道や分子軌道を分断し、これらを電子、イオン、
中性ラジカルなど、通常の状態では不安定の化学種に解
離させる。
【0029】解離した電子は再び電界加速を受けて、別
の原子や分子を解離させるが、この連鎖作用で気体はた
ちまち高度の電離状態となる。そしてこれはプラズマガ
スと呼ばれている。
【0030】気体分子は電子との衝突の機会が少ないの
でエネルギーをあまり吸収せず、常温に近い温度に保た
れている。
【0031】このように、電子の運動エネルギー(電子
温度)と、分子の熱運動(ガス温度)が分離した系は低
温プラズマと呼ばれ、ここでは化学種が比較的原型を保
ったまま重合等の加成的化学反応を進めうる状況を創出
しており、本発明はこの状況を利用してベースフィルム
をプラズマ処理しようとするものである。なお低温プラ
ズマを利用するため、ベースフィルムの熱影響は全くな
い。
【0032】プラズマにより、ベースフィルム表面を処
理する装置例が図1に示してある。図1は、周波数可変
型の電源を用いたプラズマ処理装置である。
【0033】図1において、反応容器Rには、処理ガス
源1または2から処理ガスがそれぞれマスフローコント
ローラ3および4を経て供給される。ガス源1または2
から別々のガスを供給する場合は、混合器5において混
合して供給する。
【0034】処理ガスは、各々1〜250ml/分の流量
範囲をとりうる。
【0035】反応容器R内には、被処理ベースフィルム
支持装置が設置され、ここでは磁気テープ用のフィルム
の処理を目的として、繰出しロール9と巻取りロール1
0とが示してある。
【0036】被処理磁気記録媒体用ベースフィルムの形
態に応じて様々の支持装置が使用でき、例えば載置式の
回転支持装置が使用されうる。
【0037】被処理ベースフィルムを間に挟んで対向す
る電極7、7′が設けられており、一方の電極7は周波
数可変型の電源6に接続され、他方の電極7′は8にて
接地されている。
【0038】さらに、反応容器R内には、容器内を排気
するための真空系統が配備され、そしてこれは液体窒素
トラップ11、油回転ポンプ12および真空コントロー
ラ13を含む。これら真空系統は反応容器内を0.01
〜10Torrの真空度の範囲に維持する。
【0039】操作においては、反応容器R内がまず10
-3Torr以下になるまで油回転ポンプにより容器内を排気
し、その後処理ガスが所定の流量において容器内に混合
状態で供給される。
【0040】このとき、反応容器内の真空は0.01〜
10Torrの範囲に管理される。
【0041】被処理ベースフィルムの移行速度ならびに
処理ガスの流量が安定すると、周波数可変型電源がオン
にされる。こうして、移行中のベースフィルムがプラズ
マ処理される。
【0042】このようなプラズマ処理において、本発明
では、処理ガスとして、酸素を含む無機ガスを用いる。
【0043】この場合、無機ガス中の酸素含有量は5〜
100at% である。これは、5at%未満となると、本発
明の実効がなくなるからである。
【0044】なお、無機ガス中に酸素以外のガスが含ま
れる場合、含有ガスは、アルゴン、ネオン、ヘリウム、
窒素、水素等の1種ないし2種以上いずれであってもよ
い。また、無機ガスとして空気を用いてもよい。
【0045】さらに、電源の周波数は、10KHz 〜20
0KHz とされる。
【0046】周波数10KHz より小、ないし200KHz
より大となると、耐久性が急激に減少し、接着強度が急
激に低くなる。
【0047】なお、印加電流、処理時間等は通常の条件
とすればよい。
【0048】このような処理により、ベースフィルム表
面に存在するベンゼン環等にカルボニル基やエーテル基
が新たに生成する。このような基の生成は、ESCA分
析により確認することができる。
【0049】このように、プラズマ処理を施されたベー
スフィルムの表面に形成される磁性層としては、種々の
ものが可能である。
【0050】例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の磁性
金属ないしそれらの合金を、真空蒸着、イオンプレーテ
ィング、スパッタリング、メッキ等の手段によって被着
するものである。
【0051】そして、これらの磁性層は、ベースフイル
ムのプラズマ処理面上に直接形成してもよく、あるいは
下地層を介して設層してもよい。
【0052】下地層としては、アルミニウム、銅、チタ
ン、クロム等の合金をイオンプレーティング、真空蒸
着、スパッタリング等によって形成したものであっても
よい。
【0053】また、樹脂を塗布してもよい。この場合、
樹脂層中に微粒子を含有させることもできる。
【0054】
【作用】本発明の製造方法による磁気記録媒体は、各種
の用途に用いられる。
【0055】本発明によれば、処理ガス中の酸素分圧と
プラズマ周波数を特定範囲に制御するので、耐久性が臨
界的に向上する。特に、スチル特性が格段と向上し、耐
久走行性が格段と向上する。
【0056】また、直接ないし下地層を介して設層され
る各種磁性層との接着強度も格段と向上する。
【0057】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0058】実施例1 10μm のポリエチレンテレフタレート(PET)製の
ベースフイルムに対して、アルゴン、酸素およびこれら
の混合ガスを処理ガスとしてプラズマ処理した。
【0059】プラズマ処理条件は次の通りとした。
【0060】ガス流量:100ml/分 Ar、O2 の単独ガス、ArとO2 の混合ガスのいずれ
にても100ml/分の一定量とする。 真空度 :0.5Torr 電 源:60Hz〜2.45GHz 、直流200W ベースフィルム走行速度:30m/分
【0061】この処理されたポリエステルフィルムに、
Co 80wt% とNi 20wt% のインゴットから0.
1μm の磁性層を、酸素含有雰囲気中で斜め蒸着し磁気
記録媒体を作製した。
【0062】実施例2 実施例1と同一条件で処理したベースフィルム(10μ
m のポリエステルフィルム)上にCo−Ni(組成Co
95wt% −Ni5wt% )を原料として0.1μm の厚さ
にスパッタした磁気テープを作製した。
【0063】比較例1 10μm のポリエステルベースフィルムに対してコロナ
放電処理を実施した。コロナ放電処理は、ピラー社製コ
ロナ処理機P−500VAを用いてフィルム処理速度3
0m/分、電圧200V で実施した。
【0064】このコロナ放電処理ベースフィルムに対し
て、実施例1および2と同一方法でそれぞれ蒸着テー
プ、スパッタテープを作製した。
【0065】比較例2 実施例1において処理ガスをN2 とした。その他の条件
は実施例1と同一として蒸着テープを塗布型磁気テープ
を作製した。
【0066】比較例3 比較例2と同一条件で処理したベースフィルム上に実施
例2の条件でスパッタ磁気テープを作製した。
【0067】実験例 実施例1および2と比較例1〜3のサンプルについて次
の試験を実施した。
【0068】(イ)スチル時間 VTRで静止画像を再生したときに画像が出なくなるま
での時間として測定した。
【0069】(ロ)接着強度 作成したテープを1cm×1cmに切断する。接着試験とし
て底が1cm×1cmで長さ5cmの鉄製の四角柱の底にエポ
キシ樹脂をつけ、テープをはる。テープの上面にエポキ
シ樹脂をつけ、その上に底が1cm×1cmで長さ5cmの鉄
製の四角柱をはりつける。次いで、エポキシ樹脂が硬化
後、テンシロン装置を用いて、上下の四角柱を引っ張
り、そのときの剥離箇所を調べる。
【0070】磁性層とベースフィルム面との剥離を×と
し、磁性層とベースフィルム面は剥離せず、エポキシ樹
脂接着面の剥離またはベースフィルムが破壊した場合を
○で示した。
【0071】(ハ)接触角 接触角計CA−P型(協和化学製)を用いて水の液滴投
影法により測定した。
【0072】実施例1、2および比較例1で得られた蒸
着およびスパッタテープのスチル時間を図2に示す。
【0073】図2において、●印、×印および□印によ
るプロットは、実施例1の蒸着テープに対するもの〔●
印は20KHz プラズマ処理、×印はRF(13.56MH
z )プラズマ処理、□印はマイクロ波(2.45GHz )
プラズマ処理〕、◇印、○印および◎印によるプロット
は実施例2のスパッタテープに対するもの〔◇印は50
KHz プラズマ処理、○印はRF(13.56MHz )プラ
ズマ処理、◎印はマイクロ波(2.45GHz )プラズマ
処理〕、△印および▲印によるプロットは比較例1のコ
ロナ処理に対するもの(△印はスパッタテープに対する
もの、▲印は蒸着テープに対するもの)である。
【0074】なお、マイクロ波プラズマ処理は公知の方
式に従った。
【0075】また、表1に、実施例1(蒸着)および実
施例2(スパッタ)により得られたサンプルのO2 含有
量と接着強度との関係、および周波数と接着強度との関
係を示す。
【0076】
【表1】
【0077】図2および表1より、10〜200 KHzの
周波数でプラズマ処理するときの処理ガス中の酸素ガス
含有量が5at% 以上であると、接着強度、スチルに大き
な改善効果が得られることが認められる。
【0078】そこで、この原因を究明するために、プラ
ズマ処理したポリエステルフィルムの接触角を測定した
結果を図3に示す。この図において、●印によるプロッ
トは、100KHz プラズマ処理に対するもの、○印によ
るプロットはRF(13.56MHz )プラズマ処理に対
するもの、△印はコロナ処理に対するものである。
【0079】また、フィルム表面をESCA分析した結
果を図4に示す。
【0080】図4において、△はベンゼン環の、●はエ
ーテル基の、○はカルボニル基の、それぞれの条件でベ
ース処理した後のピークカウント数(Keps)から処
理前のピークカウント数(Kcps)を引いた値を示
す。
【0081】図4より明らかなように本発明の処理条件
〔O2 25at% ,100kHz 〕ではポリエステルの炭素
のC=Oに帰属される289eVのピークおよびC−O−
に帰属される286.4eVのピークが大きく増加し、さ
らにベンゼン環に帰属される285eVのピークが減少し
ていることが観測された。
【0082】このことにより、PET中のベンゼン環に
カルボニル基やエーテル基が新しく生成したことが示さ
れる。
【0083】また、この傾向は処理ガス中のO2 含有量
5at% 以上および周波数10〜200KHz で著しい。
【0084】以上により、10〜200KHz にてプラズ
マ処理する際の処理ガス中の酸素の含有量が5at% 以上
になると、官能基の生成が著しくなり、接触角が低下し
ぬれやすくなることが分る。また、プラズマ処理により
表面が浄化され、WBL( Weak Boundary Layer )が除
去される。
【0085】これらの効果により、接着力、スチル時間
が大幅に改善される。
【0086】さらに、蒸着およびスパッタテープのスチ
ル時間を図5に示す。この図において、●、○、◇、
◎、×、□、△印によるプロットは、それぞれ実施例1
中における、O2 10at% ,Ar100at% 、実施例2
中におけるO2 10at% 、Ar100at% 、および比較
例2、3、1に対するものである。図5および前記表1
から、O2 を所定の基とし、特に周波数が10KHz 〜2
00KHz の範囲でプラズマ処理したポリエステルベース
フィルムを使用して磁気記録媒体を作製すると、接着強
度が増大し、スチル時間が延長されることが分る。
【0087】そこで、再びこの原因を究明するために、
プラズマ処理されたポリエステルフィルムの接触角を測
定した。
【0088】この場合も、フィルム表面の接触角の急激
な低下により、表面のぬれ性が向上され、それがプラズ
マ処理による表面の浄化と相俟って接着強度を向上さ
せ、スチル時間を延長させていることが判明した。
【0089】以上説明した通り、今後ますます厳しい品
質要件と耐久性を要求される金属薄膜型磁気記録媒体に
対して、本発明の製造方法は、ベースフィルム表面をい
ままでとは異なる方法により処理することで、この要求
に充分答えうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】直流、交流および周波数可変型電源を使用した
プラズマ処理装置の概略図である。
【図2】処理ガス中の酸素含有量とスチル時間との関係
を示すプロット図である。
【図3】処理ガス中の酸素含有量と接触角との関係を示
すプロット図である。
【図4】ベースフィルム表面のカルボニル基、エーテル
基およびベンゼン環の増減を示すESCA分析結果のプ
ロット図である。
【図5】プラズマ周波数とスチル時間の関係を示すプロ
ット図である。
【符号の説明】
1、2 処理ガス源 3、4 マスフローコントローラ 5 混合器 6 直流、交流および周波数可変型電源 7、7′ 電極 9、10 繰出しおよび巻取りロール 11 液体窒素トラップ 12 油回転ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 佳子 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−77030(JP,A) 特開 昭60−228545(JP,A) 特開 昭59−167830(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素を含む無機ガスを処理ガスとし、1
    0KHz 〜200KHzの周波数でベースフィルムをプラズ
    マ処理し、ベースフィルム表面にカルボニル基とエーテ
    ル基とを新たに生成させた後、 ベースフィルム上に、直接あるいは下地層を介して金属
    薄膜型の磁性層を形成する磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 無機ガス中の酸素含有量が5〜100at
    % である請求項1の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属薄膜が、鉄、コバルトおよびニ
    ッケルまたはそれらの合金を含み、真空蒸着、イオンプ
    レーティング、スパッタリングまたはメッキ法にて形成
    したものである請求項1または2の磁気記録媒体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記ベースフィルムが、ポリエステルで
    ある請求項1ないし3のいずれかの磁気記録媒体の製造
    方法。
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