JP2522684Y2 - 操作台等の床材取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は操作台等の床材取付構造に係り、特に原子力
発電所やクリーンルーム等に設置される操作台を構築す
るための床材取付構造の改良に関する。

【従来の技術】

従来、原子力発電所やクリーンルーム等では塵埃を嫌
うため、操作台の床材にはグレーチングを用いた構造と
なっている。この種の床材取付構造は基本的には、第９
図に示すような構造とされる。すなわち、角型鋼管製の
フレーム１をグレーチング２の外周形状に合せて形成
し、このフレーム１の上面に取付ボルト３を溶接して固
定立設する。グレーチング２の端部下面をフレーム１の
上面に載せるようにしてボルト３の位置にグレーチング
２の端部を合せる。これによりボルト３はグレーチング
２の透孔の内部に収まる。そして、グレーチング２の上
面側からガルウィング状の押え金具４を装着してグレー
チング２の位置決めをなし、座金５、ナット６により固
定するようにしている。第10図はこの取付構造による組
み付け状態の断面図である。グレーチング２の中間部の
下面を支持するために、フレーム１の中間部にはフレー
ム１と同様の角型鋼管からなる受け梁７がグレーチング
２を横断する方向に渡し掛け、グレーチング２を支承す
るようにしている。 第11図はグレーチング２をフレーム１の内周面側に支
持させるようにしたもので、このためフレーム１の内側
面には支持ブラケットによる台座８を溶接し、これに前
記ボルト３を立設してグレーチング２の固定を図ってい
る。また、この種の操作台には、手摺り９を取り付ける
が、これは一般的には、第10図〜第11図に示すように、
フレーム１の上面に取り付けられるものの、第12図に示
したように、フレーム１の外側面に取り付けるようにし
た構造も採用されている。

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記従来の床材取付構造では、フレーム
１、受け梁７、台座８、手摺り９等と、グレーチング２
の重なり部分への塵埃の堆積があり、また、この堆積し
た塵埃の除塵作業に多くの手間がかかる問題があった。
また、この種の構造では、グレーチング２の床面積の増
加により、フレーム１や受け梁７の大型化の問題があっ
た。更に、押え金具４のグレーチング２敷設後の位置合
せ作業の困難さ、手摺り９の取付構造の多様化の問題が
あった。 本考案は、上記従来の問題点に着目し、特に塵埃の付
着が少なく、清掃作業が容易な構造とした操作台等の床
材取付構造を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係る床材取付構
造は、グレーチング等床材の外周に沿うフレームを設
け、このフレームに設けた支持材によって前記床材を支
承するようにした床材取付構造において前記フレームの
内側に床材下面を支持する支持材を取り付けるととも
に、この支持材を円筒状に形成したものである。

【作用】

上記構成によれば、支持材が円筒形状とされているの
で塵埃付着面積が小さくなり、また徐塵作業も容易にな
る。しかも、支持材を円筒体とすることにより軽量化を
図ることができる。

【実施例】

以下に本考案に係る操作台等の床材取付構造の実施例
に付き、図面を参照して詳細に説明する。 第１図〜第５図に原子力設備の操作台に適用した実施
例の床材取付構造を示す。これらの図に示すように、床
材としてのグレーチング10は平面形状が矩形となってお
り、このグレーチング10の外周を取囲むように矩形に枠
組みされたフレーム12の内側に収容される。フレーム12
は角型鋼管から構成されている。グレーチング10をフレ
ーム12の内側に収容保持させるために、フレーム12の内
側面にはグレーチング10の下部に突出する支持金具14が
所定間隔で設けられているとともに、グレーチング10の
中間部を支持する受け梁16がフレーム12の長辺間に渡し
掛けられている。これら支持金具14と受け梁16にグレー
チング10の下面を載置させることにより、グレーチング
10とフレーム12の上面が同一平面をなすように設定され
る。 ここで、前記支持金具14は、第２図および第３図に示
すように、短尺円筒体によって形成され、基端ピン部18
をフレーム12の側面に差込んで溶接してフレーム12に一
体結合している。このような支持金具14はフレーム12の
内周面に複数取り付けられるが、フレーム12のコーナ近
傍に位置している支持金具14Aにはグレーチング10を位
置決め固定するための床材固定具20が設けられ、これは
支持金具14Aの管軸方向に位置移動可能に取り付けられ
ている。この構造を第４図に示す。支持金具14Aはフレ
ーム12に貫通する雌ねじ管として形成され、これにねじ
軸22が螺着され、さらにねじ軸22の先端に金具台24を一
体に設けている。そして、金具台24にはグレーチング10
の固定用取付ボルト26がその表面から突出するように立
設固定されている。この取付ボルト26はグレーチング10
の透孔内に挿通され、グレーチング10の上面から装着さ
れる押え金具28に貫通させつつナット30により締め付け
ることでグレーチング10の固定保持をなすようにしてい
る。したがって、支持金具14Aでは、これに取り付けら
れたグレーチング10の固定具を前記金具台24の螺進によ
り支持金具14Aの管軸方向に位置移動させて最適位置で
のグレーチング固定ができるようになっている。 一方、フレーム12の長辺部間に渡し掛けられた受け梁
16も、第５図に示したように、円筒管により形成され、
これはその管端をフレーム12の内側面に溶接結合してフ
レーム12と一体化している。 また、操作台には手摺り32が設けられるようになって
おり、第２図〜第３図に示すように、これはフレーム12
の上面に立設固定された受けピン34を溶接固定し、これ
にパイプ支柱36の下端を嵌着して取り付けるようにして
いる。この嵌合部には側面から取付ボルト38を貫通さ
せ、ナット40により連結させている。支柱36の下部には
トウプレート42がフレーム12の全周にわたって取り付け
られている。 このように構成された床材取り付け構造によれば、グ
レーチング10の支承部材である支持金具14、14Aや受け
梁16を円筒部材によって形成しているので、塵埃の付着
面積が小さくなり、かつその上面形状が円弧面であるた
め、徐塵作業も容易になる。また、グレーチング10の固
定具は金具台24が支持金具14Aに対し位置移動が可能で
あるため、位置決めを簡単に行なうことができ、グレー
チング10の据え付け作業が容易になる。更に、グレーチ
ング支承部材を円筒体としているので、構造部材の軽量
化が図れる利点も得られる。 また、特にこの実施例では、手摺り32に対しても、パ
イプ支柱36を受けピン34に嵌着させればよいため、フレ
ーム12への溶接作業が不要となり、直接支柱36を溶接す
る場合に比較して手摺り構造の多様化に応じることがで
きるようになっている。 次に第６図〜第８図に他の実施例を示す。これは支持
金具14の先端にフランジ44を設けてグレーチング10の位
置ずれを防止するようにし（第６図）、支持金具14の高
さをフレーム12の下部側に設定し（第７図）、あるいは
受け梁16にグレーチング10の透孔に挿通される突起46を
設けてこれによってグレーチング10の位置ずれを防止
（第８図）するようにしたものである。かかる構成によ
っても、前記実施例と同様な効果が得られるのはもちろ
んである。

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る操作台等の床材取
付構造によれば、支持材を円筒状に形成して複数設けて
いるので、塵埃の付着が少なく、清掃作業が容易な構造
であるとともに、フレーム構成部材の軽量化が図れる構
造とすることができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例に係る操作台の平面図、第２図は支持金
具の取り付け部分の断面図、第３図は第２図の側面図、
第４図は固定具を備えた支持金具の取り付け部分の断面
図、第５図は受け梁部分の断面図、第６図は第二実施例
の支持金具の取り付け部分の断面図、第７図は第三実施
例の同断面図、第８図は第四実施例の受け梁部分の断面
図、第９図は従来のグレーチングの固定構造の分解図、
第10図は従来のグレーチング取付構造の部分断面図、第
11図は他の従来例の部分断面図、第12図は更に他の従来
例の部分断面図である。 10……グレーチング、12……フレーム、14、14A……支
持金具、16……受け梁、20……床材固定具。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】グレーチング等床材の外周に沿うフレーム
   を設け、このフレームに設けた支持材によって前記床材
   を支承するようにした床材取付構造において前記フレー
   ムの内側に床材下面を支持する支持材を取り付けるとと
   もに、この支持材を円筒状に形成したことを特徴とする
   操作台等の床取付構造。